閉じる
土木・建設
 
【発明の名称】折畳み式手摺
【出願人】
【識別番号】304025622
【氏名又は名称】武本 毅
【住所又は居所】東京都中野区大和町 2丁目45番12号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100078695
【氏名又は名称】久保 司
【発明者】
【氏名】武本 毅
【住所又は居所】東京都中野区大和町2−45−12
【要約】
【課題】
壁面に近接する位置まで折り畳むことができ、且つ折り畳むときの操作が容易であり、部材点数が少なく極めて簡単で低コストで製作でき、取り付けも容易であり、常時は畳んで置くことを意識して、体裁もよいものであり、使用位置でのロックも特別操作することなく自動的に得ることができ、ボスがなくても手摺りを壁面近接させて畳むことができる。
【解決手段】
手摺本体6は、手掛けとなる膨出頭部9と、膨出頭部9から首の縊れ部10を介して下方に末広がるスカート状支承部11とが一体であり、かつ、一体を維持して長さ方向に連続するもので、同じく長さ方向に連続するヒンジ14はハの字に開くように、一方の取付片14bを前記手摺本体6の斜切りした底面13に結合させ、他方の取付片14cは壁の構造材として壁板8をはめ込む横桟7に取付け、ヒンジ14を開いて手摺本体6を閉じた状態で膨出頭部9が前記横桟7に当接する位置では、横桟7に膨出頭部9が嵌入する凹溝16を長さ方向に連続させて形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺本体は、手掛けとなる膨出頭部と、膨出頭部から首の縊れ部を介して下方に末広がるスカート状支承部とが一体であり、かつ、一体を維持して長さ方向に連続するもので、
同じく長さ方向に連続するヒンジはハの字に開くように、一方の取付片を前記手摺本体の斜切りした底面に結合させ、他方の取付片は壁の構造材として壁板をはめ込む横桟に取付け、ヒンジを開いて手摺本体を閉じた状態で膨出頭部が前記横桟に当接する位置では、横桟に膨出頭部が嵌入する凹溝を長さ方向に連続させて形成したことを特徴とする折畳み式手摺。
【請求項2】
凹溝には磁石または被磁性体を適宜間隔で埋設し、これに対応して手摺本体に被磁性体または磁石を適宜間隔で埋設する請求項1記載の折畳み式手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、殊に家屋の玄関や室内や階段等に設置される折畳み式手摺に関するものである。
【背景技術】
一般に、家屋の階段等に設置されている手摺りは壁面に固定した状態で取り付けられている。
しかし限られた面積で建築された建て売り等の家屋では玄関や階段スペースが狭く、家具等の大きな物品を持ち運びするのに壁面から突き出た手摺りが邪魔となり、その為、手摺りをわざわざ取り外して物品を上げ下ろしする等の煩雑な作業を行っている。
これに対して下記特許文献1では、極めて簡単で低コストで製作でき、しかも通常の使用位置では確実にその姿勢を固定でき、且つ折り畳むときの操作が容易である手摺り装置が提案されている。
【特許文献1】
特願2002−63365
これは図14に示すように、壁面Aに固定される取付座1と、該取付座1から一体的に突出したボス1aに枢軸2を介して取り付けられた支持アーム3と、該支持アーム3の先端に保持された棒状の手摺り本体4とからなり、前記支持アーム3は壁面から離れた使用位置から壁面に近接した折り畳み位置まで揺動可能に形成され且つ外部から操作可能な固定ビス5により使用位置でロックできるように形成されている構造としたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1の手摺り装置は、手摺り本体と支持アームは別体のものであり、支持アームは間隔を存して取り付けられ、その先端で棒状の手摺り本体を支持する。このような支持アームと壁面Aに固定される取付座との存在は手摺の存在を目立たせるものとなり、体裁が悪い。
このように取付座および支持アームが回転機構として、間隔を存して並ぶものであり、部材点数が多いとともに、ヒンジ箇所が点在し、その分、回転負荷が偏在し易い。
また、使用位置でロックは、操作可能な固定ビスによりで行う構造となっており、その都度、ビスを調整しなければならない。特許文献1では緊急避難的に折り畳めればよいとの趣旨である。
さらに、折り畳み姿勢の保持は、手摺り本体を含む支持アームの重心が枢軸2を結ぶ垂直な線Bを越えて壁面側に移動するようにしておくことによるものであるが、このような状態を得るには、取付座から一体的に突出したボスの存在が必要不可欠である。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、壁面に近接する位置まで折り畳むことができ、使用位置では確実にその姿勢を固定でき、且つ折り畳むときの操作が容易であることを前提として、部材点数が少なく、極めて簡単で低コストで製作でき、取り付けも容易であり、常時は畳んで置くことを意識して、体裁もよいものであり、使用位置でのロックも特別操作することなく自動的に得ることができ、ボスがなくても手摺りを壁面近接させて畳むことができる折畳み式手摺を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、手摺本体は、手掛けとなる膨出頭部と、膨出頭部から首の縊れ部を介して下方に末広がるスカート状支承部とが一体であり、かつ、一体を維持して長さ方向に連続するもので、同じく長さ方向に連続するヒンジはハの字に開くように、一方の取付片を前記手摺本体の斜切りした底面に結合させ、他方の取付片は壁の構造材として壁板をはめ込む横桟に取付け、ヒンジを開いて手摺本体を閉じた状態で膨出頭部が前記横桟に当接する位置では、横桟に膨出頭部が嵌入する凹溝を長さ方向に連続させて形成したことを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、手掛けとなる膨出頭部とスカート状支承部とが一体で長さ方向に連続するものであり、これを一体として回転させて折畳み、または広げるので、ヒンジ部に無理な荷重を掛けることなく、楽に折り畳むことができる。
ハの字に開くようにしたヒンジの一方の取付片は手摺本体の斜切りした底面に結合させていて、手摺を使用する際に開いた状態では、ヒンジが閉じて両方の取付片が重合し、この底面が垂直な壁の横桟に当接し、そのままの開いた角度を保つことができる。
また、畳む場合には、横桟に形成した凹溝に手摺本体の膨出頭部が嵌入するので、ボスがなくても手摺りを壁面近接させて畳むことができる。
請求項2記載の本発明は、凹溝には磁石または被磁性体を適宜間隔で埋設し、これに対応して手摺本体に被磁性体または磁石を適宜間隔で埋設することを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、磁石と被磁性体の吸着で、マグネットキャッチが行われ、手摺本体の折り畳み姿勢の保持を確実にすることができる。
【発明の効果】
以上述べたように本発明の折畳み式手摺、壁面に近接する位置まで簡単かつ迅速に折り畳むことができ、使用位置では確実にその姿勢を固定できるものであり、部材点数が少なく、極めて簡単で低コストで製作でき、取り付けも容易であり、常時は畳んで置くことを意識して、体裁もよいものであり、使用位置でロックも特別操作することなく、自動的に得ることができ、ボスがなくても手摺りを壁面近接させて畳むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の折畳み式手摺の1実施形態を示す開いた状態の縦断側面図、図2は同上閉じた状態の縦断側面図、図3は斜視図である。
図中6は手摺本体、7は壁の構造材として壁板8を上下にはめ込む横桟で、本発明はこの横桟7に手摺本体6を回転自在に設けるものである。
手摺本体6は、手掛けとなる膨出頭部9と、膨出頭部9から首の縊れ部10を介して下方に末広がるスカート状支承部11とが一体であり、かつ、一体を維持して長さ方向に連続するものである。
詳しくは、膨出頭部9と支承部11と一体は、本実施形態では膨出頭部9は略円形であり、スカート状支承部11は前側に張り出すように広がり、背中となる背面は直状平坦面12である。
図2に示すようにこの直状平坦面12を垂直とした場合に、手摺本体6の底面13は、前方に跳ね上がるように斜切りした底面とする。この斜切りする傾斜角度は、手摺本体6を開いた際に手摺本体6が傾斜して止まる角度を(図1参照)を考慮して決定する。
手摺本体6を構成する膨出頭部9とスカート状支承部11とは同一材料であることが望ましく、例えば、合成材を含む木材や合成樹脂、もしくはアルミニューム合金等の金属なと、特に限定はない。また、無垢のもの(中実体)である場合とパイプ状の中空体であるとを問わない。
図中14は長さ方向に連続するヒンジであり、ハの字に開くように枢軸14aを上位置に置き、長さ方向に連続して軸着する取付片14b,14cを有するが、このうち一方の取付片14bを前記手摺本体6の斜切りした底面13に結合させ、他方の取付片14cは前記壁の横桟7に取付ける。
図中15a,15bは取付片14b,14cを止めるためのビスであり、適宜間隔に配置する。
前記ヒンジ14を開いて手摺本体6を閉じた状態で膨出頭部9が前記横桟7に当接する位置では、横桟7に膨出頭部9が嵌入する凹溝16を長さ方向に連続させて形成した。本実施形態では、膨出頭部9は略円形であるので、凹溝16はその顔面部分が入りこむように円形としたが、膨出頭部9が楕円形や多角形等他の形状の場合は凹溝16もそれに合わせた形状を選定する。
次に使用法について説明する。図1は手摺の使用状態であり、手摺本体6を開いている。
この状態では、手摺本体6は斜め方向になって係止され、使用者は膨出頭部9に手をかける。なお、膨出頭部9は首の縊れ部10の存在により指をかけ易く、握り易いものとなる。
不使用時には、図2に示すように手摺本体6を畳む。ヒンジ14は取付片14b,14cは開かれ、膨出頭部9はその顔面部分が横桟7の凹溝16に嵌入する。
この折り畳み位置において、手摺本体6の背面である直状平坦面12は垂直となり、手摺本体6の重心がヒンジ14の枢軸14aを結ぶ垂直な線上に近づくようにしておけば、折り畳み姿勢を自己保持することができる。
図4はさらに、マグネットキャッチと称して折り畳み姿勢の保持をさらに確実にするためのもので、前記凹溝16には磁石17または被磁性体を適宜間隔で埋設し、これに対応して手摺本体6には膨出頭部9に被磁性体18または磁石を適宜間隔で埋設する。
手摺本体6を畳み、膨出頭部9はその顔面部分が横桟7の凹溝16に嵌入する際には、凹溝16の磁石17または被磁性体と、膨出頭部9の被磁性体18または磁石とが、接触または近接し、磁力でこの折り畳み姿勢の保持が行われる。
一方、手摺本体6を開く際には、手で手摺本体6を倒せば、前記磁力での結合が解除される。
なお、かかるマグネットキャッチを設けるのは、手摺長さが短い場合には中央に1か所でよく、また、ある程度長い場合には、90〜100cmの間隔でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の折畳み式手摺の1実施形態を示す開いた状態の縦断側面図である。
【図2】本発明の折畳み式手摺の1実施形態を示す閉じた状態の縦断側面図である。
【図3】本発明の折畳み式手摺の1実施形態を示す開いた状態の斜視図である。
【図4】本発明の折畳み式手摺の1実施形態を示す閉じた状態のマグネットキャッチ取付部分の縦断側面図である。
【図5】本発明の折畳み式手摺の正面図である。
【図6】本発明の折畳み式手摺の背面図である
【図7】本発明の折畳み式手摺の平面面図である。
【図8】本発明の折畳み式手摺の側面図である。
【図9】本発明の折畳み式手摺の底面図である。
【図10】本発明の折畳み式手摺の本体を閉じた状態の正面図である。
【図11】本発明の折畳み式手摺の本体を閉じた状態の平面図である。
【図12】本発明の折畳み式手摺の本体を閉じた状態の側面図である。
【図13】本発明の折畳み式手摺の本体を閉じた状態の底面図である。
【図14】従来例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…取付座 1a…ボス
2…枢軸 3…支持アーム
4…手摺り本体 5…固定ビス
6…手摺本体 7…横桟
8…壁板 9…膨出頭部
10…首の縊れ部 11…支承部
12…直状平坦面 13…底面
14…ヒンジ 14a…枢軸
14b,14c…取付片 15a,15b…ビス
16…凹溝 17…磁石
18…被磁性体
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
試作写真1
試作写真2
 
ページtop へ