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【発明の名称】自転車駐輪抑制歩道デザイン。
【出願人】
【識別番号】305012393
【氏名又は名称】福永 昌秀
【住所又は居所】埼玉県さいたま市西区大字水判土240−1
【発明者】
【氏名】福永 昌秀
【住所又は居所】埼玉県さいたま市西区大字水判土240番1号
【要約】
【課題】
駅周辺の歩道上に駐輪された自転車は歩行者の安全な通行を阻害し、特に災害時の避難の妨げになる事が懸念されるなど、重大な社会問題である。
【解決手段】
歩道表面で駐輪を抑制すべき箇所周辺の施工材料に格子形状のグレーチングを配置する事で、自転車駐輪時の車体バランスを取りづらくして駐輪を抑制し歩道上の安全を確保することを特徴とした歩道周辺デザインである。
また、グレーチング表面に突起状部品を取り付け、視覚障害者誘導用の点字ブロック周辺に使用することで点字ブロック上の駐輪抑制にも対応する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放置自転車の駐輪を抑制し、歩行者の通行時における安全性を高めるために歩道表面に格子状のグレーチングを使用した事を特徴とする歩道デザイン。
【請求項2】
歩道上に配置したグレーチングの格子と溝を有効に作用させる為の配置パターンとそのデザイン。
【請求項3】
請求項2の効果を高めるため、通常は90度で交差する格子の角度を30度から60程度のあいだに設定し、一定距離で交互に折り返す形状にしたことを特徴とするグレーチングのデザイン。
【請求項4】
表面に突起物をもうける事によって、視覚障害者誘導用の点字ブロックとしての機能も併せ持ったグレーチングと突起物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、歩道の施工仕上げ材料と付随する周辺環境のデザインに関するものである。
【背景技術】
従来の歩道は、その場所を通行する事が想定される全ての人にとって、その歩行時の安定性を最重要視するものであり、仕上げ面及びその施工素材の形状は一様にほぼ平坦であり、限りなく均一な凹凸を排除した形状に施工されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
従来的解釈におけるバリアフリー思想によれば、表面が平坦な歩道は、一見全ての歩行者にとって通行に適している、きわめてバリアフリー的な設計といえる。
一方、それと同時に自転車やオートバイを駐輪、駐車する事にも適した形状であるとも言わざるを得ない。
その結果、駅周辺などでは歩道上の不適切な場所に駐輪自転車が溢れてしまい、もはや歩行者が通行する場所としての歩道本来の役割を果たす事が出来なくなってしまっている。
そして、歩道上に無秩序に所狭しと、駐輪された自転車は都市の美的景観を著しく損なっている。
また、駐輪された自転車は日常時の歩行者の安全な通行の妨げにもなっている。無秩序にち駐輪され、金属部をむき出しにした自転車はもはや都市の中の凶器と言える。
さらには視覚障害者の誘導を目的として設置されている点字ブロックの上にまで駐輪された自転車によって、視覚障害者の進路は遮られ、車いす等の福祉器具が通行する際にも、その通行のために充分な余地が確保されず、同様に進路は遮られてしまっている。
また、全ての人々にとって緊急時、災害時の円滑な避難行動を妨げ、その生命の安全すら脅かすものであり、結局バリアフリーの理念とは相反するものとなっている。
そこで、本発明は、指定場所以外への自転車の駐輪を抑制し、歩行者と自転車の共生を実現することにより、全ての人にとっての、より安全な道路環境を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、第一発明は、歩道の表面仕上げ部材に金属、石材、樹脂、コンクリート、木材及びそれらの複合素材等を格子状に加工したグレーチングを表面仕上げ材に用いることで駐輪を抑制することを特徴とした歩道のデザインである。
グレーチングとは、通常排水溝の上に用いられる格子状の溝蓋である。
また、第二発明は、効果的に駐輪を抑制出来るようデザインされたグレーチングの配置とそのパターンである。
また、第三発明は、センタースタンドタイプの自転車の駐輪を抑制するために格子の角度を調整したグレーチングのデサインである。
また、第四発明は、視覚障害者誘導用点字ブロック付近での駐輪を抑制出来るようデザインされたグレーチングの突起物とその突起物を備えたグレーチングである。
【発明の効果】
本発明の効果によって適切な駐輪施設への駐輪を促せることで、歩道上の指定場所以外での放置駐輪を抑制することが出来、歩行者が歩道上を通行する際に障害となっていた駐輪自転車を歩道上から取り除く事が出来る。
また、同時に駐輪施設を歩道上と分離して設置提供することにより、本来ならば道交法上車両に分類される自転車と歩行者の動線を分離することが出来、歩道上の安全性が向上する。
また、グレーチングの表面に直接点字ブロック形状の突起物を取り付け、点字ブロックの代わりに設置することにより、点字ブロック周辺及び直上でも駐輪を抑制する事が出来、視覚障害者の安全な通行が可能になる。
また、歩道表面を比較的取り外しが容易なグレーチング仕上げとする事で、通常は地中に埋設される電気、水道、ガス、通信等のライフライン配管類、同ケーブル類の保守、改修、修繕の際には毎回地盤面の掘り返し作業を伴い、常に比較的大掛かりな工事となっていたものが、グレーチング部分をメンテナンスハッチとして作用させ、その下部空間内部に各種配管をまとめて設置する事によって、各種配管の保守、改修工事に伴う道路の掘削が不要となり工期の短縮、廃材の削減が期待出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
まず、駐輪を抑制する場所を想定するとともに、これと一体となった至近かつ安全が確保できる場所に指定駐輪施設を同時に提供する事が必須である。なぜなら、一方的に駐輪を抑制したところで、受け皿となる駐輪施設が無ければ、他の場所に移動して、また別の歩道上に溢れるだけで何ら問題の解決にならない。
同時に当該駐輪施設は円滑な駐輪誘導の為には駐輪を抑制すべき場所と至近である事がもちろん好ましいが、自転車と歩行者の動線を分離するという安全上の見地から言えばむしろ車道と接続され、歩道とは分離された構造である事がより望ましい。
【実施例1】
図1は本発明の一実施形態である。
歩道上等で特に駐輪を抑制すべきであると、判断出来る場所、又は視覚障害者誘導用の点字ブロック周辺に図1の格子状のグレーチングをもって施工上の表面材料とする。
この格子状のグレーチングの表面には、その格子の隙間としての溝が無数に穿たれてあり、この溝が自転車のスタンドをとらえ落とし込み、駐輪しようとした場合、車体が倒れてしまい、駐輪の妨げとなる。
【実施例2】
図2は請求項2のパターン配置の図である。
一般的に歩道上に駐輪される場合の形態を想定して、それに対し有効に効果すると考えられる溝の配置を3つにパターン化したものである。ただし、特異な周辺事情の有る場所での運用はこの限りではない。
符号2から符号3のあいだ、概ね30センチメートル幅の部分は歩道と並行して駐輪するセンタースタンドタイプの自転車にも効果的なように歩道方向と90度直角に交わる方向に長手の溝を配置する。
符号3から4のあいだ、概ね60センチメートル幅の部分はに歩道に対して斜め方向に駐輪する自転車に効果的な図3符号6の様に歩道方向と45度前後の角度に交わる方向に長手の溝を配置する。状況に応じて符号3から符号4の間を30度から60度程度の複数のパターンに分割することもある。
図3は図2符号3から符号4のパターンのグレーチング上に斜めに駐輪されようとしている自転車の後輪とスタンドの略図である。一定距離で交互に反転して配置された溝にスタンドの半分が落ちて傾くことになる。
符号4から符号5のあいだを超えて、概ね30センチメートル以上の部分及び視覚障害者誘導用の点字ブロック周辺は歩道と直交して駐輪するセンタースタンドタイプの自転車にも効果的なように歩道方向と並行に長手の溝を配置する。
それぞれの溝の大きさは短辺3センチメートル、長編15センチメートル程度を標準とする。
短編の3センチメートルは標準的な自転車のスタンドの先端よりも広く、かつ標準てきな車いすの車輪の幅よりも狭いサイズであり、それらの通常の通行に極力支障のないようにすることが設定の根拠である。
長辺のサイズは一般的なセンタースタンドタイプの自転車のスタンド幅、約20センチメートル強の約半分以上の長さで、駐輪しようとした場合自転車のスタンドの片側半分が溝に落ちるかたちとなり、自転車が倒れて駐輪出来ない。
【実施例3】
図4から7は請求項4の点字ブロック状突起物実施形態の図である。
図4、図6の様にグレーチングの表面に突起物7および突起物13を取り付けて点字ブロック同様に運用する。通常の点字ブロック同様に直線部分に用いるものと注意を促す部分に用いるものの2種類がある。
図4、図5は曲がり角等の注意を促す箇所に用いる場合の突起物の実施形態図である。
突起部7をそこから繋がるアーム8が先端部から左右に広がり格子9を挟み込み、アーム8先端部にネジ切られたボルト10をナット11で締め込み固定する方式と、直接ネジ止めする方式がある。
図6、図7は点字ブロック型突起物の直線部に用いるものである。
符号13の突起物とワッシャ14をボルト15もしくはボルト16とナット17でグレーチング18を挟み込むことで固定する。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、グレーチングの格子の溝に自転車のスタンドのみを効果的に落とし込む事が出来、自転車はタイヤとスタンドの間の傾きが駐輪に適さなくなり倒れてしまう。したがって、当該場所には駐輪しにくい。
このようにして駐輪を抑制する。
また、グレーチングの溝の幅及び形状を適切に設定する事により、格子上の表面は平坦なので一般的な靴を着用して通行する場合にはほとんど影響しない。ただし、ハイヒール着用者の通行を想定するならば、幅員のうち一部は従来どおりの表面材で施工して、全幅をグレーチングで施工する事は適切ではない。
「他の実施形態」
図1の実施形態では、格子状のグレーチングであったが、他の実施形態では、上記グレーチングと同様の効果を持つ様に一定以上の深さの溝を複数設けた形状のタイル等のものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】請求項2による本発明の実施形態の平面図である。
【図3】請求項3によるグレーチングのパターンデザインである。
【図4】請求項4による本発明の注意を促す場所での点字ブロック状突起物の一実施形態の斜視図である。
【図5】請求項4による本発明の注意を促す場所での点字ブロック状突起物の一実施形態の平面図である。
【図6】請求項4による本発明の直線部用点字ブロック状突起物の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】請求項4による本発明の直線部用点字ブロック状突起物の平面図である。
【符号の説明】
1 自転車のスタンドがこの溝に落ちる。
2 歩道端部。
3 歩道端部から概ね30センチメートル位置。
4 歩道端部から概ね90センチメートル位置。
5 歩道端部から概ね120センチメートル位置。
6 歩道に対して斜め駐輪された場合の自転車の後輪とスタンドの略図。
7 視覚障害者誘導用の円形の点字ブロック状突起物。
8 突起物7をグレーチング9に取り付ける際、格子を挟み込むアーム部。
9 グレーチング。
10 複数のアーム8の先端を合わせるとボルト状にネジが切られている。
11 ナット。
12 ボルト部。
13 視覚障害者誘導用の直線型点字ブロック状突起物。
14 ワッシャ。
15 ボルト。
16 ボルト。
17 ナット。
18 グレーチング。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
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