機械器具
【発明の名称】管路内面切削方法及びその装置
【出願人】
【識別番号】504077135
【氏名又は名称】有限会社小室技研
【住所又は居所】千葉県白井市清水口2丁目4番2棟201号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100075410
【氏名又は名称】藤沢 則昭
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100064311
【氏名又は名称】藤沢 正則
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100135541
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
【発明者】
【氏名】小室 昭治
【住所又は居所】千葉県白井市清水口2丁目4番地2棟201号
【要約】
【課題】
管路内壁を傷つけることなく、極めて簡単、確実かつ安価に管路内面を略円形状に切削出来る方法を提供する。
【解決手段】
切削装置Aを切削機本体1と回転体2とから構成し、切削機本体1に回転体2を被せて内向環状凸部5を切削機本体1の外向環状凹部3内に嵌合し、回転体2の内側端面と切削機本体1の前端面とを対向させて切削機本体1の高圧水の給水路11の開口部と回転体2の高圧水の給水路16の開口部とを対向させ、当該箇所に密閉室19を形成し、管路B内の付着物がある箇所で、高圧水を供給して回転体2の円形刃先部17の噴射管18から外周かつ後方に高圧水を噴射させて回転する円形刃先部17により付着物を切削しながら前方へ進み、回転体2の内向環状凸部5が切削機本体Aの外向環状凹部3内を前方へ進み、外向環状凹部3の前側に来た時、高圧水の供給を止め、押し込みパイプにより管路B内を切削機本体Aを押し込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設した管路内に立坑から高圧水を通すホースを導入し、当該ホースの先端を、立坑側から押し込みパイプの操作により管路内を進退自在に設けた切削装置に接続し、管路内で高圧水を噴射させることによって上記切削装置の前端に設けた刃先部を回転させて管路内の付着物を切削する管路内面切削方法において、
上記切削装置を横向き略円柱状の切削機本体と横向き略円筒状の回転体とから構成し、当該切削機本体の先端部の外周に上記回転体を回転自在に被せて当該回転体内周に設けた内向環状凸部を当該切削機本体の外周に設けた、上記内向環状凸部より幅の大きい外向環状凹部内に、前後方向に移動自在に、嵌合し、
当該回転体内周の内向環状凸部に隣設して当該内向環状凸部の前側に設けた内向環状凹部において、当該内向環状凹部によって形成される当該回転体の内側端面と上記切削機本体の先端部の前端面とを相対向させて当該切削機本体の高圧水の給水路の、当該切削機本体の先端部の端面における開口部と、当該回転体の高圧水の給水路の、当該回転体内の内側端面における開口部とを相対向させ、同時に当該箇所に伸縮自在な密閉室を形成し、
上記切削装置を押し込みパイプの操作により管路内を進行させ、これにより、当該回転体の内向環状凸部は上記切削機本体に押されて当該切削機本体の外向環状凹部内の後側に位置し、当該管路内の付着物がある切削箇所において、当該切削機本体の高圧水取入れ口から高圧水を供給して当該回転体の先端に設けた刃先部の背面に設けた複数の噴射管から当該回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に高圧水を噴射させることによって当該回転体を回転させて刃先部により管路内の付着物を切削しながら、当該回転体は前方へ進み、当該回転体の内向環状凸部が上記切削機本体の外向環状凹部内を前方へ進み、当該外向環状凹部の前側に来た時、上記高圧水の供給を止め、上記押し込みパイプにより管路内を切削機本体を押し込むことを特徴とする、管路内面切削方法。
【請求項2】
上記切削機本体の前面から一定長突出したパイプを設け、当該パイプを上記回転体の長手方向の中心線部分に設けた貫通孔内に挿入して当該切削機本体の先端部の外周に上記回転体を回転自在に被せ、当該パイプの前面は透明な部材で塞ぎ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置する時は、上記パイプ内先端に設けたテレビカメラを当該回転体の前面と略面を合わせて位置させ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の前側に位置する時は、当該回転体の前面が上記テレビカメラの位置より前方に位置して当該テレビカメラの視野を狭めることを特徴とする、上記請求項1に記載の管路内面切削方法。
【請求項3】
横向き略円柱状に設けた切削機本体の後端に着脱自在に接続した押し込みパイプの操作により当該切削機本体を管路内に進退自在に設け、当該切削機本体の前端に設けた円形刃先部を高圧水の噴射により回転させる切削装置において、
当該切削機本体の先端部の外周に一定幅の外向環状凹部を設け、
上記切削機本体とは別途設けた横向き略円筒状の回転体後部の内周に一定幅の内向環状凸部を設け、当該内向環状凸部の幅は上記切削機本体の外向環状凹部の幅より狭いものとし、当該回転体内周において当該内向環状凸部に隣設して当該内向環状凸部の前側に内向環状凹部を設け、当該回転体の先端に刃先部を設け、当該回転体の刃先部の背面に回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に噴射させる噴射管を複数設け、上記切削機本体の後端に設けた高圧水取入れ口から上記複数の噴射管の噴射口に至る給水路を上記切削機本体内及び回転体内に夫々設け、
上記切削機本体の先端部の外周に上記回転体を被せて、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部内を前後方向に移動自在かつ回転自在に嵌合し、当該回転体内の内向環状凹部において、当該内向環状凹部によって形成される当該回転体の内側端面と上記切削機本体の先端部の前端面とを相対向させて当該切削機本体の高圧水の給水路の、当該切削機本体の先端部の端面における開口部と、当該回転体の高圧水の給水路の、当該回転体内の内側端面における開口部とを相対向させ、同時に当該箇所に伸縮自在な密閉室を形成し、
当該切削機本体に上記回転体を被せた状態で押し込みパイプの操作により管路内を進行させると、当該回転体の内向環状凸部は当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置し、当該管路内の付着物がある切削箇所において、当該切削機本体の高圧水取入れ口から高圧水を供給して上記複数の噴射管から回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に高圧水を噴射することによって当該回転体を回転させて刃先部により管路内の付着物を切削しながら、当該回転体は前方へ進み、当該回転体の内向環状凸部は上記切削機本体の外向環状凹部の前方へ進んで前側に位置することを特徴とする、管路内面切削装置。
【請求項4】
上記切削機本体の長手方向の中心線部分に、その先端を当該切削機本体の前面から一定長突出させたパイプを貫通して設け、当該パイプの前面は透明な部材で塞ぎ、当該パイプ内先端にテレビカメラを設け、
上記略円筒状の回転体の長手方向の中心線部分に貫通孔を設け、上記切削機本体の前面から突出したパイプを当該回転体の貫通孔内に挿入して当該切削機本体の先端の外周に上記回転体を回転自在に被せ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置する時は、上記テレビカメラを当該回転体の前面と略面を合わせて位置させ、
当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の前側に位置する時は、当該回転体が上記テレビカメラの位置より前方に位置して当該テレビカメラの視野を狭めることを特徴とする、上記請求項3に記載の管路内面切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、地中に埋設した小口径管路(以下、単に「管路」と言う)内に電線又は情報通信ケーブル等(以下、「電線等」と言う)を挿通する際に、予め当該管路の内面を切削する方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
地中に埋設されている管路において、埋設箇所の地盤沈下や地下工事による埋設管路下部の埋め戻し不足による地盤沈下によって管路段差の発生、また、土地改良材の管路内への侵入による固着、鉄製管路の錆の発生及び樹木の根の侵入等により、電線等を挿通する管路としての性能を著しく低下させる不都合箇所が多々発生している。
これらの不都合箇所の路面を開削せず管路内部より不都合箇所を切削し補修する方法として、作業用ロボットにより触手を伸ばし、当該触手の先端に切削装置を取付け、管路内面を部分的に切削する方法、また、先端に円形刃先を取付けたピアノ線又はロットを回転機械により回転させて管路内面を切削する方法がある。
電線等を収納する管路においては、管路内のスペースを略円形状に確保することが必須要件である。そして、上記ピアノ線等の先端に円形刃先を取付けて回転させる方法については問題点が多く、これらの問題点を解決するものとして特許第2589269号が提案されている。
【特許文献1】
特許第2589269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第2589269号公報における切削方法及び切削装置においては、切削装置の推進機能、刃先の回転機能及び刃先の冷却機能等、各機能毎の噴射口を設けており、これらの各機能は地上から導入した高圧ホースを通して高圧水で全てを動かしており、特に切削装置の推進機能においては、切削装置及び高圧ホースを牽引する能力が必要なために多量の水を必要としている(1分間に200リットル)。この様な作業では、使用する水はタンク車により搬入しているが、3,000リットルタンク車での作業時間は、15分と短く、長時間の作業では複数のタンク車を現場に準備する必要があった。
また、管路内面を略円形状に効果的に切削するためには、刃先の質、型、取付け方法、押圧力及び回転力を微妙に調整する必要があるが、上記切削方法及び切削装置では、装置及び高圧ホースを約100m牽引するための推進能力を有している(地中電線路においては、マンホール間の管路長が約200mの区間が多く存在し、管路片側より装置搬入距離は約100m必要である。)。装置等を牽引する推進能力は切削箇所においては、回転刃先の押圧力となるが、不都合箇所が管路口近傍の場合においては、推進余力が高く押圧力が強いが、不都合箇所が管路口より約100m付近では、この推進能力は殆どゼロに等しく、押圧力が弱くなり、当該押圧力の調整が出来ない。また、この装置は推進能力は高いが、それに比べ円形回転体のトルクは小さく、しばしば回転刃先が止まる現象が発生しているが、これらの状態は、切削装置の挿入口とは反対の口からテレビカメラを挿入しなければ、その現象が確認出来ず、作業時間や使用水の浪費を発生させていた。
さらに、上記切削方法及び切削装置では、管路内を切削中は、当該作業が的確に行われているか、否かは、切削装置とテレビカメラを交互に挿入して確認するか、又は切削装置挿入口とは反対の口からテレビカメラを挿入して確認するしか方法はなく、本来の切削作業以外の作業を行う時間を多く必要としていた。また、各管路に複数の不都合箇所があり、切削装置挿入口と反対の口よりテレビカメラが挿入出来ない区間も多く存在していた。
そこで、この発明は、これらの点を鑑みて為されたもので、管路の内壁を傷つけることなく、極めて簡単、確実かつ安価に管路内面を略円形状に切削出来る方法及び装置を提供して上記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、地中に埋設した管路内に立坑から高圧水を通すホースを導入し、当該ホースの先端を、立坑側から押し込みパイプの操作により管路内を進退自在に設けた切削装置に接続し、管路内で高圧水を噴射させることによって上記切削装置の前端に設けた刃先部を回転させて管路内の付着物を切削する管路内面切削方法において、上記切削装置を横向き略円柱状の切削機本体と横向き略円筒状の回転体とから構成し、当該切削機本体の先端部の外周に上記回転体を回転自在に被せて当該回転体内周に設けた内向環状凸部を当該切削機本体の外周に設けた、上記内向環状凸部より幅の大きい外向環状凹部内に、前後方向に移動自在に、嵌合した。
当該回転体内周の内向環状凸部に隣設して当該内向環状凸部の前側に設けた内向環状凹部において、当該内向環状凹部によって形成される当該回転体の内側端面と上記切削機本体の先端部の前端面とを相対向させて当該切削機本体の高圧水の給水路の、当該切削機本体の先端部の端面における開口部と、当該回転体の高圧水の給水路の、当該回転体内の内側端面における開口部とを相対向させ、同時に当該箇所に伸縮自在な密閉室を形成した。
上記切削装置を押し込みパイプの操作により管路内を進行させ、これにより、当該回転体の内向環状凸部は上記切削機本体に押されて当該切削機本体の外向環状凹部内の後側に位置し、当該管路内の付着物がある切削箇所において、当該切削機本体の高圧水取入れ口から高圧水を供給して当該回転体の先端に設けた刃先部の背面に設けた複数の噴射管から当該回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に高圧水を噴射させることによって当該回転体を回転させて刃先部により管路内の付着物を切削しながら、当該回転体は前方へ進み、当該回転体の内向環状凸部が上記切削機本体の外向環状凹部内を前方へ進み、当該外向環状凹部の前側に来た時、上記高圧水の供給を止め、上記押し込みパイプにより管路内を切削機本体を押し込む管路内面切削方法とした。
請求項2の発明は、上記切削機本体の前面から一定長突出したパイプを設け、当該パイプを上記回転体の長手方向の中心線部分に設けた貫通孔内に挿入して当該切削機本体の先端部の外周に上記回転体を回転自在に被せ、当該パイプの前面は透明な部材で塞ぎ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置する時は、上記パイプ内先端に設けたテレビカメラを当該回転体の前面と略面を合わせて位置させ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の前側に位置する時は、当該回転体の前面が上記テレビカメラの位置より前方に位置して当該テレビカメラの視野を狭める上記請求項1に記載の管路内面切削方法とした。
請求項3の発明は、横向き略円柱状に設けた切削機本体の後端に着脱自在に接続した押し込みパイプの操作により当該切削機本体を管路内に進退自在に設け、当該切削機本体の前端に設けた円形刃先部を高圧水の噴射により回転させる切削装置において、当該切削機本体の先端部の外周に一定幅の外向環状凹部を設け、上記切削機本体とは別途設けた横向き略円筒状の回転体後部の内周に一定幅の内向環状凸部を設け、当該内向環状凸部の幅は上記切削機本体の外向環状凹部の幅より狭いものとし、当該回転体内周において当該内向環状凸部に隣設して当該内向環状凸部の前側に内向環状凹部を設け、当該回転体の先端に刃先部を設け、当該回転体の刃先部の背面に回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に噴射させる噴射管を複数設け、上記切削機本体の後端に設けた高圧水取入れ口から上記複数の噴射管の噴射口に至る給水路を上記切削機本体内及び回転体内に夫々設けた。
上記切削機本体の先端部の外周に上記回転体を被せて、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部内を前後方向に移動自在かつ回転自在に嵌合し、当該回転体内の内向環状凹部において、当該内向環状凹部によって形成される当該回転体の内側端面と上記切削機本体の先端部の前端面とを相対向させて当該切削機本体の高圧水の給水路の、当該切削機本体の先端部の端面における開口部と、当該回転体の高圧水の給水路の、当該回転体内の内側端面における開口部とを相対向させ、同時に当該箇所に伸縮自在な密閉室を形成した。
当該切削機本体に上記回転体を被せた状態で押し込みパイプの操作により管路内を進行させると、当該回転体の内向環状凸部は当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置し、当該管路内の付着物がある切削箇所において、当該切削機本体の高圧水取入れ口から高圧水を供給して上記複数の噴射管から回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に高圧水を噴射することによって当該回転体を回転させて刃先部により管路内の付着物を切削しながら、当該回転体は前方へ進み、当該回転体の内向環状凸部は上記切削機本体の外向環状凹部の前方へ進んで前側に位置する管路内面切削装置とした。
請求項4の発明は、上記切削機本体の長手方向の中心線部分に、その先端を当該切削機本体の前面から一定長突出させたパイプを貫通して設け、当該パイプの前面は透明な部材で塞ぎ、当該パイプ内先端にテレビカメラを設け、上記略円筒状の回転体の長手方向の中心線部分に貫通孔を設け、上記切削機本体の前面から突出したパイプを当該回転体の貫通孔内に挿入して当該切削機本体の先端の外周に上記回転体を回転自在に被せ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置する時は、上記テレビカメラを当該回転体の前面と略面を合わせて位置させ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の前側に位置する時は、当該回転体が上記テレビカメラの位置より前方に位置して当該テレビカメラの視野を狭める上記請求項3に記載の管路内面切削装置とした。
【発明の効果】
請求項1及び3の各発明によれば、上記従来の切削装置の推進機能、刃先の回転機能及び刃先の冷却機能等、各機能毎の噴射管を設けてこれらの機能を全て高圧水で動作させたものと比べて、高圧水を回転体の回転と移動にのみ使用して噴射管を一種類に限定したので、使用水量及び水圧を大幅に減少することが出来る。そのため、長時間の作業も可能となり、費用を大きく下げることが出来る。また、高圧水による噴射が行われて回転体が回転を始めると切削装置の前部が管路内面より浮き上がり、回転体の円形刃先部の中心軸位置をおよそ当該管路の中心軸に位置させ、均一に管路内面が切削されて効率よく付着物を切削することが出来る。
請求項2及び4の各発明によれば、上記効果に加えて、切削装置の前面の中心箇所にテレビカメラを設けたので、回転体の円形刃先部の切削状況及び前進状況を随時確認出来る。そのため、わざわざ、切削装置とテレビカメラを交互に挿入して上記切削状況等を確認するということや、切削装置の挿入口とは反対の口からテレビカメラを挿入して確認するということが全く不要になり、今まで浪費していた作業時間や使用水が無くなり作業効率が上がり、費用も大きく下げることが出来る。また、各管路に複数の不都合箇所があり、切削装置挿入口と反対の口よりテレビカメラが挿入出来ない区間があっても何等問題とならない。さらに、テレビカメラの視野が狭くなることにより回転体が前進したことを確認出来、切削装置の操作を効率良く行えるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
地中に埋設した管路内に立坑から高圧水を通すホースを導入し、当該ホースの先端を、立坑側から押し込みパイプの操作により管路内を進退自在に設けた切削装置に接続し、管路内で高圧水を噴射させることによって上記切削装置の前端に設けた刃先部を回転させて管路内の付着物を切削する管路内面切削方法において、上記切削装置を横向き略円柱状の切削機本体と横向き略円筒状の回転体とから構成し、当該切削機本体の前面から一定長突出したパイプを設け、当該パイプを上記回転体の長手方向の中心線部分に設けた貫通孔内に挿入して当該切削機本体の先端部の外周に上記回転体を回転自在に被せて当該回転体内周に設けた内向環状凸部を当該切削機本体の外周に設けた、上記内向環状凸部より幅の大きい外向環状凹部内に、前後方向に移動自在かつ回転自在に、嵌合し、上記パイプの前面は透明な部材で塞いだ。
当該回転体内周の内向環状凸部に隣設して当該内向環状凸部の前側に設けた内向環状凹部において、当該内向環状凹部によって形成される当該回転体の内側端面と上記切削機本体のフランジ状の先端部の前端面とを相対向させて当該切削機本体の高圧水の給水路の、当該切削機本体の先端部の端面における開口部と、当該回転体の高圧水の給水路の、当該回転体内の内側端面における開口部とを相対向させ、同時に当該箇所に伸縮自在な密閉室を形成した。
上記切削装置を押し込みパイプの操作により管路内を進行させ、これにより、当該回転体の内向環状凸部は上記切削機本体に押されて当該切削機本体の外向環状凹部内の後側に位置し、当該管路内の付着物がある切削箇所において、当該切削機本体の高圧水取入れ口から高圧水を供給して当該回転体の先端に設けた刃先部の背面に設けた複数の噴射管から当該回転体の外周の略接線方向であってかつ後方に高圧水を噴射させることによって当該回転体を回転させて刃先部により管路内の付着物を切削しながら、当該回転体は前方へ進み、当該回転体の内向環状凸部が上記切削機本体の外向環状凹部内を前方へ進み、当該外向環状凹部の前側に来た時、上記高圧水の供給を止め、上記押し込みパイプにより管路内を切削機本体を押し込む。
当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の後側に位置する時は、上記パイプ内先端に設けたテレビカメラを当該回転体の前面と略面を合わせて位置させ、当該回転体の内向環状凸部が当該切削機本体の外向環状凹部の前側に位置する時は、当該回転体の前面が上記テレビカメラの位置より前方に位置して当該テレビカメラの視野を狭める。
【実施例1】
以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1乃至図4は、この発明の実施例の切削装置Aを管路B内に設けた状態を示す。この発明の切削装置Aは、切削機本体1及び回転体2から形成される。切削機本体1は、図1及び図3に示すように、横向き円柱状で、前後の端面を閉鎖し、先端付近の外径は段部を設けて一段小さくなっており、その外周面には一定幅の外向環状凹部3を設けており、この外向環状凹部3の底面には環状にベアリング4を設けて、後述する回転体2の内向環状凸部5がこの外向環状凹部3の底面上を円滑に移動出来るようにしている。また、この外向環状凹部3の先端部6は一定厚のフランジ状となっており、このフランジ状の先端部6の外周面には止水用の環状のゴムパッキン7を設けている。
この切削機本体1の内側の長手方向の中心線部分に、先端をこの切削機本体1のフランジ状の先端部6の先端面から一定長突出させたパイプ8を貫通して設けている。このパイプ8の先端部の前面を透明な部材で塞ぎ、切削機本体1の後端から若干突出したパイプの後端部8aからテレビカメラ9を挿入してパイプ8の前面に位置させている。この時、テレビカメラ9とともに管路内を照らすライトも備えられている(図示省略)。
また、この切削機本体1内のパイプ8の外周には、この切削機本体1の後端に設けた高圧水取入口10に繋がった高圧水の筒状の給水路11を設けている。この給水路11の前端は、この切削機本体1の長手方向の中心線を中心とした環状となってフランジ状の先端部6の前面に開口している。なお、パイプ8は、給水路11内に設けられた適宜の支持棒(図示省略)によって支持されている。
さらに、この円筒状の切削機本体1の、管路Bの内面と接触する箇所である上下左右面には、夫々ガイドソリ12を設けており、これらの各ガイドソリ12には管路B内面を円滑に走行出来るように前輪13aと後輪13bを設けている。また、この切削機本体1の後端には、U字形状の接続具14を設けており、この接続具14は、管路B内でこの切削機本体1を進退させる硬質塩化ビニール又はカーボンロッド等から形成された押し込みパイプ(図示省略)を接続自在となっている。
回転体2は、図1及び図4に示すように、前部が横向き略円柱状で、後部が、後端が開口した横向き略円筒状で、後部の略円筒状の内周に一定幅の内向環状凸部5を設け、この内向環状凸部5の幅(L1)は上記切削機本体1の外向環状凹部3の幅(L2)より狭いものとなっている(図1参照)。また、回転体2の後部の内周の、この内向環状凸部5に隣設した前側の部分には一定幅の内向環状凹部5aを設けている。この内向環状凹部5a内に上記切削機本体1のフランジ状の先端部6を嵌合するようになっている。さらに、この回転体2の前部の長手方向の中心線部分に、上記パイプ8を挿入する貫通孔15を設けている。また、この貫通孔15の外側に、この回転体2の長手方向の中心線を中心とした断面環状の高圧水の給水路16を設けており、この給水路16は、上記切削機本体1の先端部6の前面の、給水路11の環状の開口部と相対向する位置に、回転体2の上記内向環状凹部5aの内側端面に環状の開口部を形成している。
また、この回転体2の先端は、一端径がすぼまり、再び大径となっており、この大径部に一定厚の円形刃先部17を一体に設けており、この円形刃先部17の外径は、管路Bの内径が125mmの時、115mmとしており、円形刃先部17の回転軸が多少ずれても管路B内で円滑な切削が出来るように、管路B内径より幾分短く設けられている。そして、図2に示すように、この回転体2の円形刃先部17の背面に当該円形刃先部17の背面に沿って、高圧水を噴射させる噴射管18を4つ等間隔で設けており、これらの各噴射管18の先端には噴射口18aを設け、また、図4に示すように、これらの噴射口18aと反対側の口は回転体2内の上記環状の給水路16と夫々繋がっている。
これらの4つの噴射管18は、図5に示すように、環状の給水路16の一端から途中まで外周方向に真直ぐ伸びているが、その後は、回転体2の外周の接線方向(l)に向けて45度(α)夫々曲げて、いわゆる「まんじ」型に設けられている。さらに、図1に示すように、これらの4つの噴射管18の先端は、後方に向けて70度(β)傾斜して設けられており、これらの4つの噴射管18の先端の噴射口18aは、円形刃先部17の外周端縁より若干内側に位置するように設けられている。従って、各噴射口18aは、管路Bの内面に近接している。
次に、上記切削機本体1の先端に回転体2を被せて、この回転体2の内向環状凸部5を当該切削機本体1の内向外向環状凹部3内に摺動、回転自在に嵌め、また、この回転体2の内向環状凹部5aに切削機本体1のフランジ状の先端部6を摺動、回転自在に嵌める。これにより、切削機本体1と回転体2の各高圧水の給水路11、16の環状の各開口部が相対向した位置となる。また、この時、切削機本体1のフランジ状の先端部6の前端面と、回転体2の給水路16の開口部が設けられている後端面との間は、切削機本体1の先端部6の外周のゴムパッキン7により、密閉室19となっており、この密閉室19は、切削機本体1上を回転体2が移動することにより、伸縮し、大きさは変化するが、密閉状態は保たれ、切削機本体1の給水路11から回転体2の給水路16及び噴射管18に供給された高圧水がほぼ無駄なく円滑に噴射口18aから噴射されるようになっている。また、貫通孔15内のパイプ8の外周にも環状のゴムパッキンを設けることもある。
また、切削機本体1の前面から突出したパイプ8は、当該回転体2の貫通孔15内に挿入され、上記テレビカメラ9をこの回転体2の前面に略面を合わせて位置させ、この実施例の切削装置Aを形成する。この時、テレビカメラ9の視界は、最大となっている。そして、この切削装置Aを使用して、管路B内面の付着物を切削する様子を説明する。
切削装置Aの後端の高圧水取入口10に高圧水用のホースを取り付けて(図示省略)、この切削装置Aを押し込みパイプにより管路B内に押し込み前進させる。この間、回転体2の前面に設けたライトを備えたテレビカメラ9により、管路B内を見て付着物を探す。そして、管路B内の付着物を発見したら、高圧水を供給する前に押し込みパイプを固定する。これは、高圧水を供給して円形刃先部17の噴射管18の噴射口18aから高圧水を噴射した際に切削装置Aが後退するのを防ぐためである。この時、回転体2の内向環状凸部5は、上記押し込みパイプによる切削機本体1の押圧により、切削機本体1の内向外向環状凹部3の後側に位置している(図1の状態)。
その後、ホースを通じて地上から高圧水を供給し、回転体2の4つの噴射口18aから高圧水を噴射させて回転体2の円形刃先部17をパイプ8を中心軸として回転させる。4つの噴射口18aからの高圧水の噴射は、外周の接線方向に向けて45度の角度を持って、かつ後方に70度傾斜して噴射され、管路B内面に当る。回転体2は、これらの4つの噴射のみによっても回転するが、各噴射口18aから噴射する各高圧水が当該噴射口18aに近接した管路Bの内面に当たることにより、その反発力を受けてより強力に回転する。
この噴射を始める前、切削装置Aは、図1及び図2に示すように、管路B内の底面側に位置する。4つの各噴射口18aからは均等の圧力で高圧水が噴射されるが、切削装置Bの下側に位置する噴射口18aは管路B内の底面がすぐ近くにあり、それに比べ他の噴射口18aは管路Bの内面が遠くにあるため、この高圧水の噴射が始まると、勢いのよい当該噴射口18aの噴射による管路Bの内面の反発力により、切削装置Aは、図6に示すように、ガイドソリ12に設けられた後輪13bを支点にして切削装置Aの前部が浮き上がり、そして、図7に示すように、回転体2の円形刃先部17は管路Bの中心軸を略中心として回転する。
円形刃先部17の回転による管路B内面の付着物の切削し始めは、この円形刃先部17と付着物が接触して、回転体2の内向環状凸部5は当該切削機本体1の外向環状凹部3の前方へ進まないが、しかし、円形刃先部17の付着物の切削が進むにつれて、付着物による抵抗は徐々に小さくなり、各噴射口18による後方に向けての噴射により、回転体2は、徐々に前方へ進み、この回転体2の内向環状凸部5は上記切削機本体1の外向環状凹部3内を前方へ進んで前側に位置するようになる。
この回転体2の内向環状凸部5が切削機本体1の外向環状凹部3の前側に位置する時、図8に示すように、当該回転体2が上記テレビカメラ9の位置より前方に位置するので、このテレビカメラ9の視野が狭くなる。これにより作業者は、当該回転体2の円形刃先部17によって管路B内の付着物の切削が終ったことが分かる。
この様に回転体2の円形刃先部17による切削状況は、切削機本体1に設けられたテレビカメラ9の映像によって確認出来る。回転体2が上記前の位置まで進行すれば高圧水の供給を停止して円形刃先部17の回転を止め、再び押し込みパイプによって、管路B内を前進させ、これにより、回転体2は切削機本体1に押され、内向環状凸部5は切削機本体1の外向環状凹部3の後方へ移動し、テレビカメラ9の視界は広がる。また、付着物が発見された場合は、押し込みパイプを固定して高圧水を供給して上記作業を行う。これらの作業を繰り返し行い、管路B内面の付着物の切削を行う。
上記回転体の噴射管を等間隔で複数設け、当該各噴射管の先端を外周の接線方向に対して略45度の角度で夫々設けたので、高圧水噴射による切削装置の前半部分の浮き上がりが容易に出来、効率よく管路内の付着物を切削することが出来る。また、上記回転体の複数の噴射管の先端を後方に向けて略70度の角度で夫々設けたので、回転体が切削機本体上を前方に移動し易く、より効率の良い切削作業を行うことが出来る。
この実施例の切削装置Aによれば、従来の切削装置の推進機能、刃先の回転機能及び刃先の冷却機能等、各機能毎の高圧水の噴射口を設けたものと比べて、各種の噴射口を極力省略して、一種類のものに限定し、管路内面の近傍(この実施例では、10mm)で回転体2の外周の接線方向(l)に向けて45度(α)の角度で噴射させることにより、同一回転力において、使用する水量及び水圧を大幅に減少することが出来る。従来の装置を稼動させるためには、上述の通り、高圧水洗浄車(特殊車両で購入価格約1,500万円)を必要としていたが、この実施例の切削装置Aを使用すれば、使用水量及び水圧の大幅な減少に伴い、汎用電動式水噴射装置(購入価格40乃至50万円)での対応が可能である。
また、管路B内においてこの切削装置Aを固定すると、当該管路B内面に対する噴射管18の噴射角度を実験によって得られた値によって容易に特定でき、より効果的な噴射角度による回転力及び押圧力の調製が可能となる。さらに、回転体2の内向環状凹部5a内において、切削機本体1の先端部6の前端面と、回転体2の後端面との間に密閉室19を設けているが、当該空間に面した切削機本体1の給水路11と回転体2の給水路16の各開口部の一方に二重環状のガイド管を設け、このガイド管を他方の開口部内に摺動自在に嵌め入れて設け、常に給水路11と給水路16を直接接続することにより、高圧水の供給がより効率良く行えるようにしても良い。
また、この実施例の切削装置Aの場合、円形刃先部17への冷却水の噴射は、密閉室19において、回転体2に設けられた貫通孔15の内周とパイプ8の外周との間にゴムパッキンを設けて密閉する場合もあるが、貫通孔15の内周とパイプ8の外周の間のゴムパッキンの隙間から多少、高圧水の給水路11、16から漏れた水が流れ出ており不要となっている。さらに、上記実施例において、切削の場合を使用して説明をしたが、もちろんこの実施例の切削装置Aによれば、切削の他、管路B内面の研磨なども行える。また、上記実施例では、高圧水によって円形刃先部17を回転させているが、高圧水に代えて高圧空気を用いてもよく、その場合、高圧水用の機器は、高圧空気用の機器に取り替えて使用される。さらに、切削装置Aにガイドソリ12やこのガイドソリ12に前輪13a、13bを設けているが、この発明の必須要件ではない。また、各噴射管の先端を外周の接線方向に対して略45度の角度で、また、各噴射管の先端を後方に向けて略70度の角度で夫々設けているが、これらの角度に設けることは、この発明の必須要件ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の切削装置を管路内に置いた状態の一部断面図である。
【図2】この発明の実施例の切削装置を管路内に置いた状態の正面イメージ図である。
【図3】この発明の実施例の切削機本体の縦断面図である。
【図4】この発明の実施例の回転体の縦断面図である。
【図5】この発明の実施例の切削装置の管路内における回転体の噴射管の配置を示す説明図である。
【図6】この発明の実施例の管路内に置いた切削装置の回転体の各噴射管の噴射口から高圧水を噴射した際、切削装置の前部が浮き上がっている状態を示す一部断面図である。
【図7】この発明の実施例の管路内に置いた切削装置の回転体の各噴射管の噴射口から高圧水を噴射した際、切削装置の前部が浮き上がって、回転体の円形刃先部が管路の中心軸を略中心として回転する状態を示す正面イメージ図である。
【図8】この発明の実施例の管路内における切削装置の回転体が前方へ進み、回転体の内向環状凸部が切削機本体の外向環状凹部の前側に位置している状態であって、パイプ中のテレビカメラの視界が狭まっている状態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
A 切削装置 B 管路
1 切削機本体 2 回転体
3 外向環状凹部 5 内向環状凸部
5a 内向環状凹部 8 (テレビカメラを挿入する)パイプ
9 テレビカメラ 10 高圧水取入口
11 切削機本体内の高圧水の給水路
15 回転体の貫通孔 16 回転体内の高圧水の給水路
17 円形刃先部 18 噴射管
18a 噴射口 19 密閉室
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】


1.背景
小□径管路(内径約100〜300mm)は水道、ガス、下水及び電気など多くの企業により地下に埋設されている。これらの既設管路は地盤沈下などによる段差及び異物の浸入・滞積などにより管路としての性能を著しく低下させている状況が発生してしている。
当該管路の非開削補修工法として管路内より補修する工法がコストなどを考慮し一般的に数多く実施されている。
2.現状
管路の段差の解消及び異物の除去などにおいては「管路内の目的箇所で円形刃先を管路中心で回転させながら刃先が自動的に前進する切削工法」が
効果的であり、特許第2589269号で実用化されている。
3.課題(より効果的な切削をめざして!)
1)特許第2589269号の課題
@切削機を自走させるために大量に水を使用する。
A回転力を得るための噴射方法が効果的でない。
B切削に伴う刃先の押し圧力が一定でない(挿入□近くでは強く、遠方では弱くなる)⇒効果的な切削ができない。
2)その他の課題
@切削箇所の確認のために、小□径テレビカメラを使用しているが、切削機に組み込まれていない(円形刃先の前面に組み込む方法が考案されていない)
ために挿入□の反対側よりテレビを挿入するか、切削機と交互にテレビを挿入し確認する方法が実施されており、時間及び手間(費用など)の大幅なロスが発生している。
⇒回転する円形刃先の前面に是非力メラを取り付けたい(今回工法のメインテーマであります)
4.今回工法の特徴
上記課題をすべて解決した工法であります。

【 当社よりの連絡 】
1今回工法を普及させるために基幹企業(会社)を約 2〜3社に限定し募集いたします。
2.基幹企業には先行契約優先権を実施いたします。
3.基幹企業の選定は申し込み先着順を基本といたしますが、申し込みが多数の場合は当社基準で選考させていただきます。
尚、関係資料の請求及び申し込みは当社の都合により打ち切る場合がありますのでご注意下さい。
※申し込み状況、内容などの質問についてはご回答できません。
4.関係資料の申し込みは下記メールでご連絡をお願い致します。
※ 関係資料を当社より送付いたします。貴社連絡方法を明記して下さい。
E-mail k.giken@s5.dion.ne.jp