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健康・医療
 
【考案の名称】寝具
【実用新案権者】
【識別番号】513262997
【氏名又は名称】内藤 孝徳
【住所又は居所】長野県佐久市平賀2125−4
【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
【考案者】
【氏名】内藤 孝徳
【住所又は居所】長野県佐久市平賀2125−4
【要約】   (修正有)
【課題】使用者の肩部への負担を軽減しつつ、通常の寝具において得られる寝心地を確保することのできる寝具を提供する。
【解決手段】使用者Mの身体を支持する敷き部材2を備え、この敷き部材には、使用者用の枕3が設置される部位の下部に、使用者の肩部に対向させられる窪み4が、幅方向に肩以外の部分の落ち込みを防止する所定幅で形成されている。窪みを、寝具の下方へ向かって広がる三角形状に形成することが好ましい。肩との接触面積を極力狭めつつ、枕に対する開口面積を小さくすることができ、この結果、枕の形状の選択範囲を大きくすることができる。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体を支持する敷き部材を備え、この敷き部材には、前記使用者用の枕が設置される部位の下部に、前記使用者の肩部に対向させられる窪みが、前記敷き部材の幅方向に所定幅で形成されていることを特徴とする寝具。
【請求項2】
前記窪みが、前記寝具の下方へ向かって広がる三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記敷き部材が敷き布団であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の寝具。
【請求項4】
前記敷き部材がマットレスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の寝具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、使用者の身体を支持する敷き部材を備えた寝具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、睡眠の際に用いられる寝具は、仰臥状態あるいは横臥状態にある使用者の身体を支持する敷き部材を備えており、前記使用者の足腰や肩を支持するようになっている。
【0003】
一方、使用者は、就寝中にたびたび寝返りをうち、仰臥姿勢と左右の横臥姿勢との間で姿勢変更を行なっており、横臥状態の姿勢であると、肩部分が首の下に入り込むことにより、仰臥状態に比して肩に体重が集中しやすい。
【0004】
このような現象は、たとえば四十肩や五十肩、あるいは、肩まわりの骨折等の疾患がある使用者にとって寝返りが苦痛となり、睡眠が妨げられることとなる。
【0005】
そして、このような不具合を解消するために、たとえば、特許文献1に示されるような技術が提案されている。
【0006】
この技術は、身体の脇から下方を支持する敷き布団と、身体の頭部を支持する枕部とによって構成し、これらの敷き布団と枕部とを弾性材料からなるつなぎ布で接続することにより、これらの敷き布団と枕部との間に、身体の腕と肩が入り込む溝を形成したものである。
【0007】
このような技術により、横臥状態へ姿勢変更する際に首の下に入り込む肩を前記溝に落とし込むことにより、首が持ち上げられることを防止し、これによって肩への荷重増加を抑制することが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−253957号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0009】
前述した従来の技術によって、寝返り時の肩への負担を軽減することが期待できるようになったが、なお、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0010】
すなわち、先述した技術にあっては、肩を前記溝内に落とし込むことにより肩への負荷を軽減するようにしているが、その肩とともに腕も前記溝内に入り込む。
このように腕が前記溝内に入り込むと、この溝によって腕の動きが制限されて、寝心地に悪い影響を与えてしまう。
【0011】
また、敷き布団と枕部がつぎ布によって連結された構成としたことにより、両者の間隔を規制するものがなく、したがって、前記溝の幅も自由に変化することから、この溝幅が前述した肩の落とし込みに必要な幅よりも小さくなって、その機能が損なわれてしまうおそれがある。
【0012】
特に、就寝中における寝返り等の動きによって、前記敷き布団と枕部とが動かされてしまうことがある。
【0013】
さらに、前記溝が、寝具の幅方向全長にわたって形成されていることにより、使用者が使用する枕の幅よりも前記溝の方が大きく、就寝中に、前記枕が前記溝内に落ち込んでしまうことも想定される。
【0014】
本考案は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、使用者の肩部への負担を軽減しつつ、通常の寝具において得られる寝心地を確保することのできる寝具を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本考案に関わる寝具は、前述した課題を解決するために、使用者の身体を支持する敷き部材を備え、この敷き部材には、前記使用者用の枕が設置される部位の下部に、前記使用者の肩部に対向させられる窪みが、前記敷き部材の幅方向に所定幅で形成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成とすることにより、使用者は、頭を枕に載せて仰臥すると、その肩が前記窪みに対向させられる。
これによって、肩と前記敷き部材との接触部が減少させられることにより、前記肩にかかる負荷が軽減され、かつ、前記窪みを使用者の肩に対向させられる程度の幅に設定することにより、肩以外の部分の落ち込みを防止することができる。
【0017】
そして、前記窪みのまわりは、前記敷き部材の構成要素が連続しており、これによって前記窪みの変形が防止されて、前記肩に対する支持状態の変化が抑制され、肩への安定した負荷軽減作用を維持することができる。
【0018】
寝返り等により、肩を首の下方へ入れ込む動きをした場合、前記肩は、即座に前記窪みへ入り込み、首の持ち上がりを防止しつつこの首の下方に入れ込まれる。
したがって、仰臥姿勢と横臥姿勢との姿勢変更時においても、横臥姿勢をとった場合においても、前記肩への負荷上昇を抑制することができ、肩に疾患があっても快適に使用することができる。
【0019】
また、前述したように前記窪みが、所定幅となされているとともに、その形状変化がないことから、前記枕の大きさを適宜設定しておくことにより、この枕が前記窪みに落ち込むようなこともない。
【0020】
そして、前記窪みを、前記寝具の下方へ向かって広がる三角形状に形成することが好ましい。
このような構成とすることによって、肩との接触面積を極力狭めつつ、前記枕に対する開口面積を小さくすることができ、この結果、前記枕の形状の選択範囲を大きくすることができる。
一方、前記敷き部材として敷き布団やマットレス、スプリングマットなどに適用することができる。
【考案の効果】
【0021】
本考案の寝具によれば、就寝中の姿勢に拘わらず使用者の肩への負担を軽減するとともに、寝返りの際における使用者の肩への負担増加を抑制することができ、これによって、特に、肩に疾患を有する使用者に快適な寝心地を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本考案の一実施形態を示す平面図である。
【図2】本考案の一実施形態を示すもので、使用状態の平面図である。
【図3】本考案の一実施形態を示すもので、使用状態の一部を断面した側面図である。
【考案を実施するための形態】
【0023】
以下、本考案の一実施形態を、図面を参照して説明する。
これらの図において符号1は,本実施形態に係わる寝具を示し、この寝具1は、使用者M(図2参照)身体を支持する敷き部材2を備え、この敷き部材2には、前記使用者M用の枕3が設置される部位の下部に、前記使用者Mの肩部Sに対向させられる窪み4が、前記敷き部材2の幅方向に所定幅で形成された構成となっている。
【0024】
前記敷き部材2は、たとえば、敷き布団であり、あるいは、ベッドに用いられるマットレス等であり、平面視で略長方形状に形成され、また、所定の厚さを備えている。
【0025】
前記窪み4は、本実施形態においては、前記敷き部材2の下方へ向かって広がる三角形状に形成されている。
そして、前記窪み4は、図2に示すように、使用者Mが前記敷き部材2上に仰臥した状態において、前記使用者Mの肩部S全体を開放するような大きさ、若しくは、前記敷き部材2の上面が、前記肩部Sの周縁部に僅かに接触する程度の大きさに形成されている。
【0026】
この窪み4の形状は、三角形状に限られるものではなく、台形状、四角形状、長円形状等、種々変更可能である。
本実施形態に示すように三角形状、あるいは台形状(図示せず)とすることが好ましく、その理由は、前述したような使用者Mの肩部Sとの接触を極力小さくしつつ、その開口面積も極力小さくするためである。
【0027】
このように、前記窪み4の開口面積を極力小さくするのは、その開口面積を前記枕3の平面投下面積よりも小さくして、この枕3の落下を防止するためである。
【0028】
このように構成された本実施形態の寝具1は、使用に際して、図1に示すように、前記枕3を、前記窪み4の頂部と若干重畳した位置に配置した状態で使用される。
【0029】
そして、使用者Mは、前述したように使用状態となされた前記寝具1上に、たとえば、図2に示すように、仰臥する。
この状態において、前記使用者Mの頭部が前記枕3によって支持され、また、前記使用者Mの肩部Sが、前記窪み4に対向位置され、さらに、前記使用者Mの脇から下方が前記敷き部材2によって支持される。
【0030】
このような仰臥状態において、前記使用者Mの肩部Sは、前記窪み4の周縁部において僅かに前記敷き部材2と接触し、あるいは、非接触状態に保持される。
したがって、仰臥姿勢をとった際に、前記使用者Mの肩部Sへの負荷が大幅に軽減され、あるいは、全く除去される。
【0031】
この結果、前記使用者Mに、肩に疾患がある場合であっても、その痛みを軽減ないしは除去し、快適な睡眠を与えることができる。
【0032】
一方、前記使用者Mが寝返りをうって横臥姿勢へ姿勢変更を行なう場合、その変更動作に伴って、横臥方向に位置する肩が即座に前記窪み4内に落ち込むように移動させられる。
【0033】
ここで、前述したように、前記窪み4によって、前記肩と敷き部材2との接触面積が極めて狭く,あるいは、全くないことから、寝返りの際の肩への負荷が極めて小さく抑えられる。
したがって、苦痛を感じることなく、あるいは極力苦痛を抑制して寝返りをうつことができる。
【0034】
そして、横臥姿勢の状態においては、図3に示すように、肩が前記窪み4内で前記敷き部材2に対して浮いた状態に保持される。
したがって、横臥状態において肩部Sへの負担がなく、使用者Mは、肩の苦痛を感じることなく就寝することができる。
【0035】
さらに、前記窪み4は、前記使用者Mの肩部Sのみを開放するもので、他の身体部分を拘束するようなことはない。
したがって、身体の他の部位を自由に動かせるので、寝心地を阻害するようなことはない。
【0036】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、使用者Mの体形や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 寝具
2 敷き部材
3 枕
4 窪み
M 使用者
S 肩部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
パンフレット1 
パンフレット2 
パンフレット3 
パンフレット4 
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