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農水産
 
【考案の名称】農業用加温装置
【実用新案権者】
【識別番号】508277863
【氏名又は名称】金沢 徳寿
【住所又は居所】大阪府東大阪市永和1丁目23−18
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100129056
【氏名又は名称】福田 信雄
【考案者】
【氏名】原田 康治
【住所又は居所】岡山県倉敷市浜ノ茶屋1丁目8番8号 三輪テクノ販売株式会社内
【要約】(修正有)
【課題】
省エネルギーや環境問題に資するとともに、温室内を効果的に加温することが可能となる農業用加温装置を提供する。
【解決手段】
循環扇の前方に配置されるビニルハウス等の農業用温室における加温装置であって、枠体2と、発熱層3と、からなり、枠体2は、外周所定箇所に天井等への個定手段2aを備えるとともに、該枠体2内に発熱層3が装備されており、発熱層3は、整流手段4と、面状発熱体と、からなり、整流手段4は、絶縁物質からなる板状体4aが前記枠体2内に収まる状態で格子状に配列された構造となっており、面状発熱体は、通電により発熱する帯状の金属板であって、前記板状体4aが格子状に配列されることによりできる各マス目4b内に配置されている構造とした。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
循環扇の前方に配置されるビニルハウス等の農業用温室における加温装置であって、
枠体と、発熱層と、からなり、
枠体は、外周所定箇所に天井等への個定手段を備えるとともに、該枠体内に発熱層が装備されており、
発熱層は、整流手段と、面状発熱体と、からなり、
整流手段は、絶縁物質からなる板状体が前記枠体内に収まる状態で格子状に配列された構造となっており、
面状発熱体は、通電により発熱する帯状の金属板であって、前記板状体が格子状に配列されることによりできる各マス目内に配置されている、
ことを特徴とする農業用加温装置。
【請求項2】
前記農業用加温装置において、面状発熱体が格子状に配列された板状体を貫通することにより、複数のマス目内に配置されている面状発熱体が連続した一本の金属板から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の農業用加温装置。
【請求項3】
前記農業用加温装置において、面状発熱体が、波形状に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の農業用加温装置。
【請求項4】
前記農業用加温装置において、複数の発熱層が枠体内に装備されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の農業用加温装置。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、ビニルハウス等の農業用温室における加温装置に関するものである。
【背景技術】
従来、ビニルハウス等の農業用温室における加温方法としては、暖房設備としてのボイラーを用いる方法が一般的である。具体的には、ボイラーによる熱を温風ホース等を介して温室内に送風することで、該温室内を加温する方法である。この方法によると、ボイラーが化石燃料を燃料にして熱を発生させているため、CO2の発生量が高く、地球温暖化の一因となっている。また、化石燃料価格に左右され、稼動コストが一定しないという問題があった。
【特許文献1】
特開2007−319089号公報
【特許文献2】
特開2007−292431号公報
【特許文献3】
特開2005−333840号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本考案は、省エネルギーや環境問題に資するとともに、温室内を効果的に加温することが可能となる農業用加温装置を提供するを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本考案は、循環扇の前方に配置されるビニルハウス等の農業用温室における加温装置であって、枠体と、発熱層と、からなり、枠体は、外周所定箇所に天井等への個定手段を備えるとともに、該枠体内に発熱層が装備されており、発熱層は、整流手段と、面状発熱体と、からなり、整流手段は、絶縁物質からなる板状体が前記枠体内に収まる状態で格子状に配列された構造となっており、面状発熱体は、通電により発熱する帯状の金属板であって、前記板状体が格子状に配列されることによりできる各マス目内に配置されている構造となっている。
また、本考案は、前記農業用加温装置において、面状発熱体が、格子状に配列された板状体を貫通することにより連続した一本の金属板から構成された構造を採用し得る。
さらに、本考案は、前記農業用加温装置において、面状発熱体が、波形状に配置されている構造を採ることもできる。
そしてまた、本考案は、前記農業用加温装置において、複数の発熱層が枠体内に装備されている構造とすることも可能である。
【考案の効果】
本考案にかかる農業用加温装置によれば、ビニルハウス等の農業用温室に従来からある循環扇に容易に取り付けられ、電気を通電することにより発熱する面状発熱体を利用して、該循環扇を通過する空気を加温する構造を採用することで、設備コスト削減に資するとともに、化石燃料を燃料とする従来のボイラー型加温装置に比して、省エネルギー効果を発揮し、さらには、稼動によるCO2の排出がほとんどないため、環境問題にも効果を奏するものである。
また、本考案にかかる農業用加温装置によれば、農業用温室の循環扇を利用するため、従来のボイラー型加温装置のような稼動音・送風音はほとんどなく、騒音問題においても大変効果的である。
【考案を実施するための最良の形態】
以下、本考案にかかる農業用加温装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1並びに図2は、本考案にかかる農業用加温装置1の実施形態を示しおり、図1は正面図、図2は側面部分断面図である。
本実施形態における農業用加温装置1は、図1並びに図2に示すように、枠体2と、発熱層3と、から構成されている。
枠体2は、天井等への個定手段2aを備えているとともに、発熱層3が該枠体2内に装備されている。
なお、天井等への個定手段2aについては、かかる機能を発揮する手段であれば、特に限定するものではなく、例えば図面に示されているような手段が考え得る。
枠体2の形状について、特に限定するものではないが、例えば図1(a)に示すような方形状や、図1(b)に示すような円形状が考え得る。
発熱層3は、整流手段4と、面状発熱体5と、から構成されている。
整流手段4は、板状体4aであって絶縁物質からなり、前記枠体2内に収まる状態で板状体4aが格子状に配列された構造となっている。これにより、板状体4aで囲まれた四角いマス目4bが複数完成することとなる。
かかる構造を採ることにより、循環扇Dから送出される空気Aは渦巻状の乱流となるのに対し、格子状の整流手段4を介することで、空気Aが整流化され、農業用温室B内の加温効率が向上することとなる。
なお、絶縁物質としては種々考えられるが、面状発熱体5の発熱に耐え得るだけの耐熱性を備えていれば、特に限定するものではない。
面状発熱体5は、通電により発熱する帯状の金属板から構成されており、前記板状体4aが格子状に配列されることにより複数完成された各マス目4b内に、配置されている。なお、金属板の材質については、通電による発熱作用を備えていれば、特に限定するものではない。
このとき、該面状発熱体5が、前記格子状に配列された板状体4aを貫通する構造を採用し得る。かかる構造を採用することにより、複数のマス目4b内に配置されている面状発熱体5が、連続した一本の金属板から構成されるようにすることが可能となる。
このように、面状発熱体5を連続した一本の金属板から構成されるようにすることで、発熱層3内における該面状発熱体5(金属板)の長さ調節が容易に可能となり、この面状発熱体5(金属板)の長さ調節によって電気抵抗値が変化することから、発熱量を容易かつ自在に制御することも可能となる。
また、該面状発熱体5について、図面に示すように、波形状に配置されていることが好ましい。図3は、かかる構造の具体例を示す部分拡大図であり、図3(a)は、一つのマス目4b内で面状発熱体5が下限から上限そして下限へと1ターン分の波形状を採る場合を示しており、図3(b)は、一つのマス目4b内で面状発熱体5が下限から上限あるいは上限から下限へと1/2ターン分の波形状を採る場合を示している。かかる構造を採用することにより、通過する空気Aと面状発熱体5との接触面積が大きくなることで、該空気Aの加温効率が向上することとなる。
なお、図2に示すように、前記発熱層3を、枠体2内に複数装備させる構造とすることも可能である。図面では、該発熱層3について、三層構造を採用した場合について示している。かかる構造を採用することにより、空気Aが三層に亘って発熱層3を通過することとなり、該空気Aの加温効率・加温速度を向上させることが可能となる。
以上の通り構成される本考案にかかる農業用加温装置1は、枠体2に備えられた個定手段2aを介して循環扇Dの前方に配置され、ビニルハウス等の農業用温室Bにおいて、加温を行うこととなる。
図4は、本考案にかかる農業用加温装置1を取り付けた農業用温室Bを示す説明図である。
すなわち、循環扇Dの作用により、農業用温室B内の空気Aは、図面に示す矢印のように農業用温室B内を循環する。このとき、該循環扇D前方に配置された本考案にかかる農業用加温装置1の電源をONすることにより、循環扇Dの吸入側から入った空気Aは、送風側で農業用加温装置1の面状発熱体5と接触して加温され、農業用温室B内に送られる。これが繰り返されることにより、効率よく農業用温室B内の空気Aが加温される。
本考案にかかる農業用加温装置1によれば、エネルギー源として電気を使用することで、従来の化石燃料を燃料とするボイラー型加温装置に比して、燃料コストの削減を実現するだけでなく、CO2の排出もほとんどなく、環境問題においても大変有利な効果を奏するものである。
また、ボイラーの燃焼音や送風機音などがほとんどなく、騒音問題についても非常に優れている。
【産業上の利用可能性】
本考案は、循環扇Dの前方に容易に取り付けられ、環境にやさしく効率的な加温を可能とするものであって、農業用の加温装置のみならず、例えばトンネル内の循環扇Dに取り付けられることで路面凍結を防止するなど、その用途を考えれば限りなく、本考案の産業上の利用可能性は非常に大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる農業用加温装置の実施形態を示す正面図である。
【図2】本考案にかかる農業用加温装置の実施形態を示す側面部分断面図である。
【図3】本考案にかかる農業用加温装置における面状発熱体の構造の具体例を示す部分拡大図である。
【図4】本考案にかかる農業用加温装置を取り付けた農業用温室を示す説明図である。
【符号の説明】
1 農業用加温装置
2 枠体
2a 固定手段
3 発熱層
4 整流手段
4a 板状体
4b マス目
5 面状発熱体
A 空気
B 農業用温室
D 循環扇
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
写真1
写真2
パンフレット1
パンフレット2
パンフレット3
メッセージ
説明文
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