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土木・建設
 
【発明の名称】整地面の舗装方法
【出願人】
【識別番号】507238654
【氏名又は名称】折谷 隆久
【住所又は居所】富山県富山市婦中町ねむの木3−13
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100114074
【氏名又は名称】大谷 嘉一
【発明者】
【氏名】折谷 隆久
【住所又は居所】富山県富山市婦中町ねむの木3−13
【要約】
【課題】
弾力性及び防草性に優れ、再施工しやすい舗装方法の提供を目的とする。
【解決手段】
植物由来の有機物で形成した有機層と、遮水性を有するシート材からなる防草シート層との組み合せからなる舗装体を整地面の上に積層することを特徴とする。
ここで有機層とは、藁や木材チップといった植物由来のものを用いて形成する趣旨であり、木材チップは廃材をチップにして用いるとよい。
有機層と防水シート層はどちらを上にして積層しても良いが、防水シート層を上にした場合には防水シート層の上に例えばアスファルト層を設けて防水シート層を保護すると良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来の有機物で形成した有機層と、
遮水性を有するシート材からなる防草シート層との組み合せからなる舗装体を整地面の上に積層することを特徴とする整地面の舗装方法。
【請求項2】
整地面の上に藁むしろ材に除草剤を散布して形成した有機層を形成し、
有機層の上に防草シート層を形成し、
防草シート層の上にアスファルト層を形成することを特徴とする請求項1記載の整地面の舗装方法。
【請求項3】
整地面の上に防草シート層を形成し、
防草シート層の上に木材チップを転圧敷設し、
木材チップ層に除草剤とアスファルト乳剤との混合乳剤を散布して有機層を形成することを特徴とする整地面の舗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、整地面の舗装方法に関する。
【背景技術】
路床整地面には広くアスファルト舗装が採用されている。
しかし、路床整地面に直接アスファルト舗装すると再舗装や再開発時のアスファルト剥離作業が大変であった。
また、舗装面の弾力性に劣る問題もあった。
特開平11−322386号公報には、穀物種子などの草本植物廃棄物を用いた弾性舗装体を開示するが、弾性舗装体が透水性を有するため整地面(路床)から植物が生育してしまう問題があった。
【特許文献1】
特開平11−322386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記技術的課題に鑑みて、弾力性及び防草性に優れ、再施工しやすい舗装方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明の技術的要旨は、植物由来の有機物で形成した有機層と、遮水性を有するシート材からなる防草シート層との組み合せからなる舗装体を整地面の上に積層することを特徴とする。
ここで有機層とは、藁や木材チップといった植物由来のものを用いて形成する趣旨であり、木材チップは廃材をチップにして用いるとよい。
有機層と防水シート層はどちらを上にして積層しても良いが、防水シート層を上にした場合には防水シート層の上に例えばアスファルト層を設けて防水シート層を保護すると良い。
請求項2記載の発明の技術的要旨は、整地面の上に藁むしろ材に除草剤を散布して形成した有機層を形成し、有機層の上に防草シート層を形成し、防草シート層の上にアスファルト層を形成することを特徴とする。
請求項3記載の発明の技術的要旨は、整地面の上に防草シート層を形成し、防草シート層の上に木材チップを転圧敷設し、木材チップ層に除草剤とアスファルト乳剤との混合乳剤を散布して有機層を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
本発明に係る舗装方法においては、遮水性の防草シート層と植物由来の有機層とを組み合せて整地面に舗装することにより雑草の生育を防止し、適度な弾力性を付加することで歩行感を良くし、また、舗装上の人に伝わる(例えば鉄道高架橋からなどの)周囲からの振動を緩和させることが出来る。
有機層を藁むしろ材を用いて形成した場合には、藁むしろ材を形成する藁が整地面にからみ、舗装強度を高めることが出来る。
また、藁むしろ材に散布した除草剤が整地面から雑草が生えるのを効果的に防止する。
有機層を木材チップを用いて形成した場合には、木材チップに除草剤とアスファルト乳剤とを混合した混合乳剤を散布することで木材チップ転圧面に飛来した種子が嵌り込み雑草が生えるのを防止し、周囲からの振動を緩和するように作用するので高速道や鉄道高架下、駅前等の舗装すると効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
図1(a)は舗装体10の断面説明図を示し、図1(b)は舗装体10の構成説明図を示す。
図2は舗装施工手順を示す。
整地面21の上に、藁むしろを敷設して藁むしろ層からなる有機層30aを形成し、その上に防草シート層40を形成し、防草シート層40の上にアスファルト層50を形成する。
整地面21は地面をバックフォー等の建機で削り、余分な砂、石を除去し水平に整地する。
藁むしろ層30aは、整地面に除草剤を散布し、藁むしろ材31を複数枚重ねて、整地面21上に敷設する。
その際に水を撒くと藁むしろ材31が整地面になじみやすい。
防草シート層40は、遮水性を有するビニール製等の防草シート材41よりなり、複数枚の防草シート材41を隙間を生じないように藁むしろ層30a上に並べ、ピン材の打ち込みずれを防止する。
次に、防草シートの上にアスファルト層50を形成し、上を車で移動出来るようにしてある。
アスファルト層50は、隙間の少ない密粒ギャップアスファルトを用いて形成して、水を浸透しにくくし、また、飛来種子が嵌りにくいものを用いるとよい。
藁むしろ材31は藁で編んであるため適度に弾力性があり、藁むしろ材31を複数枚を重ねてアスファルト層の下に藁むしろ層30aとして敷設することで、舗装面に適度な弾力性を付加する。
アスファルト舗装は、ゴムキャタピラのアスファルトフィニッシャーを使うと防草シートが破れるのを防止する。
アスファルト層50の厚さは3cm以上が良い。
アスファルト層50の周縁部は、防草シート層40及び藁むしろ層30aより拡げて周囲の構造物となじませる。
これにより藁むしろ層及び防草シート層が整地面から雑草が生えるのを防止し、アスファルト層が飛来種子にて雑草が生えるのを有効に防止する。
また、アスファルトの下に有機層が存在するので有機層を境にしてアスファルト層が剥がしやすく、舗装面の撤去が容易になる。
有機層を木材又は樹皮のチップを用いて舗装する別の実施例の説明図を図3に示す。
図3(a)は舗装体11の断面説明図を示し、図1(b)は舗装体11の構成説明図を示す。
舗装体11は整地面21の上に防草シート層40を設けて、防草シート層40の上に木材チップ層(有機層)30bを設けてある。
木材チップ層30bは防草シート層40上に木材チップ32を敷設して、その上から除草剤とアスファルト乳剤とを混合した乳剤を散布して、防草シート層40上に形成してある。
整地面21は、遮水性を有する防草シート層40で覆って防草を図ってある。
木材チップ層30bの木材チップ32は、建設廃材等の廃棄木材をリサイクル加工して形成すると良い。
木材チップ32は除草剤を混ぜたアスファルト乳剤を散布することで、飛来した種子が木材チップ32に嵌って発芽すること等の植物の生育を防止し、木材チップ32自体の防虫も図ってある。
木材チップ層を設ける舗装の施工方法について図4を用いて説明する。
まず、舗装11を設ける地面をバックフォー等の建機で削り、余分な砂、土、石を除去して水平に整えて図4(a)に示すように整地面21を形成する。
次いで、防草シート材41を整地面21上に整地面21を覆うように並べて敷設して、図4(b)に示すように防草シート層40を整地面21の上に形成する。
防草シート材41は、並べた位置がずれて隙間が出来ないように整地面21にピン材(図示省略)で留める。
次いで、木材チップ32を防草シート層40の上に敷設して、木材チップ32の上から除草剤とアスファルト乳剤とを所定割合で混合した混合乳剤を散布する。
この乳剤散布は周囲の整地面や構造物に飛び散らないように養生した上で行うと良い。
木材チップ層30bは、静的荷重を加えて均一に敷きならした後の厚みが約5cm程度となるように形成すると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】藁むしろ材を用いて有機層を形成した例を示す。
【図2】藁むしろ材を用いて有機層を形成する舗装の施工方法の説明図を示す。
【図3】木材チップを用いて有機層を形成した実施例を示す。
【図4】木材チップを用いて有機層を形成する舗装の施工方法の説明図を示す。
【符号の説明】
10、11 舗装体
20 整地層
21 整地面
30a 有機層(藁むしろ層)
30b 有機層(木材チップ層)
31 藁むしろ材
32 木材チップ
40 防草シート層
41 防草シート材
50 アスファルト層
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
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