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【発明の名称】複合型商業施設における占有スペース割当方法
出願人】
【識別番号】510219730
【氏名又は名称】渡邊 保男
【住所又は居所】栃木県宇都宮市下砥上町917
【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
【発明者】
【氏名】渡邊 保男
【住所又は居所】栃木県宇都宮市下砥上町917
【要約】 (修正有)
【課題】サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設において各店舗の占有スペースを割り当てるための方法を提供する。
【解決手段】店舗が集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータにより日々可変して自動割当てする方法であって、日付及び曜日情報を得る日付・曜日情報ステップと所定時刻の天候情報を得る当日天候情報ステップと、該所定時刻以降の天候予測情報を得る天候予測情報ステップと、当日天候情報ステップ及び天候予測情報ステップで得られた情報に基づき各店舗の集客を予測する集客予測ステップと、集客予測ステップで算出された集客予測に基づき複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割当てる占有スペース割当ステップと、占有スペース割当ステップで割当てられた占有スペースに基づき複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備を自動的にレイアウトする自動レイアウトステップと、を備える。
【選択図】図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てるための方法であって、
当日の日付及び曜日情報を得る日付・曜日情報ステップと、
当日の所定時刻における天候情報を得る当日天候情報ステップと、
当日の該所定時刻以降における天候予測情報を得る天候予測情報ステップと、
前記日付・曜日情報ステップ、当日天候情報ステップ並びに天候予測情報ステップにて得られた情報に基づき各店舗の集客予測を算出する集客予測ステップと、
前記集客予測ステップにて算出された集客予測に基づき複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てる占有スペース割当ステップと、
前記占有スペース割当ステップにて割り当てられた占有スペースに基づき複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備が自動的にレイアウトされる自動レイアウトステップと、
を備えることを特徴とする複合型商業施設における占有スペース割当方法。
【請求項2】
サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てるための方法であって、
当日の日付及び曜日情報を得る日付・曜日情報ステップと、
当日の所定時刻における天候情報を得る当日天候情報ステップと、
当日の該所定時刻以降における天候予測情報を得る天候予測情報ステップと、
過去数日間における天候情報を得る過去天候情報ステップと、
前記日付・曜日情報ステップ、当日天候情報ステップ、天候予測情報ステップ並びに過去天候情報ステップにて得られた情報に基づき各店舗の集客予測を算出する集客予測ステップと、
前記集客予測ステップにて算出された集客予測に基づき複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てる占有スペース割当ステップと、
前記占有スペース割当ステップにて割り当てられた占有スペースに基づき複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備が自動的にレイアウトされる自動レイアウトステップと、
を備えることを特徴とする複合型商業施設における占有スペース割当方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の業種の店舗が複数集合して、一の複合型商業施設を構成する態様が広まってきている。かかる複合型商業施設に出店される業種は、服飾品店やレストランなど有人のサービス提供を行う業種から、ゲームセンターやコインランドリー、自動販売機を設置したイートインスペースなど無人でサービス提供を行う業種など、様々な態様が存する。
【0003】
ところで、一の複合型商業施設を構成するこれらの各店舗によっては、その日の曜日や天候(天気・気温)によって集客の良し悪しが分かれることが想定される。すなわち、休日の雨の日には、屋外での活動が控えられることから、複合型商業施設へ自ずと人が流れることとなる。しかしながら、これらの人は、何かの目的に複合型商業施設に来た人ではないため、時間潰しや食事ができれば満足する場合もあり、複合型商業施設の中でもその様なサービス提供を行う店舗へ流れていくことが予測される。
【0004】
同じ雨の日でも、平日となればまた違った人の流れが想定される。すなわち、平日は一般に家事に時間を費やされるため、その中で複合型商業施設に来た人が必要とするものは、家事の延長上にある業種、例えば屋外が雨天で洗濯物が干せないことから、コインランドリーを利用しようとして来店されることが予測され、さらにコインランドリーを使用している間に、イートインスペースでの飲食や読書スペースの利用が重なることが予測される。
【0005】
このように、日時や天候によって人が求めるサービスに差が出ることから、既存の複合型商業施設では、その日によってある店舗のスペースが混雑しているにもかかわらず、他の店舗スペースは全く集客の無い場合などがあり、せっかくの商用スペースを無駄にしている状況が見受けられた。その原因は、複合型商業施設における各店舗による占有スペースの固定化にあり、日時や天候により顧客のニーズに応じて各店舗ごと占有スペースを日々可変し得る業態が求められるところであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2008−243197号公報
【特許文献2】 特開2002−24350号公報
【特許文献3】 特開2001−134225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、日時や天候によって顧客が求めるサービスに差があり、既存の複合型商業施設では商用スペースに無駄が生じる、という問題を解決することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てるための方法であって、当日の日付及び曜日情報を得る日付・曜日情報ステップと、当日の所定時刻における天候情報を得る当日天候情報ステップと、当日の該所定時刻以降における天候予測情報を得る天候予測情報ステップと、日付・曜日情報ステップ、当日天候情報ステップ並びに天候予測情報ステップにて得られた情報に基づき各店舗の集客予測を算出する集客予測ステップと、集客予測ステップにて算出された集客予測に基づき複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てる占有スペース割当ステップと、占有スペース割当ステップにて割り当てられた占有スペースに基づき複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備が自動的にレイアウトされる自動レイアウトステップと、を備える手段を採る。
【0009】
また、本発明は、サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てるための方法であって、当日の日付及び曜日情報を得る日付・曜日情報ステップと、当日の所定時刻における天候情報を得る当日天候情報ステップと、当日の該所定時刻以降における天候予測情報を得る天候予測情報ステップと、過去数日間における天候情報を得る過去天候情報ステップと、日付・曜日情報ステップ、当日天候情報ステップ、天候予測情報ステップ並びに過去天候情報ステップにて得られた情報に基づき各店舗の集客予測を算出する集客予測ステップと、集客予測ステップにて算出された集客予測に基づき複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てる占有スペース割当ステップと、占有スペース割当ステップにて割り当てられた占有スペースに基づき複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備が自動的にレイアウトされる自動レイアウトステップと、を備える手段を採る。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法によれば、日付や曜日、当日の天候、さらに今後の天候予測に基づき、複合型商業施設における各店舗の占有スペースを適宜割り当てると共に、その割り当て範囲を加味して各店舗の区割り配置と設備とが自動的にレイアウトされることで、日々異なる顧客のニーズに適った複合型商業施設を随時提供することが可能であって、日々コンスタントな集客率の向上にも資する、といった従来にない優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の実施態様を示すフローチャートである。
【図2】本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の実施態様を示すレイアウト図である。
【図3】本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の他の実施態様を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、当日の日付及び曜日情報を得る日付・曜日情報ステップS11と、当日の所定時刻における天候情報を得る当日天候情報ステップS12と、当日の該所定時刻以降における天候予測情報を得る天候予測情報ステップS13と、日付・曜日情報ステップS11、当日天候情報ステップS12並びに天候予測情報ステップS13にて得られた情報に基づき各店舗の集客予測を算出する集客予測ステップS20と、集客予測ステップS20にて算出された集客予測に基づき複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てる占有スペース割当ステップS30と、占有スペース割当ステップS30にて割り当てられた占有スペースに基づき複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備が自動的にレイアウトされる自動レイアウトステップS40と、を備え、サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の実施態様を、図面に基づき説明する。
【0013】
なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
また、本願発明において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段によって実現されても良い。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の実施態様を示すフローチャートである。
本実施例にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法は、サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てるための方法であって、日付・曜日情報ステップS11と、当日天候情報ステップS12と、天候予測情報ステップS13と、集客予測ステップS20と、占有スペース割当ステップS30と、自動レイアウトステップS40と、で構成されている。
【0015】
複合型商業施設は、異なる業種の店舗が複数集合して一の商業施設を構成しているものである。店舗の業種については、特に限定はないが、後述する自動レイアウトステップにおいて、複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備が自動的にレイアウトされる態様を採ることから、物販ではなくサービスを提供する業種が好適であり、例えばゲームセンターや遊戯場、コインランドリー、映画館、レンタル店、飲食店、フードコート、休憩所兼イートインスペース、コイン洗車場、ボーリング場、卓球場、カラオケ店、精米所、等々が考え得る。
【0016】
日付・曜日情報ステップS11は、複合型商業施設における開店当日の日付及び曜日情報を得るステップである。集客の予測において、平日か土曜・日祝日かは重要な要素であり、また、季節や時期的な要素(繁忙期や地域行事など)も重要である。かかる日付及び曜日情報は、コンピュータにおける日付設定機能により、自動的に経時・更新されていく情報から得ればよい。
【0017】
当日天候情報ステップS12は、複合型商業施設における開店当日の所定時刻における天候情報を得るステップである。天候による顧客ニーズや客足の変化を予測するためである。ここでいう所定時刻とは、特に限定はないが、複合型商業施設における開店時刻の数時間前、具体的には1〜2時間前位が好適である。天候情報とは、晴・曇・雨・雪等の天気情報のほか、必要に応じて温度情報や湿度情報も含まれる。かかる天候情報は、屋外の天候センサから直接得る手段のほか、外部天候情報サイトによりインターネットを介して当該地域の現在の天候を得る手段を用いることができる。
【0018】
天候予測情報ステップS13は、複合型商業施設における開店当日の今後の天候予測情報を得るステップである。開店時の天候は、経時的に変化することもあり、特に温度情報は朝晩と日中とで差が出ることがほとんどであるので、経時的な天候の変化を鑑みた開店当日全体の顧客ニーズや客足の変化を総合的に予測するために、この天候予測情報を得ることは重要な要素といえる。かかる天候予測情報は、外部天候情報サイトによりインターネットを介して当該地域の今後の天候の移り変わりを得る手段を用いることができる。
【0019】
集客予測ステップS20は、上記日付・曜日情報ステップS11、当日天候情報ステップS12並びに天候予測情報ステップS13にて得られた日付及び曜日情報、天候情報並びに天候予測情報に基づき、コンピュータが複合型商業施設における各店舗の集客予測を算出するステップである。集客予測算出の具体的手段については、特に限定するものではないが、例えば通常の日曜日で終日快晴・平均気温の日を基準日とし、当該基準日の集客数に対して開店当日の日付や曜日、天候及び天候予測から割り出される係数を掛け合わせることで集客予測を算出する手段が考え得る。この集客予測は、当日全体の予測とすることが好ましいが、必要に応じて所定時間ごと(例えば1時間ごと)に分けて算出することも考え得る。尚、最終的に集客予測は、来店予測人数として算出されることが望ましい。
【0020】
占有スペース割当ステップS30は、上記集客予測ステップS20にて算出された集客予測に基づき、コンピュータが複合型商業施設における各店舗の占有スペースを割り当てるステップである。占有スペース割り当ての具体的手段については、算出された全店舗の集客予測の総和から、各店舗ごとの集客予測に基づく占有率を割り出す手段により行われる。このとき、店舗の業種・業態によって最低限必要な商用スペースというものが各店舗とも夫々存することから、かかる最低限必要な商用スペースを加味して各店舗の最終的な占有スペースが割り当てられる。
【0021】
自動レイアウトステップS40は、上記占有スペース割当ステップS30にて割り当てられた占有スペースに基づき、コンピュータが複合型商業施設における各店舗の区割り及び設備を自動的にレイアウトするステップである。自動レイアウトの具体的手段について
は、各店舗ごと割り当てられた占有スペースを基に、先ず複合型商業施設の全敷地スペース内で無駄なく最適な区割り構成となるようにレイアウトされ、次に各店舗ごと必要な設備の最適な配置レイアウトを行う手段が採られる。このとき、複合型商業施設における入出口、非常口、化粧室の位置や、施設内移動通路などの必要なスペースを考慮して、レイアウトされることとなる。
【0022】
尚、店舗の業種・業態によっては移動困難な設備(例えば飲食店におけるキッチン・水回り設備など)を備えている場合もあることから、複合型商業施設における各店舗の概略的な位置は予め決定されており、他店舗との仕切りとなる区割りが可変することで、占有スペースが可変される態様となる。そして、かかる移動困難な設備は、各店舗における最低限必要な商用スペースとして設置スペースが確保されている。
【0023】
以上の一連の各ステップは、全てコンピュータによって行われる。すなわち、コンピュータは、日付・曜日情報ステップS11、当日天候情報ステップS12並びに天候予測情報ステップS13における情報収集を行うと共に、収集された情報に基づいて集客予測ステップS20、占有スペース割当ステップS30並びに自動レイアウトステップS40が実行されることとなる。
【0024】
次に、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の実施態様の具体例を、図2に基づき説明する。図2は、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の実施態様を示すレイアウト図であり、(a)は基準日におけるレイアウト図、(b)は本発明実施日におけるレイアウト図である。尚、A店(ゲームセンター)、B店(飲食店)、C店(コインランドリー)、D店(休憩所兼イートインスペース)の4店舗から成る複合型商業施設の例示である。尚、各店舗における最低限必要な商用スペースは、複合型商業施設の全体スペースに対し、A店が20%、B店が20%、C店が10%、D店が12.5%と仮定する。
【0025】
先ずコンピュータは、複合型商業施設の開店の2時間前に、日付・曜日情報ステップS11を実行し、当日の日付・曜日情報を取得する。次にコンピュータは、当日天候情報ステップS12を実行し、情報収集時点における当日の天候情報を取得する。さらに続けてコンピュータは、天候予測情報ステップS13を実行し、当日の天候予測情報を取得する。これら3つのステップは、同時に行われてもよい。尚、複合型商業施設が開店・閉店時刻のない24時間営業を行っている場合には、予め所定の基準時刻を設定しておき、その時点での情報収集を行う。
【0026】
次にコンピュータは、集客予測ステップS20を実行し、上記収集した情報に基づき、複合型商業施設に出店される各店舗ごとの集客予測を算出する。基準日における集客数について、例えばA店が300、B店が400、C店が100、D店が200とし、当日予測される集客数の係数が、例えばA店が200%、B店が75%、C店が180%、D店が60%とした場合、最終的に算出される集客予測は、A店が600、B店が300、C店が180、D店が120となる。
【0027】
続けてコンピュータによる占有スペース割当ステップS30が実行され、算出された集客予測に基づき、複合型商業施設に出店される各店舗ごとの占有スペースが割り当てられる。算出された全店舗の集客予測の総和は1200となり、ここから各店舗ごとの集客予測に基づく占有率を割り出すと、A店が50%、B店が25%、C店が15%、D店が10%となる。
【0028】
このとき、各店舗の最低限必要な商用スペースは、A店が20%、B店が20%、C店が10%、D店が12.5%であることから、D店に割り当てられた占有スペースが2.
5%足りないこととなる。したがってD店は、他のA店・B店・C店から足りない分のスペースを譲り受けることとなる。この足りない分の調整手法については、特に限定するものではないが、例えば一番占有率の高い店舗から譲り受ける手法や、上位2店舗から均等に譲り受ける手法、他の全店舗から均等に譲り受ける手法、一番占有率の低い店舗から譲り受ける手法、他の各店舗の占有率の比に応じて譲る手法等が考え得る。ここでは、他の各店舗のうち全体の売上に最も貢献しないと考え得る一番占有率の低いC店から譲り受ける手法を採用した場合について例示しており、その場合に最終的に割り当てられる占有スペースは、A店が50%、B店が25%、C店が12.5%、D店が12.5%となる。
【0029】
最後に、コンピュータによる自動レイアウトステップS40が実行され、割り当てられた占有スペースに基づき、複合型商業施設の全敷地スペース内で無駄なく最適な各店舗の区割り構成となるようにレイアウトされ、且つ、各店舗ごと必要な設備の最適な配置レイアウトが行われる。すなわち、A店であればゲーム機や両替機の配置、B店であればテーブル・座席の配置、C店であれば洗濯・乾燥機や両替機の配置、D店であればテーブル・座席の配置や自動販売機の配置が全て自動的にレイアウトされる。
【0030】
各店舗の区割り配置と設備レイアウトに基づき、複合型商業施設内の区割りと設備の配置が行われる。この区割りと設備の配置は、手動的に行うと自動的に行うとを問うものではない。すなわち、手動的に行う場合は、パーテーション等を用いてレイアウトされた区割りどおりに店舗間を仕切り、各店舗に必要な設備を搬入して配置する。自動的に行う場合とは、コンピュータによる自動レイアウトに基づく区割りと設備の配置を、施設全体が自動的に行う態様である。自動的に行うための態様については、特に限定するものではなく、複合型商業施設内に種々レイアウト構造を考慮した誘導レールなどを配設して、該誘導レールに沿ってパーテーションや各種設備機器が自動で配置に移動する態様や、パーテーション・各種設備機器が駆動装置を備えて、コンピュータからの指令でリモートコントロールされて定位置まで自在に移動する態様などが考え得る。
【0031】
以上の実施態様の様に、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法は実行される。尚、本発明における上記各ステップは、複合型商業施設の開店から閉店まで、若しくは、当日の基準時刻から翌日の基準時刻までを一つのターンとして、各日ごと繰り返される態様を基本態様とするが、一日の中でも天候の変化は存すると共に、予測し得ない天候の急変なども稀に起こり得ることに鑑みると、一日の中で上記各ステップを複数回繰り返す態様も可能であり、それにより天候の変化に即時的に対応することが可能となる。但し、開店途中でのレイアウト変更に際しては、来店中の顧客の一時的退去若しくはレイアウト変更に関係ない店舗・スペースへの移動・待機を要することに留意する必要がある。
【0032】
以上のとおり、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法によれば、日付や曜日、当日の天候、さらに今後の天候予測に基づき、複合型商業施設における各店舗の占有スペースを適宜割り当てると共に、その割り当て範囲を加味して各店舗の区割り配置と設備とが自動的にレイアウトされることで、天候に伴い変化する顧客のニーズに適った複合型商業施設を随時提供することが可能であって、日々コンスタントな集客率の向上にも資し、ひいては売上向上にも資することとなる。
【0033】
尚、本発明を実行するにあたり、各店舗ごと実際の来客数及び予測と実数との差を記録・保存しておき、コンピュータに学習させる態様が好適である。過去の来客実数を多くの日時で記録・保存すればするほど、集客予測をする際の根拠的データが蓄積されることとなって、顧客の傾向性や動向がより反映された正確な集客予測が可能となる。
【実施例2】
【0034】
他の実施例について説明する。実施例1と同様の部分は省略する。
実施例1では、日付や曜日、当日の天候、さらに今後の天候予測に基づき、複合型商業施設における各店舗の占有スペースを適宜割り当てる態様について説明した。しかしながら、当日の天候だけで顧客のニーズが決定されるものではなく、当日の天候は同じでも過去の天候によって顧客ニーズの変化が想定し得る。例えば、同じ晴れの日でも、長雨が続いた後の晴れの日なのか、ずっと晴天続きの中の晴れの日なのかで、顧客のニーズは全く異なる場合がある。
そこで、集客予測のための根拠情報として、当日だけでなく、過去の天候情報を収集する態様が望まれるところである。
【0035】
図3は、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法の他の実施態様を示すフローチャートである。
本実施例にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法は、サービス提供を行う店舗が複数集合した複合型商業施設における各店舗の占有スペースをコンピュータを介して日々可変して自動的に割り当てるための方法であって、日付・曜日情報ステップS11と、当日天候情報ステップS12と、天候予測情報ステップS13と、過去天候情報ステップS14と、集客予測ステップS20と、占有スペース割当ステップS30と、自動レイアウトステップS40と、で構成されており、実施例1との相違点は、過去天候情報ステップS14の存否である。
【0036】
過去天候情報ステップS14は、過去数日間における天候情報を得るステップである。当日の天候による顧客ニーズや客足の変化を、過去の天候も参考にしつつより正確に予測するためである。過去数日間とは、少なくとも過去2日間、好ましくは過去1週間を指す。かかる過去の天候情報は、本発明を実行することで既に得られている各日の天候情報を記録・保存しておけば足り、外部天候情報サイト等から情報を取得する必要はない。
【0037】
本実施例は、上記過去天候情報ステップS14が備わる以外は、上記実施例1と同様であり、集客予測ステップを実行するに際し、日付・曜日情報、当日天候情報、天候予測情報と併せて、過去天候情報に基づき、複合型商業施設に出店される各店舗ごとの集客予測を算出することとなる。
【0038】
以上のとおり、本発明にかかる複合型商業施設における占有スペース割当方法によれば、日付や曜日、当日の天候、今後の天候予測、さらに過去の天候に基づき、複合型商業施設における各店舗の占有スペースを適宜割り当てると共に、その割り当て範囲を加味して各店舗の区割り配置と設備とが自動的にレイアウトされることで、天候に伴い変化する顧客のニーズに適った複合型商業施設をより正確に提供することが可能であって、日々コンスタントな集客率の向上にも資し、ひいては売上向上にも資することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、屋内型・屋外型に関係なく、あらゆるサービス提供を行う店舗が複数集合した様な複合型商業施設の全般に採用することが可能である。したがって、本発明にかかる「複合型商業施設における占有スペース割当方法」の産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0040】
A,B,C,D 店舗
S11 日付・曜日情報ステップ
S12 当日天候情報ステップ
S13 天候予測情報ステップ
S14 過去天候情報ステップ
S20 集客予測ステップ
S30 占有スペース割当ステップ
S40 自動レイアウトステップ
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
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