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健康・医療
 
【考案の名称】呼吸補助装置
【実用新案権者】
【識別番号】507321428
【氏名又は名称】平間 豊
【住所又は居所】茨城県牛久市田宮27−20
【考案者】
【氏名】平間 豊
【住所又は居所】茨城県牛久市田宮27−20
【要約】
【課題】睡眠時無呼吸症の治療中、治療者が無意識にマスクを外すことを阻止する呼吸補助装置の提供。
【解決手段】上記課題は、呼吸補助装置本体2に隣接してペルチェ素子構造方式の冷却装置本体5を設け、この冷却装置本体5によって、可撓ホース4及び鼻マスク3を介して治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される寝室等の室内の空気の温度よりも低下させることによって、達成できる。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも加圧手段を内蔵した呼吸補助装置本体(2)と、患者の鼻の周りに保持された鼻マスクと、この鼻マスクを前記呼吸補助装置本体(2)に接続する可撓ホースとを備え、前記呼吸補助装置本体(2)には、前記呼吸補助装置本体(2)内に空気を吸い込ませる吸気口と、この吸気口から前記呼吸補助装置本体(2)内に吸い込ませた空気を前記加圧手段により加圧して前記呼吸補助装置本体(2)外に送出させる送気口とを設けると共に、前記可撓ホースの一端を前記送気口に連通させ、かつ、前記可撓ホースの他端を前記鼻マスクに連通させることで、前記加圧手段により加圧された加圧空気を前記可撓ホース及び前記鼻マスクを介して患者の気動内に送り込むようにした呼吸補助装置において、前記可撓ホース及び前記鼻マスクを介して患者の気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、前記呼吸補助装置が設置される部屋の空気の温度よりも低下させるところの冷却装置本体(5)を設けたことを特徴とする呼吸補助装置。
【請求項2】
前記冷却装置本体(5)は、ペルチェ素子構造部と、このペルチェ素子構造部に設けられてペルチェ素子の発熱作用により発生した温風を送出する温風送出ファン部と、この温風送出ファン部により送出されてきた温風を前記ペルチェ素子構造部の外部に送出するための温風送出口部と、前記ペルチェ素子構造部に設けられてペルチェ素子の吸熱作用により発生した冷風を送出する冷風送出ファン部と、この冷風送出ファン部により送出されてきた冷風を前記ペルチェ素子構造部の外部に送出するための冷風送出口部とを少なくとも備え、かつ、前記温風送出口部の温風の送出方向と前記冷風送出口部の冷風の送出方向が反対方向となる構成にし、しかも、前記冷却装置本体(5)の冷風送出口部と前記呼吸補助装置本体(2)の吸気口とを対向させる構成にしたことを特徴とする請求項1記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記冷却装置本体(5)に印加する電流の向きを反転させる電極切り替えスイッチ(21)を備えたことを特徴とする請求項2記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記呼吸補助装置本体(2)及び前記冷却装置本体(5)を収納するための上面を開閉蓋とした収納ケース(6)を設け、この収納ケース(6)内底の背面寄り及び左右側面のいずれか一方の側面寄りに前記冷却装置本体(5)を配設し、この冷却装置本体(5)の温風送出口部から排出された温風を前記収納ケース(6)外に排出するための排出開口を、前記収納ケース(6)の側面に前記冷却装置本体(5)の温風送出口部が対向するように設け、かつ、前記収納ケース(6)外の空気を前記収納ケース(6)内に取り入れるための空気取入開口を、前記収納ケースの背面に設けると共に、前記冷却装置本体(5)の温風送出口部から送出された温風を前記排出開口から前記収納ケース(6)外に導くために前記冷却装置本体(5)の温風送出ファン部と前記収納ケース(6)の排出開口の間に遮蔽体(13)を設け、しかも、前記収納ケース(6)は、前記呼吸補助装置本体(2)、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース、呼吸補助装置本体用電源アダプター及び交流電源に接続される電源用延長コード並びに冷却装置本体(5)及び冷却装置本体用電源アダプターを、収納可能となる大きさに設定し、かつ、前記収納ケース(6)から取り出した前記可撓ホースを連通させるためのホース差し込み口を前記収納ケース(6)の外壁に設けると共に、記冷却装置本体(5)の冷風送出口部と前記呼吸補助装置本体(2)の吸気口とが対向するように前記収納ケース(6)内に配設された前記呼吸補助装置本体(2)の送気口と前記ホース差し込み口とを連通させる連通用ホース(10)を、前記収納ケース(6)内に配設し、さらに、前記収納ケース(6)の開閉蓋を閉じた状態で、前記収納ケース(6)内の前記呼吸補助装置本体用電源アダプター及び前記冷却装置本体用電源アダプターへの電源入力の入り切りを行うことを可能にした電源スイッチ(17)と、前記収納ケース(6)から取り出した電源用延長コードが接続され、かつ、前記呼吸補助装置本体用電源アダプター及び前記冷却装置本体用電源アダプターに交流電源の印加を可能にする電源コネクター(16)とを、前記収納ケース(6)の外壁に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記収納ケース(6)内の中央部分には、前記呼吸補助装置本体(2)を収納する呼吸補助装置本体収納空間(S1)を仕切る空間仕切体(12)を設け、この空間仕切体(12)の側方に形成される第一空間部分(S2)と前記遮蔽体(13)の側方に形成される第二空間部分(S3)とを利用して、前記冷却装置本体用電源アダプター、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース、電源用延長コード及び呼吸補助装置本体用電源アダプターを、前記収納ケース(6)内に収納する構成にし、しかも、前記ホース差し込み口、前記電源スイッチ(17)及び前記電源コネクター(16)を、前記収納ケース(6)の正面外壁に配設したことを特徴とする請求項4に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記呼吸補助装置本体(2)の作動時間を積算してその積算時間を表示画面に逐次表示すると共に、その表示画面に表示された作動積算時間を零にリセットできる使用時間計測手段(9)を、前記収納ケース(6)に設けたことを特徴とする請求項4乃至5のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記収納ケース(6)の空気取入開口から前記収納ケース(6)内に流入する空気に含まれている塵埃を捕捉する濾過フイルター(15)を設けたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、睡眠時無呼吸症の治療に使用される呼吸補助装置に関し、加圧された空気が治療者の気道に与えられるようにした呼吸補助装置に関するものである。
【背景技術】
従来、睡眠時無呼吸症の治療に使用される呼吸補助装置としては、加圧手段を内蔵した箱状の呼吸補助装置本体(CPAP)と、治療者の顔にヘットギア(ストラップ、バンド)によって定位置に保持された鼻マスクと、この鼻マスクを前記呼吸補助装置本体に接続する可撓ホースと前記呼吸補助装置本体の駆動電源となる電源アダプターを備え、前記呼吸補助装置本体には、前記呼吸補助装置本体の周囲の空気を吸い込ませる吸気口と、この吸気口から吸い込ませた空気を前記加圧手段により加圧して前記呼吸補助装置本体外に送出させる送気口を設け、しかも、前記可撓ホースの一端を前記送気口に連通させ、かつ、前記可撓ホースの他端を前記鼻マスクに連通させることで、前記加圧手段により加圧された空気を、前記鼻マスクを通して治療者の気動内に送り込むようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】 特開2011−512889号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来の呼吸補助装置では、呼吸補助装置本体が設置される寝室等の室内の空気を、呼吸補助装置本体の吸気口から呼吸補助装置本体内に取り込んで加圧した後、その加圧した空気を呼吸補助装置本体の送気口から可撓ホースを介して鼻マスクに送出するようにしている。
そのために、上述した従来の呼吸補助装置では、呼吸補助装置本体が設置される寝室等の部屋(室内)の空気が、特に日本の夏場(夏季)等において、例えば、28℃以上の高温多湿となってしまった場合には、呼吸補助装置本体の送気口から可撓ホースを介して鼻マスクに送られてくるところの加圧された空気が28℃以上の高温多湿となってしまうので、治療者が寝苦しく感じてしまうと共に、鼻の周りが痒くなってしまうために、睡眠中において鼻マスクを顔から無意識に外してしまうという問題点を有していた。
さらに、上述した従来の呼吸補助装置を構成する呼吸補助装置本体と鼻マスクと可撓ホースと電源アダプターを、手に持って寝室等に持ち運ぶ際、箱状の呼吸補助装置本体に取手が設けられていないことや可撓ホースが長尺体であることなどが相俟って、呼吸補助装置本体を落としてしまいそうになるという問題点を有していた。
さらに、上述した従来の呼吸補助装置では、鼻マスクに送られてくるところの加圧された空気を、治療者の気動内に送り込むことによって行われるところの睡眠時無呼吸症治療の積算時間(合計時間)が、医者から指示された時間に達しているか否かを、治療者が目覚めた時に、治療者が直ちに知りことができないという問題点を有していた。
本考案の目的は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、鼻マスクに送られてくる空気の温度を、呼吸補助装置本体が設置される寝室等の室内の空気の温度よりも、低く抑えることにより、治療者が無意識に鼻マスクを顔から外してしまうことを阻止することを可能にした呼吸補助装置を提供することにある。なお、呼吸補助装置本体の吸気口から呼吸補助装置本体内に取り込まれた空気が、その呼吸補助装置本体内でポンプその他の手段により加圧されて、呼吸補助装置本体の送気口から送出させる空気を、以下、加圧空気と称することとする。
本考案のさらなる目的は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、呼吸補助装置本体と鼻マスクと可撓ホースと電源アダプターを、安心して持ち運ぶことを可能にした呼吸補助装置を提供することにある。
本考案のさらなる目的は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、睡眠時無呼吸症治療時間(呼吸補助装置の使用時間)を、治療者が直ちに知ることを可能にした呼吸補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、少なくとも加圧手段を内蔵した呼吸補助装置本体と、治療者の鼻の周りに保持された鼻マスクと、この鼻マスクを前記呼吸補助装置本体に接続する可撓ホースとを備え、前記呼吸補助装置本体には、前記呼吸補助装置本体内に空気を吸い込ませる吸気口と、この吸気口から前記呼吸補助装置本体内に吸い込ませた空気を前記加圧手段により加圧して前記呼吸補助装置本体外に送出させる送気口とを設けると共に、前記可撓ホースの一端を前記送気口に連通させ、かつ、前記可撓ホースの他端を前記鼻マスクに連通させることにより、前記加圧手段により加圧された加圧空気を、前記可撓ホース及び前記鼻マスクを介して治療者の気動内に送り込むようにした呼吸補助装置において、前記可撓ホース及び前記鼻マスクを介して治療者の気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、前記呼吸補助装置が設置される部屋の空気の温度よりも低下させるところの冷却装置本体を設けるようにしたものである。
さらに、本考案は、前記冷却装置本体は、ペルチェ素子構造部と、このペルチェ素子構造部に設けられてペルチェ素子の発熱作用により発生した温風を送出する温風送出ファン部と、この温風送出ファン部により送出されてきた温風を前記ペルチェ素子構造部の外部に送出するための温風送出口部と、前記ペルチェ素子構造部に設けられてペルチェ素子の吸熱作用により発生した冷風を送出する冷風送出ファン部と、この冷風送出ファン部により送出されてきた冷風を前記ペルチェ素子構造部の外部に送出するための冷風送出口部とを少なくとも備え、かつ、前記温風送出口部の温風の送出方向と前記冷風送出口部の冷風の送出方向が反対方向となる構成とし、しかも、前記冷却装置本体の冷風送出口部と前記呼吸補助装置本体の吸気口とを対向させる構成としたことを特徴としている。
さらに、本考案は、前記冷却装置本体に印加する電流の向きを反転させる電極切り替えスイッチを備えたことを特徴としている。
さらに、本考案は、前記呼吸補助装置本体及び前記冷却装置本体を収納するための上面を開閉蓋とした収納ケースを設け、この収納ケース内底の背面寄り及び左右側面のいずれか一方の側面寄りに前記冷却装置本体を配設し、この冷却装置本体の温風送出口部から排出された温風を前記収納ケース外に排出するための排出開口を、前記収納ケースの側面に前記冷却装置本体の温風送出口部が対向するように設け、かつ、前記収納ケース外の空気を前記収納ケース内に取り入れるための空気取入開口を、前記収納ケースの背面に設けると共に、前記冷却装置本体の温風送出口部から送出された温風を前記排出開口から前記収納ケース外に導くために前記冷却装置本体の温風送出ファン部と前記収納ケースの排出開口の間に遮蔽体を設け、しかも、前記収納ケースは、前記呼吸補助装置本体、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース、呼吸補助装置本体用電源アダプター及び交流電源に接続される電源用延長コード並びに冷却装置本体及び冷却装置本体用電源アダプターを、収納可能となる大きさに設定し、かつ、前記収納ケースから取り出した前記可撓ホースを連通させるためのホース差し込み口を前記収納ケースの外壁に設けると共に、記冷却装置本体の冷風送出口部と前記呼吸補助装置本体の吸気口とが対向するように前記収納ケース内に配設された前記呼吸補助装置本体の送気口と前記ホース差し込み口とを、連通させる連通用ホースを、前記収納ケース内に配設し、さらに、前記収納ケースの開閉蓋を閉じた状態で、前記収納ケース内の前記呼吸補助装置本体用電源アダプター及び前記冷却装置本体用電源アダプターへの電源入力の入り切りを行うことを可能にした電源スイッチと、前記収納ケースから取り出した電源用延長コードが接続され、かつ、前記呼吸補助装置本体用電源アダプター及び前記冷却装置本体用電源アダプターに交流電源の印加を可能にする電源コネクターとを、前記収納ケースの外壁に設けたことを特徴としている。
さらに、本考案は、前記収納ケース内の中央部分には、前記呼吸補助装置本体を収納する呼吸補助装置本体収納空間を仕切る空間仕切体を設け、この空間仕切体の側方に形成される第一空間部分と前記遮蔽体の側方に形成される第二空間部分とを利用して、前記冷却装置本体用電源アダプター、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース、電源用延長コード及び呼吸補助装置本体用電源アダプターを、前記収納ケース内に収納する構成にし、しかも、前記ホース差し込み口、前記電源スイッチ及び前記電源コネクターを、前記収納ケースの正面外壁に配設したことを特徴としている。
さらに、本考案は、前記呼吸補助装置本体の作動時間を積算してその積算時間を表示画面に逐次表示すると共に、その表示画面に表示された作動積算時間(呼吸補助装置の使用時間)を零にリセットできる使用時間計測手段を、前記収納ケースに設けたことを特徴としている。
さらに、本考案は、前記収納ケースの空気取入開口から前記収納ケース内に流入する空気(外気)に含まれている塵埃を捕捉する濾過フイルターを設けたことを特徴としている。
【考案の効果】
請求項1の考案によれば、冷却装置本体によって、呼吸補助装置本体から鼻マスクに送られる加圧空気の温度が、呼吸補助装置が設置される部屋の空気の温度よりも低く抑えられるため、治療者が寝苦しくなることが抑えられて、無意識に鼻マスクを顔から外してしまうことが阻止され、睡眠時無呼吸症の治療を効率よく行うことのできる呼吸補助装置を提供することができた。
さらに、請求項2の考案によれば、ペルチェ効果を利用した冷却装置本体とすることで、その冷却装置本体の小形化軽量化を図ることができ、取扱性、運搬性及び保管性に優れた呼吸補助装置の提供を可能にすることができると共に、温風送出口からの温風の送出方向と冷風送出口の冷風の送出方向が反対方向となっているので、冷却装置本体から送出されるところの温風と冷風が混合することが抑えられて、冷却装置本体から送出される冷風によって、呼吸補助装置本体の加圧手段により加圧された加圧空気を、呼吸補助装置が設置される部屋の空気の温度よりも低くなるように効率よく冷却することができる。
さらに、請求項3の考案によれば、冷却装置本体の温風送出口部側を呼吸補助装置本体の吸気口に対向させた状態で、冷却装置本体を収納ケースに取り付けたとしても、電極切り替えスイッチによってペルチェ素子構造部に印加する電流の向きを反転させることにより、温風送出口部から冷風を送出させ、かつ、冷風送出口部から温風を送出させるようにすることができるので、冷却装置本体の据え付け(取り付け作業)をやり直す必要がないため、冷却装置本体の設置自由度が優れている。また、請求項3の考案によれば、ペルチェ素子構造体に印加する電流の向きを反転させる電極切り替えスイッチを操作することにより、呼吸補助装置本体の冷風送出口から送出される空気を冷風から温風に切り替えられるので、鼻マスクに送られる加圧空気の温度を上昇させることができる。したがって、呼吸補助装置が設置される部屋の空気の温度が低過ぎる時には、電極切り替えスイッチを操作することで、鼻マスクを介して治療者の気動内に送り込まれる加圧空気の温度を上げることができるため、日本などの冬季等においても、睡眠時無呼吸症の治療を快適に行うことができる。
さらに、請求項4の考案によれば、収納ケースの開閉蓋を閉じた状態で、冷却装置本体を作動させると、空気取入開口から収納ケース内に流入した空気は、冷風となって冷却装置本体の冷風送出口から送出される。そして、冷却装置本体の温風送出口から送出された温風は、遮蔽体によって、収納ケースの排出開口から外方に送出されてしまい、冷却装置本体の冷風送出口から送出された冷風によって、開閉蓋を閉じた状態の収納ケース内の空気が効率よく冷却させられる。したがって、その冷却された収納ケース内の空気が冷却装置本体からの冷風と一緒に、冷却装置本体の冷風送出口に対向した呼吸補助装置本体の吸気口から呼吸補助装置本体内に、効率よく、吸い込まれた後、加圧されて、吸補助装置本体の送気口から可撓ホースを介して鼻マスクに送られるので、治療者の気動に送られる加圧空気の温度を、呼吸補助装置が設置される部屋の空気の温度よりも、円滑に低く抑えることができる。また、請求項4の考案によれば、収納ケースの開閉蓋を閉じた状態で、冷却装置本体及び呼吸補助装置本体を作動させることにより、収納ケース外に漏れる冷却装置本体の作動音を、治療者の睡眠を妨げることのない程度に下げることができる。また、請求項4の考案によれば、収納ケース内に、呼吸補助装置本体、冷却装置本体、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース、電源用延長コード、呼吸補助装置本体用電源アダプター及び冷却装置本体用電源アダプターを収納させて開閉蓋を閉じた状態で、運搬及び保管をすることができる。そのため、取手が設けられていない呼吸補助装置本体であっても、可撓ホースや電源用延長コードが長尺体であっても、その呼吸補助装置本体、可撓ホース及び電源用延長コード並びにヘットギア付きの鼻マスク、呼吸補助装置本体用電源アダプター及び冷却装置本体用電源アダプターを、落下させることなく、安心して持ち運ぶことができると共に、呼吸補助装置本体、冷却装置本体、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース、電源用延長コード、呼吸補助装置本体用電源アダプター及び冷却装置本体用電源アダプターに、寝室等の部屋内の綿塵等が付着するのを阻止した状態で、保管可能な呼吸補助装置を提供することができる。
さらに、請求項5の考案によれば、収納ケース内の呼吸補助装置本体収納空間に、呼吸補助装置本体を円滑に収納することができると共に、空間仕切体の側方に形成される第一空間部分及び前記遮蔽体の側方に形成される第二空間部分を利用することで、前記冷却装置本体用電源アダプター、前記呼吸補助装置本体用電源アダプター、ヘットギア付きの鼻マスク、可撓ホース及び電源用延長コードを、収納ケース内に難なく収納することができる。
さらに、請求項6の考案によれば、治療者が呼吸補助装置本体の作動による治療の積算時間(呼吸補助装置の使用時間)を、使用時間計測手段の表示画面を見ることで、治療者が直ちに知ることができる。そのために、医者に指示された呼吸補助装置の使用時間を達成しているか否かを、治療者が確認することができる。
さらに、請求項7の考案によれば、呼吸補助装置が設置される寝室等の部屋内の綿塵等が、濾過フイルターによって除去されるので、空気取入開口から収納ケース内に侵入することがない。したがって、収納ケースに収納されているところの呼吸補助装置本体、冷却装置本体、呼吸補助装置本体用電源アダプター及び冷却装置本体用電源アダプターに、呼吸補助装置が設置される寝室等の部屋内の綿塵等が付着するのが阻止されるので、衛生的であると共に、呼吸補助装置本体の吸気口に装着されている吸気口用フイルターへの塵埃の付着が少なくなり、その吸気口用フイルターの目詰まりが軽減される。
【考案を実施するための形態】
以下、本考案の一実施形態例を、図1〜図11に基づき、具体的に説明する。
図1において、一実施形態例の呼吸補助装置1は、少なくとも加圧手段2Dを内蔵した呼吸補助装置本体(CPAP本体)2と、治療者Mの鼻の周りに保持された鼻マスク3と、この鼻マスク3を呼吸補助装置本体2に接続する透明性の可撓ホース4とを有している。そして、呼吸補助装置本体2には、この呼吸補助装置本体2内に空気を吸い込ませる吸気口2Bと、この吸気口2Bから呼吸補助装置本体2内に吸い込ませた空気を加圧手段2Dにより加圧して呼吸補助用本体2外に加圧空気として送出させる送気口2Cとが、同一面に並べて設けられている。呼吸補助装置本体2の箱部材2Aの上面には、少なくとも、本体釦スイッチ2Eが設けられている。この本体釦スイッチ2Eは、呼吸補助装置本体2の起動停止を行わせるものであって、呼吸補助装置本体2が作動中に押すと、送気口2Cからの加圧空気の送出が停止し、かつ、吸補助装置本体2が停止後に再度押すと、送気口2Cからの加圧空気の送出が再起動するようになっている。
しかも、一実施形態例の呼吸補助装置1は、図1に示すように、可撓ホース4の一端4Aを送気口2Cに連通させ、かつ、可撓ホース4の他端4Bを鼻マスク3に連通させることで、加圧手段2Dにより加圧された空気を、可撓ホース4及び鼻マスク3を介して治療者Mの気動(上気動)内に送り込むようにしている。さらに、図1に示すように、呼吸補助装置本体2には、冷却装置本体5を隣接配置して、その冷却装置本体5の冷風送出口部5Eと呼吸補助装置本体2の吸気口2Bとを対向させることで、冷風送出口部5Eからの冷風を呼吸補助装置本体2の吸気口2Bに吸い込ませることにより、可撓ホース4及び鼻マスク3を介して治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、呼吸補助装置本体2が設置される寝室等の部屋の空気の温度よりも低下されるようにしている。
呼吸補助装置本体2は、図1及び図2に示すように、少なくとも、箱部材2Aと、この箱部材2Aの正面に設けた吸気口2Bと、この吸気口2Bに並んで箱部材2Aの正面に設けた送気口2Cと、箱部材2A内に設けられて、かつ、吸気口2Bから吸い込まれた空気を加圧して送気口2Cから可撓ホース4を介して鼻マスク3に送るための加圧手段2Dと、本体釦スイッチ2Eを有している。箱部材2A内に設けられた加圧手段2Dは、吸気口2Bから吸い込まれた空気を加圧して、その加圧空気を、送気口2Cを通して可撓ホース4に送出する機能を有するところのポンプ機構からなっている。加圧手段2Dにより、送気口2Cを通して可撓ホース4に送出される加圧空気の圧力を、大気圧よりも僅かに大きい値に設定できるようにしてある。本実施形態例では、呼吸補助装置本体2として、縦幅(高さ)寸法約80mm×横幅寸法約120mm×奥行寸法約180mmの大きさであるところの市販品が用いられている。
鼻マスク3は、治療者Mの鼻の周りに取り外し自在に保持されて、呼吸補助装置本体2から可撓ホース4を介して送られてきた加圧空気を治療者Mの鼻から気道に漏れなく送り込むためのものである。本実施形態例では、鼻マスク3としては、鼻に当てた後、ヘットギア(ストラップ、バンド)によって、鼻周りの所定の位置に固定するようにした市販品が用いられている(図1及び図2参照)。
可撓ホース4は、一端4Aを呼吸補助装置本体2の送気口2Cに、かつ、他端4Bを鼻マスク3に、それぞれ、着脱自在に、かつ、気密が保持された状態で、設けられている。可撓ホース4は、可撓性のあるホース、チューブ等からなり、伸縮自在な構造としてもよい。本実施形態例では、可撓ホース4として、長さ寸法約2000mm×外径寸法約30mmの蛇腹ホース状であるところの市販品が用いられている(図1及び図2参照)。
冷却装置本体5は、ペルチェ素子構造部5Aと、このペルチェ素子構造部5Aに設けられてペルチェ素子の発熱作用により温められた空気を温風として送出する温風送出ファン部5Bと、この温風送出ファン部5Bにより送出されてきた温風をペルチェ素子構造部5Aの外部に送出するための温風送出口部5Cと、ペルチェ素子構造部5Aに設けられてペルチェ素子の吸熱作用により冷却された空気を冷風として送出する冷風送出ファン部5Dと、この冷風送出ファン部5Dにより送出されてきた冷風をペルチェ素子構造部5Aの外部に送出するための冷風送出口部5Eを、少なくとも備える構成とする共に、温風送出口部5Cからの温風の送出方向と冷風送出口部5Eの冷風の送出方向が反対方向となる構成としてある(図1、図4及び図5参照)。
ペルチェ素子構造部5Aは、2枚のセラミック製基板の間に、複数組のP型とN型の熱電素子が配置され、このP型の熱電素子とN型の熱電素子を銅電極で接合した回路に直流を流すことにより、一方のセラミック製基板の表面が加熱(発熱)し、かつ、他方のセラミック製基板の表面が冷却(吸熱)する構成になっている。温風送出ファン部5Bは、アルミニューム製のフィン及びファンからなり、ペルチェ素子構造部5Aの一方のセラミック製基板側に設けられて、その一方のセラミック製基板の表面の加熱(発熱)により発生した温風を温風送出口部5Cから外方に送出する構成になっている。冷風送出ファン部5Dは、アルミニューム製のフィン及びファンからなり、ペルチェ素子構造部5Aの他方のセラミック製基板側に設けられて、その他方のセラミック製基板の表面の冷却(吸熱)により発生した冷風を冷風送出口部5Eから外方に送出する構成になっている。また、冷却装置本体5は、縦幅寸法約100mm×横幅寸法約100mm×奥行寸法約100mmとし、しかも、ペルチェ素子構造部5Aへの印加電圧が12V3.5Aであって、かつ、消費電力が57W程度となる市販品が用いられる。
本実施形態例の呼吸補助装置1は、図3〜図7及び図9に示すような、上面を開閉蓋6Aとしたトランク式の収納ケース6を備えている。開閉蓋6Aは、収納ケース6の背面側に設けたヒンジ機構6Bによって開閉自在に設けられる。開閉蓋6Aは、この開閉蓋6Aに設けたロック止め具6Cに、収納ケース6の正面側に設けたロック金具6Dを係止させることによって、閉じた状態が保持させる。収納ケース6の正面側には、この収納ケース6を持ち運ぶための取手6Eが設けられている。収納ケース6は、呼吸補助装置本体2と、ヘットギア付きの鼻マスク3と、可撓ホース4と、冷却装置本体5と、後述する呼吸補助装置本体用電源アダプター(CPAP電源)7と、後述する冷却装置本体用体用電源アダプター(ペルチェ電源)8と、後述する可撓性の連通用ホース10と、後述する電源用延長コード11を、少なくとも収納可能となる大きさに設定してある。トランク式の収納ケース6は、軽量化を図るためにアルミニューム製とし、縦幅約156mm×約横幅330mm×約奥行250mmに設定されている。
収納ケース6には、この収納ケース6内底の背面寄り及び左右側面のいずれか一方の側面寄りに冷却装置本体5を配設し、この冷却装置本体5の温風送出口部5Cから排出された温風を収納ケース6外に排出するための排出開口6Gを、収納ケース6の側面に冷却装置本体5の温風送出口部5Cが対向するように設け、かつ、収納ケース6外の空気(外気)を収納ケース6内に取り入れるための空気取入開口6Fを、冷却装置本体5の冷風送出ファン部5Dに近い収納ケース6の背面側に設けられる。収納ケース6内に取り入れるための空気取入開口6Fは、図7に示すように、多数の丸孔からなっている。なお、本実施形態例では、冷却装置本体5を、収納ケース6内底の背面寄り及び左側面寄りに配設し、かつ、排出開口6Gを収納ケース6の左側面に設けるようにしている(図3〜図5及び図7参照)。
収納ケース6には、冷却装置本体5の温風送出口部5Cから送出された温風が収納ケース6内に流出するのを阻止し、かつ、排出開口6Gから収納ケース6外に導くための遮蔽体13が設けられている。遮蔽体13は、冷却装置本体5の温風送出ファン部5B側と収納ケース6の排出開口6Gとの間を遮断するように設けられ、その遮蔽体13の一端側13Aを収納ケース6内壁の排出開口6G外方に固定され、かつ、遮蔽体13の他端側13Bを冷却装置本体5のペルチェ素子構造部5Aの外周に固定される。遮蔽体13は、アルミニューム製として、角筒形状としてある。この遮蔽体13により、冷却装置本体5が作動すると、収納ケース6外の空気(外気)が、収納ケース6の排出開口6Gから遮蔽体13の内壁に沿って流入した後、冷却装置本体5の温風送出ファン部5B側に吸い込まれて温風となり、その温風が温風送出口部5Cから送出されて、排出開口6Gの中央部より、収納ケース6外に放出される(図4〜図5、図9参照)。
収納ケース6の内底の中央部分には、図4〜図5に示すように、呼吸補助装置本体2を収納する呼吸補助装置本体収納空間S1を仕切るアルミニューム製の空間仕切体12が設けられている。空間仕切体12は、その空間仕切体12の一端側12Aを収納ケース6の内側壁に当接させ、かつ、空間仕切体12の他端側12Bを冷却装置本体5に向かって延在させてある。収納ケース6は、空間仕切体12の側方に形成される第一空間部分S2と遮蔽体13の側方に形成される第二空間部分S3とを利用して、冷却装置本体用電源アダプター8、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4、電源用延長コード11及び呼吸補助装置本体用電源アダプター7を、収納ケース内に収納する構成にしてある。呼吸補助装置本体2は、呼吸補助装置本体収納空間S1内に固定される。冷却装置本体用電源アダプター8は、第二空間部分S3に固定される。呼吸補助装置本体用電源アダプター7は、第二空間部分S3側にできるだけ寄せた状態で、収納ケース6の内底に固定される(図4〜図5、図9参照)。
収納ケース6の排出開口6Gには、この排出開口6G内に呼吸補助装置1の使用者等の手が入ってその手が冷却装置本体5の温風送出口部5C側に触れるのを阻止するためにリング状金枠体14が固定されている(図3及び図9参照)。空気取入開口6Fには、塵埃捕捉用の濾過フイルター15が設けられる(図4〜図5及び図8〜図9参照)。本実施形態例では、濾過フイルター15が汚れてきた場合には、収納ケース6の背面側の内壁に取り外し自在に設けることにより、収納ケース6の開閉蓋6Aを開くことで、濾過フイルター15を、新しいものに交換したり、あるいは、洗浄して再使用したりすることができる。本実施形態例では、収納ケース6を含めた呼吸補助装置1の全体重量を、約5.9kgになるように設定することができる。
呼吸補助装置本体用電源アダプター7は、交流電源(例えば、100V交流)に接続されて、12V5Aの直流に変換し、その変換した直流を、呼吸補助装置本体2の加圧手段2D等に流すようにするためのものである。呼吸補助装置本体用電源アダプター7は、図2及び図10に示すように、交流を直流に変換する電源アダプター本体7Aと、この電源アダプター本体7Aにて変換された直流を呼吸補助装置本体2の加圧手段2D等に流すために呼吸補助装置本体2に着脱自在に接続された接続コード7Bと、交流電源(例えば、100V交流)を電源アダプター本体7Aに印加するために電源アダプター本体7Aに接続コード7Cによって接続された接続プラグ7Dとからなっている。呼吸補助装置本体用電源アダプター7の電源アダプター本体7Aは、遮蔽体13の外方の第二空間部分S3に寄せた状態で、収納ケース6の内底に、接着テープ等により、取り外し可能となるように固定される(図4〜図5参照)。
冷却装置本体用電源アダプター8は、交流電源(例えば、100V交流)に接続されて、12V5Aの直流に変換し、その変換した直流を、冷却装置本体5に流すようにするためのものである。冷却装置本体用体用電源アダプター8は、遮蔽体13の外方の第二空間部分S3に、接着テープ等により、取り外し可能となるように固定された状態で収納されるようにしてある(図4〜図5参照)。
使用時間計測手段(アワーメーター)9は、100Vの交流が流れる配線部分に設けた磁気クランプ9Aを有し、この磁気クランプ9Aが配線部分に交流が流れたことを検知すると作動を開始してその作動時間を積算する積算機構を内蔵した時間計本体ケース9Bと、その積算機構により積算された作動積算時間を逐次表示する表示画面9Cと、この表示画面9Cに表示された作動積算時間を零にして、作動時間の積算を零から再スタートさせると共に、再スタートからの作動積算時間を表示させるためのリセット釦9Dを、少なくとも有している。使用時間計測手段9の電源としては、3ボルトの乾電池が用いられている。使用時間計測手段9は、収納ケース6の正面外壁に設けられている(図6及び図10参照)。
連通用ホース10は、収納ケース6内に配置されて、一端10Aが呼吸補助装置本体2の送気口2Cに接続され、かつ、他端10Bが収納ケース6の左側面に設けたホース差し込み口6Hに接続されている。ホース差し込み口6Hには、収納ケース6の第一空間部分S2から取り出した可撓ホース4の一端4Aを着脱自在に接続できるようにしてある。これにより、収納ケース6の開閉蓋6Aが閉じられた状態であっても、可撓ホース4の一端4Aをホース差し込み口6Hに接続することで、呼吸補助装置本体2からの加圧空気が、連通用ホース10及び可撓ホース4を介して鼻マスク3に送られることを可能にしてある(図4〜図5、図9参照)。なお、連通用ホース10は、可撓性のある伸縮自在な蛇腹ホースとしてある。
収納ケース6の第一空間部分S2に収納される電源用延長コード11には、その一端11Aに、治療者Mの寝室等の部屋の壁に設置された100V交流用コンセント22に接続される電源用差し込みプラグ11Cが、その他端11Bに、後述する電源コネクター16に接続される連結用プラグ11Dが、それぞれ設けられている(図9及び図10参照)。
電源用延長コード11を収納ケース6から取り出して、その電源用延長コード11の電源用差し込みプラグ11Cを治療者Mの寝室等の部屋の壁に設置された100V交流用コンセント22に接続し、かつ、その電源用延長コード11の連結用プラグ11Dを、後述する電源コネクター16に接続すると共に、後述する電源スイッチ17をオンすることで、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8に100V交流が流れることが可能となるように、図10のごとき電気回路が形成されている。
電源コネクター16は、3P接地極付電源コネクターが用いられて、収納ケース6の正面外壁に取り付けられる。電源コネクター16には、収納ケース6の外から電源用延長コード11の連結用プラグ11Dが着脱自在に装着される。電源コネクター16には、図10のごとく接続コネクター20が電気的に接続されている。この接続コネクター20に、吸補助装置本体用電源アダプター7の接続プラグ7Dが着脱自在に接続される。
収納ケース6の正面外壁に設けた電源スイッチ17は、収納ケース6の正面側の外からオンオフ操作できるものであって、その電源スイッチ17をオフすると、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8に100V交流が流れるのを遮断し、かつ、その電源スイッチ17をオンすると、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8に100V交流を流すことができるようにしてある。その結果、収納ケース6の開閉蓋6Aが閉じられた状態であっても、電源スイッチ17を操作することにより、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8への通電開始及び通電停止を行うことができる(図10参照)。また、冷却装置本体5を、収納ケース6内底の背面寄り及び左側面寄りに配設することと、ホース差し込み口6H、使用時間計測手段9、電源コネクター16、電源スイッチ17及びヒューズ管19を、図6に示すように、収納ケース6の正面外壁の左寄りに配設することで、収納ケース6の第一空間部分S2の空間が大きく取れるようにして、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4及び電源用延長コード11を、収納ケース6内に収納しやすくなるようにしてある。
本実施形態例では、市販品の呼吸補助装置本体2、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4及び呼吸補助装置本体用電源アダプター7を何ら加工することなく使用することができるようにするために、市販品の呼吸補助装置本体2の送気口2Cに、市販品の可撓ホース4に替えて連通用ホース10を接続すると共に、市販品の呼吸補助装置本体2の送気口2Cから外した市販品の可撓ホース4を収納ケース6の外からホース差し込み口6Hに接続することで、市販品の呼吸補助装置本体2からの加圧空気が連通用ホース10及び市販品の可撓ホース4を介して市販品の鼻マスク3に送られるようにしてある。また、市販品である呼吸補助装置本体2の呼吸補助装置本体用電源アダプター7を何ら加工することなく使用することができるようにするために、電源アダプター本体7Aに接続された接続プラグ7Dを、収納ケース6に設けた電源コネクター16に接続された接続コネクター20に対して着脱可能に接続するようにしてある(図9及び図10参照)。
冷却装置本体5と冷却装置本体用電源アダプター8とは、電極切り替えスイッチ21を操作することで、図11に示すように、三種類の接続パターンに切り替えることができるようになっている。すなわち、図11の(A)の接続パターンでは、電極切り替えスイッチ21を操作して、接片C1、C2を接点A1、 B1に接触させることで、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから冷風が送出され、かつ、温風送出口部5Cから温風が送出される状態が得られる。また、図11の(B)の接続パターンでは、電極切り替えスイッチ21を操作して、接片C1、C2を接点A1、A2 B1、B2に接触させないようにすることで、冷却装置本体5が作動することがないため、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから冷風も温風も送出しない(冷却装置本体の停止状態となる)。さらに、図11の(C)の接続パターンでは、電極切り替えスイッチ21を操作して、接片C1、C2を接点A2、B2に接触させることで、冷却装置本体5に印加する電流の向きが反転して、温風送出口部5Cから冷風が送出され、かつ、冷風送出口部5Eから温風が送出させるようになる。本実施形態例では、電極切り替えスイッチ21は、図3〜図5に示すように、収納ケース6に設けた排出開口6Gと同一の側面側(左側面)に配設してある。
呼吸補助装置本体2、冷却装置本体5、電源用延長コード11、呼吸補助装置本体用電源アダプター7、冷却装置本体用電源アダプター8、電源コネクター16、電源スイッチ17、ヒューズ18、接続コネクター20及び電極切り替えスイッチ21は、図10の電気回路に示すように、接続されている。すなわち、収納ケース6から取り出した電源用延長コード11の電源用差し込みプラグ11Cは、治療者Mの寝室等の部屋の壁に設置された100V交流用コンセント22に接続され、かつ、収納ケース6から取り出した電源用延長コード11の連結用プラグ11Dは、収納ケース6の電源コネクター16に接続される。電源スイッチ17とヒューズ18は、電源コネクター16と直列に接続される。呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8は、電源スイッチ17とヒューズ18と電源コネクター16との直列回路に対して、並列に接続される。冷却装置本体5は、電極切り替えスイッチ21によって、図11に示す三種類の接続パターンが得られるように、冷却装置本体用電源アダプター8に接続されている。呼吸補助装置本体2は、接続コード7Bにより呼吸補助装置本体用電源アダプター7に接続されている。接続コネクター20は、冷却装置本体用電源アダプター8と並列に接続されている。呼吸補助装置本体用電源アダプター7の接続プラグ7Dは、接続コネクター20に着脱可能に接続されている。使用時間計測手段9の磁気クランプ9Aは、電源スイッチ17の配線部分等に取り付けられる。
上記実施形態例の呼吸補助装置1において、開閉蓋6Aを開いて収納ケース6から取り出した電源用延長コード11を、治療者Mの寝室等の部屋の壁に設置された100V交流用コンセント22と収納ケース6の電源コネクター16とに接続すると共に、収納ケース6から取り出した鼻マスク3付き可撓ホース4を収納ケース6のホース差し込み口6Hに接続した後、開閉蓋6Aを閉じて、電極切り替えスイッチ21を操作して、図11の(A)の接続パターンを選択した状態で、収納ケース6の電源スイッチ17をオン(入り)にすると、呼吸補助装置本体2及び冷却装置本体5が作動する。
呼吸補助装置本体2及び冷却装置本体5が作動すると、収納ケース6の空気取入開口6Fから流入した空気が冷却装置本体5で冷風となって冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから送出されると同時に、冷却装置本体5の温風送出口部5Cから送出された温風が収納ケース6の排出開口6Gより収納ケース6外に排出されるようになる。そして、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから送出した冷風によって開閉蓋6Aを閉じた収納ケース6内の空気が冷却され、その冷却された空気が、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bから呼吸補助装置本体2内に吸い込まれた後、加圧手段2Aにより加圧されて加圧空気となって、呼吸補助用本体2の送気口2Cから連通用ホース10及び可撓ホース4を介して鼻マスク3に送られるので、治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される部屋の空気の温度よりも低下させることができる。
また、例えば、厳寒の冬場(冬季)において、治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される部屋の空気の温度よりも高くしたい場合には、電極切り替えスイッチ21を操作して、図11の(C)の接続パターンを選択すれば、冷却装置本体5の温風送出口部5Cから冷風が送出され、かつ、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから温風が送出させるようになって、収納ケース6内の空気が温められるので、その温められた空気が、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bから呼吸補助装置本体2内に吸い込まれた後、加圧手段2Aにより加圧されて加圧空気となって、呼吸補助用本体2の送気口2Cから連通用ホース10及び可撓ホース4を介して鼻マスク3に送られるため、治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される部屋の空気の温度よりも高くさせることができる。
さらに、例えば、春秋等の涼しい季節において、冷却装置本体5を作動させずに呼吸補助装置1を使用したい場合には、電極切り替えスイッチ21を操作して、図11の(B)の接続パターンを選択すれば、冷却装置本体5が作動することがないため、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから冷風も温風も送出されない(冷却装置本体の停止状態となる)ので、治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される部屋の空気の温度と略同じとすることができる。
上記実施形態例の呼吸補助装置1の最適な組み立て作業手順例は、下記の(1)〜(5)の通りである。
(1)始めに、冷却装置本体5、遮蔽体13及び空間仕切体12を、収納ケース6内に予め固定した状態で、使用時間計測手段9、電源コネクター16、電源スイッチ17及びヒューズ管19を収納ケース6の正面右寄りに取り付けると共に、電極切り替えスイッチ21を収納ケース6側面に取り付け、かつ、遮蔽体13の外方の第二空間部分S3に冷却装置本体用電源アダプター8を固定する。
(2)次いで、収納ケース6の空間仕切体12によって仕切られた呼吸補助装置本体収納空間S1内に呼吸補助装置本体2を接着テープにより固定すると共に、呼吸補助装置本体用電源アダプター7を遮蔽体13の外方の第二空間部分S3に寄せた状態で収納ケース6の内底に接着テープにより固定した後、冷却装置本体5、冷却装置本体用電源アダプター8、使用時間計測手段9、電源コネクター16、電源スイッチ17、ヒューズ18及び電極切り替えスイッチ21の電気接続作業を行う。
(3)次いで、呼吸補助装置本体収納空間S1内に固定した呼吸補助装置本体2の送気口2Cに連通用ホース10の一端10Aを接続し、かつ、連通用ホース10の他端10Bを収納ケース6のホース差し込み口6Hに接続すると共に、収納ケース6の空気取入開口6Fの内側に、濾過フイルター15を装着する。
(4)次いで、収納ケース6の第三空間部分S3に収納した冷却装置本体用駆動電源アダプター8及び第三空間部分S3よりに寄せて収納した呼吸補助装置本体用電源アダプター7の上方から、第二空間部分S2及び第三空間部分S3に、電源用延長コード11、ヘットギア付きの鼻マスク3及び可撓ホース4を収納する。なお、鼻マスク3と可撓ホース4は、分離した状態で収納ケース6に収納してもよいし、接続した状態(一体になった状態)で収納ケース6に収納してもよいが、本実施形態例では、鼻マスク3と可撓ホース4を接続した状態で収納ケース6に収納している。
(5)最後に、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じて、ロック止め具6Cにロック金具6Dを係止させることで、収納ケース6の取手6Eを握って収納ケース6を運搬することによって、呼吸補助装置1を構成する全部品を所定の場所に移動させことを可能とする状態にする。なお、上記(3)の工程にて、濾過フィルター15を収納ケース6の内側に装着しているが、上記(2)の工程若しくは(4)の工程にて、濾過フィルター15を収納ケース6の内側に装着するようにしてもよい。
次に、上記実施形態例の呼吸補助装置1の最適な使用手順例は、下記の(イ)〜(リ)の通りである。
(イ)始めに、就寝時、呼吸補助装置1の収納ケース6を、取手6Eを持って、治療者Mの寝室等の室内に持ち運んだ後、収納ケース6の開閉蓋6Aを開き、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4及び電源用延長コード11を収納ケース6から取り出す。
(ロ)次いで、電源用延長コード11の他端11Bに設けた連結用プラグ11Dを、収納ケース6の正面側に設けた電源コネクター16に接続し、かつ、電源用延長コード11の一端11Aに設けた電源用差し込みプラグ11Cを、治療者Mの寝室等の部屋内に設置されている100V交流用コンセント22に接続すると共に、可撓ホース4の一端4Aを、収納ケース6の左側面に設けたホース差し込み口6Hに接続する。
(ハ)次いで、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じ、かつ、可撓ホース4の他端4Bに接続した鼻マスク3を、治療者Mの鼻に装着する。
(ニ)次いで、電源スイッチ17をオン(入り)状態にすることにより、呼吸補助装置本体2及び冷却装置本体5を作動させることで、呼吸補助装置を治療者Mの寝室等の部屋内の空気の温度より低い温度にした加圧空気が、呼吸補助装置本体2の送気口2C、連通用ホース10、可撓ホース4及び鼻マスク3を介して、治療者Mの気道に送られることにより、治療者Mの睡眠時無呼吸症の治療が行われると共に、使用時間計測手段9の表示両面9Cに呼吸補助装置本体2の作動時間が積算表示される。
(ホ)治療者Mの睡眠時無呼吸症の治療を開始後、その治療を何らかの理由で、止めたい時には、鼻マスク3を治療者Mの鼻から外した後、収納ケース6の開閉蓋6Aを開き、呼吸補助装置本体2の本体釦スイッチ2Eをオフ(切り)にすることで、呼吸補助装置本体2の作動を停止させる。その後、再度、治療者Mの睡眠時無呼吸症の治療を開始する時は、呼吸補助装置本体2の本体釦スイッチ2Eをオン(入り)させた後、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じると共に、鼻マスク3を治療者Mの鼻にヘットギアを用いて装着する。
(ヘ)次いで、朝方になり、治療者Mが目覚めたならば、収納ケース6の開閉蓋6Aを開いて、呼吸補助装置本体2の本体釦スイッチ2Eをオフした後、電源スイッチ17をオフすることで、100V交流電源から呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8を切り離し、その後、使用時間計測手段9に表示された積算時間を読み取る。
(ト)次いで、電源用延長コード11を、治療者Mの寝室等の室内に設置されている100V交流用コンセント22及び収納ケース6の正面側に設けた電源コネクター16から外すと共に、可撓ホース4を収納ケース6のホース差し込み口6Hから外す。
(チ)次いで、電源用延長コード11、ヘットギア付きの鼻マスク3及び可撓ホース4を、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8の上方から、収納ケース6の第一空間部分S2及び第二空間部分S3に収納する。
(リ)最後に、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じると共に、その開閉蓋6Aをロック金具6Dでロックした状態にした後、取手6Eを持って収納ケース6を所定の場所に運搬して保管する。
以上のように、上記実施形態例の呼吸補助装置1では、呼吸補助装置本体用電源アダプター7により呼吸補助装置本体2の加圧手段2Dを作動させると同時に、冷却装置本体用電源アダプター8により冷却装置本体5を作動させると、冷却装置本体5の冷風送出口部5Bからの冷風が、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bに吸い込まれる。そして、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bに吸い込まれた冷風が、加圧手段2Dによって加圧されて加圧空気となって、呼吸補助装置本体2の送気口2Cから可撓ホース4を介して鼻マスク3に送られる。そのために、鼻マスク3に送られた加圧空気は、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の空気の温度よりも低くなる。その結果、治療者Mの気動に送られる加圧空気の温度が、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の空気の温度よりも低くなって、治療者が寝苦しくなることが抑えられて、無意識に鼻マスク3を顔から外してしまうことを阻止できる。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、実験によれば、例えば、吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の室温が約26℃の時に、呼吸補助装置本体2の加圧手段2Dと冷却装置本体5を作動させた場合、鼻マスク3に送られる加圧空気の温度を約21〜22℃と、約4℃以上低下させることができ、息苦しくなって、無意識に鼻マスク3を鼻から外してしまうことがなくなり、気持よく睡眠時無呼吸症の治療を行うことができることを確認できた。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、冷却装置本体5からの冷風を、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bから呼吸補助装置本体2内に、効率よく、吸い込ませ、その冷風によって冷やされた空気を加圧して呼吸補助装置本体2の送気口2Cから可撓ホース4を介して鼻マスク3に送ることができるので、治療者Mの気動に送られる加圧空気の温度を、呼吸補助装置本体2が設置される寝室等の部屋内の空気の温度よりも簡単に低く抑えることができる。そのため、特に、夏場等において、呼吸補助装置1が置かれる部屋内を冷房する冷房装置を、所定時間経過すると切るようにしても、睡眠時無呼吸症の治療を快適に行うことができ、便利である。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、収納ケース6内の呼吸補助装置本体収納空間S1に、呼吸補助装置本体2を円滑に収納することができると共に、空間仕切体12の側方に形成される第一空間部分S2及び遮蔽体13の側方に形成される第二空間部分S3を利用することで、冷却装置本体用電源アダプター8、呼吸補助装置本体用電源アダプター7、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4及び電源用延長コード11を、収納ケース6内に、難なく、かつ、見栄えよく収納させて置くことができる。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、収納ケース6内に、呼吸補助装置本体2、冷却装置本体5、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4、電源用延長コード11、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8を収納させて開閉蓋6Aを閉じた状態で、運搬及び保管をすることができる。そのため、取手が設けられていない呼吸補助装置本体2であっても、可撓ホース4や電源用延長コード11が長尺体であっても、その呼吸補助装置本体2、可撓ホース4及び電源用延長コード11並びにヘットギア付きの鼻マスク3、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8を、落下させることなく、安心して一回で持ち運ぶことができるので、取扱性及び運搬性に優れていると共に、呼吸補助装置本体2、冷却装置本体5、ヘットギア付きの鼻マスク3、可撓ホース4、電源用延長コード11、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8に、寝室等の部屋内の綿塵等が付着するのを阻止した状態で、押し入れ、物置等に、収納しておくことができ、衛生的であり、保管性に優れている。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、冷却装置本体5の温風送出口部5C側を呼吸補助装置本体2の吸気口2Bに対向させた状態で、冷却装置本体5を収納ケース6に取り付けたとしても、電極切り替えスイッチ21によって冷却装置本体5に印加する電流の向きを反転させることにより、温風送出口部5Cから冷風を送出させ、かつ、冷風送出口部5Eから温風を送出させるようにすることができるので、冷却装置本体5の収納ケース6への取り付け作業をやり直す必要がないため、冷却装置本体5の設置自由度が優れている。また、上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じた状態で、収納ケース6の外側面に設けた電極切り替えスイッチ21を操作することにより、冷却装置本体5と冷却装置本体用電源アダプター8との三種類の接続パターンを、治療者の希望(好み)に応じて、適宜、選択することができ、便利である。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じた状態で、冷却装置本体5及び呼吸補助装置本体2を作動させることにより、収納ケース6外に漏れる冷却装置本体5の温風送出ファン部5B及び冷風送出ファン部5Dの作動音(回転音)を、治療者の睡眠を妨げることのない程度に下げることができるので、睡眠中、冷却装置本体5の作動音が気にならなくなり、治療者Mの安眠を妨げることがなくなる。実験によると、収納ケース6の開閉蓋6Aを開いた状態で、冷却装置本体5及び呼吸補助装置本体2を作動させた場合の作動音が約40デシベル(db)であったが、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じた状態で、冷却装置本体5及び呼吸補助装置本体2を作動させた場合の作動音が約35デシベル(db)に低下することを確認できた。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じた状態で、冷却装置本体5及び呼吸補助装置本体2を作動させると、空気取入開口6Fから収納ケース6内に取り入れた空気中の綿塵等が、濾過フイルター15によって除去されるので、収納ケース6に収納されているところの呼吸補助装置本体2、冷却装置本体5、呼吸補助装置本体用電源アダプター7及び冷却装置本体用電源アダプター8に、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の綿塵等が付着するのが阻止されるため、衛生的であると共に、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bに装着されている吸気口用フイルター(図示せず)への塵埃の付着が少なくなり、その吸気口用フイルターの目詰まりが軽減される。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、冷却装置本体5の温風送出口部5Cから送り出される温風が、遮蔽体11により、収納ケース6の排出開口6Gに導かれて、収納ケース6外に排出されてしまい、冷却装置本体5の冷風送出口部5Bから送り出される冷風と混合してしまうことがないので、冷却装置本体5の冷風送出口部5Bから送り出された冷風により、開閉蓋6Aが閉じた状態の収納ケース6内の空気が効率よく冷却させられ、その冷却された空気を呼吸補助装置本体2の送気口2Cに吸い込ませるため、治療者Mの気動に送られる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される部屋の空気の温度よりも低く抑えることができる。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、収納ケース6内に収納した呼吸補助装置本体2の送気口2Cに、連通用ホース10の一端側10Aを接続し、かつ、呼吸補助装置本体2の送気口2Cから外した可撓ホース4の一端4Aを収納ケースに設けたホース差し込み口6Hに接続すると共に、呼吸補助装置本体用電源アダプター7の接続プラグ7Dを接続コネクター20に差し込むことで、呼吸補助装置本体2の送気口2Cから送出された加圧空気を、ホース差し込み口6Hに接続された可撓ホース4に送り出すことを可能な状態とすることができる。したがって、市販品の呼吸補助装置本体2、鼻マスク3及び可撓ホース4を、何らの加工を施すことなく、そのまま、収納ケースに収納して使用することができ、便利である。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、市販品であるペルチェ効果を利用した小形軽量の冷却装置本体5を使用することにより、その冷却装置本体5の小形化軽量化が図られて、収納ケース6が大型化するのを阻止できるため、取扱性、運搬性及び保管性に優れた呼吸補助装置1の出現を可能にすることができる。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、電極切り替えスイッチ21を操作して冷却装置本体5と冷却装置本体用電源アダプター8との接続パターンを切り替えることにより、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから冷風を送出させたり、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから温風を送出させたり、あるいは、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eから冷風も温風も送出させない(冷却装置本体の停止状態となる)ようにしたり、することができる。そのために、夏場(夏季)の高温多湿の時には、治療者Mの気動に送られる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の空気の温度よりも低くなるようにし、かつ、冬場(冬季)の厳寒時には、治療者Mの気動に送られる加圧空気の温度を、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の空気の温度よりも高くなるようにし、しかも、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の空気が、高温多湿でもなく、かつ、低過ぎない(春秋等の涼しい季節)の時には、冷却装置本体5作動させないようにして、睡眠時無呼吸症の治療を行うことができるため、全季節に対応できて便利である。なお、実験によれば、本実施形態例の呼吸補助装置1では、呼吸補助装置1が設置される寝室等の部屋内の室温が約12℃〜約15℃の時、加圧空気の温度を約18℃〜約21℃とすることができ、加圧空気の温度を約6℃上昇させることが可能であることを確認できた。
さらに、上記一実施形態例の呼吸補助装置1によれば、治療者Mが呼吸補助装置本体2の作動による治療の積算時間を、使用時間計測手段9の表示画面9Cを見ることで、治療者Mが直ちに知ることができる。そのために、医者に指示された一日に行うべき治療時間の合計時間(医者に指示された無呼吸症治療の積算時間一日4時間以上)を達成しているか否かを、治療者Mが確認することができる。また、上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、収納ケース6の正面外壁に配設した電源スイッチ17の近くに使用時間計測手段9が配設されているので、電源スイッチ17をオフする際に、使用時間計測手段9の表示画面9Cが目に留まるため、治療の積算時間の確認を忘れることなく行うことができる。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、収納ケース6の正面外壁に使用時間計測手段9を設けることにより、収納ケース6の開閉蓋6Aを閉じた状態で、使用時間計測手段9の表示画面9Cを見ることができるようにしているが、これに限定されない。使用時間計測手段9を収納ケース6の正面外壁に設けずに、収納ケース6内に使用時間計測手段9を収納させて、その使用時間計測手段9の表示画面9Cを収納ケース6の開閉蓋6Aを開いて見ることにより、呼吸補助装置本体2の作動による無呼吸治療の積算時間を知ることができるようにしてもよい。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、呼吸補助装置本体用電源アダプター7の電源アダプター本体7Aに接続された接続プラグ7Dを、収納ケース6に設けた電源コネクター16に接続された接続コネクター20に差し込むようにしているが、これに限定されない。呼吸補助装置本体用電源アダプター7の電源アダプター本体7Aのリード線(接続コード)を、接続コネクター20に半田付けすることで、呼吸補助装置本体用電源アダプター7を電源コネクター16に接続されるようにしてもよい。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、冷却装置本体5に流す電流の大きさを制御する制御手段を設けていないが、これに限定されない。制御手段を設けて、冷却装置本体5に流す電流の大きさを制御することで、冷却装置本体5から送出される温風及び冷風の温度を調整することにより、治療者Mの気動内に送り込まれる加圧空気の温度を、治療者が希望する最適な温度に微調整できるようにしてもよい。また、上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、100V交流電源使用としているが、これに限定されない。100V交流電源以外の、例えば、220V交流電源使用とするようにしてもよい。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、トランク式の収納ケース6とし、かつ、収納ケース6上面を開閉蓋6Aとしてものとしているが、これに限定されない。上面開口であって全側面が孔明き状の合成樹脂製からなる収納かごを設け、その収納かご内底に、この収納かご外方に向かって冷却装置本体5の温風送出口部5Cからの温風が排出され、かつ、冷却装置本体5の冷風送出口部5Eと呼吸補助装置本体2の吸気口2Bとが近接対向するように、呼吸補助装置本体2及び冷却装置本体5を配設させることによっても、冷却装置本体5からの冷風を、呼吸補助装置本体2の吸気口2Bから呼吸補助装置本体2内に、吸い込ませ、その冷風を加圧して呼吸補助装置本体2の送気口2Cから可撓ホース4を介して鼻マスク3に送ることができるようにしてもよい。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、電極切り替えスイッチ21を操作することで、冷却装置本体5と冷却装置本体用電源アダプター8との接続状態を三種類の接続パターンに切り替えることができるようにしているが、これに限定されない。電極切り替えスイッチ21を操作することで、図11の(A)に示す接続パターン(冷却装置本体の冷風送出口部から冷風を送出させる場合)と図11の(B)に示す接続パターン(冷却装置本体を停止させる状態)との二種類の接続パターンに切り替えるようにしたり、図11の(A)に示す接続パターン(冷却装置本体の冷風送出口部から冷風を送出させる場合)と図11の(C)に示す接続パターン(冷却装置本体の冷風送出口部から温風を送出させる場合)との二種類の接続パターンに切り替えるようにしたりするようにしてもよい。
上記一実施形態例の呼吸補助装置1では、呼吸補助装置本体用電源アダプター7により呼吸補助装置本体2を作動させると同時に、冷却装置本体用電源アダプター8により冷却装置本体5を作動させるようにしているが、これに限定されない。冷却装置本体5を最初に作動させて収納ケース6内の空気が適宜に冷却された時点で、呼吸補助装置本体2の加圧手段2Dを作動させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の原理構造説明図である。
【図2】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の呼吸補助装置本体、鼻マスク、可撓ホース及び呼吸補助装置本体用電源アダプターの接続状態を示す説明図である。
【図3】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の収納ケースの外観斜視図である。
【図4】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の収納ケースの開閉蓋を開き、鼻マスク、可撓ホース及び電源用延長コードを取り出した状態の要部斜視図である。
【図5】本考案の一実施形態例に係り、収納ケースの開閉蓋を開き、鼻マスク、可撓ホース及び電源用延長コードを取り出した状態の要部上面図である。
【図6】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の収納ケースの正面図である。
【図7】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の収納ケースの背面図である。
【図8】本考案の一実施形態例に係り、図7のY−Y拡大端面図である。
【図9】本考案の一実施形態例に係り、収納ケースの開閉蓋を開き、可撓ホース及び電源用延長コードを収納ケースの外壁に装着した状態における呼吸補助装置全体の外観斜視図である。
【図10】本考案の一実施形態例に係り、呼吸補助装置の電気回路図である。
【図11】本考案の一実施形態例に係り、電極切り替えスイッチの切り替え操作で得られる冷却装置本体と冷却装置本体用電源アダプターとの三種類の接続パターンを示す要部回路図であって、(A)は、冷却装置本体の冷風送出口部から冷風を送出させる場合の接続パターンを、(B)は、冷却装置本体の冷風送出口部から冷風も温風も送出させない場合(冷却装置本体の停止状態)の接続パターンを、(C)は、冷却装置本体の冷風送出口部から温風を送出させる場合の接続パターンを、それぞれ示す図である。
【符号の説明】
1 呼吸補助装置
2 呼吸補助装置本体
2B 吸気口
2C 送気口
2D 加圧手段
3 鼻マスク
4 可撓ホース
5 冷却装置本体
5A ペルチェ素子構造部
5B 温風送出ファン部
5C 温風送出口部
5D 冷風送出ファン部
5E 冷風送出口部
6 収納ケース
6A 開閉蓋
6F 空気取入開口
6G 排出開口
6H ホース差し込み口
7 呼吸補助装置本体用電源アダプター
8 冷却装置本体用電源アダプター
9 使用時間計測手段
9C 表示画面
10 連通用ホース
11 電源用延長コード
12 空間仕切体
13 遮蔽体
15 濾過フイルター
16 電源コネクター
17 電源スイッチ
21 電極切り替えスイッチ
S1 呼吸補助装置本体収納空間
S2 第一空間部分
S3 第二空間部分
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6
【図7】
図7 
【図8】
図8 
【図9】
図9 
【図10】
図10 
【図11】
図11 
試作写真1 
試作写真2 
試作写真3
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