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家庭用品T
 
【発明の名称】家具転倒防止機能付き収納箱
【出願人】
【識別番号】511203444
【氏名又は名称】佐々木 利機
【住所又は居所】大阪府豊中市島江町2丁目17番7号
【代理人】
【識別番号】100107711
【弁理士】
【氏名又は名称】磯兼 智生
【発明者】
【氏名】佐々木 利機
【住所又は居所】大阪府豊中市島江町2丁目17番7号
【要約】
【課題】伸縮する箱体を用いた家具転倒防止機能を有する収納箱において、伸縮する棒体を用いながら、適用できる高さの範囲を大きくすることを課題とする。
【解決手段】家具転倒防止機能付き収納箱として、上面の無い箱体であって、前面に開口が形成された下箱と、下箱の内側周面に外面側周が嵌る大きさを有する下面の無い箱体であって、下箱の高さよりも低く形成される中箱と、パイプ体内に棒状体を入れ子に挿入することで伸縮可能に形成されるとともに、任意の伸縮位置で固定可能に形成される、中箱の上面の4隅又は下箱の底面の4隅に立てて配置される4本の伸縮棒と、下箱外側周面に内側周面が嵌る大きさを有する下面の無い箱体であって、前記伸縮棒の最大長さよりも高く形成される上箱とより構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の無い箱体であって、前面に開口が形成された下箱と、
下箱の内側周面に外面側周が嵌る大きさを有する下面の無い箱体であって、下箱の高さよりも低く形成される中箱と、
パイプ体内に棒状体を入れ子に挿入することで伸縮可能に形成されるとともに、任意の伸縮位置で固定可能に形成される、中箱の上面の4隅又は下箱の底面の4隅に立てて配置される4本の伸縮棒と、
下箱外側周面に内側周面が嵌る大きさを有する下面の無い箱体であって、前記伸縮棒の最大長さの合計よりも高く形成される上箱と
を有する家具転倒防止機能付き収納箱。
【請求項2】
前記上箱の少なくとも側周面は段ボールで形成される請求項1に記載の家具転倒防止機能付き収納箱。
【請求項3】
前記伸縮棒は上下端部に水平部材が固定され、中箱の上面の4隅又は下箱の底面の4隅に4本設けられることに代えて中箱の開口面に隣接する上面の2辺又は下箱の開口面に隣接する底面の2辺に下端部側の前記水平部材が接触するように2本設けられるものである請求項1又は2に記載の家具転倒防止機能付き収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具と天井との隙間に挟んで固定することで家具の転倒を防止できる収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震による家具の転倒を防止する方法として、家具の上面と天井との間の隙間を埋めることが行われている。隙間を埋める方法として、伸縮可能なポールを隙間に挟む方法があるが、この方法だと、ポールが表出するとともに、家具の上面のスペースを有効に使用できないという問題がある。これに対して、下記特許文献に記載の考案のように、伸縮できる箱体を家具上面と天井の間に挟むようにすると、箱内が収納スペースとして活用でき望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-140754号公報
【特許文献2】特開2007-50198号公報[0057]、図12
【特許文献3】実用新案登録第3028930号公報
【特許文献4】特許第3799054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、伸縮できる箱体を固定する方法として、特許文献1の図1、図2や特許文献3に示されるように、上箱と下箱の間に分離した壁面を設け、壁面と上箱及び下箱との縦方向における接合位置を変える方法は、壁面の強度を十分に確保する必要があり、段ボールなどで形成することは望ましくない等の制約がある。また、特許文献4のように内部に屈曲させた板体を設け、板体の角度を変えて固定する方法は屈曲させた板体部分は収納スペースとして使用できず無駄が多い。
これに対して、特許文献1の図5や特許文献2の図12に示すように伸縮固定できる棒体を箱内部の四隅に設け、これにより伸縮できる箱体を所定位置で固定するようにした構造は、箱体の材質に影響されることがなく望ましい。
しかしながら、伸縮固定できる棒体は、パイプ体内に入れ子に棒体又はパイプ体を挿入することで伸縮可能に形成されるので、長さの範囲がほぼ外側のパイプの長さから、これの倍まで長さの範囲に限定されてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みて、伸縮する箱体を用いた家具転倒防止機能を有する収納箱において、伸縮する棒体を用いながら、適用できる高さの範囲を大きくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、上面の無い箱体であって、前面に開口が形成された下箱と、 下箱の内側周面に外面側周が嵌る大きさを有する下面の無い箱体であって、下箱の高さよりも低く形成される中箱と、パイプ体内に棒状体を入れ子に挿入することで伸縮可能に形成されるとともに、任意の伸縮位置で固定可能に形成される、中箱の上面の4隅又は下箱の底面の4隅に立てて配置される4本の伸縮棒と、下箱外側周面に内側周面が嵌る大きさを有する下面の無い箱体であって、前記伸縮棒の最大長さよりも高く形成される上箱とを有する家具転倒防止機能付き収納箱である。
請求項2に記載の発明は、前記家具転倒防止機能付き収納箱において前記上箱の少なくとも側周面は段ボールで形成されるものである
請求項3に記載の発明は、前記家具転倒防止機能付き収納箱において、前記伸縮棒は上下端部に水平部材が固定され、中箱の上面の4隅又は下箱の底面の4隅に4本設けられることに代えて中箱の開口面に隣接する上面の2辺又は下箱の開口面に隣接する底面の2辺に下端部側の前記水平部材が接触するように2本設けられるものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明は、下箱に中箱を入れてこの上に伸縮棒を配置することで、ほぼ伸縮棒の最大長さに加えて中箱の高さ分全体を高くすることができるとともに、低くする場合は中箱を上箱の上面に重ねるか、取り外して、下箱の底面に伸縮棒を配置することでほぼ伸縮棒の最小長さまで全体の高さを低くすることができ、結果として伸縮棒の長さの範囲を超えて高さ調節を行うことが可能となる。なお、高さを低くした状態において、上箱の下面が下箱の下面よりも下になる場合は、上箱の側面を適宜切断して高さを調節すればよい。
請求項2に記載の発明は、上箱の側周面を段ボールで形成することで、上箱の側面を切断する必要が生じたときに比較的容易に作業を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、伸縮棒を左右の2本にすることで、高さ調節に際して2本の高さのみを変えればよいので、高さ調節の作業を簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係る家具転倒防止機能付き収納箱の斜視図である。
【図2】実施形態に係る家具転倒防止機能付き収納箱の分解斜視図である。
【図3】(a)は実施形態に係る家具転倒防止機能付き収納箱の中箱の上面に伸縮棒を設置した状態を示す縦断面図であり、(b)は下箱の底面に伸縮棒を設置した状態を示す縦断面図である。
【図4】伸縮棒の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に本実施形態に係る家具転倒防止機能付き収納箱X(以下、収納箱Xという)の斜視図を示し、図2に収納箱Xの分解斜視図を示す。収納箱Xは、下箱10、中箱20、上箱30、伸縮棒40から構成される。
下箱10は、段ボールにより形成される上面の開放した箱体であり、正面側に上端縁に至る開口11が設けられる。下箱10の底面には、ゴムからなる滑り止めシート12が貼り付けられる。
中箱20は、段ボールにより形成される下面が開放した箱体であり、正面側に下端縁に至る開口21が設けられる。中箱20の高さは下箱10の高さよりも低く設定される。
【0009】
上箱30は、段ボールにより形成される下面が開放した箱体であり、正面側に下端縁に至る開口31が設けられる。また、上箱30の正面上端側にはロールカーテン33が固定されて、上面にはゴムからなる滑り止めシート32が貼りつけられる
伸縮棒40は、パイプ体内により細いパイプが入れ子になることで伸縮可能に形成される棒状体であり、内側のパイプはネジ機構で外側のパイプに対して進退できるように形成され、任意の位置で固定できるようになっている。伸縮棒40は4本設けられる。なお、伸縮棒40の内側のパイプの固定手段としては、外側パイプの側面から垂直にネジで内側パイプを貫通させる方法など種々の方法が採用可能である。また、前記上箱30の高さは伸縮棒の最大長さよりも大きくなるように形成される。
【0010】
次に、以上のような構成を有する収納箱Xの使用方法について説明する。収納箱Xは転倒を防止しようとする家具と、天井との間を充填するように設けられる。家具の上面と天井までの距離が長い場合は、図1、2に示すように、下箱10の中に中箱20を入れ、さらに、下箱10の外側に上箱30を嵌め入れる。そして、中箱の上面の四隅と上箱30の内部上面の四隅とを連結するように、4本の伸縮棒40を立てて配置する。図3(a)にこの状態の収納ボックスの正面に平行な平面で切った縦断面図を示す。この状態で、家具Fの上面に収納箱Xを配置し、上箱30の上面が天井Cを押圧するように4本の伸縮棒40を伸ばして固定する。これで、収納箱Xの設置は完了するが、さらに、下箱及び上箱の内部で、下箱、上箱、中箱とを粘着テープや接着剤などで固定することで強度を高めることが望ましい。このように中箱を伸縮棒40の下に配置することで、収納箱Xは伸縮棒40の最大長さよりも中箱の分だけ高く設定できる。また、中箱を設けることで、収納箱Xに中箱の上面が仕切りの役割を果たすので、内部に物を収納する際の利便性が高くなる。
【0011】
一方、家具の上面と天井までの距離が比較的短い場合には、中箱20を上箱30の上面に重ねるか、中箱20を取り去って、下箱10の外側に上箱30を嵌め入れ、下箱10の内部底面の四隅と中箱20又は上箱30の内部上面の四隅とを連結するように、4本の伸縮棒40を立てては位置する。なお、この状態で上箱30の側面が長すぎる場合は適宜上箱30の側周面を切断して適当な長さに調節すればよい。図3(b)にこの状態の収納ボックスの正面に平行な平面で切った縦断面図を示す。なお、図では上箱30の側周面のうち想像線で示された部分35が切断されている。この状態で、家具Fの上面に収納箱Xを配置し、上箱30の上面が天井Cを押圧するように4本の伸縮棒40を伸ばして固定する。その後、必要に応じて、内部を接着剤や粘着テープにより補強する。このように、収納箱Xは、中箱20分の高さを排除するような使用をすることで、ほぼ伸縮棒40を最も縮めた長さもまで低く高さを設定できる。
【0012】
なお、上記実施形態では、伸縮棒40として両端部が点状の棒体を4本用いたが、図4に示す伸縮棒40Aのように、上下端に水平の部材40Aaが設けられているものを利用すれば、左右に2本の左右の伸縮棒40Aで足りる。
【符号の説明】
【0013】
X 家具転倒防止機能付き収納箱
10 下箱
12 滑り止めシート
20 中箱
30 上箱
32 滑り止めシート
33 ロールカーテン
40、40A 伸縮棒
写真1 
写真2 
発明者からのメッセージ

※軽くてシンプルな構造なので
○持ち運び、組立、設置が簡単。
○天井や壁、家具などにも傷や汚れを付けない。
※廃棄するときは、リサイクルなので処分が簡単。
※箱全体で押圧する事で転倒防止力を高める。
※全面開口部の蓋が簡単に出来るので収納が楽、また、収納品が飛び出ない。
※写真は実際、食器棚の上に設置した物。
○右端は数種類の大きさの中のひとつを二段重ね、高さを調節した物、上部は前面開口部に蓋をした物。
○中央と左端は数種類の中のひとつを高さを調節した物で、左は蓋をした物。
TEL・FAX06−6334−3209
 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4 
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