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衣服・履物
 
【考案の名称】靴内殺菌脱臭乾燥装置
【実用新案権者】
【識別番号】504288144
【氏名又は名称】有限会社ロゴス
【住所又は居所】神奈川県三浦市初声町高円坊1520
【考案者】
【氏名】松薗 範之
【住所又は居所】神奈川県三浦市初声町高円坊1520 有限会社ロゴス内
【要約】
【課題】
不特定多数の人が利用する施設や利用者より求められる靴等内部の、殺菌脱臭乾燥装置を提供する事。
【解決手段】
殺菌室2に突設されたオゾン混合空気導入管4に靴等を被せ、開閉式扉3を閉じて全システムを起動させると排気ファン11によって、殺菌室2が減圧され外気導入路6より外気が導入し空気の流れができる。同時にオゾン生成圧送用送風機8から圧送された空気は放電式オゾン生成装置9でオゾン混合化し、オゾン混合空気導入管4を通り噴射口5より噴射され靴等内部の奥まで殺菌脱臭乾燥する。排オゾンは導入された外気と共にオゾン分解装置10へ導かれ分解され機外へ放出される。同機はタイマー機能により設定時間後、放電式オゾン生成装置9をストップし、その後排オゾンが処理されるに十分な設定時間後オゾン生成圧送用送風機8及び、排気ファン11が停止する。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
周囲を囲われ開閉式扉を設けた靴等の収容できる殺菌室と、その内部に突設された靴等内部の奥まで差し込む事ができ、先端に噴射口を持ったオゾン混合空気導入管と、前記オゾン混合空気導入管にオゾン混合空気を供給するためのオゾン生成圧送用送風機並びに放電式オゾン生成装置から成るオゾン混合空気供給手段を備え、さらに前記殺菌室には外気導入路と排気路、前記排気路にはオゾン分解装置と前記殺菌室を減圧するに十分な流量を持つ、排気ファンをそれぞれ備える事を特徴とする靴内殺菌脱臭乾燥装置。
【請求項2】
前記殺菌室は、前記開閉式扉を開けた時、前記放電式オゾン生成装置の電源を遮断する安全スイッチを備えた請求項1に記載の靴内殺菌脱臭乾燥装置。
【請求項3】
前記オゾン生成圧送用送風機及び、前記放電式オゾン生成装置及び前記排気ファンは、同時に起動されてからタイマー機能によって時限動作され、前記放電式オゾン生成装置は設定時間後ストップし、その後排オゾン混合空気を処理するに十分な設定時間後、前記オゾン生成圧送用送風機及び、前記排気ファンがストップする請求項1又は2に記載の靴内殺菌脱臭乾燥装置。
【請求項4】
前記オゾン混合空気導入管は、先端部が円く加工された請求項1から3のいずれかに記載の、靴内殺菌脱臭乾燥装置。
【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本考案は不特定多数の人が利用する施設等での使用済靴等内部の、オゾンガスによる殺菌脱臭乾燥装置に関するものである。
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】
本考案が提供しようとする不特定多数の人が利用する施設等での、使用済靴等内部の殺菌脱臭乾燥装置では、その用途に必要不可欠な素早く、確実に安全で経済的の4要素を満たす必要があり、そこで低価格で生成でき、その酸化作用による殺菌脱臭能力が極めて強い比較的高濃度のオゾンガスを利用する装置が望ましい。
しかしながらその高濃度オゾンガスは、人体に対しても毒性が強く使用に際しては従来考えられている装置の内、周囲を囲われた箱の中で使用される装置以外の装置で使用した場合の危険性は否定できない。
また細菌や臭いの成分は靴等の構造上そのほとんどが内部奥に存在しているため、オゾンガスが放出されている箱の中に靴等を入れるだけの従来の装置では、内部の奥先端部に至るまでの殺菌脱臭乾燥には、かなりの時間を要する。
さらに周囲を囲われた箱と靴等内部の奥先端部までオゾンガスを送風する構造のものであっても、使用中誤って箱が開口された時、高濃度のオゾンガスが大量に機外へ流出されないことも安全上欠かせない要素である。
以上のように比較的高濃度のオゾンガスを如何に靴等内部の奥先端部まで送風するか、並びに使用したオゾンガスの機外への流出をどう防ぐかが本考案が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
この様な課題を解決するために周囲を囲われ開閉式扉を設けた靴等の収容できる殺菌室と、その内部に突設された靴等内部の奥まで差し込む事ができ先端に噴射口を持ったオゾン混合空気導入管に靴等を被せシステムを起動させると、オゾン生成圧送用送風機より送られた空気は放電式オゾン生成装置でオゾン混合化され、前記オゾン混合空気導入管より靴等内部の奥まで導かれ前記噴射口より噴射され殺菌脱臭乾燥する。
また前記殺菌室には外気導入路と排気路、前記排気路にはオゾン分解装置と前記殺菌室を減圧するに十分な流量を持つ排気ファンがそれぞれ設置され、前記殺菌室は前記排気ファンによってシステム起動より常に減圧状態にあり、排気路方向へ空気の流れが発生しているため、使用途中誤って前記開閉式扉を開けてしまっても高濃度オゾンが大量に機外へ流出されないだけでなく、排オゾンは導入された外気と共に、前記オゾン分解装置へ導かれ分解され機外へ放出される。
さらに前記開閉式扉を開けた時、放電式オゾン生成装置の電源を遮断する安全スイッチを備える事や、動作終了時に靴等の内部や前記殺菌室に残る排オゾンを処理するため、タイマー機能により起動から設定時間後前記放電式オゾン生成装置をストップし、その後排オゾンを処理するに十分な設定時間後前記オゾン生成圧送用送風機及び前記排気ファンがストップするように構成する事は、安全上重要な手段である。
以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1において殺菌室2の奥側壁より2本突設されその先端が靴に挿入しやすく、かつ挿入時にキズなどが付きにくいように円く加工されたオゾン混合空気導入管4は、可動軸14を軸にスプリング13によって先端が水平位置付近に上げられているため、一足の靴Sを片手でオゾン混合空気導入管4に被せる事ができ、同時に被せた靴Sはその自重でオゾン混合空気導入管4の先端を下げながら、図2に示す位置に容易にセッティングできる。この時オゾン混合空気導入管4’はフレキシブル管を用いると良い。
図2において開閉式扉3を閉じ放電式オゾン生成装置9の電源を接続する安全スイッチ12が接続状態になり、スタートボタン(図示されていない)を押し全システムを起動させると、オゾン生成圧送用送風機8より圧送された空気は、放電式オゾン生成装置9によってオゾン混合化され、オゾン混合空気導入管4より靴S内部の奥へ導かれ噴射口5より噴射される。オゾン生成圧送用送風機は、例えば0.1bar程度の圧縮空気を15L/min供給する電磁式エアーポンプとし、その供給される空気を例えば15ppm程度のオゾン混合空気とするためには、紫外線照射式より放電式オゾン生成装置の方がよりコンパクトに設計できるため有利である。噴射口5は例えば直径4mm程度の小径とする事により、圧縮されたオゾン混合空気は勢い良く噴射され靴S内部の奥よりさらにその先端まで循環し、素早く確実に殺菌脱臭乾燥する事ができる。得に布などの繊維ででき、その内部にまで細菌や臭い成分が存在するような靴にも、その効果は顕著に発揮される。
オゾン生成圧送用送風機8は、殺菌室2内の空気を取り入れるようにも構成できるが、その場合同送風機のオゾンによる劣化や放電式オゾン生成装置9の停止後の排オゾン処理時間の短縮を考えると、同取入口は外気導入路6の近くに設置される事が望ましい。同じく殺菌室2内の空気を取り入れる構成の場合、必ずしも同送風機の流量よりも排気ファン11の流量を多くする必要はないが、排オゾン処理の時間が増すデメリットも生じる。
続いて使用された後の排オゾンは起動時より動作される排気ファンによって、排気路7を通りオゾン分解装置10によって分解され機外へ放出される。この時殺菌室2は例えば0.02m3の容積を持つものとし、排気ファンは例えばシロッコファンによる遠心ブローで流量が100L/minを確保できるものとする事により、殺菌室2は動作中常に適度な減圧状態にあり、排オゾンは減圧によって外気導入路6より導入された外気と共に排気路へ導かれる。さらに安全スイッチ12と合わせた構造を採る事によって、開閉式扉3途中開口時の高濃度オゾンの流出は防がれる。
オゾン分解装置10には、例えば二酸化マンガンを使った接触分解ハニカムを内臓した装置を使用する。同じ接触分解装置に使用できるものとしては、酸化銅などが挙げられる。さらには、例えば350℃以上の熱を1秒以上加える事によって分解する熱分解方式のものや、接触分解方式のものと熱分解方式のものを組み合わせたものなどが考えられる。
図3は靴だけでなく、長靴なども兼用で使用できるようにした実施例を説明するための模式図である。図3において、例えば幅330mm.奥行き280mm.深さ600mmの殺菌室2の底面より高さ500mmの先端を円く加工し、噴射口5を設けたオゾン混合空気導入管4を垂直に2本突設し、ブーツBを被せる形態を採る事によってそれを可能にする。その他の基本的構成は図2に示した実施例と同じであり、両機ともタイマー機能(図示されていない)により放電式オゾン生成装置9は起動より例えば約4分間通電され、その約1分後に全システムを停止する構成とする事で全工程が約5分で成される装置とする事ができる。
【発明の効果】
前記に示した実施例に基づき実際に試作機を作り実験及びアンケート調査を行った結果、殺菌に関してはブドウ球菌、サルモネラ菌、大腸菌を用意し実験したところ、ブドウ球菌98%以上、サルモネラ菌96%以上、大腸菌90%以上の滅菌効果が確認できた。(寒天平板塗末法)
脱臭に関しては、実にその8割以上の人が脱臭前の臭いを感じなくなったとの回答が得られた。
乾燥に関しても大多数の人が問題ないレベルと回答された。
また同時に調査した「何分以内の使用時間なら本装置を使用したいと思うか」の問いに約7割の人が5分以内と回答した結果を見ると、本実施例に基づく試作機の動作時間は、これを満足すると思われる事が判った。
また安全レベルにおいても動作中意図的に扉を開けた時や、分解後機外へ放出された空気のオゾン濃度測定にも0.1ppm以上のオゾン濃度は検出されなかった。
以上のように本考案が提供しようとする靴内殺菌脱臭乾燥装置は、その用途に必要とされる素早く、確実に、安全で、経済的の4要素を申し分のないレベルで達成される事が実証できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】靴専用装置としての一実施例において、靴のセッティング方法を示す模式的な側面図である。
【図2】靴専用装置としての一実施例を示す模式的な側面図である。
【図3】靴、長靴等の兼用装置としての一実施例を示す模式的な側面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 殺菌室
3 開閉式扉
4 オゾン混合空気導入管
5 噴射口
6 外気導入路
7 排気路
8 オゾン生成圧送用送風機
9 放電式オゾン生成装置
10 オゾン分解装置
11 排気ファン
12 安全スイッチ
13 スプリング
14 可動軸
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
リーフレット
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