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土木・建設
 
【発明の名称】中低層・高層建築物非常用予備給水設備装置
【出願人】
【識別番号】509287599
【氏名又は名称】小川 隆幸
【住所又は居所】愛知県安城市福釜町条山18番地3
【発明者】
【氏名】小川 隆幸
【住所又は居所】愛知県安城市福釜町条山18番地3
【要約】
【課題】自然災害・事故による電源喪失、配管系統の断絶、配水の途絶によって中低層及び高層建築物の給水が途絶えた非常時において、予備の給水回路を住民自ら設置・構築・運用を本発明によって実現することが課題である。
【解決手段】既設販売されている非常用電源・揚水ポンプを用い、水源から吸い上げた水を各階の共用廊下にあらかじめ備えられた本発明品によって各階に揚水・配水し、各階で取水する。
【選択図】図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中低層・高層の集合住宅及び建築物において、既設の給水系統設備から上水が供給されなくなった場合の備えとして設置する、予備の、建物の居住者使用者自らが設置できるよう考案された、給水ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中低層・高層集合住宅及び建築物において、あらかじめ備えられた給水配管系統・設備が使用不能になった場合の各階における給水の補完として、居住者自ら簡単に設置でき、非常時に上水を確保することを容易にするために提供される設備装置である。
【背景技術】
【0002】
中低層・高層建築物において、電源が喪失した場合、あるいは給水配管系統の断絶、建築物引き込み以前の供給の途絶によって、給水が閉ざされた時、従来は居住者・使用者自らがあらかじめ備えられた給水系統・設備以外の給水回路を自ら構築し運用することはできなかった。
また、上記のような給水の停止状況が広範囲に及んだ場合には、復旧に多くの時間を要する状況に備える必要が生じるが、補完する設備装置が無かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自然災害、事故の事情により建物の電源が喪失した、或いは電気の供給が停止されることが現実に発生しているが、中・高層建築物においては電気でポンプを作動させているため給水が停止する。
また、同じ理由で建物給水配管系統・設備が破損断裂して使用不能に陥るか、そもそも建物以前の配水も停止されるなどいった脅威が現実になっている。
その状況で、中低層・高層建築物に居住し続ける必要がある場合が想定され、こうした非常時に、重量物である水を人力のみで上階へ上げ続けることは困難を極めるため、水を供給する回路を、予備用として備える必要がある。
またその際には、誰でも簡単な知識と訓練で設置できることも重要であり、これらを本発明で解決することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
先ず、水を揚水する為のポンプと電源を備えるが、これについては市販製品を利用し、ポンプは建物の階数により、能力に適合したものを、電源については、非常用電源が建物に備えられていれば流用し、無いときは本発明を設置時に同時に設置する。製品については不測の事態に備え、太陽光・風力発電の充電池利用、ガスボンベ発電機、EV自動車利用を想定しているが、非常用電源の進化によって最適なものを利用する。それら電源で揚水用ポンプを作動させ、水源(受水槽・ポンプ車など)から吸い上げた水を本発明品の1階部分に接続する。給水回路は各階ごとに、共用部分の廊下の壁に各パーツをパッケージにした本発明品を備えておき、各階の人がそれぞれ、共用廊下の開口手摺部分に本発明品を設置し、パイプを接続していくことによって、給水経路を構築し、各階に設ける給水口から水を得られるようにする。
【発明の効果】
【0005】
中低層、高層建築物において、電源喪失、断水、既存の給水系統・設備の破損により建物の給水が停止する事態に備え、対応することができる。
自然災害においては、広範囲に被害が広がる恐れもあるが、そうした場合、中高層建築物の給水が停止する同様の被害が、同時多発的に発生することが想定され、そうした状況では必ずしも公助が行き届かず、また、給水に係る専門業者も手配ができず、その中で、居住者は、避難できる場所もない、又は経済的環境によっても暫く居住せざるを得ないといった状況に陥ることが想定され、本発明品によって、自力で、すぐに給水を確保できる効果は大きいと考える。
【実施例1】
【0006】
以下、図1〜図5に基づいて、本発明の実施例1に係る非常用予備給水装置の説明を行う。本実施例に係る非常用給水装置は図3に示されるベース部分C、接続ユニットA、配水ホースBからなる。ベース部分Cは、C1とC2とに分かれており、C2の凸部にC1の凹部を上から差し込むことによって、図2に示されるように、建物共用廊下の手摺Hに設置される。
接続ユニットAは図4に示される内部に2本の配水管を有しており、一方が揚水側で他方が降水側となっており、降水側に取水のプラグを有している。
また、各ホースが接続される部分には図2、図3に示されるとおりワンタッチジョイントのプラグJ1を付属させ、ホースとの接続を工具なしで行えるようにしてある。接続ユニットAの下部には、設置ベースC2の外側の凹部に入る凸部を付属させてあり、差し込むことによって設置する。
設置ベースC、接続ユニットAの設置が完了したのち、上階から垂らされた揚水側と降水側のワンタッチジョイントのソケットJ2を有した2本の配水ホースB1、B2を接続ユニットの上部のワンタッチジョイントのプラグJ1にそれぞれ接続する。接続ユニットAの下部に付属するワンタッチジョイントのプラグJ1に、各階にあらかじめ配置された下階に垂らすワンタッチジョイントのソケットJ2を付属した配水ホースB1、B2を接続する。最後に、接続ユニットの降水部分にある各階取水用のワンタッチジョイントのプラグJ1に、給水ノズルB5と止水弁B4を有した排水ホースB3を接続して、その階の設置を完了する。
各階の設置が完了した状態を示したのが図1である、最上階は接続ユニットAの上部ワンタッチジョイントのプラグに、揚水側から降水側に水を流す配水ホースを取り付ける。1階部分の接続ユニット下部には降水側を止水、又はエアー抜きのデバイスを取り付ける。揚水側には、揚水ポンプE、その先の水源となる授水槽D、給水車Gなどに十分届く配水ホースを取り付ける。
水源D又はF等と非常用予備給水装置の間には、揚水ポンプEと電源Fを取り付け、水を最上階に押し上げることによって供給する。
このように本実施例に係る非常用揚水装置は、工具なしに設置でき、既設の建物配管が使用できない非常時において居住者自らが短時間に排水設備を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の非常用予備給水装置の設置完了後の全体の使用状況を示すイメージ図である。
【図2】本発明の非常用予備給水装置を設置した際の斜視図である。
【図3】本発明の非常用予備給水装置の設置要領を示した斜視図である。
【図4】本発明の非常用予備給水装置の接続ユニットの内部構造及び水の流れる方向を示す断面図である。
【図5】本発明の非常用予備給水装置の設置ベースの全体図である。
【符号の説明】
【0008】
A 接続ユニット
B1 揚水側配水ホース
B2 降水側配水ホース
B3 各階取水ホース
B4 止水弁
B5 給水ノズル
C 設置ベース
D 授水槽
E 揚水ポンプ
F 電源
G 給水車
H 建物共用部分の手摺
I 中低層・高層建築物
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
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