機械器具
【考案の名称】緊急アラーム付腕時計
【実用新案権者】
【識別番号】508229600
【氏名又は名称】佐々木 ヨシエ
【住所又は居所】千葉県千葉市花見川区作新台2丁目15番22号
【代理人】
【識別番号】100104721
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 俊明
【考案者】
【氏名】佐々木 ヨシエ
【住所又は居所】千葉県千葉市花見川区作新台2丁目15番22号
【要約】 (修正有)
【課題】身につけて携帯することができ、緊急事態のときに近くにいる人に直ぐに知らせることができる緊急アラーム付腕時計を提供する。
【解決手段】緊急アラーム付腕時計60は、時計部10と、緊急時に緊急アラーム音を発生するアラーム部20と、腕に装着するためのベルト部30と、を備えている。時計部10の底面側に、仕切材を介してアラーム部20が積層されている。アラーム部20は、底面と側面とを形成するように構成された外装ケースに緊急アラーム音を発生するためのアラーム器材が収容されている。アラーム部20の側面には、アラーム器材を作動させるためのスイッチ部材23が引き抜き可能に挿着されている。スイッチ部材23は、側面から突出する突出部23bを有している。ベルト部30により腕に装着し、緊急事態のときは、スイッチ部材23を引き抜くことで緊急アラーム音を発生させる。
【選択図】図1

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
時刻を表示するための表示盤を有する時計部と、
前記時計部の表示盤と反対の面側に仕切材を介して積層され、緊急時に緊急アラーム音を発生するアラーム部と、
前記時計部およびアラーム部を人体の腕に装着するためのベルト部と、
を備え、
前記アラーム部は、側面に緊急アラーム音を発生させるためのスイッチ部材が引き抜き可能に挿着されており、
前記スイッチ部材は、前記側面から突出する突出部を有することを特徴とする緊急アラーム付腕時計。
【請求項2】
前記時計部は側面に時刻を調整するための竜頭が配されており、前記アラーム部のスイッチ部材は前記時計部の表示盤の中心に対して前記竜頭と点対称の位置となるように配されていることを特徴とする請求項1に記載の緊急アラーム付腕時計。
【請求項3】
前記アラーム部のスイッチ部材は、前記時計部の表示盤の中心を通り前記スイッチ部材と前記竜頭とを結ぶ直線と交差する方向における前記突出部の長さが前記竜頭の長さより大きいことを特徴とする請求項2に記載の緊急アラーム付腕時計。
【請求項4】
前記アラーム部のスイッチ部材は、前記突出部の端部外縁に鍔部を有することを特徴とする請求項3に記載の緊急アラーム付腕時計。
【請求項5】
前記仕切材は、平板状であることを特徴とする請求項1に記載の緊急アラーム付腕時計。
【請求項6】
前記仕切材と前記時計部との間には、平板状の衝撃吸収材がさらに積層されていることを特徴とする請求項5に記載の緊急アラーム付腕時計。
【請求項7】
前記仕切材は、平板状の衝撃吸収材であることを特徴とする請求項5に記載の緊急アラーム付腕時計。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は緊急アラーム付腕時計に係り、特に、時刻を表示するための表示盤を有する時計部と、緊急時に緊急アラーム音を発生するアラーム部と、時計部およびアラーム部を人体の腕に装着するためのベルト部と、を備えた緊急アラーム付腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、小学生や中学生が下校後に学習塾や習い事に通うことが多くなり、帰宅時間が遅くなるときが増え、中には、暗い夜道をひとりで帰宅する子供も少なくないのが実情である。一方、夜間に限らず日中でも、誘拐や痴漢、泥棒といった犯罪が多く発生していることも事実である。このような状況においては、小中学生だけではなく、若い女性のひとり歩きや、年老いてからのひとり歩きも不安な気持ちを抱くことは至極当然のことといえる。さらには、ひとり暮らしの高齢者も多くなっており、在宅中の転倒等によるけがや、急激な身体の変調を伴う病気等により、援助を要する場合も増えている。
【0003】
犯罪や災難にであったときや、病気やけがで急に倒れてしまったときに周りに緊急事態であることを知らせる手段として、防犯ブザーが使用されている。使用されている防犯ブザーの大多数のものは、ランドセルや鞄等に取り付ける、首に掛ける、衣服のポケットや鞄等の中に入れておく、等により携帯するものである。このような防犯ブザーとしては、例えば、警報音(アラーム音)を発生させるスイッチとして引き抜きスイッチと押しボタンスイッチとを備えた携帯用防犯ブザーの技術が開示されている(特許文献1参照)。ところが、通常携帯するものの他に、防犯ブザーが増えることとなるため、鞄や衣服を取り替えたときなどについ携帯することを忘れがちである。また、持ち歩くのに不便なときもあるため、敬遠されがちである。さらに、ポケット等に入れておいた場合は、急な事態が起こったときにパニック状態に陥り操作が間に合わない可能性もあり得る。
【0004】
急な事態が起こったときに直ぐに操作をすることができ、簡単に携帯することができるものとして、腕時計型の防犯ブザーの技術が知られている。例えば、腕時計に防犯ブザーの機能を持たせ、そのスイッチが押しボタン式である腕時計一体型防犯ブザーの技術が開示されている(特許文献2参照)。また、スイッチを押し回すことで警報音を発生させることができ、時計機能も備えた携帯型防犯用具の技術が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−316450号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154233号公報
【特許文献3】特開2008−186062号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の技術では、押しボタン式のスイッチを一定時間押し続けなければ警報音が発生しないため、緊急時にパニック状態に陥ると押し続ける余裕がなくなり、周りに知らせることができなくなるおそれがある。また、特許文献3の技術では、例えば犯罪者に片手を束縛されてもスイッチを押し回すことができることが記載されているものの、スイッチを押しながら回す操作に手間がかかり、結果として周りに知らせることができなくなるおそれがある。従って、夜道のひとり歩きが心配な人だけではなく、ひとり住まいの女性や高齢者にとっては、実際に災難や犯罪に巻き込まれたとき、また、病気やけがで急に倒れてしまったときのような急の災難や危険にもすぐに警報音を発生させ、緊急事態が起こっており身の危険が迫っていることを近くにいる人に早く知らせることが重要である。また、簡単に身につけて常に携帯することができれば、日常の生活にも不便を生じることなく、とっさの場合にすぐ役立てることが期待できる。
【0007】
本考案は上記事案に鑑み、身につけて携帯することができ、緊急事態のときに近くにいる人に直ぐに知らせることができる緊急アラーム付腕時計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本考案は、時刻を表示するための表示盤を有する時計部と、前記時計部の表示盤と反対の面側に仕切材を介して積層され、緊急時に緊急アラーム音を発生するアラーム部と、前記時計部およびアラーム部を人体の腕に装着するためのベルト部と、を備え、前記アラーム部は、側面に緊急アラーム音を発生させるためのスイッチ部材が引き抜き可能に挿着されており、前記スイッチ部材は、前記側面から突出する突出部を有することを特徴とする。
【0009】
本考案では、ベルト部により、緊急アラーム付腕時計の時計部およびアラーム部を人体の腕、例えば腕首に装着して携帯する。これにより、適時に、時計部の表示盤に表示される時刻を視認することができる。外出時はもちろん在宅時でも、災難や犯罪に遭遇したときや、病気やけがによる緊急の事態に至ったときは、アラーム部のスイッチ部材を引き抜くことで大音量の緊急アラーム音を発生させる。このとき、スイッチ部材の突出部を指先でつまむ等することで容易に引き抜くことができる。これにより、周辺に居る第三者に犯罪や病気等の緊急事態が発生していることを知らせることができ、大事に至る前に緊急事態の収束を図ることが期待できる。
【0010】
この場合において、時計部の側面に時刻を調整するための竜頭が配されており、アラーム部のスイッチ部材が時計部の表示盤の中心に対して竜頭と点対称の位置となるように配されていてもよい。このとき、アラーム部のスイッチ部材では、時計部の表示盤の中心を通りスイッチ部材と竜頭とを結ぶ直線と交差する方向における突出部の長さを竜頭の長さより大きくしてもよい。アラーム部のスイッチ部材が突出部の端部外縁に鍔部を有していてもよい。仕切材が平板状であるようにしてもよい。仕切材と時計部との間に、平板状の衝撃吸収材がさらに積層されていてもよい。仕切材が平板状の衝撃吸収材であるようにしてもよい。
【考案の効果】
【0011】
本考案によれば、緊急アラーム付腕時計を簡単に身につけて携帯することができ、緊急事態のときに近くにいる人に直ぐに知らせることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案を適用した実施形態の緊急アラーム付腕時計を模式的に示す平面図である。
【図2】緊急アラーム付腕時計の側面を模式的に示し、(A)は左側面図、(B)は右側面図である。
【図3】緊急アラーム付腕時計を模式的に示す底面図である。
【考案を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本考案を適用した緊急アラーム付腕時計の実施の形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の緊急アラーム付腕時計60は、時計部10と、緊急時に大音量の緊急アラーム音を発生するアラーム部20と、時計部10およびアラーム部20を人体の腕に装着するためのベルト部30と、を備えている。この緊急アラーム付腕時計60は、右利き用のものであり、通常左腕に装着されるものである。本例では、指針の回転により時刻を示す機械式の時計部10を示している。時計部10は、時刻を表示するための円形状の表示盤16を有している。表示盤16には、周辺に沿うように時刻を示す1〜12の数字が表示されている。時計部10は表示盤16の中心に回転軸を有しており、回転軸には時刻を示す指針、本例では時針(短針)および分針(長針)が固定されている。時計部10の側面には、緊急アラーム付腕時計60を正位で見たときの上側および下側、すなわち表示盤16の12時側および6時側の2箇所に、ベルト部30を取り付けるためのベルト取付部14を有している。ベルト取付部14は、時計部10の側面からコ字状に突出している。時計部10の側面とベルト取付部14との間には、ベルト部30を取り付けるために、隙間が形成されている。2箇所のベルト取付部14には、それぞれ、2本のベルト部30が取り付けられている。2本のベルト部30は、それぞれ、一側の端部がベルト取付部14に取り付けられており、他側の端部同士を係止することで腕に装着することができるように構成されている。ベルト部30の材質は、腕に巻き付けて装着するために可撓性を有していれば特に制限されるものではないが、例えば、金属や皮革等を挙げることができる。また、時計部10の側面には、緊急アラーム付腕時計60を腕に装着したときの手の甲側、すなわち表示盤16の3時側に、時刻合わせをするための竜頭13が配されている。竜頭13は引っ張ることができるものの、引き抜くことができないように構成されている。なお、左利き用の場合は、通常右腕に装着されるため、竜頭13が9時側に配されることとなる。
【0015】
図2(A)、(B)に示すように、時計部10は、表示盤16の表面側が時計カバー12で覆われている。時計部10は、表示盤16と反対の面を底面としており、底面と側面とを形成するように構成された本体ケースを有している。この本体ケースには、上述した回転軸の回転により指針を駆動する機械部分、つまりムーブメントが収容されている。本体ケースの材質は、特に制限されるものではなく、例えば、金属や樹脂であればよい。時計カバー12は、時計部10の修理等に際し、取り外しができるように本体ケースに取り付けられている。この時計カバー12は、表示盤16を視認することができるように、例えば、ガラスや樹脂等の透明な材質で形成されている。
【0016】
時計部10の底面側には、仕切材40を介して、アラーム部20が積層されている。仕切材40は、時計部10と同じ円形状の平板状に形成されている。仕切材40は、時計部10とアラーム部20とを明確に区分けするために積層されたものである。この仕切材40の材質は、特に制限されるものではなく、金属、硬質プラスチックのような樹脂、ゴムやエラストマのような弾性体、等とすることができる。アラーム部20は、仕切材40側の面を底面としており、底面と側面とを形成するように構成された外装ケースを有している。この外装ケースには、緊急アラーム音を発生するアラーム器材が収容されている。アラーム器材としては、例えば、緊急アラーム音を発生するための信号を出力する回路が配された回路基板、電源となる電池、および、回路基板からの信号により緊急アラーム音を発生するスピーカが含まれている。アラーム部20の外装ケースは、表面側、つまり仕切材40と反対の面側がアラームカバー22で覆われている。このアラームカバー22は、アラーム部20の修理等に際し、取り外しができるように外装ケースに取り付けられている。アラーム部20の外装ケースおよびアラームカバー22の材質は、特に制限されるものではないが、例えば、金属や樹脂等を挙げることができる。換言すると、図3に示すように、緊急アラーム付腕時計60は、時計部10の背面(底面)側、すなわち、腕に装着したときに腕に接触する側にアラーム部20のアラームカバー22が位置している。
【0017】
アラーム部20の側面には、図1に示すように、アラーム器材を作動させるためのスイッチ部材23が配されている。スイッチ部材23は、外装ケースに収容されたアラーム器材を作動させるためのスイッチとなるように、引き抜き可能に挿着されている。このスイッチ部材23は、アラーム部20の側面から突出する突出部23bを有している。突出部23bは、平板状に形成されており、表示盤16の中心を通りスイッチ部材23と竜頭13とを結ぶ直線と交差する方向における長さLsが、竜頭13の長さLrより長く(大きく)形成されている。突出部23bは、突出端部の外縁に鍔部23aを有している。スイッチ部材23は、時計部10の表示盤16の中心に対して、竜頭13と点対称の位置となるように配されている。すなわち、スイッチ部材23は、緊急アラーム付腕時計60を腕に装着したときの肘側、つまり表示盤16の9時側に位置することとなる。なお、左利き用の場合は、スイッチ部材23が3時側に配されることとなる。
【0018】
図2(A)、(B)に示すように、時計部10と仕切材40との間には、衝撃吸収材50が積層されている。衝撃吸収材50は、時計部10と同じ円形状の平板状に形成されている。衝撃吸収材50は、アラーム部20の作動により大音量の緊急アラーム音が発生したときに、緊急アラーム音で生じる振動が時計部10に及ぼす衝撃を緩和するために積層されたものである。この衝撃吸収材50の材質は、衝撃を吸収できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、弾性やクッション性を有するゴムやエラストマのような材料を挙げることができる。
【0019】
上述した時計部10、衝撃吸収材50、仕切材40およびアラーム部20は、例えば、両面テープや接着材により接合して積層することが可能である。このとき、時計部10の底面と衝撃吸収材50の一面とが接合され、衝撃吸収材50の他面と仕切材40の一面とが接合され、仕切材40の他面とアラーム部20の底面とが接合される。また、全体が1つの外装材で覆われるように構成することも可能である。この場合、時計カバー12およびアラームカバー22の取り外しができるように構成するとともに、竜頭13およびスイッチ部材23の操作ができるように構成することが必要であることはもちろんである。
【0020】
使用者は、ベルト部30により、腕、通常であれば腕首(手首)に緊急アラーム付腕時計60を巻き付けるようにして装着する。時計部10の表示盤16を見ることで、時刻を知ることができる。時計部10の時刻を合わせるときは、一般的な腕時計と同様に、竜頭13を引っ張ることでムーブメントによる指針の駆動を停止させる。竜頭13を回して指針を動かすことで時刻を合わせた後、竜頭13を押し込むことでムーブメントによる指針の駆動を再開させる。外出時はもちろん在宅時であっても、災難や犯罪に遭遇したときや、病気やけがが生じたときの緊急の事態に至ったときは、アラーム部20のスイッチ部材23を引き抜く。このとき、スイッチ部材23の突出部23bを指先でつまむ等することで容易に引き抜くことができる。スイッチ部材23が引き抜かれることで、アラーム部20が作動して大音量の緊急アラーム音が発生する。これにより、周辺に居る第三者に犯罪や病気等による緊急事態が発生していることを知らせることができ、大事に至る前に緊急事態の収束を図ることが期待できる。スイッチ部材23を元どおりに挿着すれば、緊急アラーム音が停止する。換言すれば、スイッチ部材23を元どおりに挿着しない限り、緊急アラーム音が発生し続ける。
【0021】
次に、本実施形態の緊急アラーム付腕時計60の作用等について説明する。
【0022】
本実施形態では、時計部10のベルト取付部14にベルト部30が取り付けられている。このベルト部30により、緊急アラーム付腕時計60を簡単に身につけて携帯することができる。ベルト部30が可撓性を有する材質で形成されているため、腕首に巻き付けて固定することができ、不都合を生じることなく容易に緊急アラーム付腕時計60を携帯することができる。また、時計部10の表示盤16が透明な時計カバー12で覆われている。これにより、表示盤16に表示される時刻を適時に知ることができる。
【0023】
また、本実施形態では、緊急アラーム付腕時計60がアラーム部20を備えている。このため、災難や犯罪に遭遇したときや、急な病気やけがが生じたときの緊急事態が起こったときに、緊急アラーム音を発生させて周囲に居る人に知らせることができる。これにより、緊急事態の早期の収束を図ることが期待できる。さらに、一般的な腕時計を装着したときは防犯ブザーの携帯を忘れがちであるのに対し、緊急アラーム付腕時計60を装着したときは時計部10とアラーム部20とを同時に携帯することができる。
【0024】
さらに、アラーム部20のスイッチ部材23は、突出部23bを有しており、この突出部23bの長さLsが竜頭13の長さLrより長く形成されている。このため、突出部23bを指先でつまむことで、スイッチ部材23を容易に引き抜くことができる。また、この突出部23bは、突出端部の外縁に鍔部23aを有している。突出部23bを指先でつまむときに鍔部23aが指先に引っ掛かりやすくなるので、一層容易にスイッチ部材23を引き抜くことができる。スイッチ部材23は、表示盤16の中心に対して竜頭13と点対称の位置となるように配されている。このため、スイッチ部材23の突出部23bが腕の肘側に位置していることから、犯罪者に腕をつかまれた場合でも、例えば突出部23bを口でくわえて(歯で挟んで)引き抜くことも可能である。さらに、スイッチ部材23と竜頭13とが表示盤16に対して互いに反対側に位置するため、平常時に竜頭13を操作しても、スイッチ部材23を不用意に引き抜くことを防止することができる。
【0025】
また更に、本実施形態では、緊急アラーム付腕時計60が衝撃吸収材50を有しており、衝撃吸収材50が時計部10と仕切材40との間に介在している。このため、緊急事態に至った場合に、スイッチ部材23を引き抜いて緊急アラーム音を発生させても、大音量の緊急アラーム音発生に伴う振動による時計部10への衝撃を緩和することができる。また、例えば犯罪に遭遇したときに緊急アラーム音を発生させると、犯罪者が緊急アラーム音を止めようとすることが予想される。ところが、引き抜いたスイッチ部材23を元どおりに挿着しない限り緊急アラーム音を停止させることができないため、犯罪者が過激な行動を起こし、時計部10に打撃等の衝撃が加えられる可能性がある。このような場合、時計部10が壊れることがあったとしても、衝撃吸収材50がクッションとなりアラーム部20を保護することができ、緊急アラーム音の発生を継続させることができる。
【0026】
なお、本実施形態では、時計部10と仕切材40との間に衝撃吸収材50が積層される例を示したが、本考案はこれに制限されるものではない。例えば、仕切材40が衝撃吸収材50を兼ねるようにしてもよい。このことは、仕切材40を衝撃を吸収できるような材質で形成することにより実現することができる。材質としては、上述したように、例えば、樹脂、ゴムやエラストマを挙げることができる。このようにすれば、部材数の減少により、緊急アラーム付腕時計60の薄型化、軽量化を図ることができる。
【0027】
また、本実施形態では、指針の回転により時刻を示す機械式の時計部10を示したが、本考案はこれに限定されるものではない。機械式に代えて、時刻を数字で表示するデジタル式のものとしてもよく、機械式とデジタル式とを併用するようにしてもよい。さらに、時計部10の時刻表示を時針および分針で行う例を示したが、秒針を有するように構成してもよく、さらに日付や曜日を表示するようにしてもよい。また更に、本実施形態では、円形状の表示盤16を有する時計部10を示したが、本考案はこれに制限されるものではなく、楕円状はもちろん、正方形(スクエア)状や長方形(レクタンギュラ)状としてもよい。更にまた、本実施形態では、時計部10、仕切材40、衝撃吸収材50およびアラーム部20を同じ円形状とする例を示したが、本考案はこれに限定されるものではない。例えば、アラーム部20を矩形状とし、その外形に内接するような円形状の時計部10を積層するようにしてもよい。また、緊急アラーム付腕時計60の大きさ、つまり表示盤16の大きさは、一般的な腕時計と同等の範囲であれば、特に制限のないことはもちろんである。さらに、本実施形態では、特に言及していないが、アラーム部20による緊急アラーム音と別に、時計部10が所望の時刻を知らせるアラーム音を発生するようにしてもよい。
【0028】
さらに、本実施形態では、2本のベルト部30の端部同士を係止させて腕首に装着する例を示したが、本考案はこれに制限されるものではない。例えば、伸縮性を有するように構成されたベルト部であれば、1本の両端をそれぞれベルト取付部14に取り付けてリング状に形成するようにしてもよい。伸縮性を有するため、リング状に形成したベルト部を拡げて腕首に装着することができる。
【0029】
また更に、本実施形態では、アラーム部20のスイッチ部材23が突出部23bの端部外縁に鍔部23aを有する例を示したが、本考案はこれに制限されるものではない。鍔部23aを有することなく突出部23bを構成することも可能である。また、突出部23bの長さLsが竜頭13の長さLrより長い例を示したが、本考案はこれに制限されることなく、長さLsを長さLrより短くすることも可能である。スイッチ部材23が鍔部23aを有していない場合や、突出部23bの長さLsが竜頭13の長さLrより短い場合であっても、突出部23bを、指先、例えば拇指(親指)と食指(人差し指)とでつまむことができるように十分な大きさとすることが重要である。突出部23bが大きすぎると、腕に装着しているときに不都合を生じて邪魔になる可能性がある。反対に突出部23bが小さすぎると、緊急事態に至ったときにとっさに引き抜くことができない可能性がある。
緊急事態が起こったときは、パニック状態に陥ることもあり、汗や油分等で指先が滑りやすくなることも考えられる。このような状況を考慮すれば、突出部23bが鍔部23aを有していること、および、突出部23bの長さLsが竜頭13の長さLrより長いことの少なくとも一方を採用することが好ましい。突出部23bが鍔部23aを有すること、長さLsを長さLrより長くすることでスイッチ部材23を引き抜きやすくすることができる。
【0030】
更にまた、本実施形態では、特に言及していないが、アラーム部20が緊急事態の報知に十分な音色や音量の緊急アラーム音を発生可能であることが好ましい。例えば、財団法人全国防犯協会連合会により、防犯ブザーの性能基準が定められているため、これを基に設定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本考案は、身につけて携帯することができ、緊急事態のときに近くにいる人に直ぐに知らせることができる緊急アラーム付腕時計を提供するものであるため、緊急アラーム付腕時計の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0032】
10 時計部
13 竜頭
16 表示盤
20 アラーム部
23 スイッチ部材
23a 鍔部
23b 突出部
30 ベルト部
40 仕切材
50 衝撃吸収材
60 緊急アラーム付腕時計
【図1】
【図2】
【図3】