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繊維・紙
 
【発明の名称】タオル
【出願人】
【識別番号】508067828
【氏名又は名称】妹背 純子
【住所又は居所】三重県津市長岡町800−250
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100140143
【氏名又は名称】加藤 恭
【発明者】
【氏名】妹背 純子
【住所又は居所】三重県津市長岡町800−250
【要約】
【課題】
ゴムなどの伸縮部材を有し、その伸縮により身につけることが可能なタオルにおいて、伸縮部材によって生じるしわ部分の水分が乾きにくいという問題を解決すること。
【解決手段】
伸縮部材の伸縮により身につけることが可能なタオルであって、略矩形の形を有するタオル本体と、タオル本体の一辺の一端付近に設けられたボタンと、ボタンが設けられた一辺に沿って設けられこの辺に沿った方向に伸縮する伸縮部材と、伸縮部材に設けられ、伸縮部材が伸びた状態でボタンと係合する係合部とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮部材の伸縮により身につけることが可能なタオルであって、略矩形の形を有するタオル本体と、前記タオル本体の一辺の一端付近に設けられたボタンと、前記ボタンが設けられた前記一辺に沿って設けられ、辺に沿った方向に伸縮する伸縮部材と、前記伸縮部材に設けられ、前記伸縮部材が伸びた状態で前記ボタンと係合する係合部と、を有するタオル。
【請求項2】
前記伸縮部材が設けられた前記一辺と略垂直方向にある一辺に沿って前記タオル本体に設けられた、他のボタンと前記他のボタンが設けられた一辺と略並行にある一辺に沿って前記タオル本体に設けられ、前記他のボタンと係合する他の係合部と、をさらに有する請求項1に記載のタオル。
【請求項3】
前記伸縮部材が設けられた前記一辺に沿って前記タオル本体に設けられた筒状部をさらに有し、前記伸縮部材は、前記筒状部の中空内に移動可能に設けられた、請求項1又は2に記載のタオル。
【請求項4】
前記ボタンは、前記伸縮部材が設けられた前記一辺の他端にもさらに設けられた、請求項1〜3のいずれかに記載のタオル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、タオルに関する。
【背景技術】
従来から、筒状に構成されたタオルが提案されている。一般的には、「ラップタオル」との名称で呼ばれるものが主流である。ラップタオルは、その長手方向の一辺に、タオルの長手方向長さよりも短いゴムが縫い付けられている。また、ラップタオルは、その短手方向の一辺と他辺とにボタンなどの係合部を有する。
ラップタオルを使用する者(以下、「使用者」という。)は、まず、短手方向の係合部を係合させ、ラップタオルを筒状にする。使用者は、ゴムが縫い付けてある方の長手辺(筒の淵)を上にして身に着ける。ゴムの伸縮により、ラップタオルは使用者の体の一部に留まり、ずり落ちることが防止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラップタオルを洗濯し干す際に問題があった。ラップタオルは、長手方向にゴムが縫い付けてあるため、この部分はタオルの生地がしわになっている。ラップタオルは、干した際にもこのしわがそのままの状態であるため、しわ部分が乾きにくかった。
そこで本発明は、ゴムなどの伸縮部材を有し、その伸縮により身につけることが可能なタオルにおいて、伸縮部材によって生じるしわ部分の水分が乾きにくいという問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明によるタオルは、伸縮部材の伸縮により身につけることが可能なタオルであって、タオル本体、ボタン、伸縮部材、及び係合部を有する。タオル本体は、略矩形の形を有する。ボタンは、タオル本体の一辺の一端付近に設けられる。伸縮部材は、ボタンが設けられた一辺に沿って設けられ、この辺に沿った方向に伸縮する。係合部は、伸縮部材に設けられ、伸縮部材が伸びた状態でボタンと係合する。
このように構成されたタオルは、伸縮部材に設けられた係合部とボタンとを係合させない状態と、これらを係合させた状態とで、異なる状態となる。係合させない状態においては、タオル本体は、伸縮部材が設けられた辺において縮むことによりしわ部分が生じることがない。そのため、しわ部分が乾きにくいという問題は生じない。一方、係合させた状態では、この伸縮部材が伸びた状態となる。そのため、伸縮部材は縮む方向に伸縮力を発揮する。従って、この伸縮力により身体からタオルが落ちることを防止させ、タオルを身に着けることが可能となる。
また、本発明によるタオルは、伸縮部材が設けられた一辺と略垂直方向にある一辺に沿ってタオル本体に設けられた、他のボタンをさらに有しても良い。この場合、本発明によるタオルは、他のボタンが設けられた一辺と略並行にある一辺に沿ってタオル本体に設けられ、他のボタンと係合する他の係合部をさらに有する。
このように構成された場合、他のボタンと他の係合部とを係合させることによって、タオルを、伸縮部材が設けられた一辺を円形とした筒状の形にすることが可能となる。そして、伸縮部材が設けられた辺に、上述した伸縮力を発揮させることにより、筒状のタオルを身体に纏い、落ちることを防止することが可能となる。
本発明によるタオルは、伸縮部材が設けられた一辺に沿って前記タオル本体に設けられた筒状部をさらに有しても良い。この場合、伸縮部材は、筒状部の中空内に移動可能に設けられる。
本発明においてボタンは、伸縮部材が設けられた一辺の他端にもさらに設けられても良い。
【発明の効果】
本発明により、ゴムなどの伸縮部材を有し、その伸縮により身につけることが可能なタオルにおいて、伸縮部材によって生じるしわ部分の水分が乾きにくいという問題を解決することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
図1は、タオル1の構成例を示す図である。タオル1は、筒状部11、第一ボタン係合部12、第一ボタン13、伸縮部材14、第二ボタン15、及びタオル本体16を備える。以下、タオル1の各構成部について説明する。
筒状部11は、長手方向に中空を構成する。筒状部11は、第二ボタン15側の一端に開口部を有する。筒状部11は、その内部の中空部に、伸縮部材14を伸縮可能に有する。筒状部11は、タオル本体16と同じ生地を用いて形成されても良いし、タオル本体16とは異なる素材(例えばポリエステルなどの化学繊維)を用いて形成されても良い。
第一ボタン係合部12は、筒状部11が設けられる辺と直行する一辺に設けられる。図1では、筒状部11が長手方向の辺に設けられているため、第一ボタン係合部12は短手方向の一辺(左辺)に設けられる。第一ボタン係合部12は、短手方向の他辺に設けられる第一ボタンと係合する。第一ボタン係合部12には、第一ボタンの形状に応じて、公知の構成を採用する。なお、第一ボタン係合部12が設けられる数は限定されない。
第一ボタン13は、第一ボタン係合部12が設けられた辺と反対側の辺に設けられる。第一ボタン13の素材や形状は限定されない。また、第一ボタン13の数も限定されない。第一ボタン13は、第一ボタン係合部12と係合することにより、タオル1を筒状に構成する。伸縮部材14は、伸縮性を有する細長い部材である。伸縮部材14は、ゴム、ゴムを織り込んだ布、ストレッチ素材など、伸縮性を有する部材を用いて構成される。図2は、伸縮部材14の構成例を示す図である。伸縮部材14は、複数の第二ボタン係合部141を有する。第二ボタン係合部141は、伸縮部材14の長手方向に複数設けられる。第二ボタン係合部141は、タオル本体16に設けられる第二ボタン15と係合する。第二ボタン係合部141には、第二ボタン15の形状に応じて、公知の構成を採用する。なお、第二ボタン係合部141が設けられる数は、複数であればよく、特定数に限定されない。
伸縮部材14は、筒状部11の中空部に伸縮自在に設けられる。伸縮部材14は、筒状部11の開口部と反対側の一端を、筒状部11又はタオル本体16に固定される。伸縮部材14は、この固定部を固定端として、筒状部11の中空内を伸縮自在に移動する。伸縮部材14の開口部側の一端は、伸縮部材14が最も縮んだ状態で、筒状部11の開口部から筒状部11の外側に一端が出ていることが望ましい。
第二ボタン15は、タオル本体16の、筒状部11の開口部近傍であって、筒状部11の長手方向延長部分に設けられる。第二ボタン15の素材や形状は限定されない。また、第二ボタン15の数も限定されない。第二ボタン15は、第二ボタン係合部141と係合することにより、伸縮部材14を固定する。
タオル本体16は、タオル生地を用いて構成される。
次に、タオル1の作用について説明する。使用者は、タオル1を着用する際には、伸縮部材14を筒状部11の開口部から引き出す。使用者は、伸縮部材14を伸ばし、伸縮部材14が伸びた状態で第二ボタン15の位置に近い第二ボタン係合部141を選択し、その第二ボタン15と第二ボタン係合部141とを係合させる。そのため、この係合状態では、伸縮部材14は伸びた状態で固定される。図3は、この係合状態におけるタオル1の状態を示す図である。この係合状態では、伸縮部材14は、区間A2の長さだけ伸びた状態である。伸縮部材14の固定端と第二ボタン15との間である区間A1の部分におけるタオル本体16は、伸縮部材14が伸びている長さA2の分だけ縮んだ状態となる。この縮みにより、タオル本体16の上述した区間A1部分には、しわ部が生じる。
このような係合状態で、第一ボタン係合部12と第一ボタン13とを係合させると、タオル1は、着用可能な筒状のタオルとなる。この筒状の一方の開口部(筒状部11を有する開口部)は、伸縮部材14により伸縮可能な状態となる。この伸縮機能を用いることによって、使用者は、ずり落ちないように筒状のタオル1を着用することができる。
また、その後、伸縮部材14の第二係合部141と第二ボタン15の係合を解消すると、タオル16の縮んでいた部分の縮みを伸ばした状態に保ち、この縮みによって生じていたしわが無くなる。
このようなタオル1は、第二ボタン係合部141及び第二ボタン15を係合させることにより、伸縮機能を用いて着用することが可能である。さらに、タオル1は、第二ボタン係合部141及び第二ボタン15の係合を解消させることにより、タオル本体16のしわをなくすることが出来る。そのため、タオル1を干す際に、この係合状態を解消させて干すことにより、しわが無い状態で干すことが可能となり、しわ部分が乾きにくいという従来の問題を解決することができる。
<変形例>
図4は、タオル1の変形例を示す図である。図4では、タオル1の伸縮部材14は、その両端に第二ボタン係合部141を有する。また、筒状部11は、両端に開口部を有する。また、第二ボタン15は、筒状部11の両端の開口部近傍に設けられる。
また、タオル1の第一ボタン係合部12及び第一ボタン13は、そのタオル本体16の両辺を係合させることができれば他の構成に置き換えられても良い。例えば、第一ボタン係合部12及び第一ボタン13は、ファスナーやフックなどの他の係合部材を用いて構成されても良い。
また、このような係合部が設けられず、予め両辺が縫い付けられてタオル1が筒状に構成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】タオルの構成例を示す図である。
【図2】伸縮部材の構成例を示す図である。
【図3】係合状態におけるタオルの構成例を示す図である。
【図4】タオルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
1…タオル, 11…筒状部, 12…第一ボタン係合部, 13…第一ボタン, 14…伸縮部材, 15…第二ボタン, 16…タオル本体, 141…第二ボタン係合部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
試作写真1
試作写真2
試作写真3
試作写真4 
発明者からのメッセージ

〈課題〉
○水泳の前後に使用される一般的なラップタオルは、布の中にゴムを入れて縫われており洗濯後の乾燥時間が長い。
○ゴムの長さが一定で細身の人の場合ずれ落ちやすい。反対にふくよかな人の場合ゴムが短く苦しく着替えにくい。
〈解決手段〉
○ ゴムを布に縫い込まずラップタオルの両端にボタンを付け、ボタン穴付きのゴムを通す。
○ 大きいサイズの人用の大判ラップタオルも作る。
〈発明の効果〉
○ ラップタオルの中のゴムを自由自在に伸縮できるため、洗濯後の乾燥時間が短い。
○ 使用者それぞれのサイズに合うゴムの長さ調節ができるため着替えがスムーズになる。
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