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繊維・紙
 
【発明の名称】あごひも付き帽子
【出願人】
【識別番号】504200135
【氏名又は名称】河上 輝子
【住所又は居所】長野県上田市大字下之郷乙1024番地7
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100088188
【氏名又は名称】柳沢 大作
【発明者】
【氏名】河上 輝子
【住所又は居所】長野県上田市大字下之郷乙1024番地7
【要約】
【課題】
あごひもが切れた時、予備のあごひもを用いて、あごひもの取り替えを簡単に行えて、活動を継続できるようにようにし、帽子の紛失を少なくする。
【解決手段】
各あごひも止め穴付近の表地4aとその部分に重なる裏地5bを夫々袋状に結合して、予備のあごひも収納用袋部8を左右に配設し、その各あごひも収納用袋部8を構成する表地4aと裏地5bの両下縁を結合せずにあごひも出し入れ口10にし、更にその表地4aと裏地5bの両下縁近傍にあごひも止め穴7を夫々設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帽子の左右側部に止め穴を夫々設け、その各止め穴にあごひもを挿通して止めるあごひも付き帽子であって、上記少なくとも一方のあごひも止め穴付近の表地とその部分に重なる裏地を袋状に結合して、予備のあごひも収納用袋部を設け、そのあごひも収納用袋部を構成する表地と裏地の両下縁を結合せずにあごひも出し入れ口にし、更にその表地と裏地の両下縁近傍にあごひも止め穴を夫々設けることを特徴とするあごひも付き帽子。
【請求項2】
あごひもに弾力性を有するひもを用いることを特徴とする請求項1記載のあごひも付き帽子。
【請求項3】
表地のほぼ全体に裏地を重ね合せてリバーシブル可能にすることを特徴とする請求項1又は2記載のあごひも付き帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明はあごにひもを掛けて使用するあごひも付き帽子に関する。
【背景技術】
従来、子供達が運動等をする際に、ゴム製あごひも付きのつば有り又はつば無し紅白帽子を用いている。このようなあごひも付き紅白帽子は帽子本体を被って、ひもをあごに掛けると、頭に帽子を良く固定できる。それ故、激しい運動を行い、風のある屋外で活動しても帽子が脱げ難く、活動に適する。しかも、紅色の生地と白色の生地を全体的に表裏に重ね合せて用いているので、表裏両用のリバーシブル帽子としての使用にも適する。なお、リバーシブル帽子には、帽子本体の左右側部にあごひもを挿通して止める止め穴を夫々設けたものが提示されている。
【特許文献1】
実用新案登録第3052144号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような帽子のあごひもは使用中に、特に子供は噛んだり、引っ張ったりしてもてあそぶことが多い。それ故、あごひもを運動中に切ってしまい、その後の活動に不都合となることがある。又、遠足中にあごひもを切ってしまうと、帽子を無くし易くなる。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、帽子のあごひもが切れても、予備のあごひもを用いて、その取り替えを簡単に行えて、活動を継続でき、帽子を紛失し難いあごひも付き帽子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるあごひも付き帽子は左右側部に止め穴を夫々設け、その各止め穴にあごひもを挿通して止める。そして、上記少なくとも一方のあごひも止め穴付近の表地とその部分に重なる裏地を袋状に結合して、予備のあごひも収納用袋部を設け、そのあごひも収納用袋部を構成する表地と裏地の両下縁を結合せずにあごひも出し入れ口にし、更にその表地と裏地の両下縁近傍にあごひも止め穴を夫々設ける。
又、上記あごひもに弾力性を有するひもを用いると好ましくなる。
又、上記表地のほぼ全体に裏地を重ね合せてリバーシブル可能にするとよい。
【発明の効果】
本発明のあごひも付き帽子は左右の少なくとも一方に設けた収納用袋部に、その袋部の口から予備のあごひもを入れて収納し、本使用のあごひもをその収納用袋部を構成する表地と裏地の両下縁近傍に夫々設けた止め穴に挿通して止めることにより、本使用のあごひもで収納用袋部の口を簡単に閉じることができる。使用時、帽子を被りひもをあごに掛けると、収納用袋部の口が一層良く閉じられて、活動しても収納用袋部の口から予備のあごひもを落下等により紛失しなくなる。本使用のあごひもが切れたら、そのあごひもを止め穴から引き抜いて取り除き、収納用袋部の出し入れ口を開いて、そこから予備のあごひもを取り出すと、その予備のあごひもを帽子に簡単に取り付けることができる。それ故、予備のあごひもを用いて、本使用のあごひものとの取り替えを簡単に行えて、活動を継続でき、帽子が紛失し難くなる。
そして、あごひもとして弾力性を有するひもを用いると、切れたあごひもを両止め穴から引き抜くことなく、収納用袋部の口を閉じるあごひもの付勢力に抗してその口を開き、収納用袋部から予備のあごひもの端等を引き出して簡単に取り出すことができる。それ故、帽子に切れた本使用のあごひもを付けたまま、そのあごひもに予備のあごひもを結んで補充することができる。
又、表地のほぼ全体に裏地を重ねて用い、リバーシブル可能にすると、適宜裏返して使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、添付の図1〜3を参照にして、本発明の実施の最良形態を説明する。
図1は本発明を適用したあごひも付き紅白帽子の底面図、図2はそのあごひも付き紅白帽子の右側面図である。このあごひも付き紅白帽子1は帽子本体2とつば3とを主要部とし、その主要部を形成する際に、紅色の生地を例えば表地4にし、白色の生地を裏地5として用い、その表地4のほぼ全体に裏地5を重ね合せ、必要箇所を縫う等して所定形状にする。但し、つば3には内部に板状の心材を収納して形状を整える。
そして、帽子本体2にあごひも6を取り付けるため、その左右側部に止め穴7(7a、7b)を夫々設ける。又、左右の各あごひも止め穴7の付近の表地4a(4a1、4a2)と、その部分に重なる裏地5b(5b1、5b2)とを一点鎖線で示すように夫々袋状に結合し、予備のあごひも収納用袋部8(8a、8b)を左右に配置する。但し、各収納用袋部8を構成する表地4aと裏地5bの両下縁を結合せずに、その間を予備のあごひも9を出し入れする出し入れ口10(10a、10b)にする。すると、各収納用袋部8を例えば上縁を弧状にして膨らませ、高さを3.5cm、下縁を2.5cmの幅にした大略長方形状にし、その内部の止め穴7より奥側を、予備のあごひも9を渦巻状に巻く等して収納する収納空間11にできる。
そして、左右の各止め穴7{7a(7a1、7a2)、7b(7b1、7b2)}を収納用袋部毎に、その収納用袋部8を構成する表地4aと裏地5bの両下縁近傍、例えば下縁から5mmの高さの幅方向の中央位置に夫々設ける。又、その各止め穴7に、図3に示すように環状の止め具例えば鳩目12を夫々固着する。すると、各止め穴7を補強できて、あごひも6、9を挿通し易くなる。なお、各収納用袋部8を構成する表地4aと裏地5bの縫い代の幅を、いずれも例えば1.5cm〜1.7cmにすると、各止め穴7を設ける下縁付近の強度を増すことができる。
このような左右の各あごひも止め穴7にあごひも6を取り付ける際、使用するあごひも6として弾力性を有するひも、例えばゴムひもを必要な長さ例えば28cmに切断して用いる。そこで、先に例えば幅が4mm、長さが40cmの渦巻状に巻いた予備のあごひも9を、帽子本体2の左右側部に設けた両収納用袋部8の一方又両方の出し入れ口10から収納空間11に夫々収納する。次に、あごひも6の両端部6a、6bを各端部毎に左側又は右側にある両止め穴7を連続挿通させた後、例えば2cm折返して重ね合せ端を縫い付ける。
その際、各止め穴7の中心から一定の長さ、例えば1cm程の間を縫い付けないようにする。すると、必要時に子供があごひも6の各端部を止め穴7に挿通した状態のままゴムひもの付勢力に抗して引き伸ばし、出し入れ口10を開いて、収納用袋部8の内部から予備のあごひも9の端を持って引き出し、簡単に取り出すことができる。このようにして、帽子本体2にあごひも6を取り付けると、あごひも付き帽子1が完成する。なお、帽子本体2の後部下縁付近にゴム入りのひだ13を設けると、頭との密着性が良くなる。
このようなあごひも付き帽子1は、使用時に帽子本体2を被り、ひも6をあごに掛ける。すると、両収納用袋部8の各出し入れ口10をその付近に設けた2つの止め穴7に連続挿通するあごひも6の各端部6a、6bで夫々絞って簡単に閉じ、内部の空間11に収納した予備のあごひも9を良く保持できる。それ故、帽子1を被って運動する等の活動をしても、収納用袋部8の出し入れ口10から予備のあごひも9が落下等によって紛失しない。使用中にあごひも6が切れたら、そのあごひも6の両端部6a、6bを対応する止め穴7から夫々引き抜いて、帽子本体2から取り除く。すると、両収納用袋部8の出し入れ口10が簡単に開けられるようになるので、一方の収納用袋部8の出し入れ口10を開き、予備のあごひも9を1本取り出す。
そして、そのあごひも9を必要な長さ例えば28cmに切断した後に、その両端部を同様にして再び帽子本体2の対応する止め穴7に夫々挿通し、折返して縫い付ける。又は、そのあごひも9を切断せずに、そのまま両端部を対応する止め穴7に夫々挿通して行き、必要な長さになる位置で結んで止める。或いは、帽子本体2に切れたあごひも6を付けたまま、そのあごひも6に予備のあごひも9を結びつけ補充して使用する。
このようにして、予備のあごひも9を帽子本体2に簡単に取り付けることができるため、あごひもの取り替え或いはその補充を簡単に行えて、活動を継続でき、帽子1が紛失し難くなる。そして、表地4である紅色の生地のほぼ全体に裏地5として白色の生地を重ね合せて用いリバーシブル可能にすると、適宜裏返して紅色の帽子1として、又白色の帽子1として使用できる。
上記実施の形態では子供達が運動等をする際に使用する紅白帽子1の場合について説明したが、本発明は当然老人、成人、幼児等が使用するあごひも付き帽子に、リバーシブル可能の有無にも関係なく広く適用することができる。
又、上記実施の形態では表地4のほぼ全体に裏地5を重ね合せ、あごひも止め穴付近の表地4aと重なる部分の裏地5bを、あごひも収納用袋部8を形成するために使用する場合について説明したが、あごひも止め穴付近の表地と重なる部分のみ生地片を用いて、あごひも収納用袋部を形成するための裏地として使用することができる。又、一般的な帽子の下縁部付近の内側に重ね合せて取り付けられている汗押えのすべりを利用し、そのあごひも止め穴付近の表地と重なる部分をあごひも収納用袋部を形成するための裏地として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したあごひも付き紅白帽子の底面図である。
【図2】同紅白帽子の右側面図である。
【図3】同紅白帽子の予備あごひも収納用袋部の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…あごひも付き紅白帽子 2…帽子本体 3…つば 4…表地 4a…収納用袋部構成表地 5…裏地 5a…収納用袋部構成裏地 6…本使用のあごひも 7…止め穴 8…あごひも収納用袋部 9…予備のあごひも 10…ひも出し入れ口 11…収納空間 12…鳩目 13…ゴム入りのひだ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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