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健康・医療
 
【考案の名称】
オーバーグラス( VDT画面ブルーライト・ハザードの低減・対策行動 を簡便にサポートする)
【実用新案登録】第3205970号
【登録日】平成28年8月3日(2016.8.3)
【実用新案権者】
【識別番号】516175559
【氏名又は名称】杉山 浩隆
【住所又は居所】岩手県北上市川岸2丁目4-10
【代理人】
【識別番号】100093506
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 洋二
【考案者】
【氏名】杉山 浩隆
【住所又は居所】岩手県北上市川岸2丁目4-10
【要約】
【課題】長時間のVDT作業やゲーム機の使用等によるサーカディアン・リズムの変調、他を低減又は可及的に回避するために、特定範囲の波長光のフィルタリング(透過の制限)機能を付与し、かつ、着用時のグラス部8の「装」/「脱」の切替えに係る回動操作が極めて容易な(使い勝手の良い)のオーバーグラスを提供する。
【解決手段】両眼前方に配置されるグラス部8と、このグラス部8を支持するフレーム部9を有し、グラス部8は、網膜を構成する第3の光受容体細胞を刺激する特定範囲の波長光が当該網膜に到達するのを制限するフィルタープレート4を有し、グラス部8の上辺とフィルタープレート支持棹2との間に設けられて、グラス部8を両眼前方の位置から上方に回動可能に取り付けた蝶番6を有し、フィルタープレートの側部下辺近傍に、当該グラス部8を指先で跳ね上げ/跳ね戻しするための縁堤7を設けた。 
図1
図1-1 
<グラス:跳ね下げ「装」状態の図>
 図4
図4
<VDT画面から出射されるブルーライトのスペクトラム分布・概略図;波長460nm近傍帯に棘形成>
 

図1-2
<グラス:跳ね上げ「脱」状態の図>  

VDT画面から出射されるブルーライト(青色光)スペクトラムは、図4のように極めて不均一で、波長460nm近傍帯にスパイク状の非常に強いエネルギー・ピークを形成する。
しかも、波長460nmの青色光が眼底の網膜細胞に対して、最も特異的な生理的作用を有することが、近年の研究により解明されている。
従って、ブルーライト・ハザード(禍源)対策の「肝」は、この波長460nm近傍帯の青色光による眼底(網膜)への
「総」曝露量( 輝度×1日の使用時間×年数 )を、如何に ①面倒や煩わしさなく、②VDT使用時間帯において、効率的にカット・ダウン(低減)するためにユーザーが行う対策行動(「予防的な介入」)を面倒なくサポート出来る「デバイス(保護具)」が存在するかと いう1点です。
( 考案者・感想 ) 
発明者からのメッセージ


・・・ 高 energy ・ブルーライト X 「長期間・曝露」で、網膜細胞が将来あたかも「低温やけど(熱傷)」?に陥って網膜細胞が部分的に死滅するようなイメージと考えれば、わかりやすいですね「⇒社会的失明」)。

 ブルーライト・ハザード(禍源)の「一番の怖さ」は、「遅発性(年を取った後)」に発症する視力低下の原因の一つである眼底(網膜)の病気「加齢黄斑変性症(AMD)」の発症リスク頻度の「将来的な増大」が医学的に(特に、眼科学や産業衛生学などの分野で)懸念(推測)されている点です。 近年、研究会の設立や学術論文も出始めました。
 一日の内で、「長時間」、しかも、将来的に「長期間」VDT画面(スマホ、PC、モバイル端末etc.)を使用するであろう貴方の「30年~40年~50年~後」のブルーライト曝露による眼底(網膜構成細胞)へのダメージを 今から「
推理」してみましょう !!
 VDT多用社会が既に定着して来た、過去の10年間が自動的に「加算」されることを考えれば、ちょっと「怖い事態」が将来待ち受けているとの「推理」も在り(可能)です。ハザード(禍源)を
” 知らぬままで ” 「無防備」に 曝露し続けた「30年~40年~50年~後」ということが一番の「ネック(:既に 過去・完了形 )」であることを ” 予め ” 想起出来る「貴方」であるとすれば「幸い」なるかなという処ですネ。 とすれば、将来に向けて、「今から」(若い世代の方々などは特に)その「対策」を講じておくこと(=青色光の「過剰なエネルギー・ピーク部分」のフィルタリング ) が、最も「洞察力に富む」 / 「将来の実効に資する」有力な対処方法の一つであると言えます。
 しかし、実際の手段や操作手続きが「大仕掛け」だったり「面倒(煩雑)」だったり「高コスト」だったりすれば、「理屈は分かるんだけど」ちょっと「継続・実行」は「難」 / 「無理」?だよね~となりがちです。 本考案は、これらの「諸課題」を当初から解決し、既に「簡単(楽々)」・「何時でも / 何処でも」・「何度(頻繁)でも」・「
低コスト(維持費不要)」を実現した「姿(フォルム)」そのものです。 曰く 「 Simple is the ” Best " !!」
 本考案(オーバーグラス)は、装着したままフィルタリング機能の「装 / 脱 (跳ね上げ/ 跳ね下げ)」の切り替えが極めて簡単に出来るため、不用時にグラス本体を外したり、使用時に再び装着するという
面倒(煩わしさ)が発生せず、「常時・装着」することで「時間・効率」良く波長460nm近傍帯の青色光による網膜曝露「総量」をカット・ダウン(低減)したいという「ユーザー様のニーズ」を「簡便に(面倒なく)」サポートできる「デバイス」としてのアイディアの考案です。 且つ、「ワールドワイドな視点」を有する先見性の「高い優良なる企業(パートナー)」様への「ビジネス・プラン」として有償での御提供を企図するものです。

Useful ” counter-measure ” against ” so-called blue-light hazard ” especially to ” increased risk-probability ” of ” age-related macula degeneration (AMD)” after aged-stage of human-life  is ” now and hereafter ” proposed to reduce (minimize )the risk-probability of visual-disturbance in the future  by ” filtering-down ( reducing )” of ” around 460nm wave length blue-light ” quite-strongly emitted from VDT surface forming ” spiky-shaped high-energy photo-spectrum ” .
  This ” device ( over-glass )” enables quite ” easy-utility (manipulation )” for frequent ” filtering-on / filtering-off ” change-over without ” wearing / taking-off ”of this over-glass in each time .

( This idea of device is designed and produced by Hirotaka SUGIYAMA
M.D.,Ph.D.at June of 2016 .)
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
両眼前方に配置されるグラス部と、このグラス部を支持するフレーム部を有し、通常使用している眼鏡の前方に着用可能で、裸眼にも使用できるオーバーグラスであって、
前記グラス部は、可視光線の青色成分内の特定範囲の波長光が網膜に到達するのを制限するフィルタープレートで構成され、
前記フレーム部は、前記両眼の上方を横断するフィルタープレート支持棹と、このフィルター支持棹の両端から後方に延びる耳架け部を有し、
前記グラス部の上辺と前記フィルタープレート支持棹との間に設けられて、前記グラス部を前記両眼前方の位置から上方に回動可能に取り付けた蝶番を有し、
前記グラス部を構成する前記フィルタープレートの側部下辺近傍に、当該グラス部を指先で跳ね上げ/跳ね戻しする際に、当該指先の汚れが前記フィルタープレートに付着して視界の妨げになる不都合を排除するための縁堤を設けてなり、
前記フィルタープレートで制限される光波長の前記特定範囲が前記網膜を構成する第3の光受容体細胞を特異的に刺激する波長を含むことを特徴とするオーバーグラス。
【請求項2】
前記第3の光受容体細胞を特異的に刺激する波長光は、体内時計のコントロールに影響を及ぼす波長光であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーグラス。
【請求項3】
前記光波長の前記特定範囲が460±25nmであることを特徴とする請求項1に記載のオーバーグラス。
【請求項4】
前記フィルタープレートは、プラスチック薄板又はガラス薄板の何れかからなる透明基板と、この透明基板に前記特定範囲の波長光の透過を制限する塗布膜を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のオーバーグラス。
【請求項5】
前記フィルタープレートは、プラスチック薄板、あるいは薄板ガラスからなる透明基板に前記特定範囲の波長光の透過を制限する顔料又は色素を含有させたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のオーバーグラス。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、通常使用している眼鏡の前方に着用可能で、裸眼にも使用できるオーバーグラスに係り、特に、パソコンおよびゲーム機、スマートホン等の電子機器端末のモニター画面から出射される、所謂、ブルーライトの内で、特に強い生理的作用を有する波長光の暴露による、所謂、ブルーライトハザードから眼底の網膜および関連・付随する機能を保護するためのオーバーグラスに関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンおよびゲーム機、スマートホンあるいはタブレットと称される各種電子機器のVDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)には、そのモニター画面に表示する情報を視覚化するための光源(バックライト、フロントライトなど)を備えている。
【0003】
特に、近年のモニター画面の多くは液晶パネルで構成されており、その光源にLED(発光ダイオード)を用いている。この種のLEDの発する可視光線波長域の短波長成分の青色光(波長が略380nm乃至500nmのブルーライト)が含まれている。
【0004】
眼に入る光量を制限して対象を見易くし、あるいは強い光や紫外線から眼を保護するオーバーグラスは、サングラスや偏光グラスとして既知である。オーバーグラスの従来技術を開示したものとして、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5などを挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-149415号公報
【特許文献2】特開2014-71445号公報
【特許文献3】特開2003-337316号公報
【特許文献4】実開平5―55123号公報
【特許文献5】実用新案登録第3011320号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】保健文化社刊「健康管理」第63巻3号(pp.2-11)
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0007】
眼底の網膜を構成する視細胞は、色覚を区別する錐体細胞(第1の光受容体)、明暗を区別する桿体細胞(第2の光受容体)に加えて、第3の光受容体(メラノプシン含有網膜神経節細胞)で構成されている。第3の光受容体細胞は、サーカディアン・リズム(概日リズムとも言う)をコントロールする視細胞で、光波長460nm付近のみに特異的に反応することが近年知られている。第3の光受容体は、所謂、体内時計のリズムを整えて、健康を維持する上で重要な役割を果している。
【0008】
すなわち、眼底の網膜に入射する青色光成分の強度が大きいと、(1)眼精疲労を始めとする諸症状(肩凝り、頭痛、他)をもたらすことは一般によく知られるところであるが、更に、特定波長のブルーライトを長時間見つめることで、所謂、体内時計を狂わせてしまうことにより誘発される(2)不眠およびそれに伴う諸症状、更には、長期的な観点として影響が懸念される(3)網膜(黄斑部)へのダメージなどが、近年、急速に問題として認識されつつある(所謂、上記したブルーライトハザードへの対応)。
【0009】
しかしながら、上記したVDTのモニター画面からは、波長範囲が略380nm~500nmの光(ブルーライト)が、図4に示したように、スパイク状のスペクトラム分布を構成しながら、非常に強く出射する。又、このブルーライトには光波長460nm付近の光がスパイク状に特に強く含まれている。光波長460nm付近を含むブルーライトを長時間にわたって見つめると、サーカディアン・リズム(所謂、体内時計のリズム)に変調をきたし、不眠とそれに伴う種々の体調不良の原因ともなる。
【0010】
尚、ブルーライトハザードは、近年、問題として提起されている実例、すなわち、長時間に渡ってスマホやゲーム機等で遊ぶ若年層に多発する不眠の指摘以外にも、職場環境において、近年、急速に普及し、その使用時間および使用期間が積算的に増加傾向にあるVDT作業に伴う健康被害の問題が、(1)眼精疲労や(2)不眠などの短期的な病態以外にも、(3)加齢黄斑変性症の発症リスクのへの関与など、後年に及ぶ長期的な病態への関わりも示唆されるものとして、最近では、産業衛生の分野においても急速に関心が高まりつつある(非特許文献1参照)。
【0011】
本考案は、上記の課題を可及的に解決して、長時間のVDT作業やゲーム機の使用等によるサーカディアン・リズムの変調、他を低減又は可及的に回避するために、特定範囲の波長光のフィルタリング(透過の制限)機能を付与したオーバーグラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本考案は、通常使用している眼鏡の前方に着用可能で、裸眼にも使用できるオーバーグラスに、サーカディアン・リズムの変調、他を低減又は可及的に回避するために、特定範囲の波長光のフィルタリング(透過の制限)機能を付与した。本考案の代表的な構成を開示すると、以下のとおりである。
【0013】
(1)両眼前方に配置されるグラス部と、このグラス部を支持するフレーム部を有し、通常使用している眼鏡の前方に着用可能で、裸眼にも使用できるオーバーグラスであって、前記グラス部は、特定範囲の波長光が網膜に到達するのを制限するフィルタープレートで構成され、前記フレーム部は前記両眼の上方を横断するフィルタープレート支持棹と、このフィルター支持棹の両端から後方に延びる耳架け部を有し、前記グラス部の上辺と前記フィルタープレート支持棹との間に設けられて、前記グラス部を前記両眼前方の位置から上方に回動可能に取り付けた蝶番を有し、かつ、前記グラス部の側部下辺近傍に、当該グラス部を指先で跳ね上げ、かつ跳ね戻しするための縁堤を設けてなり、
前記フィルタープレートで透過が制限される光波長の前記特定範囲が前記網膜を構成する第3の光受容体細胞を特異的に刺激する波長を含むことを特徴とする。
(2)前記第3の光受容体細胞を刺激する波長光は、所謂、体内時計(サーカディアン・リズム)をコントロールする特定の波長であることから、前記フィルタープレートに上記特定波長又は上記特定の波長を含む範囲の光の透過を制限する機能を付与したことを特徴とする。
(3)前記フィルタープレートに概ね波長460±25nmの光の透過を制限する機能を付与したことを特徴とする。
(4)前記フィルタープレートは、プラスチック薄板、あるいは薄板ガラスの透明基板に前記特定範囲の波長光の透過を制限する塗布膜(フィルターコーティング)を有するものとしたことを特徴とする。
(5)前記フィルタープレートは、プラスチック薄板、あるいは薄板ガラスの透明基板に前記特定範囲の波長光の透過を制限する顔料又は色素等を含有させたことを特徴とする。
【0014】
なお、本考案は、上記の構成に限定されるものではなく、後述する考案の詳細な説明に記載を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【考案の効果】
【0015】
本考案のオーバーグラスを用いることにより、長時間のVDT作業やゲーム機の使用等によるサーカディアン・リズムの変調、他を低減又は可及的に回避することを企図するものである。すなわち、適正な使用により、上記の特定範囲の波長光の網膜への到達が効果的に低減される場合には、不眠や眼精疲労に伴う諸症状、他の軽減~可及的な解消に関しての合理的な対策に係る選択肢の一つを提供する可能性が期待される。但し、生体における反応である点に鑑み、効果における個人差は排除できない旨のあらかじめの理解も不可欠とされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本考案に係るオーバーグラス1の外観図であり、同図(a)はグラス部8が両眼の前面に位置する状態を示し、同図(b)はグラス部8を上方に跳ね上げて両眼の前面から退避させた状態を示す。
【図2】図1(a)に示した本考案に係るオーバーグラス1のグラス部8をA-A’線に沿って切断して縁堤のバリエーションを説明する断面図である。
【図3】図1(a)に示した本考案に係るオーバーグラス1を構成するグラス部8を構成するフィルタープレート4の側部下辺近傍に形成して当該グラス部8を指先で跳ね上げるための縁堤7を説明図する要部正面図であり、同図(a)は縁堤7をフィルタープレート
4のグラス部8を構成するフィルタープレート4の側部下辺近傍に突出させた例を示し、同図(b)は縁堤7をフィルタープレート4の前記グラス部8の側部下辺近傍でフィルタープレート4の輪郭内に設けた例を示す。
【図4】ブルーライトのスペクトラム分布を説明する図である。
【考案を実施するための形態】
【0017】
以下、実施例の図面を参照して本考案に係るオーバーグラス1を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本考案に係るオーバーグラス1の外観図である。このオーバーグラス1は、通常使用している眼鏡の前方に着用可能で、裸眼にも使用できるようになっている。なお、図1の(a)はグラス部8が両眼の前面に位置する状態を示し、図1の(b)はグラス部8を上方に跳ね上げて両眼の前面から退避させた状態を示す。
【0019】
図1において、本考案に係るオーバーグラス1は、図示しない両眼の前方に配置されるグラス部8と、このグラス部8を支持するフレーム部9で構成される。フレーム部9は両眼の上方を横断するフィルタープレート支持棹2と、このフィルタープレート支持棹2の両端で、略平行かつ略直角に屈折した側端に折り畳み蝶番10で取り付けられた耳架け部3からなる。フィルタープレート支持棹2の中央部分には、使用者の鼻峰に当接してグラス部8を両眼に正対させるための鼻台5が設けられている。
【0020】
グラス部8の上辺とフィルタープレート支持棹2との間に、グラス部8を使用者の両眼前方の位置から上方に回動可能に取り付けた蝶番6を有している。そして、グラス部8の側部下辺近傍には、当該グラス部8を指先で跳ね上げ/跳ね戻しする際に、当該指先の汚れがフィルタープレート4に付着して視界の妨げになる不都合を排除するための縁堤7が設けられている。
【0021】
グラス部8は、特定範囲の波長光が網膜に到達するのを制限するフィルタープレート4で構成される。フィルタープレート4で透過が制限される光波長の範囲は網膜を構成する第3の光受容体細胞を特異的に刺激する波長460nm付近を含む。
【0022】
本実施例では、フィルタープレート4はプラスチック薄板の透明基板に特定範囲の波長光(上記の460±25nm)の透過を制限する塗布膜が形成されている。このプラスチック薄板に替えて薄板ガラスであってもよい。また、フィルタープレート4として、プラスチック薄板、あるいは薄板ガラスの透明基板に前記特定範囲の波長光の透過を制限する顔料又は色素等を含有させたものを用いることもできる。
【0023】
グラス部8を構成するフィルタープレート4の側部下辺近傍には当該グラス部8を指先で跳ね上げ/跳ね戻しする際に、当該指先の汚れがフィルタープレート4に付着して視界の妨げになる不都合を排除するための縁堤7が設けられている。
【0024】
図2は、図1(a)に示した本考案に係るオーバーグラス1のグラス部8をフィルタープレート4をA-A’線に沿って切断して縁堤のバリエーションを説明する断面図であり、前記縁堤7の種々の形状・構造を示す。図2の(a)乃至図2の(d)に示されたように、一般的な眼鏡の玉(レンズなど)に相当するフィルタープレート4はフレーム部9を構成するフィルタープレート支持棹2に蝶番6で跳ね上げ可能に取り付けられている。
【0025】
図2の(a)に示した第1例では、フィルタープレート4の側部(使用者の顔の左右外側の下辺近傍に縁堤7を形成されている。この縁堤7はフィルタープレート4の内側に山形に膨出して形成されている。図2の(b)に示した第2例は図2の(a)に示した膨出の程度を少なくし、フィルタープレート4の隅にかけて厚みが増すような形状とされている。
【0026】
図2の(c)に示した第3例では、縁堤7をフィルタープレート4の外側に適宜の山形に膨出して形成されている。図2の(c)には内側が凹んでいるように縁堤7が形成されているが、外側だけに膨出させてもよい。このことは、図2の(a)に示した第1例についても同様である。
【0027】
図2の(d)に示した第4例では、縁堤7がフィルタープレート4の内側と外側に背中合わせで適宜の山形に膨出して形成されている。この縁堤7は上記の各例に示した形状に限らず、例えば凹凸に代えてメッシュなど、表面を荒目処理したものとすること、さらに表面を荒目処理を図2の形状に組み合わせることも可能である。
【0028】
図3は、図1(a)に示し、図2で説明した本考案に係るオーバーグラスを構成するグラス部8を構成するフィルタープレート4の側部下辺近傍に形成して当該グラス部を指先で跳ね上げる(又は跳ね戻す)ための縁堤を説明図する要部正面図である。同図(a)は縁堤7をフィルタープレート4のグラス部8を構成するフィルタープレート4の側部下辺近傍に突出させた例を示し、同図(b)は縁堤をフィルタープレート4の前記グラス部8の側部下辺近傍でフィルタープレート4の輪郭内に設けた例を示す。
【0029】
縁堤7は、使用者がその指先で容易に位置を確認・調節できるようにすることを目的とするもので、グラス部8を確実に跳ね上げ、かつ跳ね戻し(元の位置に戻す:引きおろし)の回動操作が容易にできるということの他、同操作の際に、当該指先の汚れがフィルタープレート4に付着して視界の妨げになる不都合を排除する効果が特徴的である。
【0030】
なお、図示しないが、蝶番6として跳ね上げ位置を任意に調整できるフリクションストップ構造、あるいは段階的に選択するクリックストップ構造のものを採用することもできる。さらに、蝶番6として、跳ね上げ、かつ跳ね戻しに要する負荷をスプリングで調整できる機能を有する既知の蝶番を採用することもできる。
【0031】
上記実施例の構成としたことにより、長時間のVDT作業やゲーム機の使用等によるサーカディアン・リズムの変調、他を低減又は可及的に回避することを企図するものである。加えて、グラス部8の回動可能による着用時の使い勝手の良さを、大幅に付与した。
【0032】
上記実施例を参照して本考案の効果をより具体的に記述すれば、以下の通りである。すなわち、蝶番6による回動操作が可能なグラス部8およびフィルタープレート4を採用したオーバーグラス構造とすることにより、オーバーグラス本体1の顔面頭部からの頻繁なる着脱行動を行うことなく(本体1を着用したままの状態で)、グラス部8(フィルタープレート4)のみを容易に回動できる。これにより、状況に応じての頻繁なる同部の「装」(両眼の前面への設置)と「脱」(両眼の前面からの退避)の操作が求められる場合においても、極めて容易に切り替えできる使い勝手の良さを最大の特徴として、特に生理的な作用として強い特定範囲の波長のブルーライトによる眼底の(1)網膜への暴露の強度の低減のみならず、(2)暴露の時間の低減をも含めたユーザー(利用者)による積極的な総暴露量の低減を企図する予防的な行動介入の実施が極めて容易に可能となる。
【0033】
さらに、縁堤7の設置により、グラス部8を手指で回動操作する際に、当該指先の汚れがフィルタープレート4に不用意に付着して視界の妨げになる不都合を極力排除できる。
【符号の説明】
【0034】
1・・・オーバーグラス
2・・・フィルタープレート支持棹
3・・・耳掛け部
4・・・フィルタープレート
5・・・鼻台
6・・・蝶番
7・・・縁堤
8・・・グラス部
9・・・フレーム部
10・・・折り畳み蝶番
【図1】
図1 
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
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