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衣服・履物
 
【考案の名称】衣類用カバー
【実用新案権者】
【識別番号】504005275
【氏名又は名称】手嶋 祭子
【住所又は居所】愛知県西尾市つくしが丘五丁目3番8号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100097353
【氏名又は名称】渡邊 功二
【考案者】
【氏名】手嶋 祭子
【住所又は居所】愛知県西尾市つくしが丘五丁目3番8号
【要約】
【課題】
ハンガーに吊るされた和服等の衣類への装着及び取り外しの手間が容易であり、衣類の落下を防止できる衣類用カバーを提供する。
【解決手段】
衣類用カバー10は、織布、不織布あるいは紙製の薄地で形成され、和服5の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ丈より短い略長方形の後側被覆部11と、後側被覆部11の上端縁の中央を挟んだ左右両側に一体で設けられて中央でわずかに重なり合っている後側被覆部11と略同一丈である左前側被覆部15及び右前側被覆部17とを設けている。衣類用カバー10は、ハンガー1の吊下げ竿部2の中央に設けた取付鉤部3に取付紐13を嵌め合わせてハンガー1に取り付けられ、衣類用カバー10を和服5の後側に配置させ左前側被覆部15及び右前側被覆部17を和服5の上縁を越えて前側に回すことにより、簡単に和服5に装着される。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項2】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、上端縁の中央近傍位置にて前記右前側被覆部と前記左前側被覆部又は該右側被覆部と前記後側被覆部との間を解除可能に結び付ける連結手段とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項3】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、前記後側被覆部の上端縁の左右両端側に設けられて、前側に折り重ねられた該後側被覆部の左右両端間を解除可能に結び付ける第2連結手段とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項4】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、上端縁の中央近傍位置にて前記右前側被覆部と前記左前側被覆部又は該右側被覆部と前記後側被覆部との間を解除可能に結び付ける連結手段と、前記後側被覆部の上端縁の左右両端側に設けられて、前側に折り重ねられた該後側被覆部の左右両端間を解除可能に結び付ける第2連結手段とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項5】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、前記後側被覆部の上端中央に設けられてハンガーの取付鉤部に嵌め合わされる環状の取付紐とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項6】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、前記後側被覆部の上端中央に設けられてハンガーの取付鉤部に嵌め合わされる環状の取付紐と、上端縁の中央近傍位置にて前記右前側被覆部と前記左前側被覆部又は該右側被覆部と前記後側被覆部との間を解除可能に結び付ける連結手段とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項7】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、前記後側被覆部の上端中央に設けられてハンガーの取付鉤部に嵌め合わされる環状の取付紐と、前記後側被覆部の上端縁の左右両端側に設けられて、前側に折り重ねられた該後側被覆部の左右両端間を解除可能に結び付ける第2連結手段とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【請求項8】
織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、該後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部と、前記後側被覆部の上端中央に設けられてハンガーの取付鉤部に嵌め合わされる環状の取付紐と、上端縁の中央近傍位置にて前記右前側被覆部と前記左前側被覆部又は該右側被覆部と前記後側被覆部との間を解除可能に結び付ける連結手段と、前記後側被覆部の上端縁の左右両端側に設けられて、前側に折り重ねられた該後側被覆部の左右両端間を解除可能に結び付ける第2連結手段とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に前記後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に前記左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて該衣類を被覆することを特徴とする衣類用カバー。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、ハンガーに吊るされた和服等の衣類に被覆して衣類の汚れを防止するための衣類用カバーに関する。
【背景技術】
例えば和服は、畳紙に包んで保管されるが、使用に際しては畳紙から取り出されて通常は両袖を広げた状態で長いハンガーに吊るされ、使用後も同様にハンガーに吊るされる。その際、ハンガーに吊るしたままでは和服が塵埃で汚れたり周囲の壁等との接触により損傷を受けたりするため、簡易的にタオルや風呂敷等で被覆して和服の汚れや損傷等を防止しようとしている。さらに、例えば特許文献1に示すように、通気性を有する生地で表布と、これより長尺な裏布とにより形成され、表布の下辺部を除いて両袖部と両肩部が連結され、表布の中央部を縦方向に開放し、縦開放部を掛留具で開閉可能とした袋状の和服用カバーが知られている。この和服用カバーは、ハンガーに吊るされた和服に被せてその表面を被覆することにより、和服の塵埃による汚れや損傷等を防止しようとするものである。
しかし、この和服用カバーは、裏布と左右の表布とが上端縁のみではなく左右両側縁も固定された袋状になっているため、長いハンガーに吊るされた和服に被せる場合に、長いハンガーの左右両側にカバーを被せる作業は容易ではなかった。さらに、カバーを被せる作業が手間であるため、和服の型崩れが生じ易く後でその修正が必要になったり、あるいは途中でハンガーから和服が外れて落下することにより和服が汚れてしまうおそれもあった。
【特許文献1】
実用新案登録第3075572
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記した問題を解決しようとするもので、ハンガーに吊るされた和服等の衣類への装着及び取り外しの手間が容易であり、装着等の際の衣類の型崩れや落下を防止できる衣類用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案の構成上の特徴は、織布、不織布あるいは紙製であり、和服の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ所定の丈寸法である略長方形の後側被覆部と、後側被覆部の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側にそれぞれ一体で設けられると共に中央で互いにわずかに重なり合っている略長方形の左前側被覆部及び右前側被覆部とを備えてなり、ハンガーに吊るされた衣類の背中に後側被覆部を重ねると共に衣類の前側に左前側被覆部及び右前側被覆部をそれぞれ重ね合せて衣類を被覆することにある。
上記のように構成した考案においては、衣類用カバーの左前側被覆部及び右前側被覆部が後側被覆部の上端縁の中央を挟んだ左右両側に一体で設けられており、後側被覆部の左右両側縁には取り付けられていないので、その左右両側が拘束を受けず自由な状態にされている。そのため、ハンガーに吊るされた和服に装着する際に、左前側被覆部及び右前側被覆部を自由に折り曲げたり畳んだりすることができるので、後側被覆部を和服の背面に当てた状態で、左前側及び右前側被覆部を簡単に和服の前側に重ねて被覆することができる。また、衣類用カバーが簡単に和服に装着されるため、和服の型崩れを防止できるため、型崩れを直す手間も生じない。また、和服がハンガーから落下するおそれもないため、それによる衣服の汚れ等も確実に防止できる。また、衣類用カバーの和服からの取り外しについても装着の場合と同様の効果が得られる。さらに、このカバーは、後側被覆部の左右両側と左前側及び右前側被覆部とを取り付ける必要が無く両側を開放したままでよいので、取り付けのための手間が省かれ、それにより安価に提供される。
また、本考案において、後側被覆部の上端中央に、ハンガーの取付鉤部に嵌め合わされる環状の取付紐を設けることができる。このように、衣類用カバーを取付紐によってハンガーの取付鉤部に取り付けることができるため、ハンガーに掛けられた衣類特に和服の後側にカバーを配置させ、左前側被覆部と右前側被覆部とを和服の上端側から前側に回すことにより、衣類用カバーを一層容易に和服に装着させることができる。
また、本考案において、上端縁の中央近傍位置に、右前側被覆部と左前側被覆部又は右側被覆部と後側被覆部との間を解除可能に結び付ける連結手段を設けることができる。連結手段としては、一対の紐、ホック、ボタン、面状ファスナー等がある。このように、連結手段によって、衣類用カバーの左前及び右前側被覆部間あるいは右前側被覆部及び後側被覆部間を結び付けることにより、左前側被覆部と右前側被覆部の重なり部分の左右への広がりが防止される。そのため、ハンガーに吊るされた衣類の前側の汚れが防止されると共に、衣類用カバーがきちんとした状態で衣類に装着されることによりカバーの美感が高められる。
また、本考案において、後側被覆部の上端縁の左右両端側に、前側に折り重ねられた後側被覆部の左右両端間を取り外し可能に結び付ける第2連結手段を設けることができる。第2連結手段としては、一対の紐、ホック、ボタン、面状ファスナー等がある。これにより、長さが短くされたあるいはもともと長さの短いハンガーに、和服の両袖を折り曲げて中央に重ね合わせた状態で、衣類用カバーの左前側被覆部及び右前側被覆部と後側被覆部を重ね合わせて折返して前側に重ね合わせ、第2連結手段で結び付けることによりハンガーの両側からはみ出したカバーが垂れ下がることがない。そのため、ハンガーの長さに応じて、衣類用カバーが簡潔な形態でハンガーに取り付けられるため、視覚的な美感が損なわれない。
【考案の効果】
本考案においては、左前側及び右前側被覆部が後側被覆部の左右両側縁には取り付けられていなく、左右両側が拘束を受けず自由な状態にされているため、ハンガーに吊るされた和服への装着及び取り外しが容易であると共に、和服を落下させるおそれもない。また、このカバーは、後側被覆部の左右両側と左前側及び右前側被覆部の間を開放したままでよいため、簡易かつ安価な製作が可能である。また、衣類用カバーを取付紐によってハンガーの取付鉤部に取り付けることができるため、ハンガーに掛けられた衣類特に和服への衣類用カバーの装着及び取り外しがさらに簡易にされる。
さらに、左前側被覆部及び右前側被覆部間を取り外し可能に結び付ける連結手段を設けることにより、左前側被覆部と右前側被覆部の広がりによる衣類の前側の汚れが防止されると共に、衣類用カバーの衣類へのきちんとした状態での装着により、カバーの美感が高められる。また、後側被覆部の上端縁の左右両端側に、前側に折り重ねられた後側被覆部間を取り外し可能に結び付ける第2連結手段を設けることにより、ハンガーの長さに応じて衣類用カバーが簡潔な形態でハンガーに取り付けられるため、視覚的な美感が高められる。
【考案を実施するための最良の形態】
以下、本考案の一実施例について図面を用いて説明する。図1及び図2は同実施例である衣類用カバーを正面図及び背面図により示したものである。また、図3は衣類用カバーを和服に装着した状態を正面図により示したものである。衣類用カバー10は、和服5の両裄長さよりわずかに長い幅でかつ丈より短い略長方形の後側被覆部11と、後側被覆部11の上端縁の全体にわたってその中央を挟んだ左右両側に一体で縫い付けられて中央で互いにわずかに重なり合っている後側被覆部11と略同一丈である左前側被覆部15及び右前側被覆部17とを設けている。衣類用カバー10は、織布、不織布あるいは紙製の薄地で形成されるが、望ましくは織布であり、特に軽くて着物になじむもの、例えば綿布等である。衣類用カバー10は、例えば幅が145cm程度で、丈が100cm程度である。なお、衣類用カバーの上下左右については、図1の上下及び左右に合わせるものとする。
後側被覆部11は、略長方形で左右対称形状であり、上端縁の左右中央がわずかに山状に延びた山形部12になっている。山形部12の頂部には、輪状にされた紐である取付紐13が取り付けられている。左前側被覆部15及び右前側被覆部17は、後側被覆部11の左半分及び右半分と略同一形状でありかつ互いに左右対称形状になっており、中央部分で互いに重ね合わされる重ね合わせ部15a,17aを設けている。通常は、図1に示すように、右前側被覆部17の重ね合せ部17aが左前被覆部15の重ね合せ部15aに重ね合せられる。左前側被覆部15及び右前側被覆部17は、それぞれの上端縁にて後側被覆部11の上端縁に縫い付けて固定されている。
後側被覆部11の山形部12の左端付根部分位置には、連結紐16が一端にて縫い付けて取り付けられている。また、右前側被覆部17の山形部12の左端付根部分に対応する位置には、連結紐16と共に連結手段を構成する連結紐18が一端にて縫い付けて取り付けられている。なお、連結紐16,18の取付け位置については、これに限らず実施例の取付け位置の近傍位置であればよい。また、本実施例では、左前側被覆部15及び右前側被覆部17の上端縁と後側被覆部11の上端縁とは、幅の狭い紐状の布で縫い合わされており、この布がさらに両端から延びて第2連結手段を構成する一対の第2連結紐14を構成している。
この衣類用カバー10は、図3に示すように、和服用のハンガー1の吊下げ竿部2の中央に設けた取付鉤部3に取付紐13を嵌め合わせることによりハンガー1に取り付けられる。このハンガー1の吊下げ竿部2に和服5を掛けて吊るし、衣類用カバー10を和服5の後側に配置させる。さらに、衣類用カバー10の左前側被覆部15及び右前側被覆部17を和服5の上縁を越えて前側に回すことにより、和服5の背中に後側被覆部11が重ねられると共に和服5の前側に左前側被覆部15及び右前側被覆部17が簡単に重ね合せられ、簡単に和服5に装着される。
以上に説明したように、本実施例のカバー10は、左前側被覆部15及び右前側被覆部17が後側被覆部11の上端縁の中央を挟んだ左右両側に一体で設けられており、左右両側縁には取り付けられていないのでその左右両側が拘束を受けず自由な状態にされている。そのため、ハンガー1に吊るされた和服5に装着する際に、左前側被覆部15及び右前側被覆部17を自由に折り曲げたり畳んだりすることができるので、和服5の背面に後側被覆部11を当てた状態で、左前側被覆部15及び右前側被覆部17を簡単に和服5の前側に重ねて被覆することができる。また、衣類用カバー10が簡単に和服5に装着されるため、和服5の型崩れが生じ難く、型崩れを修正する煩雑さもほとんどない。また、和服5がハンガー1から落下することによる衣服の汚れ等の生じるおそれもほとんどない。さらに、この衣類用カバー10は、後側被覆部11の左右両側と左前側被覆部15及び右前側被覆部17とを取り付ける必要が無く両側を開放したままでよく、取り付けのための加工が不要になるため、安価に提供される。
また、本実施例においては、衣類用カバー10をその取付紐13によってハンガー1の取付鉤部3に取り付けることができるため、ハンガー1に掛けられた和服5の後側に衣類用カバー10を配置させ、左前側被覆部15と右前側被覆部17とを和服5の上端側から前側に回すことにより、一層簡単に和服5に装着させることができる。
さらに、本実施例においては、左前側被覆部15及び右前側被覆部17の上端縁の中央側には一対の連結紐16,18が設けられており、図3に示すように、一対の連結紐16,18を互いに結び付けることにより、左前側被覆部15と右前側被覆部17が整列した状態で重ね合わされて両者の広がりが防止される。そのため、ハンガー1に吊るされた和服5の前側の汚れや損傷等が防止されると共に、衣類用カバー10がきちんとした状態で衣類に装着されるため、衣類用カバー10の美感が高められる。
つぎに、上記実施例の変形例1について説明する。
和服用ハンガー1は、図3に示すように、通常は和服5を広げた状態で吊るすために左右の長さが大きくなり占有場所が広くなるため、和服の肩幅に合わせて吊下げ竿部の長さを縮小させることができる。あるいは、幅の小さいハンガーを用いることも可能である。変形例1は、ハンガー1の吊下げ竿部2の長さを縮小させた状態で吊下げ竿部2に掛けられた和服5の両袖が垂れ下がった状態に対応しようとするものである。
図4に示すように、長さの短くされたハンガー1に和服5の両袖を折り曲げて中央部に重ね合わせた状態で、衣類用カバー10の後側被覆部11と左前側被覆部15及び右前側被覆部17を重ね合わせて折返して前側に重ね合わせ、後側被覆部11の上端縁両側から延びた一対の第2連結紐14が結び付けられる。それにより、ハンガー1の両側からはみ出した衣類用カバー10の垂れ下がりが抑えられ、衣類用カバー10の左右両端縁が前側中央で合わされる。そのため、ハンガー1の長さに応じて、衣類用カバー10が簡潔な形態でハンガー1に取り付けられるため、横方向に無駄な場所を占めることがなく、また見た目の美感が損なわれない。さらに、他の例として図5に示すように、一対の第2連結紐14の結び目をハンガー1の取付鉤部3の後側に回すことにより、衣類用カバー10の左右両側の折返し部の上端縁が水平状態に持ち上げられるため、衣類用カバー10の視覚的な美感がさらに高められる。
つぎに、上記実施例の変形例2について説明する。
変形例2においては、通常の洋服用のハンガーに衣類用カバー10を取り付けた場合についてである。図6に示すように、単に通常の洋服用ハンガー7に洋服8を吊るした状態で、洋服用ハンガー7に衣類用カバー10を取り付けることによっても、洋服8を被覆することができる。この場合も、衣類用カバー10の後側被覆部11と左前側被覆部15及び右前側被覆部17の左右両側縁が縫い合わされずに開放されているため、洋服8にあわせた衣類用カバー10の変形が柔軟に行われるため、左右両側が縫い合わされた従来のカバーに較べて外観上の違和感がない。また、衣類用カバー10が、和服のみならず、洋服用としても使用可能なので、その汎用性が高められている。
なお、上記実施例においては、後側被覆部11の山形部12の左端付根部分に連結紐16が、右前側被覆部17の山形部12の左端付根部分に対応する位置には連結紐18が取り付けられているが、必要に応じて連結紐16,18を省くことも可能である。また、上記実施例においては、後側被覆部11の上端縁の左右端から延びた一対の第2連結紐14が設けられているが、これについても必要に応じて省略することが可能である。その他、上記各実施例に示した衣類用カバーについては、一例であり、本考案の主旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
本考案の衣類用カバーは、左前側被覆部及び右前側被覆部が後側被覆部の上端縁の中央を挟んだ左右両側に一体で設けられており、左右両側が拘束を受けず自由な状態にされているため、ハンガーに吊るされた和服に装着する際に、左前側被覆部及び右前側被覆部を和服の前側に重ねて簡単に被覆することができ、和服が型崩れせずまたハンガーから落下するおそれもないので、有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である衣類用カバーを示す正面図である。
【図2】同衣類用カバーを示す背面図である。
【図3】同衣類用カバーの使用状態を示す正面図である。
【図4】変形例1である衣類用カバーの使用状態を示す正面図である。
【図5】変形例1の他の例である衣類用カバーの使用状態を示す正面図である。
【図6】変形例2である衣類用カバーの使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ハンガー、2…吊下げ竿部、3…取付鉤部、5…和服、7…洋服用ハンガー、8…洋服、10…衣類用カバー、11…後側被覆部、12…山形部、13…取付紐、14…第2連結紐、15…左前側被覆部、16…連結紐、17…右前側被覆部、18…連結紐。
リーフレット
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図5】
図5 
【図6】
図6
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