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土木・建設
 
【考案の名称】防水具およびこれを備えた浴室建具の防水構造。
【実用新案権者】
【識別番号】307034139
【氏名又は名称】鎌田 興治
【住所又は居所】群馬県桐生市菱町1−3414−1
【考案者】
【氏名】鎌 田 興 冶
【住所又は居所】群馬県桐生市菱町1−3414−1
【要約】(修正有)
【課題】
浴室ドアの建具枠と浴室ドアとの間で形成されるシール構造の止水ラインを越えて水が浴室側から脱衣室床に漏水することを防止するための防水具とこれを備えた浴室建具の防水構造を提供する。
【解決手段】
防水具1は板状の水平片2と板状の垂直片3とで形成されるL字状の部材からなり、前記防水具1を前記建具枠4の脱衣室側下部コーナー部の水平面11に前記水平片2を当接し、前記コーナー部の垂直面9,10に前記垂直片3を当接させた状態で固定させて、前記止水ラインを越えて、前記建具枠4の垂直面9,10を伝って流下する水および、前記建具枠4の水平面11上を伝って溢れ出てくる水を、前記水平片2および垂直片3で塞き止める防水具1とこれを備えた浴室建具の防水構造になっている。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
浴室ドアの建具枠と前記浴室ドアとの間で形成されるシール構造の止水ラインを越えて浴室側から脱衣室床に漏水することを防止するための防水具であって、
板状の水平片と板状の垂直片とで形成されるL字状の部材からなり、前記建具枠の脱衣室側下部コーナー部の水平面に前記水平片を当接し、前記コーナー部の垂直面に前記垂直片を当接させた状態で固定され、
前記建具枠の垂直面を伝って流下する水および、前記建具枠の水平面上を伝って溢れ出てくる水を、前記水平片および垂直片で塞き止めることを特徴とする防水具。
【請求項2】
前記防水具は、漏水を防止する側の面が平らに形成されており、前記水平片の長手方向の左右いずれかの片側側面と前記垂直片の長手方向の片側側面とが同一面上にあり、また前記垂直片の長手方向の片側側面は前記建具枠の垂直面を伝って流下する水を防水する幅の広い面とし、前記水平片の長手方向の片側側面は前記建具枠の水平面上を伝って溢れ出てくる水を防水する幅の狭い方の面で形成されていることを特徴とする前記請求項1に記載の防水具。
【請求項3】
前記防水具は、前記建具枠の垂直面の形状に合わせて当接させるため、前記垂直面と前記防水具の垂直片との当接面に段差がなく平らの場合は、前記垂直片の端面と前記水平片の端面とが同一面上にある形状を有した前記防水具を使用することを特徴とする前記請求項1、2に記載の防水具。
【請求項4】
前記防水具は、前記建具枠の垂直面の形状に合わせて当接させるため、前記垂直面と前記防水具の垂直片との当接面に垂直方向のくぼみ状の段差がある場合は、前記垂直片の端面が前記水平片の端面より飛び出して形状を有した前記防水具を使用することを特徴とする前記請求項1、2に記載の防水具。
【請求項5】
前記防水具は、材料がプラスチック材、非鉄金属材料および金属材料のいずれかで構成されており、必要要件に応じて前記材料のいずれかを選定することが可能であることを特徴とする前記請求項1,2,3または4に記載の防水具。
【請求項6】
前記防水具を開閉可能な浴室ドア、引戸、折戸等が設けられた浴室またはシャワー室の前記建具枠の脱衣室側下部コーナー部の水平面に前記水平片を当接し、前記コーナー部の垂直面に前記垂直片を当接させた状態で固定され、前記建具枠の垂直面を伝って流下する水および、前記建具枠の水平面上を伝って溢れ出てくる水を、前記水平片および垂直片で塞き止めることを特徴とする前記請求項1,2,3,4または5に記載の防水具を備えた浴室建具の防水構造。
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5または6に記載の防水具を前記建具枠の脱衣室側下部コーナー部に備えたことを特徴とする浴室建具の防水構造。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、開閉可能な浴室ドア、引戸、折戸等を設けてある浴室またはシャワー室における脱衣室床への漏水を防止するための防水具およびこれを備えた浴室建具の防水構造に関するものである。
【背景技術】
本考案は、自宅浴室における脱衣室床への漏水という問題提起をきっかけに全く新しい発想で考えた末、生まれたものである。
従来の浴室建具のシール構造としては、浴室の出入り開口部に開口枠体が設けられ、その内周に弾力性を有するパッキン体があり、浴室ドアが密閉されることによって開口部における防水性が保持される構造 (例えば、特許文献1参照。) になっているのが一般的である。しかし、当構造の場合は熱膨張を伴う繰返し応力等によりシール部材の劣化が起こり、本来の防水機能が損なわれ易いという弱点がある。
従来の浴室建具のシール構造の構成としては、一般的に浴室建具構造の一部あるいは浴室ドア構造の一部(例えば、特許文献2参照)に組み込まれた方式を採用している場合が多い。また機能上そのシール部材は軟質弾力性を有する材質を要件としているため劣化等により防水機能が損なわれ易く、このような場合、その防水機能を回復させるには簡単な修復が難しく建具としての更新・改修を伴う場合が多い。
【特許文献1】
実開平6−14267号公報
【特許文献2】
特開平9−96176公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の防水具は、浴室における脱衣室床への漏水という問題に対して、防水機能が浴室建具の一体構造として組み込まれている場合においては、浴室建具の防水機能部分が経年変化や繰返し応力等により劣化し防水機能が損なわれた場合、簡単に修復が困難という問題がある。このような場合、ユーザーが必要とする時に何時でも、簡単に、しかも手軽に後付けで目的とする防水機能を回復させて問題を解決することを課題としている。
従来技術においては、浴室建具のシール構造部分に使用されているパッキン体はゴム、軟質樹脂、発泡スチロール等の軟質弾力性を有する材質が一般的である。しかし、この種の材質は経年変化や熱を伴う繰返し応力等によりパッキン体としての機能が低下し防水機能が損なわれ易い。本考案の防水具およびこれを備えた浴室建具の防水構造は、このような場合をも包含した上で脱衣室床への漏水を防止するという基本機能を満足させることを課題としている。
本考案の防水具は後付けも可能とするため、その取付け要件としては、小さく、邪魔にならず、簡単に取付け可能とした上で、脱衣室床への漏水を確実に防止するという基本機能を満足させる必要がある。このため、防水のメカニズムの解明を踏まえた上で防水具の水平片および垂直片の形状ならびに大きさ等を適切にした防水具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
本考案の防水具は、浴室ドアの建具枠と浴室ドアとの間で形成されるシール構造の止水ラインを越えて浴室側から脱衣室床に漏水することを防止するための防水具であって、板状の水平片と板状の垂直片とで形成されるL字状の部材からなり、建具枠の脱衣室側下部コーナー部の水平面に前記水平片を当接し、前記コーナー部の垂直面に前記垂直片を当接させた状態で固定され、前記建具枠の垂直面を伝って流下する水および、前記建具枠の水平面上を伝って溢れ出てくる水を、前記水平片および垂直片で塞き止める防水具とこれを備えた浴室建具の防水構造を特徴としている。
前記、軟質弾力性を有するパッキン体の弱点を解決するため本考案の防水具の材質は、軟質弾力性を伴わないプラスチック材、アルミ材、ステンレス材等の材料を使用し熱変形や耐久劣化等による機能低下を予防する。本防水具は硬い材料のため安全面に十分配慮し極力小さな物品とする。また、取付け部位も脱衣室側の建具枠下部コーナー部で、いわゆるデッドスペースであり浴室への入出に当たり防水具が邪魔になることはなく、前記記載の硬い材料でも安全性が十分確保されている。
前記、防水機能が劣化した場合における簡単な修復が困難という問題に対して、本考案の防水具は建具構造とは独立した後付け可能な汎用性のある単独物品としても使用可能である。浴室ドアの建具枠への当接に当たっては、前記建具枠の取付け部位の当接面の形状に適合可能とするため防水具の取付け部位の端面形状の異なる2種類の防水具を提供する。また本防水具は後付けの場合と同様、建具構造に備えた場合においても防水機能に対しては同様の作用・効果がある。本防水具は浴室ドアの他、引戸、折戸等を設けてある浴室またはシャワー室の建具の場合にも適用可能である。
【考案の効果】
本考案の防水具とこれを備えた浴室建具の防水構造は、既存の浴室建具のシール構造の防水機能が不十分または劣化等により脱衣室床への漏水が起こる場合においても、これを補完し脱衣室床への漏水を防ぐことができる。本防水具の適用方法は、後付の単独物品として使用する方法と浴室建具の製作時点で浴室建具の防水構造部品の一部に反映する方法とがある。いずれの場合においても脱衣室床への漏水を防止するという機能に対しては同様の効果が得られる。一方法としての後付の場合は,取付けが簡単で、汎用性もあり、誰でも手軽に取り付けて目的とする脱衣室床への漏水を防止することができるという利点がある。
本防水具の材質は軟質弾力性を特に必要としないプラスチック材、アルミ材等の材料を使用するため熱変形および耐久劣化等による防水機能の低下が発生し難い。その上、使用方法においてもドア開閉による直接応力を受けないため防水具が変形し防水機能が低下することもなく、継続的に安定品質を提供できるという利点がある
【考案を実施するための最良の形態】
以下に、添付図面を参照して、本考案の防水具を一実施形態に係る浴室建具の防水構造に適用した場合について順を追って説明する。
図1は本考案の防水具1の斜視図である。防水具1はL字状の形状を有しており、左右対称形状の関係にある左用と右用とがある。防水具1にはAタイプとBタイプとがあるが、図1はAタイプ防水具で、図1(a)はAタイプ防水具の左用の斜視図、図1(b)は右用の斜視図である。防水具1の大きさは厚さが数ミリ、片長が数十ミリ程度の手の平サイズの小さな物品である。
図1の斜視図において、防水具1は水平片2と垂直片3とで形成されており、その位置関係は図1(a)の垂直片3の側面3Bが水平片2の側面2Bと同一面上にあるものと、図1(b)の垂直片3の側面3Aが水平片2の側面2Aと同一面上にあるものとがある。前者が左用、後者が右用で互いは左右対称形状の関係にある。その呼名は脱衣室側より見た区分である。また垂直片3の端面3Cと水平片2の端面2Cとは同一面上にある。
図2はAタイプ防水具の左用の平面図(a)と左側面図(b)である。Aタイプ防水具とBタイプ防水具の違いは垂直片3の端面3Cが水平片2の端面2Cと同一面上にあるか、端面2Cより飛び出しているかであり、前者がAタイプ(図2)、後者がBタイプ(図3)である。Aタイプ防水具とBタイプ防水具との形状の違いは防水具を建具枠の脱衣室側下部コーナー部に浴室ドアの建具枠の当接面の形状に合わせて当接させる要件を満たすためであり、浴室建具構造に合わせAタイプ防水具とBタイプ防水具とを使い分けて使用する。
図3はBタイプ防水具の左用の平面図(a)と左側面図(b)である。右用はAタイプ防水具と同様、垂直片3の側面3Aが水平片2の側面2Aと同一面上にあり、左用と右用とは左右対称形状の関係にある。
本防水具の材料は軟質弾力性を必要としないプラスチック材料、アルミ等の非鉄金属材料、およびステンレス等の金属材料の使用が可能である。材料の選定に当たってはプラスチック材料の場合は耐水性、耐薬品性(具体例:浴室で使用される洗剤・薬品との相性アンマッチによる溶解・応力クラック等)等に注意する必要がある。具体的なプラスチック材料としては熱可塑性樹脂としての汎用プラスチック(例:ポリプロピレン)、また使用環境が厳しいところではエンジニアリングプラスチック(例:ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート等)より選定する。また非鉄金属材料・金属材料を使用するに当たっては建具枠の材料との間で電蝕が起きないようにイオン化傾向の類似した材料・材質(同一材質が最適)の選定が重要である。
図4の(a)は左用の防水具1を建具枠4に当接する前の段階の斜視図である。防水具1の取付けは建具枠4の脱衣室側下部コーナー部で、建具枠4の脱衣室側の垂直面9、垂直面10、および水平面11に防水具1の垂直片3の端面3C、垂直片3の側面3A、および水平片2の底面を当接させた状態で固定する。建具枠4の垂直面9の当接面に図(a)の様にくぼみ状の段差がある場合にはBタイプ防水具(図3)を使用する。防水具1を後付けで当接させて固定するに当たってはバスボンド等の接着剤を使用する。
図4の(b)は前記Bタイプ防水具を建具枠4に当接させた取付状態を示す斜視図である。(通常は建具枠の脱衣室側下部両コーナー部に左用、右用の防水具を当接させるが、図4は左用の防水具1を当接させた状態を示す。)図示の様に防水具1は前記の建具枠4の垂直面9、垂直面10、および水平面11の下部コーナー部に防水具1の垂直片3の端面3C、垂直片3の側面3A、および水平片2の底面を当接させる。防水具1の当接位置は浴室ドア5の脱衣室側である。防水具1は前記記載のように小さな物品であり浴室ドア枠5Bの片隅にすっぽり隠れてしまう程度の小さな物品である。
本防水具は前記に記載のように汎用性のある後付けを可能とするものであるが、浴室建具の防水構造部品として備えた場合でも防水機能は変わるものではない。また本防水具は浴室ドアの他、折戸、引戸を設けてある浴室またはシャワー室の建具の防水具としての用途以外に同様構造を持つ建具への適用も可能である。例えば、外部より風雨に曝される屋外用ドア等の建具枠の下部コーナー部に備え室内への水の浸入を防ぐ場合等である。
図5は前記Bタイプ防水具1を建具枠4に当接させた状態の横断面図である。本来の防水機能としては建具枠4の側面4Aと浴室ドア5の側面5Aとの間を通じて流下する水は浴室ドア5とパッキン体6によって遮蔽される。しかし、パッキン体6の劣化等によりシール機能が劣化した場合は、浴室ドア5とパッキン体6の隙間を通して水は脱衣室側へ進入する。また流下する水は建具枠の底面に近くなる程その水量と勢いが増し、パッキン体6を越えて拡散し浴室建具4の水平面11を伝って脱衣室側床8へと流れて行くこととなる。これが防水具1の存在しない場合であるが、防水具1を当接させたことにより防水具1の垂直片3はその幅の広い面で建具枠4の底面に近い位置で拡散する水を受け止める役割を果たす。
図6は前記Bタイプ防水具1を建具枠4に当接させた状態を、図5における断面SS'より見た縦断面図である。建具枠4の側面4Aと浴室ドア5の側面5Aの隙間を通じて上から下へ流下する水は下部へ行くにつれ水量が増し、同時に、加速した速度をもった水塊となり建具枠4の底面に衝突する。この閉塞された空間では、丁度、津波が狭い湾に押し寄せた様な状況になりパッキン体7が劣化している場合は当然のことの様に、その水流は障害物であるパッキン体7を打ち破る事となる。つまり、図6で示す構造では、浴室ドア5とパッキン体7によるシール構造の止水ラインを越えて水は下側から上側へ溢れ、建具枠4の水平面11を伝って脱衣室床8へと流れて行くこととなる。これが本防水具1の存在しない場合に起こる姿である。
図5,6において、前記のように底部への衝突により前記止水ラインを越えて脱衣室A側へ溢れ出る水の勢いは衝突地点である建具枠4の下部コーナー部に近い程大きく、離れるにつれ小さくなる。その水の勢いが沈静化するまでの距離、これに相当する長さが防水具1の水平片2の長さ(図5参照)に相当する。脱衣室床8への漏水を無理なく防止するには建具枠4のコーナー部に近い所では高さのある防水具1の垂直片3で受け止め、コーナー部より離れた所では高さの低い水平片2で受け止める。本考案の防水具1の垂直片3の高さおよび水平片2の高さは水の勢いに合わせた防波堤の高さを意味する。丁度、海岸の防波堤の高さを思わせる。
従来、一般的な浴室建具構造においては熱膨張を伴う繰返し応力等によりシール部材の劣化が起こり、本来のシール機能が損なわれ易いという弱点を有している。この課題に対して、本考案の防水具1はこれらの弱点を包含した上で脱衣室床への漏水を防止するという防水機能を果たす。水平片2と垂直片3とがそれぞれ分担した役割を果たし、それが一体化されて脱衣室床への漏水を防止するという基本機能を満足させる。また脱衣室床への漏水を防止するという防水機能の目的達成という観点でみた場合、本防水具と浴室建具とは相互補完の関係にある。
図7は図5においてX→方向より透視した流水経路のイメージ図である。図7において、前記浴室ドア5の側面5Aと前記建具枠4の側面4A(図7の手前側に位置する。)との隙間を通じて流れ落ちる水流Pは流下する程、水量と速度を増し底部に達する段階ではその水の持つエネルギーは最大となる。この閉塞された狭い空間では水は一時的にその行き場を失った状態となり、水圧が上がり狭い隙間と云えども水は溢れ出す。これはあたかも津波が海岸の障害物に衝突した時の状況を思わせる。本来の水の経路はP→Rであるが、上記の状況下ではSのルートへも流れて行く。つまり、この溢れ出た水は建具枠4の水平面11を伝って脱衣室床8を濡らし、延いては床を腐蝕させることになる。
図7の図(b)において、上記Sの経路を通じ漏れ出る水を建具枠4の止水ラインTを越えない様に、防水具1を建具枠4の前記止水ラインT上に当接することにより脱衣室床8への漏水を防止することが可能となる。防水具1の水平片2がその機能を果たす。垂直片3は上部より流下する途中で漏れ出る水(経路Q)を受け止める機能を果たす。また流下する途中で脱衣室側へ漏れ出た水は建具枠4の縦方向の垂直面(図4の9,10)、および図5で記載のパッキン体6の脱衣室側の表面を伝って流下し、下部に到達する段階では広がりを見せる。垂直片3はそれを受け止める機能をも果たす。あたかも手の平で溢れる水を受け止めて脱衣室床へ飛散するのを防止するかのような役割も果たす。以上、本考案の防水具1は構成として水平片2と垂直片3とからなり、各々がそれぞれ分担した役割を果たし、結果として脱衣室床8への漏水を防止することが出来る。本考案の防水具は以上の様なメカニズムの上に成り立つ小さな防水の使者とも言える。
上記、本考案の防水具を備えていない場合の脱衣室床への漏水のメカニズムを物理学的側面から見た場合、質量mを持つ水はhという高さではmghという位置エネルギーを持つ。その水流が流下し底面に達する段階では加速されてVという速度をもち(実際は摩擦抵抗があるため減速される。)、質量mの1/2に比例し、速度Vの二乗に比例した運動エネルギーを持つ水流となる。この運動エネルギーをもつ水流が底面に衝突する。その衝突エネルギーをもつ水流はその閉塞された空間ではその行き場を塞がれた津波のようになり、その水の持つエネルギーにより、その反力を受けたパッキン体7は押され防水機能が損なわれ、浴室ドア枠5との僅かな隙間より水はパッキン体7の下側から上側へ溢れ出て、水は本来、流れては困る処へも流れてしまう。つまり脱衣室床への漏水という現象が起こる。これは、水が"高いエネルギーの処から低いエネルギーの処へ流れる"という自然法則に基づく様相を呈している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の防水具の斜視図である。防水具にはAタイプ、Bタイプがある。 本図はAタイプ防水具の左用の斜視図(a)と右用の斜視図(b)である。
【図2】Aタイプ防水具の左用の平面図(a)と左側面図(b)である。
【図3】Bタイプ防水具の左用の平面図(a)と左側面図(b)である。
【図4】前記Bタイプ防水具を建具枠4へ当接前の斜視図(a)と当接後の斜視図(b)である。
【図5】前記Bタイプ防水具を建具枠4へ当接させた状態の横断面図である。
【図6】前記Bタイプ防水具を建具枠4へ当接させた状態の図5におけるSーS'の 縦断面図である。
【図7】原理の簡単な説明図(図5の○部分のX→方向より透視)である。 防水具がない場合の水流のイメージ図(a)と本防水具を当接後の水流のイメ−ジ図(b)である。
【符号の説明】
1: 防水具、
2: 水平片、
2A 水平片2の左側面、
2B: 水平片2の右側面、
2C: 水平片2の端面、
3: 垂直片、
3A: 垂直片の左側面、
3B: 垂直片3の右側面、
3C: 垂直片の端面、
4: 建具枠、
4A: 建具枠の側面
5: 浴室ドア、
5A: 浴室ドアの側面、
5B: 浴室ドア枠、
5C: 浴室ドアのガラス、
6、7:パッキン体、
8: 脱衣室床、
9: 建具枠の垂直面、
10: 建具枠の垂直面、
11: 建具枠の水平面、
12: 水流、
P、Q、R、S: 水の流れの方向、
T: 建具枠の止水ライン、
A: 脱衣室、
B: 浴室
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
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