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家庭用品T
 
【発明の名称】歯磨き用容器
【出願人】
【識別番号】509214540
【氏名又は名称】土田 治
【住所又は居所】岐阜県岐阜市福光西3丁目2番3号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
【発明者】
【氏名】土田 治
【住所又は居所】岐阜県岐阜市福光西3丁目2番3号
【要約】
【課題】
洗面所以外の場所でも歯磨きが可能であり、取り扱いが簡便で、児童でも利用することが可能な歯磨き用容器を提供する。
【解決手段】
左右に把手5を有する容器2に対して、蓋体4がヒンジ部7で一体に連結された遮蔽体3を係合して歯磨き用容器1を得た。遮蔽体3の遮蔽部30は、容器2の内底部の多くの部分を遮蔽している。空隙部8を通って容器2の内底部に溜まった唾液等は遮蔽部30で遮蔽され、殆ど見えない。また、蓋体4には、磨き具合チェック用の鏡として、鏡面シート6が備えられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把手を備えた容器と、その容器の開口を開閉し内側に鏡を備えた蓋体とよりなり、前記容器の開口側において容器の内底部を遮蔽する遮蔽体を設けたことを特徴とする歯磨き用容器。
【請求項2】
前記遮蔽体は、枠部と、その枠部から内側に延出する斜面板状の遮蔽部とよりなり、前記枠部には係合溝が形成され、前記係合溝が前記容器の開口側の周縁に係合され、その状態で前記遮蔽部が容器の内底部を遮蔽することを特徴とする請求項1に記載の歯磨き用容器。
【請求項3】
前記容器は、左右側部に一対の前記把手を備え、前側部が外側に凹の湾曲面となっていると共に、前記遮蔽部の端部と前記前側部との間に空隙部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の歯磨き用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、洗面所以外の場所で用いられる歯磨き用容器に関し、特には、歯磨き方法の教育を受ける児童、ベッドから離れられない人、介護を受ける人等に好適に用いられる歯磨き用容器に関する。
【背景技術】
老若男女を問わず習慣づけて行われている歯磨きは、全ての歯が満遍なくきれいに磨かれているとは限らない。寧ろ、磨き残しがあることの方が多い。
例えば、矯正歯科医療で固定装置(例えば、ブラケット)を装着した場合、歯垢を除去することは容易ではない。歯垢除去のためには、時間をかけて歯磨きを行う必要があり、歯垢染め出し剤の使用も必要になる。また、歯周病の治療においては、歯周病菌を含んだ歯垢を隅々まで除去することが最大の効果を発揮する治療となる。そのため、上記と同様、時間をかけて歯磨きをして、歯垢染め出し剤によるチェックを行う歯磨きが必要となる。ところが、鏡を見て磨き具合をチェックしようとする時、洗面台に固定された鏡は、チェックのために見やすいものではない。このため、鏡を用いて磨き具合をチェックすることが容易な用具が提案されている。
特許文献1に開示されている「歯磨き用コーティング鏡付きコップ」では、手に持ったコップの外面の鏡を利用できるようになっている。
特許文献2に開示されている「歯磨きセット」は、歯磨き用具を収容するコップの蓋体に鏡が備えられている。そして、容器から外した蓋体を手に持って、磨き具合をチェックすることができるようになっている。
また、歯磨きは、洗面所で歯磨きをすることが困難な人にとっても必要である。例えば、乳幼児の歯磨きは母親等が行うが、通常洗面所で行われることは稀で、ソファーや座布団に座った母親が抱いた乳幼児の歯を磨く場合が殆どである。災害発生時の避難場所においても、洗面所で歯磨きを行うことは難しい。例え、臨時の洗面所が設置されたとしても、その場所は必ずしも近くであるとは限らず、特に、高齢者にとっては、洗面所への移動は難儀であり、高齢者は歯磨きを怠りやすい。ところが、歯科医療関係学会の報告によれば、避難場所での高齢者の肺炎(嚥下性肺炎、誤嚥性肺炎)発症例が増えている。歯磨きをし難い環境においては、歯磨きの回数が減ることにより口腔が不潔のままとなって、口腔内由来の細菌により肺炎を発症する状況が明らかになっている。このような場合において、肺炎発症の防止のためには、継続した歯磨きが必要となる。このため、例えば、ベッド上で歯磨きをするための用具が提案されている。
特許文献3に開示されている「歯磨き等補助具」は、洗面器を覆うようにして用いるものであって、口を漱いだ水が曲面からなる受け口面を流れて、洗面器の底に溜まるようになっている。そして、洗面器の底に溜まった漱ぎ水等が受け口面に遮蔽されて見えないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開平10−262799号公報([要約]を参照)
【特許文献2】
特開2000−4936号公報([要約]を参照)
【特許文献3】
特開2003−93250号公報([要約]を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
近年、学校等の教育現場で児童を対象とする歯磨きの指導が行われているが、その教育現場は洗面所以外の教室であったり体育館であったりする。また、介護保険制度下で地域包括センターを中心に行われている口腔機能向上サービスが行われる会場には洗面所の設備が不十分な場合が多く、看護士や歯科衛生士の活動の妨げとなっている。
そして、そのような場で指導される歯磨き方法においては、先ず、歯垢染め出し剤を用いて歯を赤く染めてから、歯磨き粉を使わずに歯磨きが始められ、赤く染められた部分が殆どなくなるまで歯磨きが続けられる。この赤く染められた部分が殆どなくなるまでに要する時間は、数分に止まらず、十分な時間としては十分近くを要する。しかし、歯磨き粉を用いていないにも拘らず、歯磨き時間が長くなれば、唾液が涎となって流れ落ちてしまうので、その前に歯磨き訓練を中断せざるを得ないのが現実である。このため、十分な時間をかけて歯磨き訓練を成し遂げることが課題となっている。
このように、洗面所以外で実施される場合、特許文献1、2の用具による歯磨きでは、涎を受け止めることはできない。このことは、歯磨きの指導を受ける児童に限らず、ベッドから離れられない人、介護を受ける人等においても同様である。
一方、特許文献3の歯磨き等補助具を用いる場合、涎を受け止めることはできるが、歯磨き具合のチェックは、別に用意した手鏡等を利用するしかない。また、この歯磨き等補助具は、洗面器を用いるので、洗面器を置くことが可能なテーブル等が必要である。従って、体育館等で立ったままの児童がこの補助具を利用することは困難である。また、十分な時間をかけて歯磨きをしようとする人が、ソファー等に座って歯磨きをする時、この補助具を利用することも困難である。即ち、特許文献3の歯磨き等補助具は、用具としての簡便性に欠けるものであることが否めない。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、洗面所以外の場所でも歯磨きが可能であり、取り扱いが簡便で、児童でも利用することが可能な歯磨き用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために請求項1に記載の歯磨き用容器の発明は、把手を備えた容器と、その容器の開口を開閉し内側に鏡を備えた蓋体とよりなり、前記容器の開口側において容器の内底部を遮蔽する遮蔽体を設けたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、容器の内底部に溜まった唾液や歯磨き粉交じりの唾液等が遮蔽体で遮蔽されるので、唾液等を見て不快に感じることなく歯磨きを行うことができる。そして、磨き状態を鏡により任意にチェックできるので、歯垢染め出し剤を用いる歯磨き方法の教育現場においては特に、磨き残しを減じることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯磨き用容器において、前記遮蔽体は、枠部と、その枠部から内側に延出する斜面板状の遮蔽部とよりなり、前記枠部には係合溝が形成され、前記係合溝が前記容器の開口側の周縁に係合され、その状態で前記遮蔽部が容器の内底部を遮蔽することを特徴とするものである。
上記構成によれば、枠部の係合溝を容器の開口側端部に外嵌させることにより遮蔽体を容器に係合させることができる。この時、枠部において遮蔽体と蓋体とを連結すれば、蓋体を、遮蔽体を介して容器に係合することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の歯磨き用容器において、前記容器は、左右側部に一対の前記把手を備え、前側部が外側に凹の湾曲面となっていると共に、前記遮蔽部の端部と前記前側部との間に空隙部が形成されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、容器の前側部の湾曲面に顎を宛がった状態で歯磨きをすることができる。また、唾液等が遮蔽部の上に落とされた時、唾液等は、斜面板状の遮蔽部を流れた後、遮蔽部の端部と容器の前側部との間の空隙部を通って容器の内底部に落ちて溜まる。この空隙部は、その位置が顎に近いので、容器を用いる人の視線から外れる配置となっている。
【発明の効果】
本発明によれば、洗面所以外の場所でも歯磨きを行うことができ、容器の内底部に溜まった唾液等が遮蔽体で遮蔽されるので、本人や他人が唾液等を見て不快に感じることを防止することができる。また、歯磨きの磨き状態を鏡により任意にチェックできるので、歯垢染め出し剤を用いる歯磨き方法の教育現場においては特に、磨き残しを減じることができる。
【発明を実施するための形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図9を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、歯磨き用容器1においては、ポリプロピレン(PP)製の容器2に対して、遮蔽体3が係合されている。遮蔽体3と蓋体4とは、ヒンジ部7を介して一体に形成されたPP製の成形品である。
容器2と遮蔽体3とは、遮蔽体3の枠部31の係合溝32が容器2の開口側周縁の端部23に外嵌されることにより係合される。この時、図3に示すように、外側壁33aの突部34が端部23の段差部24に係合することにより、容器2と遮蔽体3との係合は容易には外れないようになっている。容器2の洗浄等のために遮蔽体3を容器2から外す時は、突片部38に指を掛ける等して、外側壁33aを外方へ弾性変形させることにより、段差部24に対する突部34の係合を外すことができる。
遮蔽体3の斜面板状の遮蔽部30は、その端縁部29と容器2の前側部22との間に空隙部8を生じるように配置されている。このため、遮蔽部30に落ちた唾液等を空隙部8を通って内底部21に溜めることができ、その内底部21に溜まった唾液等を遮蔽部30により視線から遮蔽することができる。しかも、空隙部8は歯磨きをする人の口元側にあるので、当人の視線には入りにくい位置となっている。
図4〜図6に示すように、本実施形態の容器2は、内底部21と、人の顎を宛がうことができるように湾曲面となった前側部22と、左右の側部25と、後側部26とよりなり、液体を収容することが可能なものである。左右の側部25には把手5が設けられている。また、左右の側部25と後側部26との端部23は、一部の肉厚が外側に厚くなって段差部24を形成している。
図7〜図9に示すように、遮蔽体3の枠部31には、容器2の左右の側部25と後側部26との端部23に外嵌可能な係合溝32が設けられ、その枠部31の両方の端部39は離間している。枠部31は、内側壁35と、内側壁35から外方へ延出する延出部37と、延出部37の外端に形成された外側壁33とよりなる。そして、外側壁33は左右のそれぞれの2ヶ所において切欠き部36で切欠かれており、その2ヶ所の切欠き部36間の外側壁33aの内側下端には内側へ突出する突部34が形成され、外側下端には外側へ突出する突片部38が形成されている。
また、枠部31には、その内側から斜め下方に向かって斜面板状に延出する遮蔽部30が形成されている。そして、図7に示すように、遮蔽部30の端縁部29は、平面視の形状が容器2の前側部22の湾曲面に沿うように形成されている。従って、遮蔽体3が容器2に係合された時、空隙部8における前側部22と端縁部29との間は一定の間隔となっている。なお、この間隔を一定とすることなく、中央部から両側に行くにつれ間隔が狭まるように、端縁部29の平面視の形状を更に湾曲度合いの強いものとしてもよい。この時、唾液等は遮蔽部30を流れて最も低い位置である端縁部29の中央付近から下方へ流れ落ちるので、唾液等を内底部21に溜めることについては何ら問題がなく、寧ろ唾液等の遮蔽に供される面積が多くなり好ましいといえる。
一方、蓋体4は、外縁部42の形状が、遮蔽体3の枠部31を介して容器2を閉じるために、それぞれの外形状に対応するように形成された板状体となっている。内側には凹部43が形成され、その内部には鏡としての鏡面シート6が貼着されている。
そして、遮蔽体3と蓋体4とを一体化するヒンジ部7においては、遮蔽体3の延出部37が3ヶ所において更に後方へ延出した第1ヒンジ板71と、蓋体4の外縁部42の3ヶ所から外方へ延出した第2ヒンジ板72とが、薄肉部73を介して連結している。このヒンジ部7はいわゆるPPヒンジと称されるインテグラルヒンジである。
次に、本実施形態の歯磨き用容器1作用について説明する。
図1に示す歯磨き用容器1を用いて歯磨きをする時、把手5を掴むことにより、蓋体4を開いた状態の歯磨き用容器1を手に持って、歯磨きをすることができる。このため、洗面所以外の場所、例えば体育館等で多数の児童が歯磨きの訓練を受ける場合のように、テーブル等を使うことができない時でも歯磨きをすることができる。
全ての歯を満遍なく磨くための歯科医師が推奨する歯磨き方法では、歯ブラシを左右の手に持ち替えながら歯磨きをするが、歯磨き用容器1には左右のそれぞれに把手5が設けられているので、歯ブラシを持たないほうの手で把手5を掴むことができる。従って、この歯磨き方法についても、洗面所以外の場所で実施することができる。
なお、児童の歯磨き訓練に限らず、歯磨き粉を用いず十分な時間をかけて行う歯磨きにおいて、テレビを見ながらソファーに座った姿勢等で歯磨きをすることも、歯磨き用容器1を用いることにより可能となる。
また、磨き具合をチェックする時は、指先で蓋体4を持ち上げて、蓋体4の角度を適宜調節することにより、蓋体4の内側に設けられた鏡面シート6に歯を映すことができる。そして、口の中で溢れそうになる唾液等を容器2内に収容するとき、蓋体4を更に起こすことにより、蓋体4で口元を隠すことができるので、他人の目を気にすることなく、唾液等を遮蔽部30の上に落とすことができる。
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、容器2の内底部21に溜まった唾液等を遮蔽体3の遮蔽部30により遮蔽することができるようにした。このため、歯磨きをする人は、唾液等が容易には見えないので、不快に感じることなく歯磨きを行うことができる。そして、歯磨きの磨き状態を、蓋体4の鏡面シート6により任意にチェックできるので、歯垢染め出し剤を用いる歯磨き方法の教育現場においては特に、磨き残しを減じることができる。
(2)上記実施形態では、枠部31の係合溝32を容器2の開口側周縁の端部23に外嵌させることにより遮蔽体3を容器2に係合させることができるようにした。また、枠部31において遮蔽体3と蓋体4とが連結して一体となるようにしたので、蓋体4を、遮蔽体3を介して容器2に係合することができる。従って、容器2や遮蔽体3の洗浄のために、蓋体4と共に遮蔽体3を、容器2から外したり、容器2に係合したりすることを容易に行うことができる。
(3)上記実施形態では、遮蔽体3を容器2に係合する時、外側壁33aの内側下端に設けられた突部34と、容器2の端部23の外周面に設けられた段差部24とを係合させるようにした。しかも、2ヶ所の切欠き部36の間に設けられた外側壁33aを弾性変形させることは容易である。従って、段差部24に突部34を係合させ、容器2に対する遮蔽体3の取り付けを容易に行うことができる。
(4)上記実施形態では、容器2の前側部22を湾曲面とし、その湾曲面に顎を宛がった状態で歯磨きをすることができるようにした。また、遮蔽部30上に落とされた唾液等は、遮蔽部30の端縁部29と容器2の前側部22との間の空隙部8を通って容器2の内底部21に落ちて溜まる。この空隙部8は、その位置が顎に近いので、容器2を用いる人の視線から外れる配置となっている。従って、容器2の内底部21に溜まった唾液等を見て不快に感じることなく歯磨きをすることができる。
(5)上記実施形態では、蓋体4をインテグラルヒンジよりなるヒンジ部7を介して遮蔽体3に連結したので、容器2を用いる人が唾液等を容器2に吐き出すとき、ヒンジ部7の薄肉部73を回転中心として蓋体4を起こした状態とすれば、吐き出される唾液等が前方の他人に見られないように、視線を遮ることができる。
(6)上記実施形態では、歯磨き用容器1を用いることにより、洗面所以外の場所でも歯磨きを行うことができるようにした。このため、体育館等の歯磨きはもとより、ソファーやベッド上での歯磨きが可能となり、しかも長時間の歯磨きを行うことができる。また、災害発生時の避難場所での歯磨きが容易となるので、歯科医療関係者のボランティア活動を効果的に行うことができ、歯磨きを怠った高齢者の肺炎の発症を未然に防止することができる。更に、介護医療の一環として行われる口腔機能向上サービスにおいて、看護士や歯科衛生士が効果的に活動することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、図10を用いて説明する。なお、本実施形態は、枠部83が第1実施形態の枠部31と異なり、また、蓋体4が容器81と一体に形成されている点が異なるのみなので、その異なる部分を中心に説明し、その他の説明を省くものとする。
図10に示すように、本実施形態の遮蔽体82の枠部83は、一枚の帯状板により形成されており、第1実施形態において、内側壁35と外側壁33とにより係合溝32を形成している枠部31とは異なる。そして、遮蔽体82が容器81に係合される時、この枠部83は、その下端85が容器81の段部84に載った状態で、その外側面86が容器81の段部内側面87に内嵌されている。
また、開口側の端部88から後方へ延出するように第1ヒンジ板71が形成され、この第1ヒンジ板71に薄肉部73を介して蓋体4の第2ヒンジ板72が連結されている。従って、容器81と蓋体4とは、ヒンジ部7で連結した状態で一体成形される。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7)上記実施形態では、容器81と蓋体4とを一体に形成し、遮蔽体82を単体として形成した。このため、容器81から遮蔽体82を取り外すことが容易なので、容器81と遮蔽体82とのそれぞれの洗浄を容易に行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、図11を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し内底部93の形状が異なるのみなので、その異なる部分を説明し、その他の部分の説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の容器91の内底部93は、一部が前側部92側に向かって高くなるように傾斜して、斜底部94となっている。この斜底部94の下端95の平面視の形状は、遮蔽部30の端縁部29の平面視の形状に略同一となっている。従って、平面状の内底部93の部分は、遮蔽部30により上方から見え難くなっている。
そして、この第3実施形態においては、第1、2の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)上記実施形態では、内底部93の前側部92側の一部を斜底部94としたので、遮蔽部30を伝って流れ落ちた唾液等は、当初、内底部93の平面状の部分に溜まるので、その溜まった唾液等は遮蔽部30により遮られて見え難い。このため、歯磨きをする人は、快適に歯磨きを続行することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 容器2、遮蔽体3及び蓋体4をPP製としたが、ポリエチレン、ポリスチレン等の公知の合成樹脂で成形すること。この時、ヒンジ部における薄肉部73の形成のために、薄肉シート状体をインサートして成形することができる。
・ それぞれ3ヶ所の第1ヒンジ板71と第2ヒンジ板72とを薄肉部73で連結してヒンジ部7としたが、それぞれ2ヶ所又は1ヶ所の第1ヒンジ板71と第2ヒンジ板72とによりヒンジ部7を形成すること。
・ 枠部31の外側壁33において、左右のそれぞれに2ヶ所の切欠き部36を設けたが、後部の外側壁33にも2ヶ所の切欠き部36を設けること。
・ 蓋体4にタイマーを設けること。このタイマーにより、望ましい時間をかけて歯磨きを行うことが容易となる。
・ 蓋体4の内側に鏡としての鏡面シート6を貼着したが、鏡面シート6を用いずに、蓋体4の内側の一部に鍍金、スパッタリング等の鏡面加工をすること。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ)前記係合溝を形成する前記遮蔽体の外側壁の左右のそれぞれの2ヶ所に切欠き部を形成し、その切欠き部間の前記外側壁の内側下端に突部を設け、一方、前記容器の開口側端部の外周面に段差部を設け、前記突部と前記段差部との係合により前記遮蔽体と容器とを係合したことを特徴とする請求項2又は3に記載の歯磨き用容器。
このように構成した場合、枠部の係合溝を容器の開口側端部に外嵌させる時、係合溝を形成する外側壁の内側下端に設けられた突部と、容器の開口側端部の外周面に設けられた段差部とを係合させることができる。この突部は、2ヶ所の切欠き部の間の外側壁に設けられているので、外側壁は弾性変形することが容易である。従って、突部が設けられた外側壁を拡開状態にして係合溝を容器の開口側端部に外嵌させ、段差部に突部を係合させて、容器に対する遮蔽体の係合を容易に行うことができる。
(ロ)前記蓋体は、前記遮蔽体又は前記容器に、ヒンジ部で連結されていることを特徴とする請求項1ないし3及び(イ)のうちいずれか一項に記載の歯磨き用容器。
このように構成した場合、容器を用いる人が唾液等を容器に吐き出すとき、ヒンジ部を回転中心として蓋体を起こし、吐き出される唾液等が前方の他人に見られないように、視線を遮ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の歯磨き用容器を示す斜視図。
【図2】中心で切った前後方向の断面図。
【図3】突部と段差部との係合部分の詳細を示す断面図。
【図4】容器を示す平面図。
【図5】図4におけるA−A矢視の一部断面図。
【図6】図4におけるB−B矢視の断面図。
【図7】第1実施形態において、蓋体と遮蔽体とがヒンジ部で連結された態様を示す平面図。
【図8】図7におけるC−C矢視の断面図。
【図9】図7におけるD−D矢視の一部断面図。
【図10】第2実施形態の歯磨き用容器を示す断面図。
【図11】第3実施形態の歯磨き用容器の一部を示す断面図。
【符号の説明】
2,81,91…容器、3,82…遮蔽体、4…蓋体、5…把手、7…ヒンジ部、8…空隙部、21,93…内底部、22,92…前側部、23,39,88…端部、24…段差部、30…遮蔽部、31,83…枠部、32…係合溝、33,33a…外側壁、34…突部、36…切欠き部。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
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