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繊維・紙
 
【考案の名称】掛布団カバー
【実用新案権者】
【識別番号】513297265
【氏名又は名称】柴田 貢
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区池見二丁目48番地
【実用新案権者】
【識別番号】513296604
【氏名又は名称】柴田 照美
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区池見二丁目48番地
【代理人】
【識別番号】100180482
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 将隆
【考案者】
【氏名】柴田 貢
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区池見二丁目48番地
【考案者】
【氏名】柴田 照美
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区池見二丁目48番地
【要約】   (修正有)
【課題】位置ずれ防止用の結び紐を係合するときの作業性を向上させる掛布団カバーを提供する。
【解決手段】2本の長辺ならびに2本の短辺から成る長方形状の布地を表裏2枚で重ね合わせた掛布団カバーにおいて、表側および裏側の布地の短辺S1・S2を重ね合わせて縫合するとともに2本の長辺L1・L2が各々開口したカバー本体2と、2本の長辺のそれぞれに1組ずつ取付けられた2組のファスナ401・402と、を備える。さらに掛布団カバーは、長方形状のカバー本体の内側に設けられ、長方形状の4隅、ならびに、2本の長辺の各中央部に配置された結び紐31〜36と、2本の短辺の各中央部付近にそれぞれ1つずつ配置された短辺ずれ防止結び紐37・38と、を備える。また、2本の短辺中央部付近には、表側の布地を開口した小孔51・52を各々設ける。
【選択図】図3
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
掛布団を覆うカバーであって、2本の長辺ならびに2本の短辺から成る長方形状の布地を表裏2枚で重ね合わせた掛布団カバーにおいて、前記布地で作られたカバー本体であって、表側および裏側の布地の短辺を重ね合わせて縫合するとともに、前記2本の長辺が各々開口したカバー本体と、このカバー本体の開口した2本の長辺のそれぞれに1組ずつ取付けられた2組のファスナと、前記長方形状のカバー本体の内側に設けられた結び紐であって、この長方形状の四隅、ならびに、前記2本の長辺の各中央部に配置された結び紐と、前記2本の短辺の各中央部付近にそれぞれ1つずつ配置された短辺ずれ防止結び紐と、同2本の短辺の中央部付近において前記布地を開口して各々設けられた小孔と、を備え、前記カバー本体の各長辺を別々に開閉でき、加えて、当該掛布団カバー内部に収容された掛布団の結び紐、ならびに、前記短辺ずれ防止結び紐を、前記短辺中央部に設けた小孔を介して係合できるように構成されたことを特徴とする、掛布団カバー。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、2つ以上の辺を開口可能な長方形状の掛布団カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の健康ブームにより、生活習慣病予防などに向けた日々の体調管理に対する一般の人々の関心も高まり、日常生活を快適に且つ健康的に過ごす上で睡眠の果たす役割が改めて見直されている。
このような潮流のなか寝具業界においても、従来から在る寝具に改良を加えたり、新しい発想に基づく快眠グッズが考え出されており、利便性の高い寝具・様々な効能が得られる寝具が容易に入手可能となっている。このような寝具類も、他社製品に対する差別化や生産性向上を図るため様々な工夫が凝らされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された布団カバーによれば、隣り合う2辺がL字状に開口した布団カバーにおいて、この2辺に対しファスナを曲げることなく縫合することで生産過程における不良品の発生防止が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−325293号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
一般に掛布団・敷布団をはじめとする布団類は、外装地の汚損・損傷などを防止するために掛布団カバーで覆って使用することが多い。
しかし掛布団カバーとそれに収容された掛布団が位置ずれを起こすと、掛布団カバーの中で掛布団が丸まってしまい、掛布団を全面に広げた適正な状態で使用することができない。
このような状態で掛布団を使用すると快眠が妨げられるのみならず、風邪などの発症を誘発し体調不良にもつながりかねない。
【0006】
このような位置ずれによる弊害を防止するために通常、掛布団には6つないしは8つの位置ずれ防止用の結び紐が設けられている。また、これに対応して市販品の掛布団カバーにも結び紐が取付けられている。
なお流通市場で出回っている掛布団カバーの多くは、掛布団の形状に対応する長方形状の表裏2枚の布地の長辺の1辺が開口するとともに残りの3辺が縫合され、開口している長辺をファスナで開閉できるものが主流である。
【0007】
この種の掛布団カバーは開閉可能な長辺から内部に布団を収容した後、その辺のファスナを閉じて使用されるが、カバー内部に設けられた位置ずれ防止用の結び紐を掛布団側の結び紐に係合する際、どの結び紐同士を係合したらよいか見分けがつきにくく不便である。
上記の係合作業を盲目的に手探りで行うのは著しく能率が悪い。
【0008】
掛布団カバーに取付けられたファスナを開ける場合、通常はファスナがある辺を使用者の近くに引寄せて開けることが多い。その方が、スライダを持つ手に力が入りやすく合理的だからである。
しかしファスナを開くためにファスナのある辺を手前に持ってくると、今度は縫合された長辺側の結び紐が、使用者から離れた奥まったところに位置することになる。
この奥側の結び紐を掛布団に係合するには、この結び紐を手前側(開口部近く)まで一旦引寄せて係行作業をした後に再度、奥に戻す必要がある。
また布団を収容した状態では、カバーに潜り込んで作業するなどの工夫が必要になる。
【0009】
なお特許文献1に開示されたカバーであれば、上述した一般的な市販品(布団カバー)よりも大きく開口できるようになっている。そのため特許文献1開示の布団カバーの内側に、位置ずれ防止用の結び紐を設けることも考えられる。
しかし、このような構成としてみても、縫合された2辺が交わる隅の部分では従来の製品(布団カバー)と同様に、結び紐が係合しづらいという課題は依然残ったままである。
【0010】
本考案は上記の問題に鑑みてなされたものであり、掛布団カバーの従来製品と比べ、掛布団と掛布団カバーの位置ずれ防止に用いる結び紐を係合するときの作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
〔第1考案〕
そこで上記の課題を解決するために、本願の第1考案に係る掛布団カバーは、掛布団を覆うカバーであって、2本の長辺ならびに2本の短辺から成る長方形状の布地を表裏2枚で重ね合わせた掛布団カバーにおいて、
前記布地で作られたカバー本体であって、表側および裏側の布地の短辺を重ね合わせて縫合するとともに、前記2本の長辺が各々開口したカバー本体と、このカバー本体の開口した2本の長辺のそれぞれに1組ずつ取付けられた2組のファスナと、
前記長方形状のカバー本体の内側に設けられた結び紐であって、この長方形状の四隅、ならびに、前記2本の長辺の各中央部に配置された結び紐と、 前記2本の短辺の各中央部付近にそれぞれ1つずつ配置された短辺ずれ防止結び紐と、
同2本の短辺の中央部付近において前記布地を開口して各々設けられた小孔と、を備え、前記カバー本体の各長辺を別々に開閉でき、加えて、当該掛布団カバー内部に収容された掛布団の結び紐、ならびに、前記短辺ずれ防止結び紐を、前記短辺中央部に設けた小孔を介して係合できる構成とした。
【0012】
第1考案に係る掛布団カバー(図3参照)によれば、内部に掛布団を収容した状態でも左右の長辺をファスナでそれぞれ開き、使用者の手元近くで任意の側について結び紐の係合作業をすることができる。
そのため結び紐を係合する際、従来品よりも使用者の動線が短くなって作業性が向上し、係合作業を大幅に捗らせることが可能となる。
【0013】
また第1考案に係る掛布団カバーによれば各短辺の中央部に小孔を設けることで(実施形態2において後述)、短辺側のずれを直したいときに長辺側に設けられたファスナをいちいち開け閉めすることなく、短辺ずれ防止結び紐を掛布団に係合することができる。
【0014】
なおファスナは大別すると金属ファスナと樹脂ファスナとに分けられるが、本考案の掛布団カバーにはこれらのいずれのファスナも採用可能である。
樹脂ファスナを採用する場合、務歯の噛合う部分がコイル形状になっているコイルファスナでもよく、また溶かした樹脂を射出して務歯を成型したファスナでもよい。合成樹脂材料などの柔らかい素材を用いた樹脂ファスナを採用すれば、金属ファスナよりもファスナを閉めるときに誤って作業者の皮膚などが務歯に挟み込まれたときの痛みが軽減される。
【0015】
なお本考案に係る掛布団カバーではファスナに限らず、ファスナ同様に開閉機構として機能するホックなどを利用してカバー本体の開口部を係着してもよい
【0016】
また本願に係る掛布団カバーは、掛布団を覆うカバーであって、2本の長辺ならびに2本の短辺から成る長方形状の布地を表裏2枚で重ね合わせた掛布団カバーにおいて、前記布地で作られるカバー本体であって、前記2本の長辺のうち一辺を表側および裏側の布地を重ね合わせて縫合するとともに、前記長辺のうち残りの縫合されていない長辺ならびに前記2本の短辺が各々開口したカバー本体と、
このカバー本体の開口した前記縫合されていない長辺および前記2本の短辺に取付けられたファスナと、
前記長方形状のカバー本体の内側に設けられた結び紐であって、この長方形状の四隅、ならびに、前記2本の長辺ならびに前記2本の短辺の各中央部に配置された結び紐と、を備え、前記ファスナにより、前記縫合されていない長辺および2本の短辺をコの字状に開閉できるような構成としてもよい。
【0017】
このような掛布団カバーによれば、3辺を開放することでカバー内側に取付けられた結び紐を露出できるため、係合作業を手探りで行うことから解放される。
【0018】
また本願に係る掛布団カバーは、
掛布団を覆うカバーであって、2本の長辺ならびに2本の短辺から成る長方形状の布地を表裏2枚で重ね合わせた掛布団カバーにおいて、前記布地で作られるカバー本体であって、前記長方形状の4隅のうち1ヶ所で表側および裏側の布地を重ね合わせて縫合するとともに、前記2本の長辺ならびに前記2本の短辺が各々開口したカバー本体と、
このカバー本体の開口した前記2本の長辺および前記2本の短辺に取付けられたファスナと、前記長方形状のカバー本体の内側に設けられた結び紐であって、この長方形状の四隅、ならびに、前記2本の長辺ならびに前記2本の短辺の各中央部に配置された結び紐と、を備え、
前記ファスナにより、前記長方形状を囲う2本の長辺および2本の短辺を開閉できるような構成としてもよい。
【0019】
このような掛布団カバーによれば、3辺よりもさらに多い4辺を開閉可能とすることで上記考案と同様の効果を奏するとともに、表地と裏地を実質的に別個に取扱うことが可能となる。
このため、掛布団カバーを清掃したり掛布団カバーを干したりする際の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)本考案の実施形態1に係る掛布団カバーの上面図である。(b)実施形態1に係る掛布団カバーの正面図である。
【図2】実施形態1に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図3】実施形態2に係る掛布団カバーの上面図である。
【図4】実施形態2に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図5】(a)実施形態3に係る掛布団カバーの上面図である。(b)実施形態3に係る掛布団カバーの正面図である。
【図6】実施形態3に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図7】(a)実施形態4に係る掛布団カバーの上面図である。(b)実施形態4に係る掛布団カバーの正面図である。
【図8】実施形態4に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【考案を実施するための形態】
【0021】
以下、図1乃至図8を参照して、本考案の掛布団カバーについて説明する。
[実施形態1]
本考案の実施形態1は、位置ずれ防止用の結び紐が付いた掛布団を収容することを想定して、2辺が開口可能な長方形状の掛布団カバーを構成した例である。
【0022】
本例の掛布団カバー1は、掛布団を覆うカバーであって、2本の長辺L1・L2ならびに2本の短辺S1・S2から成る長方形状の布地21・22を表裏2枚で重ね合わせたものである。
掛布団カバー1は、表側の布地21および裏側の布地22の短辺S1・S2を重ね合わせて縫合するとともに2本の長辺L1・L2が各々開口したカバー本体2を備える。
また本カバー1は、カバー本体2の開口した2本の長辺L1・L2のそれぞれに1組ずつ取付けられた2組のファスナ401・402を備える。
【0023】
長方形状のカバー本体2の内側には結び紐31〜36が設けられており、長方形状の4隅には結び紐31・33・34・36が配置されるとともに、2本の長辺L1・L2の各中央部には結び紐32・35が配置される。
また2本の短辺S1・S2の各中央部付近には、短辺ずれ防止結び紐37・38がそれぞれ1つずつ配置される。
さらに上記カバー本体2の各長辺L1・L2は別々に開閉できるように構成される。
以下、この内容について詳しく説明する。
【0024】
図1(a)は、本実施形態に係る掛布団カバー1の外観を示す上面図である。
本例の掛布団カバー1は、図1(a)に示すように、掛布団カバー1の全体を成すカバー本体2と、結び紐31〜36と、短辺ずれ防止結び紐37・38と、2組のファスナ401・402と、を有している。
【0025】
カバー本体2は、綿素材などの布地から作られており、長方形状に裁断された表地21と裏地22とを重ね合せて構成される(図1(b)参照)。これら布地の4辺のうち短辺S1・S2は、各々縫合されている。
また図1(a)に示すように、上記カバー本体2の残りの2辺である長辺L1・L2は開口しており、これら2辺の開口縁部の一方(本例では、長辺L1)に、ほぼ全長にわたって直線状のファスナ401が縫合されるとともに、他方(本例では、長辺L2)にも同じく、ほぼ全長にわたってファスナ402が縫合されている。
【0026】
上記ファスナ401は、スライダ411および務歯421から、またファスナ402は、スライダ412および務歯422から各々構成される。
本例のファスナ401・402は図2に示すように、それぞれのスライダ411・412を短辺S1側に向かってスライドさせることで閉じ、逆方向にスライドさせることで開くようになっている。
【0027】
長方形状のカバー本体2の内側には図1(a)に示すように、掛布団10(図2参照)と掛布団カバー1とのずれを防止するための結び紐31〜36が設けられている。
本例では長方形状の4隅に結び紐31・33・34・36が配置されるとともに、長辺側の位置ずれを防止するための結び紐32・35が長辺L1・L2の各中央部にそれぞれ配置される。
さらに本掛布団カバー1では、短辺側の位置ずれを防止するために、短辺ずれ防止結び紐37・38が短辺S1・S2の各中央部付近にそれぞれ1つずつ配置されている。すなわち掛布団カバー1は、短辺ずれ防止結び紐37・38を含め、少なくとも合計8ヶ所に結び紐を有している。
【0028】
なお掛布団カバー1の収容対象となる掛布団10は、一般に市場で入手可能な製品を想定している。
寝具市場の実情として掛布団10のうち廉価なものには、結び紐が4隅と各長辺中央部の合計6ヶ所(図2の結び紐11〜16)に備わっていることが多い。一方で価格がやや高価な掛布団製品では、これらに各短辺中央部を加えた合計8ヶ所に、結び紐(図2の結び紐11〜18)が取付けられている傾向にある。
このような製品動向の変化や掛布団カバー作製者各々のポリシーに応じて、掛布団カバー1側の結び紐31〜36および短辺ずれ防止結び紐37・38の本数は任意に増やすことが可能である。
【0029】
以下、本実施形態に係る掛布団カバー1の使用方法について説明する。
図2に示すように使用者は、先ずカバー本体2の左右にあるファスナ401およびファスナ402を開き、この状態で掛布団カバー1の内部に掛布団10を収容する。
【0030】
つぎに、収容した掛布団10の結び紐11〜16と、カバー本体2の長方形状の内縁部に設けられた結び紐31〜36とを係合させる。
ここで、係合作業を行う方の長辺に付いているファスナ401(または402)を開き、開いたファスナ付近にある結び紐31〜33(または34〜36)を使用者の手元で掛布団10に結びつける。
【0031】
また掛布団10の短辺にも結び紐17・18が取付けられている場合、短辺ずれ防止結び紐37・38も係合する。
結び紐31〜36ならびに短辺ずれ防止結び紐37・38をくくりつける作業が終了したら、長辺L1側のファスナ401、長辺L2側のファスナ402を閉じる。
以上で、掛布団10を掛布団カバーに収容する一連の作業が終了する。
【0032】
以上説明したように実施形態1に係る掛布団カバー1によれば、カバー本体2の左右両側(2つの長辺L1・L2)にファスナ401・402が取付けられており、各長辺L1・L2がファスナ401・402によってそれぞれ独立して開閉可能になっている。
このため、たとえ掛布団カバー1に掛布団10が収容されている状態であっても、これら2辺L1・L2を開くことで、長辺L1・L2のどちらについても結び紐を手前側(開口部寄り)として係合作業をできるため、この作業をし易くできる。
【0033】
[実施形態2]
従来の掛布団カバー製品において、その内側にある結び紐・短辺ずれ防止結び紐が、掛布団10側の結び紐に係合しづらいのは、掛布団カバーの外側からはカバー内側の結び紐の位置や係合状態を把握しにくいことが主な原因である。
そこで実施形態2の掛布団カバー1Aでは図3に示すように、表側の布地21および裏側の布地22が縫合された短辺S1・S2の中央部(短辺ずれ防止結び紐37・38の配置位置付近)に、小孔51・52がそれぞれ設けられている。
これら各小孔51・52は最低限、本カバー1Aの使用者の指を数本出し入れできる程度に大きさが確保されていればよい。
【0034】
使用者は、短辺ずれ防止結び紐37および38を、当該カバー1A内部に収容された掛布団10の短辺中央部にある結び紐17・18に各小孔51、52を介して係合できる。
このように実施形態2によれば小孔51・52を設けることで、図4に示すように、掛布団カバー1Aの外側から、カバー本体2内側の短辺ずれ防止結び紐37・38を目視で確認できるようになる。そのため係合作業が容易となって作業がはかどるとともに、掛布団カバー1Aと掛布団10をしっかりと固定できる。
【0035】
[実施形態3]
本考案の実施形態3は、カバー本体2の3辺を開放することのできる掛布団カバー1Bを構成した例である。
実施形態3の掛布団カバー1Bも、上記各実施形態と同様に長方形状の布地21・22を表裏2枚で重ね合わせて成るが(図5(b)参照)、実施形態3の掛布団カバー1Bでは、布地で作られるカバー本体2を、2本の長辺L1・L2のうち1辺L2を表側および裏側の布地を重ね合わせて縫合するとともに、長辺のうち残りの縫合されていない長辺L1ならびに2本の短辺S1・S2が各々開口するように形成する(図6参照)。
【0036】
図5(a)に示すように、カバー本体2の開口した辺(縫合されていない長辺L1と、2本の短辺S1・S2)には、ファスナ403・404が取付けられている。
また長方形状のカバー本体2の内側には、その4隅と全辺L1・L2・S1・S2の各中央部に、結び紐31〜38が設けられている。
【0037】
実施形態3によれば、3辺(縫合されていない長辺L1と、2本の短辺S1・S2)の全長にわたってファスナを設けることにより図6に示すように、これら3辺L1・S1・S2をコの字状に開閉できる。
そのため掛布団カバー1Bの裏地22に掛布団10を載せた状態でも、ファスナ403・404により3辺L1・S1・S2を開放することで本カバー1Bの内側に取付けられた結び紐31〜38を露出でき、使用者が係合作業を手探りで行うことから解放される。
【0038】
なお本例では、開口した3辺L1・S1・S2に対し2組のファスナ403・404が取付けられているが、当該3辺L1・S1・S2に取付けるファスナの個数は、これらの辺L1・S1・S2のほぼ全長にわたって開閉可能である限り、任意でよい。
ここでカバー本体2上の複数の辺にまたがって単一のファスナを設けるケースでは、これら複数の辺からなる角の部分においてファスナを折曲げる必要があるが、この場合、角にはファスナの復元力が加わることになる。
当該復元力はファスナの形状を真っすぐに戻そうとする力であるが、その力は相当程度に強いものであるため、カバー本体2の布地21・22が破損してしまうおそれもある。
【0039】
そこで、この復元力に対抗すべく、上記角の部分(ファスナが折曲がった状態で取付けられた部分)にボタン・ホック等の係着部材を装着し、表地21と裏地22を係着することで補強を図るとよい。
このようにすればファスナの復元力は、係着部材に対する剪断力として作用するものの、布地21・22に対しては直接その力を及ぼすことがなくなる。そのためファスナの復元力により、カバー本体2の布地21・22が破損することを防止することができる。
【0040】
[実施形態4]
本考案の実施形態4は、カバー本体2の4辺すべてを開放することのできる掛布団カバー1Cを構成した例である。
【0041】
実施形態4では長方形状の布地21・22を表裏2枚で重ね合わせた掛布団カバー1Cにおいて(図7(b)参照)、これら2枚の布地で作られるカバー本体2を、長方形状の4隅のうち1ヶ所で表側および裏側の布地を重ね合わせて縫合するとともに、長方形状の2本の長辺L1・L2ならびに2本の短辺S1・S2が各々開口するように形成する(図8参照)。
【0042】
また図7(a)に示すように、カバー本体2の開口した全辺(2本の長辺L1・L2および2本の短辺S1・S2)にはファスナ405が取付けられている。
さらに長方形状のカバー本体2の内側には、その4隅と全辺L1・L2・S1・S2の各中央部に結び紐31〜38が設けられている。
【0043】
図8に示すようにファスナ405により、長方形状を囲う2本の長辺L1・L2および2本の短辺S1・S2を開閉することで、カバー本体2のほぼ全周を開放することができる。
このように実施形態4によれば、3辺よりもさらに多い4辺を開閉可能とすることで、上記実施形態3と同様の効果を奏するとともに表地21と裏地22を実質的に別個に取扱うこともできるため、掛布団カバー1Cを清掃したり、掛布団カバー1Cを干すときの利便性が向上する。
【0044】
なお実施形態4においては表地21と裏地22がばらばらにならないように、これら2枚の布地を縫合しておくことが望ましい。
これは1組の表地21・裏地22から成る掛布団カバー1Cが複数あったときに、表地と裏地の組合せを見分けにくくなり作業に手間取ってしまうことを未然回避するためである。
【0045】
また上記実施形態3と同様に、実施形態4においても複数の辺にまたがって単一のファスナを設ける場合、カバー本体2の角部分で折曲げられた状態にあるファスナの復元力に対抗できるよう、係着部材(ボタン・ホック等)を設けて、カバー本体2の補強を図るとよい。
【0046】
〔変形例〕
上記各実施形態に係る掛布団カバー1等は、カバー本体2の外装地はもちろん、ファスナ401・402のスライダや務歯についても任意のデザイン(模様・色彩・生地の質感)を選択してよい。
例えば、カバー本体2とファスナ401・402との間にデザインの統一性を持たせることで美観性が向上し、掛布団カバー1の購入を検討する需要者の購買意欲が高まることを期待できる。
【0047】
以上、実施形態を参照して本考案を説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではない。本考案の構成や詳細には、本考案の要旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る各種の変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1、1A、1B、1C 掛布団カバー
2 カバー本体
31、32、33、34、35、36 結び紐
37、38 短辺ずれ防止結び紐
401、402、403、404、405 ファスナ
51、52 小孔
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)本考案の実施形態1に係る掛布団カバーの上面図である。(b)実施形態1に係る掛布団カバーの正面図である。
【図2】実施形態1に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図3】実施形態2に係る掛布団カバーの上面図である。
【図4】実施形態2に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図5】(a)実施形態3に係る掛布団カバーの上面図である。(b)実施形態3に係る掛布団カバーの正面図である。
【図6】実施形態3に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図7】(a)実施形態4に係る掛布団カバーの上面図である。(b)実施形態4に係る掛布団カバーの正面図である。
【図8】実施形態4に係る掛布団カバーの外観を示す斜視図である。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
メッセージ

 従来からよくある掛け布団カバーと言えば、四角形の2枚の長方形の布を縫い合わせ、長辺の一辺をファスナー形式とし、そこから布団を出し入れするものが大半でした。布団とカバーの長辺の各3か所に(廉価版の場合)お互いを結べるような結び紐が設けられています。布団を入れる時、開いていない部分に布団の紐を結びつける事は、時にはカバーをほぼ裏返しにしたり、広い場所で行わないと間違った紐を結んでしまったりした事もあるような、面倒な行為でした。子ども、お年寄りにはとても困難な行為と言わざるを得ない様な作業でした。
 今回のこの製品は、長辺2辺ともファスナーにて解放ができ、布団全体を入れてから紐を結べ、さらに特筆すべきは短辺2辺の中央に7,8個目の結び紐に対応した小窓があり、8か所を容易に結ぶ事ができることです。それにより、例えセミダブル布団でもカバーと布団がずれる事を防ぎ、さらに結び紐が外れた時も容易に治すことができる、という製品である、ということです。
 ダブル布団なら小窓を2か所設ければいいでしょう。小窓は指が数本入れば十分で、どのように作成するかは製作者の自由です。
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