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電機
 
【発明の名称】知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiD
【出願人】
【識別番号】519343364
【氏名又は名称】石黒 広洲
【住所又は居所】東京都西多摩郡日の出町大字平井2196−319
【発明者】
【氏名】石黒 広洲
【住所又は居所】東京都西多摩郡日の出町大字平井2196−319
【要約】
【課題】 社会の物事が複雑に動く中で社会的課題の質的変化によりコト的世界化した状況に対処する社会技術が求められ人間の意志・意図・意欲に発するコト的世界を体現する社会の構造化を解明した上で知的な個別作業を連関させた知の統合に基づいて構成される超社会システムの未来像の構築及び社会的課題に対応する為の診断と処方の構想設計法が必要である。
【解決手段】 社会の構造と働きを扱う知の統合に向けた社会技術的な意味を持つ思考情報技術の分野に於ける構造化の要点として人の意識・心・精神の機能と働きの把握及び統合化原理となるコト的世界に変革的作用をする相補統合的な力を説く現代物理学準拠の方程式群で表現するプラットフォーム設定の下で課題解決を担う為の意匠登録済の格子譜を用いた社会変革の診察・診断・処方に対する三次元思考の表現力及び知と社会を構造化表現して超社会システムを設計出来る知と社会の相補統合機能を備えた構想設計法を確立する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
社会の分断や脅威など社会的課題解決への道筋を導き出す構想設計法の対象となる社会構造への適合性と有効性を高める為の社会技術の領域にあって、課題解決に関心を持つ個の意識と該課題を有する社会システム及び両者を結び付ける社会的関係の場との三元要素構成を有する有機的な超社会システムを構成単位とする重層構造を為す社会的な物事及び事態とその背後に存在する事情に対応する社会的課題解決に向けた対策を構想し事興しの形で事業化する目的に就いて当事者の意志と意図及び意欲に関わる意識が司る精神の力とエネルギーが為す社会対応の働きを言葉による構想の形で表現する構想体モデル化を前提とした上で、
上記目的達成の為の事興しの道筋を示す構想設計の対象となるコト的世界の下での事業構想や戦略策定・地域デザイン・政策デザイン・人生設計・学術体系構築・知の統合・社会の設計図等の人間の知的営為を思考感応方程式によって論理表現する超社会システム形態を社会の構成単位と設定して該構成単位の生存エネルギー水準の適者性を確保するための構想を描く如くデザイン思考の論理及び心と社会の運動力学の論理に従う個或いはチームの当事者意識を起点とする三次元思考に基づく思考情報技術と事理情報技術及び情報表現技術から成る格子譜論理に基づいた構想知を言葉化して構想譜に図式化する社会技術的な方法論であって、
モノ的世界とコト的世界の融合論理を体現する格子譜論理で表現される未来への発展力と負の社会を主導する可能性を有する存在力との間の綱引的な分断を認識して連帯的融合に変換する文明転換的な論理を社会の経済的・文化的発展の核にする事を可能にする如く個つまり個人や個別チームの意識と社会システムとの間を結び両者間の情報の授受を行う知的な関係性の場から構成される思考情報特性を有する超社会システムとしての構想体モデルの表現を行うに際して、
システム的な構造を有する社会の構成単位の事象に関わる記述・設計・操作等を扱う社会技術の作用対象の基礎構造に関わって人間がプラットフォームとしてのコト的世界との関りに於ける当事者の意志・意図・意欲等に基づいた言葉や行為によって表現される精神の力とエネルギーの社会的発露に基づくモノ的世界とコト的世界の関係性を明示する数理社会単位モデルの論理と意匠登録され格子譜の図式を有機的社会システム表現形に変換してコト的論理を表現する格子譜論理との表現力等価則の特性を用いたモデリング・デザイン技法による思考情報技術に基づいて記述する文法の規定に則って新しい超社会システムを構想設計する如く、
該新しい超社会システムの未来像の構築と課題対応の為の診察・診断・処方・操作を担う社会の構造的な把握と設計を扱う社会技術及び知の統合法に於ける学術的理論に基づく思考情報技術の必要性に鑑みて、構造化要点である人の知的営為に関る意識・心・精神、知の機能と働きの把握及び統合化原理を支えるプラットフォームであるコト的世界の下で変革作用を司る現代物理学準拠の方程式の統合的な力を表現する論理を意匠登録済の格子譜を活用した当事者意識の三次元思考に基づく表現力を用いて知と社会を相補的に構造化する超社会システムの設計と構築を支える為に記述文法に組込んで規定し定式化する相補統合機能の論理を備え、
該相補統合機能を活用して構想体モデルを描く為の構想設計の所与の条件となる格子譜と該格子譜の相補統合記述文法を予め設定して図式表現を規定する如く作用させる思考情報技術と事理情報技術を社会技術に定位した手法を適用して社会的な物事の構想内容を図式化し構想譜を描くことを特徴とする構想機能付き電子計算機のアプリケーションソフトとして働く汎用の図表作成ソフトにより構想結果を表現する構想譜の設計法を構成することで知の統合効率と知的生産性向上を可能にする知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiD。
【請求項2】
上記請求項1に於ける格子譜の相補統合記述文法を予め規定してアプリ組込準備をする為に物理学が定義する質量mを持つ物体の運動方程式F=maを生産力で代表されるモノ的世界を支配する力と認識し、モノ的世界の力に対してアインシュタインの特殊相対性原理が説く質量とエネルギーの等価則が示すE=mc(2乗)から質量mの式としてm=E/c(2乗)を得てF=maに代入し更に光速cを有機化して得られるF=Ea/b(2乗)を変革力で代表される質料mを含まないコト的世界を支配する心の運動力学と認識する視座に立って、事興しに関る知と社会の構造化を扱うに際して構想設計の核心をコト的世界の知と社会の構造化要素の表現に設定し構造化のプラットフォームを担う基盤肢要素としての軸を実在性と実存性で構成する知の統合空間に関わる時間軸系要素(横軸;社会の構造化)となる物理情報空間上の人間社会と生態系要素及び知の空間軸系要素(縦軸;知の構造化)としての哲学的論理の統合知及び知と社会に関るコト的世界観を設定し知と社会の相補統合機能の思考意識空間上での基本要素として定義した上で、
上記哲学的論理の統合知を構成する弁証法、生命誌、華厳教学、特殊相対性理論の哲学の四つの知的要素を哲学領域の構想力の論理で統合した形として把握する一方、知と社会の構造化要素である人の要素は意識論、意識の統一場、事理情報技術、TaDDiDの操作から成る各要素を当事者意識で統合して処理する行為網と理解して個人や個別チームの当事者意識と社会システムとの間を結び両者間の情報の授受を行う知的な関係性の場を社会的な意識作用空間と認知した上で、意識の統一場の論理を適用して連帯意識の作用が働く様に課題解決に向けた心と社会の運動力学の方程式「LogF=LogE+Loga−2Logb」に基づく変革の為の主要な社会的操作となる使命(ミッション)、場の文脈(場のコンテクスト)、戦略と政策(エンゲージメント)、合意(コンセンサス)、覚悟と責任を約束する行動宣言(コミットメント)、の操作五態の概念を表現する行為網要素内容の記述法と該要素内容を自律的な個の意識を起点とする新しい超社会システムの構成と作動の確認をして統合的な動きを調整可能にする格子譜の記述文法の構成リストを組立てる規定を備え、
該新しい超社会システムの未来像の構築と課題に対応する為の診察・診断・処方・操作を可能にする社会の構造的把握を扱う社会技術と知の統合法には学術的理論に基づく事理情報技術と知と社会の構造化の要点として知的営為である意識・心・精神・知の機能と働きの把握及び統合化原理としてコト的世界に変革的作用をする統合的な力を説く現代物理学準拠の思考感応方程式群の一つである展開型の相補思考感応方程式「LogF=(LogE−uLogb)+(Loga−vLogb)−wLogb、但しu+v+w=2」が示す数理社会単位モデルに適合させる革新形の格子譜論理の表現形式を明示する表現力等価則の下でモデルを表現する請求項1で定義したプラットフォーム上で、意匠登録済の格子譜による社会変革に関わる三次元思考に基づく思考情報技術の表現力を用いて知と社会を構造化した超社会システムの構想を支える為に事理情報技術を加えて定式化した知と社会の相補統合機能の論理を組込んだ構想体表現として該相補統合機能を展開した形の知の構造化と社会の構造化の統合形を適切にモデル表現する如く構想設計の所与の条件となる格子譜と該格子譜の相補統合記述文法を予め設定して構想譜を設計する規定の下で思考情報技術と事理情報技術及び情報表現技術を社会技術に定位して正当的な構想体モデル化を実現する為のモデリング・デザイン技法を適用することによって、
社会的な物事に対する構想内容を図式化して構想譜を描く特徴を有し構想機能付き電子計算機のアプリケーションソフトとして働く汎用図表作成ソフトにより構想結果を表現して構想譜の設計を為して知の統合効率と知的生産性向上を実現する知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiD。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が扱う技術は運動している社会を動かす力と働きを担う社会技術の領域に属し方法論的には主として社会的な課題例えば社会の分断や脅威つまり社会的傷病を解消する道筋を構想したり社会を設計したりする如く社会的な物事を対象とする該課題への対処法に就いて構想力を強化して方策や戦略の策定に於ける知的作業の生産性を向上させる為の新しい超社会システムの構築に対する構想設計法に関するもので、物事の事態や事情に対する生身の人間の頭脳内部の思考情報処理環境に於ける意識の働きによる三次元思考から生まれる情報を処理する有機的な思考情報技術を駆使したモデリング・デザイン技法(特許文献7の0013項参照)を用いた深化型構想設計法ADDiD(特許文献4)及びその展開形が扱う社会技術領域の連続線上に在り、構想設計の対象となる社会的な物事に対する知的作業は物(モノ)を中心とするモノ的世界観の下で物理空間と情報空間のセットで扱われて来たが、人間の脳内作業であるデザイン思考領域の事柄を扱う場合は物事の事態や情況を示す事(コト)及びその背後に在る事情を中心とする眼に見えないコト的世界観(非特許文献9参照)の下に於ける人間の意識の働きに拠る意志・意図・意欲の役割を組込んだ三次元思考空間における思考情報空間(知の空間)と思考の流れを司る意識空間とのセットの形によってモノ的世界を相補的に把握した上で取り扱う必要がある。上記「物」と「事」に関しては先行発明である特許文献6(0001項)で物的世界と事的世界の融合更には統合の必要性が指摘されているが、本発明では特許文献8に続いてモノ的世界観とコト的世界観の呼称を継承した上で両者の相補性と相補統合に関る事理情報技術を思考情報技術に包含した形に定位させ、格子譜(意匠登録;特許文献1及び図3参照)の論理が有する情報表現技術とも統合する事が方法論的な着眼点となる。
この分野は開発後の日が浅いので、技術を応用する前にまず具体的な切り口で全体像を理論的に把握する事が求められる。モノ的な事柄の代表的表現が「モノつくり」であり、コト的な事柄の代表的な概念が「コトおこし=事興し」であると理解出来る。この場合モノつくりに働く力は「生産力」であると考えられ,物理学的には生産力F=ma(式1)が二変数の式で定義される。但しmは質量、aは加速度であり一般的にニュートン力学の運動方程式の形で物体の運動力学の原理が与えられる。一方、事興しに関しては、既に対象となる事柄が動いている状況下で環境変化に対応して自らを変革させながら事柄に対しても何らかの変化を与える下記で定義する精神のエネルギー発揮に拠る「変革力」を働かせる事を意味しており、上記生産力と変革力はベクトル的に直交する事は次の論理から自明の事柄である。つまりこれら二つの社会的な力の関係は、例えば電動機と発電機の動作原理に比定出来る。電気力学的な理解からは両者共に回転系であるが、電動機は電圧を加える事によって軸が回転して生産力の形で力を外に引出せる。発電機は磁力体を外からの力で回転させることで電磁場の作用で起電力が生まれてエネルギー変換が為され、外部に於いてこのエネルギーを変革力として活用する。この原理に対応する起電力が示す物理式は変革力「F=Ea/c(2乗);式2、cは光速」として三変数の式になる。ここで、Eは系の運動エネルギー、aは加速度、1/c(2乗)は系即ち「場」の存在力と理解出来て存在力(実在の力)に関しては特許文献7図4に手掛りが記述されており、哲学的認識である「真の実在」に関する精神の力の社会的な発揮を意味する技術的理解を示す。生産力と変革力との間にはアインシュタインの特殊相対性原理であるE=mc(2乗)が示す質量とエネルギーの等価則による相補性が存在し、等価式からm=E/c(2乗)を得て式1に代入する事で変革力の物理式(式2)が得られる。事理的な観点から生産力と変革力は直交しながらも相補的である中で、式2には質量mが含まれないとする事理則が認められこの論理からコト的世界を定義する。しかし、運動体であることから「形」は有している事への理解が必須であり、形と質量の違いの超越的理解の必要性が指摘出来る。つまり変革力は質量を持たない中で、人間の心の働きによる社会的な意味の読み解き自体が社会適用となり、運動エネルギーEを有する「形」あるものに加速度aを生む精神の力とエネルギーが作用して変革力を示す一つの運動方程式が生まれる事理則を示している。次に、生産力と変革力が働く「場」において2つの力から生まれる場の形の方向性を定める存在の水準の実在性がもう一つの事理則として認知できる。これら二つの事理則を社会適用する際に、物事の事態と事情に留意して脳内で事理情報を処理する過程を脳神経科学の知見に基づいて分析し、「思考情報処理環境」を構築した上で理論を実用化したものが、事理の思考過程を定式化した三次元思考空間上の「事理情報技術」となり本発明の根底を為す。思考情報の社会適用の論理は目に見えない世界であり、発明者が自身の脳内処理の流れを内部観察しながら組み立てた仮説ではあるが、長年パターン認識技術の開発に携わった中で経験的に得られた知見を脳神経科学の知見で読み解いて確立出来た分野でもある。この仮説は本発明において格子譜論理と変革力の関係性によって実用的に検証・確認される。なお上記二つの物理式で用いられる光速cに関するc(2乗)の項について、光速cは電子計算機(AI含む)や人間の脳内情報処理に於ける情報伝達速度に関係する中で、電子計算機の回路内では光速からの減速は無視できるとしても、脳内では信号伝達速度b=nc(n;減衰指数)がMax120m/秒となる事が判っている。この様な条件設定下での式2が示す変革力の内容を脳内処理に適用し人間の思考を介して社会適用する際に人間の「感応」の力を引き出す事が思考情報処理では必須である。その際利用できる論理がLogをとって物理的な力を感覚的な力の水準比較に変換する理論である。事例的には人間の感覚が係る音声の分野が挙げられ物理的な音圧を感覚的な水準であるデシベルに変換する方法であり、この方法の延長線上で思考感応を扱う。物理式F=Ea/c(2乗)の光速に人間の脳内の信号伝達速度bを導入したF=Ea/b(2乗)は物体の運動力学を示す上記式1と対比して「心の運動力学(Mind Dynamics)」の表現と定義する。F=Ea/b(2乗)のLogをとった「思考感応方程式LogF=LogE+Loga−2Logb;式3」に拠って「変革力(生存力)=発展力−存在力」を意味する「心と社会の運動力学(Socio−mind Dynamics)」と称する数式化した事理力学的表現(=事理学的論理;特許文献7の0013項)が得られる。更に後述する展開形思考感応方程式が表現する事理力学の論理を人間が介在して社会適用する事でモデル化した「数理社会単位モデル」の形への展開が出来て、一般的に進化と称される「適者生存」への生存力(生き続ける力)を示す人間の精神エネルギーに発するホモサピエンスの知性と自律的連帯型の精神力を発揮する社会の生存エネルギー水準(心と社会の運動力学による生存への変革レベル)の評価に用いる事が出来ると共に、特許文献5(0008項、0014項)において意識が有するエネルギー準位と称して導入した概念を社会適用した論理と意味を有する。
思考情報技術に関るコト的世界の論理として事理力学の変革力の形で現代物理学の論理に従って定義した式2の変革力Fを、人間の営みに拠って構成される社会的な物事の働きに作用する際の力とエネルギーの論理を扱う事理情報技術に変換して活用する際に、構想設計法全般を扱う思考情報技術が格子譜論理に於いて「*」を以下乗算概念として扱うとして「時間*空間*関係性」が示す先験的な物理空間上の場の論理と、当事者意識の作用による「実体性*実存性*実在性」が表す経験的な意識・思考空間上の場との論理による三次元要素の融合に基づく論理とを技術化した形となり、本発明の先行発明群(特許文献2〜特許文献8)の中の特に深化型構想設計法ADDiDを構成する特許文献(4、7、8)が扱う思考情報技術は、主として構想設計の成果を図式表現する格子譜(意匠登録;特許文献1)の論理に体系化され記述文法として定式化され構想設計の方法論に定位される。しかし、格子譜論理の表現モードの一つである設計モードにおいて為される第三の三次元表現法である知的運動体としての「超社会システム=構想体のアイデンティティ(真の実在;当事者性)*基盤肢*行為網;相補統合的な場」の表現が、事象の実在的存在を担保する当事者意識の下でモノ的世界とコト的世界が融合される形つまり軟構造の思考運動体に作用する事理情報技術の基本原理を構成するものであり、生存力の概念を有する後述する物理的な変革力(図8、0023項参照)を社会適用した上記数理社会単位モデルとしての「思考感応方程式;(生存エネルギー水準LogF=LogE+Loga−2Logb);式3」が社会単位/政策単位/学術単位に細分される社会の構成単位の概念で表現される系に精神的な変革力の意味を与える中で、その作用が構想体の生存エネルギー水準を決定付ける意味を有する。この生存エネルギー水準の論理は超社会システムの格子譜論理の数理表現形の意味を有して事理力学を社会適用した論理の図式化に結びつく。つまり本発明が提供する技術は、構想設計を通して社会と関わる社会技術を意味する中で、特に表現技術と診断技術を提供する格子譜に拠る図式表現を可能にする思考情報技術及び事理情報技術の分野を担っている事を示す。社会技術を中心課題として取り組む組織に『社会技術研究開発センター』が存在するが、約20年前「自然科学と人文・社会科学の複数領域の知見を統合して“新しい社会システム”を構築する為の技術」と定義した。具体的な内容については時間経過の中で様々定義が為されて公開されている。しかし「新しい」の定義を先に示す事は困難であり、「社会構造」自体を思考対象と考え正統性をもって定義する事が先決な為、社会技術は世の中ではまだ確立出来ていないと称される領域のままである。本発明は思考対象となる社会構造を「超社会システム」として把握した上で格子譜論理と思考感応方程式との相補統合の機能の開発を実現した事により後述する「表現力等価則(0019項参照)」を確立し、知の統合の理論とこれを支える社会技術確立の嚆矢となり得る。
【0002】
本発明の対象分野は人間の意識を内包する新しい社会システムつまり有機的な超社会システム(特許文献3及び特許文献7と8参照)に関わる領域の技術でもあり、超社会システムをTaSS(Trans−associational Social System)と称する。超社会システムは特許文献4(0009項、0019項)及び特許文献7(0012項)で説明した「社会単位」が複合的・階層的構造を有するとした論理の下で思考情報を扱う社会技術に関連するものであり、事理力学を担う文理融合の領域は複合技術分野の思考情報技術に属する現代物理学由来の新しい理論に基づく事理情報技術となる。現実の物理的な社会単位/政策単位は当事者意識の下で同じ目的を共有する事業構想、戦略策定、地域や政策のデザインなどのプロジェクトに関わる様々な形態の事業体としてのチーム(心を一つにしたワン・チーム)の課題が想定されるとして、これらを対象にした意識や思考方法の在り方までを抽象化した社会単位/政策単位とするのが構想設計法の理解であり、三次元の物理的な情報空間と思考/意識空間の二種類を把握する事が重要であってこの区分に準じて「時間概念」にも物理的な時間と知的な時間が存在すると考えられている。これら二つの時間を統合するのが構想力に関る思考を担うチームとしての共同構想に繋げる当事者意識であり、思考結果を図式化するときの格子譜論理の時間軸として設定され、思考情報技術及び事理情報技術はこの様な時間論理が内在することを把握するアート的且つ先験的な直観が要求される分野と言える。それにも関わらず、大方の社会システム論(例えば非特許文献15や非特許文献17)では「コト的世界観」まで含めたデザイン思考哲学に踏み込まない状況にあり、モノ的世界観の中で情報処理技術が提供される場合が多く技術適用範囲の狭さの点で課題を有している。思考情報自体を主として物事のモノ(物)に当てはめた形式知の領域である電子計算機の情報処理の延長上にコト(物事の事態や事情)を当てはめると、脳内の暗黙知と関わってアート性を有する有機的な意識の問題にぶつかると共に人間の精神と関わる上で物事の本質の存在論理も同時に課題となる。コト的世界を「社会単位」を基本として構成するのが合理的であるとの論理の下で、事理情報が作用する実在的な場の論理を確立する事が求められる状況と理解出来る。物事の実在論の観点から最近の脳神経科学の知見(非特許文献3参照)である意識のトライアングル論(三元構成)を組込んだ意識の在り方(特許文献5と特許文献6で技術化)に遡って意識の働く場の原理を活用する必要があり、意識に関する思考情報技術の処理は有機性を有する領域となるので、上位概念である事理情報技術に関しても「誰が当事者として関わるか;Who、Whose、Whom」を担う生身の人間の頭脳のアナログ的な成り立ちを考えると、これら二つの技術には有機的なアート性が付き纏うことになる。
本発明が扱う社会技術は方法論的には主として社会的な物事のコト的世界観の下に於けるアイデンティティを伴った超社会システムTaSSを表現する構想体を対象とする構想力を高める為の深化型構想設計法ADDiDの発明(特許文献4、7、8)に由来し、主として物事の事態や事情に関する人間の頭脳内部の意識の働きによる「構想知」に関る相補的な知の超越力に基づく統合(Transcendency)を扱う思考情報技術と事理情報技術に基づく知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiD(Trans−associational Description and Design in Depth;相補統合型構想設計法の略記)を提供する技術である。なお構想知は暗黙知を形式知に変換する作用の媒介機能を有し、新しい概念を伴う知の形の意味を有する。この延長上で意識を主観の問題として敬遠する社会科学の存在は、社会を人間が構築する事を考えると科学の姿勢として課題が多い(非特許文献5、6、14、16、17参照済)。特に意識をどの様に科学して普遍性を有する社会技術に転換するか、脳神経科学の知見と示唆を社会適用した上で社会科学に組込む方法が求められる中で、思考及び事理に関する情報技術は社会科学の領域に於いて思考作用の有効性を高める「心と社会の運動力学(0023項参照)」に関る技術となる。この事を踏まえた上で、構想法先行発明群(特許文献1〜特許文献8参照)と合わせた一歩一歩の積み重ねによって、人間の幸せを追求する社会科学体系の中での適者生存の論理と戦略に基づいた平和な世界を共創するための道具立てを提供する意図の下で、構想知を扱うADDiDに機能強化を施した本発明によるTaDDiDが目指す先は、モノ的世界とコト的世界の相補的統合を意図した人間の意識の階層性と広がりを最大限に活かして人間の有機的な生命体の存在の意味を確かにする事を可能にする思考情報技術であり、西洋由来哲学の唯物論的発想及び東洋由来哲学の華厳教学(非特許文献12)や老荘思想と生命誌(非特許文献13、14)が説く論理に現代科学を融合した有機的な「命の原理」に基づく生態系文明に向かう事理情報技術を扱いながら、人間の持つ構想する力と格子譜と記述文法を駆使し構想設計に関る思考作用を支援して構想譜を描く構想機能付き電子計算機のアプリケーションソフトとなる。その意味ではTaDDiDはシンプルにCaDD(Computer−aided Description and Design)の範疇に位置付けられる。上記一連の思考作用の流れを整理すると、社会の未来を志向する構想設計に関る思考情報技術の分野は当事者意識を有した人間の頭脳の働きによる有機的な社会の設計図を描く如くの知的作業が中核となる為に、当該技術が感性・悟性・理性から成る意識の作用と認識の在り方に基づく技術的枠組みの中から生成され社会技術化される過程に注視する必要性が自明の理である。前向き・上向き・外向きの意識と姿勢の中で枠組を類別して掲げると、
<A;社会技術の枠組>
枠組A1;現状を肯定的に否定する「Yes、but!」の前向きな姿勢がないと構想設計に於いて未来の自分に向き合えない。現状の存在力を肯定した上でその上を行く発展力を問う事を意味する。
枠組A2;「生成技術=哲学*科学」で示される中で「社会構造」を思考対象として正統に把握した上で、人間の思考の真理を追究する構想力の論理や華厳教学そして老荘思想などの哲学を基本にして現代物理学や脳神経科学そして生命誌など必要な科学的知見を社会適用する事による診断技術と表現技術までを組込んだ形で人間社会を良い方向に導く「社会技術」を生成出来ると云う認知と取組姿勢が必須となる。
枠組A3;社会技術としての構想設計法には、当事者意識によって組立てられる自己と外界の対等的な関係性を基本とする「コト的世界観」の道理下での思考の流れと図式化デザインと情報表現技術が求められる。
<B;思考情報技術の枠組>
枠組B1;意識のトライアングルの三元的論理対象の心的把握と構造化・可視化(図式化)に於ける三次元思考の三態的枠組の明確化。
(華厳教学「存在するものは全て心の表れである」の技術化;社会単位)
枠組B2;記憶機能と意識の働きを中心とした情報の意味理解と概念化に関する脳の機能把握による「思考情報処理環境」の自己理解が必須である。
(「自然知;自然言語表現」と「社会知;0004項参照」の弁別)
枠組B3;心(自己)と物(外界)の関係性論理の類型把握(支配、取引、連帯)
(自己と外界の対等性の認知が必須である;華厳教学では「一即多」、「多即一」の表現で自己と外界との連帯的対等性を説いている)
<C;事理情報技術の枠組>
枠組C1;コト的世界の「力とエネルギー」の方向性の覚知と理解(ベクトル量)が必須であり、社会の生存に関するエネルギー水準の理論化が必要。
枠組C2;コト的世界観の基本原理の正統性と健全性のある哲学的論理の確認。
(現代物理学の量子論・相対論、意識のトライアングル論、生命原理)
枠組C3;基本原理と事理力学の人間の思考を通した有機的な関係性の社会適用。
(タナトス理論とトランスパーソナルな人格の対応力に注視する)
から成る九つの事柄が、社会に関る技術を扱う際の最低条件であると承知して開発に取り組む人格の存在の上に技術が担保される事が必須であり、この事は単なる直観ではなく脳神経科学の知見である意識のトライアングル構造(非特許文献3)及び構想力の論理(非特許文献2;pp.340−378)から導かれる統合の論理に含まれる「覚知」の役割と照合することで、上記枠組の論理が理解されるべき事柄となる。知的作業であるデザイン(設計=生成技術)行為が人間の意図に発する特性を有するので上記の如く課題が多い領域である事は特許文献7でも指摘するところであるが、上述した技術の枠組を把握した上で事理の原理の在り方・記憶・機能・働きに遡って解明し、更に心や精神の在り方を意識して社会単位を扱う様に深化させ、感性・悟性・理性の「統覚的な認識」を思考の力に加えたコト的世界を扱う社会理論を上述の枠組(0001項)に基づいて定式化して超社会システムを想定した社会技術として実用化する事が急務な領域と認識出来るので、本発明はこの論理に従っている。なお特許文献7(0007項、0008項)で分析されている通り、社会科学が知的作業のQCDを視座に置く知的生産性までの考慮を避けて来た経緯の中で、社会技術に関る上記の枠組と課題に正面から取り組めていない事は確かであり、本発明の対象技術領域が成熟化していない状況にある事を再認識して開発と評価を扱う事が必要である。未来の社会ビジョンを描くべく非特許文献11(pp5−11)が指摘する人間社会を“つくる”為の構想力に基づく構想設計に必要な思考情報技術を考えると、本発明による社会技術の社会への実装に関しては本発明が黎明期にある領域であり学術的にも文理融合の共創領域に属すことから、技術分野を正当に評価して統合的に扱う為の権限と責務のバランスを思慮出来るトランスパーソナルな人格成長に注視した人材育成や研究・教育の環境構築に加えて、用語の概念と本質を捉えた定義及び言葉の意味などのリテラシーギャップを埋める事を含め、知的生産性向上の観点で意識に関わる知識を扱う技能を高める為の制度化を含めた社会実装に対して時間を掛けた浸透方法を考慮する必要性が指摘出来る技術分野でもある為実用に際して開発管理の力量が問われる領域に属する。これらの論理は非特許文献16、17が説く論理と連続性を有する。
【背景技術】
【0003】
背景となる直接的な技術を説明する前に、構想設計法自体が対象としている「社会」に対する技術的な認識が正しく為されている事が必要である。この事は社会という言葉が日常的に使われていることから多様な意味を有する中で、学術的及び技術的な面での注意深い扱いが必要な事を意味する。まず、社会の存在は個々の想いを秘めた人間の営みの集積の形で感覚的に覚知出来るとして、これを絵に描く事は困難である。次に、悟性の働きで「社会には法やルールが存在して何らかの秩序の下でシステム化された状態が認識できる」として研究され、T.パーソンズ(非特許文献15参照)による「社会システム理論」の表現形AGIL図式として提唱されたが、この図式は思考次元の縮退に加えて論理的な追求不足が指摘出来て人間の意識の働きまでを内包する社会の設計図を構造化・可視化して描く方法論としては未達である(特許文献2;0013項)。そこで導入されたのが『構想力の論理(非特許文献2;pp.340−378)』の発掘とこれに沿う考え方であり、構想力による「思考の統合」の論理に関る人間の物事に関する三つの認識力つまり「覚知、構想力、統覚」として組み立てられる論理の一つとされる人間の意識特性である感性・悟性・理性からなる個の意識の働きである「統覚」への着眼としての特許文献3(図4〜図8参照)が提唱する「超社会システム」の発想である。つまり「社会とは何か」に対する「社会→社会システム→超社会システム(TaSS)への展開」の技術的理解であり「社会とは人びとが言葉を使い文化や経済を発展させる相互作用のシステムである」とする覚知的認識にも繋がる形で「超社会システム=個の意識*社会システム*社会的関係の場」と概念形成される処に特長がある三次元思考の下での新しい概念のシステム論である。特許文献3の実施例(0022項、0023項)に於いて「格子譜」の形で当該発明の図4〜図8で示した論理が集大成されており、この図式は実は特許文献2の図3〜図6をも吸収した形を呈している。つまり「構想力」から誘導された形とは別に、デザイン思考に関る特許文献2が提唱する「デザイン思考エンジン」の発案が為された背景には非特許文献1(PP.180)によるデザイン原論(河北原論)をデザイン哲学としてヒントを得たアイディアの発出があり、哲学的な論理を技術論理で分析した結果を関係性の論理の支援の下における統合化に拠って図式化する方法論(特許文献2;図3〜図6参照)が得られた。上記構想力の認識の下での「デザイン思考エンジン」と統覚による認識の下での「超社会システム」の図式化した表現は上記で図式を引用して指摘した様に思考の表現形として格子譜論理を構成している。相補統合の図式は「知の統合」という山を別々の道(ルート)を経て登ったのに若干景色の様相が違う面を有していても同じ頂上に到達したと認識できる共通した表現形が得られ、これが格子譜に集約されて構想設計の技術的基盤が確立された。上記の論理の基本を為すのが関係性の中での連帯の形であり、社会科学の領域で関係主義(非特許文献10参照)と称される形態である。世の中において関係主義が大切であると考えるのは東洋哲学の核心であり、華厳教学(例;非特許文献12)として提唱され日本の文化にもなっている。華厳教学で強調される「梵我一如」の哲学は命の原理に基づく有機的な超社会システムに通じる基本的な考え方であり、モノ的世界観の中では神秘主義のレッテルを張られ勝ちであるが故に東洋特に日本において現代科学による論理の解明が必要な言葉である。更に人間の意識・心・精神・知性を核にして構成されるコト的世界の下では、個起点の論理と思考の流れを司る意識の操作との関係論的統合の下で成立する格子譜論理そのものと理解出来る。ここで言う「関係論的統合」は物事に於いて「関係性=無関係+有関係(支配、取引、連帯)」の中で「関係あり」に注視する際に、連帯の特性(Associationalと定義)を個の意識と社会システムが社会的関係の場に於いて未来を志向しながらWin−Winを目指して対等な相互作用を行う人間社会の基本形を示す概念とする事を意味する。本発明ではこの相互作用の契機を人間の心や精神の働きとし構想法先行発明群(特許文献1〜8)に従って段階的な開発を行う中で心や精神の働きを司る意識の役割の分析と機能の技術的な定式化を図ることによって思考情報技術の高度化を試みた上で、コト的世界観の下でモノとコトの相補的統合の論理を現代物理学の基本原理を社会適用する形の形成の下で理論的な「心の運動力学」の解明を行って未来社会の方向性を抽出しながら事理情報に関る技術開発が為された。
本発明の背景となる思考情報技術分野の歴史は浅く技術確立の黎明期は2019年であり、特許文献1における構想機能付き電子計算機の部分意匠としての格子譜表現の意匠とその理論の源泉である特許文献4によって深化型構想設計法ADDiDと命名された発明として出願され、その後構想設計法は拡張形として特許文献7及び強化形として特許文献8による発明を積み重ねながら機能的そして技術的な進歩を遂げて来た。当初のレベルは社会構造を在るが儘に認識・把握した上で、自然科学と人文・社会科学とをハイブリッドに組み合わせて文理融合した新しい形態の社会技術を目指したものであり、物事に対して人間の持つ創造的なデザイン思考が生み出す表現情報を図式化することで構造化・可視化・言語化した構想設計を可能にするための思考情報技術や情報表現技術を提供している。より詳しくは、人間の精神性を司る個の意識を内包する実社会に於ける物事の構造を在るが儘に認識し、物理情報空間上で「時間*空間*関係性」で構成される「先験的な場」の三次元構造を有して構成される実社会の人間の営みを写像した超社会システムと定義する構想体を、思考情報空間上に投影して文法を有する格子の配列で概念構成する白紙の格子譜を用いた記述で表現する機能を有し、該格子譜上の各格子の記述文法をデザイン思考の定式化の過程で得られたデザイン思考エンジンによる「意識の統一場」の論理で空間変換した上で、格子譜を「構想譜」の形に転換する思考の変換と表現の技術を用いた記述モードと設計モードを駆使してテーマ毎の構想体モデルを設計可能にしており、「実体性*実存性*実在性」で構成される「経験的な場」の三次元構造に基づく論理による社会技術としての創造的な思考情報技術の開発が為されている。この格子譜に係る思考情報技術にはもう一つの「基盤肢(モノ的)*行為網(コト的)*真の実在(アイデンティティ)」で構成される事理情報技術からみた「相補統合な場」を構成する社会単位としての三次元構造が存在し、特許文献2と特許文献3で規定される構想設計法の関連発明で得られた構想に関わるデザイン思考と超社会システムに対する個別技術を統合したものから成り立っている。つまり、本発明の技術分野である事理情報技術を内包する思考情報技術は主として構想設計を円滑に行う技術であり、特許文献1と特許文献3及び後述する本発明図3が規定する格子譜(意匠登録)の構想語(特許文献4の0015項参照)としての記述力と表現力を活かしながら人間の思考能力と重畳した上で、課題を解明し解決に結び付けて設計を行なう機能を発揮する多面的な三次元思考に基づく社会技術の領域に属するものである。この論理の存在の源泉は特許文献3(0026項)及び特許文献6(0027項)で論じられた生命誌由来のオパーリン律に従う社会単位とリンクするものであり、生命体の発生から人間への進化そして社会の構成・発展へと循環性・継続性を示す「命の原理」と相似形を為す論理となる。
その後技術開発と関連発明は継続され、本発明に到る知の統合と事理力学を組み入れた一連の事理情報関連の技術開発が為された。少し煩雑になるが背景の明示の為に開発状況を順次紹介すると、まず格子譜の表現及び特許文献4に於いて導入された上記「個の意識」とデザイン思考エンジンや意識の統一場の論理に関る人間の意識全般の扱いの技術化が求められる中で、特許文献5において「社会意識量子」の構想設計への導入を意図して脳神経科学領域の非特許文献3の知見の導入と現代物理学の量子論及び量子力学の知見活用を契機として意識の塊としての扱いの技術的な定位が図られ、更に上記の意識の統一場の概念が特許文献6に於いて同じく脳神経科学(非特許文献3の図10−1)の知見を格子譜論理で読み解いて構造化・可視化する事に加えながら、意識のトライアングル論(非特許文献3)を社会適用して論理展開することによって思考情報技術に定位させ図式上に定式化する中で、個の意識三態に就いて自己の外部の社会を想定して「自己意識、当事者意識、連帯意識」と称する形で意識構成を明らかにし、特に当事者意識が当事者本人の示す物事への関心と外界に対する感応(知覚と認識・記憶)に関ることを認知すると共に、構想設計する際の「思考情報処理環境」の下で脳内部の意識の働きによって制御される思考過程を経て、外部の物事・事象に関する構想に関る思考結果に対する意図と意欲に基づいて構想設計結果を格子譜上に描いて「資料;構想譜」を作成する機能の中核を為す意識として特許文献6の発明に拠って構想設計のプロセスに定位されている。上記思考情報処理環境を扱うに際して重要な要素が「記憶」の概念である事は論を待たないが、その機能的・技術的な構造は未だ科学的に十分には解明されていない事から、一般的には記憶機能的の社会技術的な扱いは避けられている。しかし、超社会システムを扱う以上避けて通れないので判明している範囲で記憶を扱うとして、記憶には社会的に記録されている事柄と人間の脳内に自己記憶として蓄えられている事柄が存在する。後者に取り組むに際してまず非特許文献3が説く意識のトライアングルに関連した人間自体の「心(自己の精神性)・脳(実在性)・体(身体性;心の外界)」で構成される三元性の理解が必要である中で、人間の知性を通して認識・意味理解・概念化が為されて初めて「物事の実在」が読み取れるものであり、華厳の哲学では「存在するものは全て心の表れである」と称している事の把握である。脳内の記憶三態が「主記憶、作業記憶(Working Memory;WM)、短期記憶」で構成されている事は衆知の通りであり、ノイマン形電子計算機の原理と相似形を為す中で一番の違いは簡単に表現すれば記憶回路が有機的なアナログ回路とも言うべき構造を為し電気と化学で作動することであり処理速度は速くない。主記憶は脳神経細胞の運動エネルギーとして像ではなくアナログイメージ情報の形で脳細胞電位として蓄えられており、WMに拠ってイメージがパターン化され像を結びながら信号伝達の下で意味付けされ概念化される。従って脳神経細胞の働きは外から観察出来ないため「内部観察」が必要であり、特許文献5で扱った如く個々の意識の在り様が量子論に基づく事の認知が必須である。アナログ的な思考行為環境に基づくコト的世界の動きはニュートン力学では十分説明できなく、量子論的な擾乱つまり観察理論に拠る変革力誘導の必要性の基本がここに存在する。この事がモノとコトの相補統合機能への要求の原点となる。
一方で、特許文献5と特許文献6の発明に拠って従来は取り扱いが困難であった人間の脳内の思考情報処理を担う意識の働きの把握が容易になり、これら二つの発明内容を読み解く事によって一般的な理解では「個の意識」の表明が主観的とする事柄に就いて実在する当事者意識の存在を中核として格子譜上に構想に関る技術的扱いを当事者意識の表れとして構想譜上に明示して客観化する事が出来る状態にまで技術が進展し、構想がアート性を有しながらも構想設計作業自体に対して自信を持って遂行できる普遍性を有する技術的根拠が確立された。しかし、特許文献6(0001項)で示唆された物的世界と事的世界に就いては、意識の働く場の理解は進展したが世界観の解明と技術化は先送りされた。一方特許文献6(0001項)中の特記事項として「人間の意識の階層性と広がりを最大限に活かして人間そして有機的な生命体の存在の意味を確かにすることを意図した技術であり、西洋由来哲学の唯物論的発想と東洋由来哲学の華厳教学や老荘思想を融合した命の原理に基づく生態系文明の技術となる」の記述と文脈によって構想設計法が生態系文明に関る社会技術である事が示唆されており、有機的な存在としての人間の脳の働きを内在させた構想設計の技術は全てを電子計算機で扱える事柄ではなく社会実装に関しては様々な配慮が求められる。上記記憶とWMの機能を核とする頭脳の働きは、意識の統一場上に於いて「意識・心・精神、知;知性と知的営為、汎社会単位、知の統合世界等」で構成される「階層的構成;ヘリコイド・ダイナミック」によって成り立つ事は、非特許文献3の知見の下での特許文献6の論理(図10)が示しているが、この論理は科学の力以前の人格や精神のエネルギーの存在に基づく人間社会の常識でもある。従ってこの事柄を思考情報技術の分野で扱う為には、論理の根拠となる当事者意識が構成する意識の統一場の上に論理を組立てながら、特許文献7(図5参照)で示した開発による知の超体モデルが関係性の場において意識的関心の発露から組立てられる知の構造体である「社会単位」などの呼称で技術的に扱われる一方で、知の超体モデルは単なる知識の統合ではなく、人格を有する人間がホモサピエンスの党勢である言葉と行為による知的活動の全体像を階層化して把握する認識と理解を概念化した「学術単位」を為し、ここから社会単位や政策単位が社会技術化される。コト的世界の社会適用の主な形態は学術単位を展開した「政策単位」であり格子譜論理の設計モードに対応する事理論理を有する。上記の如く特許文献7で定式化された社会単位の発想において、「単位;Unity」は夫々統一体の資格を有し格子譜(意匠登録)上では構想体と同形であり超社会システムの特性を持つ。本来深化型構想設計法はコト的世界に於ける「事興し」の扱いを可能にする思考情報技術に基づいた方法論であり、この方法論を受止めて特許文献8の発明では事理力学の観点で論理が組み立てられ運動体に向かう力となる如く人間の精神のエネルギーから発出される様々な「力」の論理を定式化して記述文法を強化形とする事で知の統合に近づく事理情報技術の開発強化が為された。しかし、理論的な追求の未熟さから来る不備がある中で、用語のリテラシー不足に起因して事理論理と格子譜論理の整合が不十分であった。この点の理論的な革新形の展開の必要性が表面化し、構想設計に於ける格子譜論理の相補統合の形の追求が求められる。本発明はこの様な背景技術への対応を必要とする状況下で為され人間の脳内思考回路理解に基づく「構想知」の仕組みの解明深化の下で考案された背景を有する。
【0004】
上記で説明した構想法先行発明群で記述される情報に基づくデザイン思考を伴う構想設計の領域の思考と事理に対する二つの情報技術は、その特性を大別して実践技術(プラクシス)及び生成(ゲネシス)の意を含むポイエーシス技術(非特許文献2のポイエーシス=生成技術参照)に分類したときの後者に属するもので、物事の変革を意図した生成に関わりながら直観的な思考を伴う創造的作業を担う役割を果たす機能特性を有する。ポイエーシス技術は技術開発の対象となるもので、科学的な知見と人間の心の在り様に関わるニーズを基にした合目的的な技術的観点において、合理的な正義を有する正統性に基づく哲学的な考え方を媒介にした構想体への着想や発想による構想知操作を経て格子譜論理の展開による構想譜への設計が為される必要がある。つまり、特許文献7でも指摘した新しい発想を伴う構想設計的な思考では直観が重視される中で、構想が必然的偶然(セレンディピティ)に基づく思考の流れから形が表出する創造力の賜物とするところのポイエーシス技術に位置付けられる。従って上記で示した領域の思考情報技術開発の裏には理系だけでなく文系の科学的知見が必要になり、構想知の形成では文理融合にまで意を砕いた上で意識・心・精神・知・社会単位・事理・コト的世界までを視座に置く相補的な知の統合の方法論が問われる。特に人間の営為としての社会的な物事に対処する為の社会技術開発とその関連の発明の背景には哲学や社会科学を含めた文理融合のアプローチが顕著に要求されるが、従来人格の成長まで意を砕いた人材育成の視点も含めてこの観点が軽視されてきた事への対応策が必須となる背景が存在する。また哲学領域など文系の知見の中にはコト的世界に属する非決定論的な特性を見せるアート性を有する事柄が存在し、精神の力としての有機的な生産力や変革力(図8参照)を基本にした構想力(非特許文献2参照)や創造力更には関係性などに関する哲学などがこれに該当する背景に留意する必要性も指摘出来る。構想法先行発明群で明らかにされた様に上記非決定論的な特性を有する社会的な事柄に関しては何れも意識や価値観の在り方が関わる状況にある。共通的な課題として一見主観的に感じられる意識や価値観に関して、意識の三元構成に関るトライアングル理論(非特許文献3)に基づいて意識が働く場を客観的な特性を持たせた形で構成させることを試みたのが特許文献6による先行発明のターゲットとなる意識空間の基本としての「意識の統一場理論」であり、意識の統一場の上で展開される特許文献6の実施例(図11参照)で示したヘリコイド・ダイナミックな階層的意識空間を拡張して理論化した図式(特許文献7図5)が示す「知の超体モデル」及び「社会単位(特許文献7図18の項目0012、0014参照)」までを技術的背景に置くことが出来る。従って客観的な場の枠組みに従う主観的な意識が実在的な当事者意識を有する自己の精神エネルギー(運動+摂動のエネルギー)によって作動しても、意識の働きで構想知を経て外界に出て来る知的作業の結果には合目的的な客観性が期待出来る事を意味しており論理的な正当性が得られる(非特許文献4、7、8の概念参照)。つまり求められる社会技術の正当性は哲学的な論理の下で科学的な知見を媒介にして技術化され、正当性の根拠は命の原理を本質的に追及した上で論理の健全性と正統性を組み込んで合目的的な有効性と合理的な適合性を保証するところに存する。構想知と社会単位の論理の一部は特許文献7(0013項)及び特許文献8(0012項)において分析され仮説として明かにされていて、事象・心象・表象・形象・具象を説明する用語辞書の存在と定義及びそれらの意味に対する脳内作業の経験的検証とは矛盾しない。しかし、構想知が知的作業の流れとして理解されていても流れを決める枠組みとなるコト的世界の構造を含めた形で定式化された状況には至っていないので、構想知の構造的な定式化(本発明図5;後述)が必要である。また構想知を含めた知の形態を暗黙知、構想知、形式知の三態で理解するとき、これらが自己(内面)と外界の二つの世界のどちらに属するのかを明確にする必要性を指摘出来る。個がチームの形態をとる時は共同性への交感的な感応と調和形成が求められる。本発明に於ける対応では「自然知=形式知;社会的記憶」つまり自然言語に拠る言葉でシリアルに記述され人間の感覚で認知出来る客観性のある形態と、「社会知=暗黙知+構想知(思考情報)」として当事者の脳内で扱われる信号と情報として社会と関わる中で、自己認識できる主観を内包する知の形態とに二分して理解し知の形を取り扱う。社会知は格子譜論理に基づく構想譜として形式知化(自然知)され後述する図17でも例示される。
思考結果の社会実装への正当性を念頭に置いた開発に於ける発想の深さが求められる論理は既に上記で説明済であるが、更に特許文献7の論理に加えてコト的世界の論理に関する「場」の明示とその場で働く各種「力」の体系化が必要となる。体系化の方法論の基本的背景になるのがコト的世界の表現法として特許文献1の意匠登録が提示する格子譜の上で展開する構想設計法(特許文献4)であるが、技術の根本はモノ的世界と相補性を有するコト的世界までの組込と事理力学の論理の創発であり、特許文献7おいて事理の理論化が試みられたが「場」の設定を含めた体系化は未達である。この問題の解消を図る社会技術の開発に取り組んだのが特許文献8による「事理情報技術」の定式化の発明であり、現代物理学の理論的な知見を活用して社会適用しコト的世界における事理力学の社会的な意味を読み解いて、精神のエネルギーの発露による知的な生産力と変革力の形で事理情報技術化を実施出来るが、未来社会の方向性を含んだコト的世界への多面的な影響力の追求に到達していない事から、事理力学による力の関係性に基づくコト的世界観の下での格子譜論理との数理整合的な定式化は不十分である。つまり、コト的世界をモノ的世界との特性比較において各種力の在り方と関係性の場の解明が必要となる中で、特性分析を深め思考情報技術の上に事理情報技術を打ち立てる如く、相補性の中に革新性を有した格子譜論理の追求と理論の確立が求められる。重要なことは人間の人格と自己と外界との対等的な関係性の在り方への理解と処置であり、必要性が高いにも関わらず従来新しい事柄として学術の世界でも避けて来た不作為による「学術の失敗」と称される事柄となる。この学術の領域(社会工学とは趣きを異にする)は政策科学や社会科学の領域と重なるが、現状は当事者意識の下での課題解決にはほど遠い状況にあることから正統性を有する「社会診断」の技術とその処方の概念の確立が求められる。この観点から未だ不十分とされる事柄が、特許文献8(0014項、図4)で定式化を試みた「タナトス理論」であり、闇の世界とも言えるタナトス状況の把握と解消が社会の仕組みと社会要員としての個人の人格の在り方に結び付くことへの認知と理解を必要とする中で、特許文献7(図5、図8参照)において取り上げた意識・心・精神・知の階層を含めた人格の在り方への接近の重要性が重ねて指摘される。当事者の人格は社会的な権限と責務の表現に関る社会自体の生存力に直結する事柄として重要であり、特に政策科学と政策学の領域では重視すべき事柄として特筆される。結果として本発明の技術領域に関わる知の統合性を有するレベルの体系的な普遍性を有する思考情報技術(仮称「社会考学」の領域)は未だ確立されていないので非特許文献の形で直接参照は出来ないが、個別の説明に於いては本発明に先行する上記一連の構想設計法に関る先行発明群(特許文献2〜8)の技術展開を本発明の背景技術に関する公知の知見として参照し、更に先行発明群に共通する電子計算機のアプリケーションソフトの形態を採用した構想設計技法の思考結果の表現形である格子譜と合わせて拡張形・強化形・革新形の機能を有する技術として取り扱うことが重要になるため、上記先行発明群の必要な図面と記述を背景技術として引用・参照する。なお新しい概念を提供する個別の用語に就いて、既存の上記先行発明書内で使用されている部分に関しては特段の追加説明なしに必要箇所で参照する方法を採用し説明の煩雑化を避けている。
【先行技術文献】
【0005】
本発明は黎明期にある新しい社会技術領域に属する技術分野のため思考情報技術及び事理情報技術や意識構造にまで論理を言及した三次元図式表現技術に関わる先行技術が少ない為先行発明群の特許文献を中心にして論理を組み立てる必要がある。論理的な思考及び構想関連の内容の引用は発明者の脳内思考の形成に一対一で対応するものではなく、長年の学習と思索の積み重ねで知識形成された構想力のノウハウに基づく部分が多ならざるを得ない事を指摘しておく。
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】意匠登録 1696155(出願;2019年9月9日)
【特許文献2】特許願 2020−21907
【特許文献3】特許願 2020−21908
【特許文献4】特許願 2020−21909
【特許文献5】特許願 2020−129733
【特許文献6】特許願 2020−129734
【特許文献7】特許願 2021−182868
【特許文献8】特許願 2021−215563
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】デザイン論;『デザイン原論』p180(河北秀也;新曜社)
【非特許文献2】構想力の論理(哲学);『三木清全集第八巻』pp3−13、pp340−378、pp416−509(三木清;岩波書店)
【非特許文献3】脳神経科学;『意識と自己』pp10−308、pp384−404(A.ダマシオ著/田中光彦訳;講談社)
【非特許文献4】意識論;「意識と生命」『精神のエネルギー』pp9−40(H.ベルクソン著/宇波彰訳;第三文明社)
【非特許文献5】科学;『タオ自然学』pp17−50、pp188−195、pp309−338(カプラ著/吉福伸逸他訳;工作舎)
【非特許文献6】科学;『ターニング・ポイント』pp378−384、pp439−480、pp490−496、pp505−508、pp658−663(カプラ著/吉福伸逸他訳;工作舎)
【非特許文献7】自然科学;『量子力学と意識の役割』pp166−207(竹内忠雄監修;たま出版)
【非特許文献8】物理学;『脳と心の量子論』(治部眞里、保江邦夫;講談社)
【非特許文献9】哲学;『哲学入門一歩前』pp160−177(廣松渉;講談社)
【非特許文献10】社会科学;『社会学とは何か』pp153−182、pp217−242(盛田和夫;ミネルヴァ書房)
【非特許文献11】未来学;『断絶の時代』pp5−11、pp223−278(P.F.ドラッカー著/林雄二郎訳;ダイヤモンド社)
【非特許文献12】哲学『華厳教を読む』pp7−35(木村清隆;NHK出版)
【非特許文献13】生命科学;『生命誌とは何か』pp.18−35、pp.249−267(中村桂子;講談社)
【非特許文献14】生命科学;『自己創出する生命』pp.175−217(中村桂子;ちくま学芸文庫)
【非特許文献15】社会科学『文化システム論』pp.133−158(T.パーソンズ著/丸山哲央編訳;ミネルヴァ書房)
【非特許文献16】社会科学「インタビュー(科学と社会技術の未来;吉川弘之)」『社会技術研究論文集 Vol.1』i−viii,oct.2003
【非特許文献17】社会科学「知の構造化と社会科学;小宮山宏)」『社会技術研究論文集 Vol.3』iv−x viii,Nov.2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
目的項の視点からは現代社会が「解の無い時代にある」と評される背景にある思考変数の次元が二元的である事を想定し、1)社会的な課題、2)社会科学領域の技術的な課題、3)社会技術構築に向けた思考情報技術的な課題、の三つの観点で課題を掲げる。これらの内容を把握した上で手段的な取組として三次元思考を扱う思考情報技術を基本にした社会技術による社会科学上の学術確立を通した社会的課題解決への方法論を打ち立てる。本発明が対象とする超社会システムは生身の人間を内包する有機的な社会システムである以上、当事者意識による価値判断が社会の方向性を決める部分の存在を否定できないが、本発明による思考の変数を三元化した理論と技術によって未来への方向性を決める普遍性を有した原理的な枠組と働きを構造化して定式化することで価値判断を伴った課題解決への道筋構築が可能になる。
【社会的な課題】
【0009】
先行発明群(特許文献2〜8)では主として社会的な観点から構想設計法の研究開発による知の統合の促進により知的生産性を向上させる点が強調されたが、本発明ではこれらを吸収した上で社会の動きを規定するプラットフォーム的原理としての物理学理論を社会適用し、社会的な負の部分をタナトス理論に集約して分析し対応策の効果的策定に注力する。つまり成熟化した物余りの時代に於ける経済的な価値が量から質へと転換される状況に応じて物事への視線が相補統合に基づくコト的世界の追求に移行する状況の中で、人の命に直結した課題として「社会の分断」が社会の負の部分として注視されている。分断の元凶は「“今ここに居て”そのまま生きる」の考え方が発する「存在力」が環境変化に対応する「発展力」を阻害して生存力を減少させている現実つまり「変革力(生存力)=発展力−存在力」の社会原理の存在である。基本となる発想は原理的に分断を皆無には出来ないが、その影響を精神のエネルギー発揮による社会的な仕組みの変革と社会技術のイノベーションに拠る質的成長によって克服する事は可能である。様々な状況が引き起こす社会の分断は変革力に関る社会原理の一環として当然の帰結となると認識した上で、課題解決に取り組むに際しての技術環境的な根拠を確立する事が求められる。その結果本発明で追求される適者生存に向かう生存力の理論から抽出される社会技術的な対応論理を社会実装する制度化が学術や教育領域の社会システムを含めもう一つの社会的課題となる。
【社会科学領域の技術的な課題】
【0010】
上記の状況を打開するのが学術的根拠作りであり、社会科学的課題として社会科学(ここでは政策科学含む)の領域での世界観の見直しと知の統合の必要性が指摘され、学術界を挙げて社会技術の方法論の確立が試みられる中で詳細分析は省略するとして「社会の分断が存在する故に知の統合が必要である」とする短絡的な認識に陥る傾向が否定できない。現状の社会科学に於いては非特許文献10が指摘する如く人間の内面の扱いの理論化が不明確である事によりモノ(物)が中心の社会からコト(事)が重視される社会へ転換される時代背景にも関わらず、「事を興す」契機となる人間の外界である社会システムと人間との対等性在る関係性の場つまり「事理の統一的超越場(特許文献7参照)」と称すべき場に於ける異質の融合に関わる人間の意識の扱いが学術的に定式化されていない事は、学術の社会的責任の問題に繋がる懸念が存在する。懸念の主な元凶がモノ的世界観とコト的世界観が基本原理のレベルにおいて相補的に存在している事への理解不足であり、コト的世界はモノ的世界の一部に過ぎないとするが如き認識に学術界自体が引っ張られて状況が観てとれる。この状況を理系のバックグラウンドと政策科学系の文系バックグラウンドとを二重に保有する発明者の学術的体験から実感することから社会の分断現象を根本的なレベルで世界観に遡って見直す契機とした。更に社会の構成員の人格と社会対応力の育成には社会技術の開発までを視野に入れた学術の発展を背景にした教育制度改革への視座が必須になる。しかし衰退と発展の論理から見た世界観の見直しの必要性は25年以上前から提案されて来たが、学術界はこの事の重要性を認識出来なかったか或は意図的に無視して「無作為」の自由を選択したか。社会の分断の元凶はこの様な「学術の失敗」に起因する要素が大きい。社会のリーダー層は学術界が提供する教育を経て社会に参入して来たことを再認識する必要性が指摘される。上記の背景を有する「社会技術」の確立に際して、「社会とは何か」や「科学と技術の在り方」と「知識の構造化と社会の構造化」などに対して例えば非特許文献16や非特許文献17が指摘する様に多面的に追求されているが、その後決定打が示されないまま現状に到っている。社会技術が「社会の設計図」の描写を志向する時の「設計における法則の現実化」が不十分であるのは、逆に「現実の法則化の作業」が不十分である事を示す。つまり意識が駆動する思考の対象である社会構造の可視化が為されないまま法則つまり理論を追求していて学術的な迷子状態にある。この傾向はシンセシス(統合)には生身の人間と知そして物理学との統一的な論理の情報循環を必要とする中で、複数要素による統合の中に空間認識と数学的(数理的)な社会把握の未解決問題が内包されている様相が見て取れる。加えてこの領域の発展の評価基準自体の確立に課題が存在する事も上記で紹介した非特許文献16が説くところであり、本発明の領域評価や登録認定審査の課題にもなる。非特許文献17は「知の構造化と社会技術」の在り方を説いており、「科学と社会の距離の短縮」を意図した学術統合を手掛ける一方で知の構造化の要点として「人、プラットフォーム、表現」を挙げて社会技術に接近しているが、この領域の科学者自身が新しい社会システムの変革に向けたフロントランナーたらんとする意志を示す精神的なエネルギーの発揮に到っていないとの指摘が存在する。2003年と2005年発行の非特許文献16と非特許文献17に加え、日本学術会議(2011年)や社会科学系学会などの社会科学領域における社会理論研究プロジェクト(2015年)でも部分的融合の状況にあり、知の統合に関する社会理論化と社会技術開発は緒に就いたばかりの段階にある。特にプラットフォームへの視座は多面的であるが知の構造化と社会の構造化の二つに大別出来て、文理両面からのアプローチの中で基本的パラダイムとしての「現代物理学、脳神経科学、生命誌、哲学領域である構想力の論理や関係性を重視する華厳教学と老荘哲学など」の領域や「技術=科学*哲学の媒介」の関係性論理などディシプリンレベルのリテラシー拡張までを視野に入れた変革への意志及びニーズ対応への当事者意識の欠如まで多岐に亘る中で未だ解明されていない状況にある。原因の一部は科学と技術の役割の違いの理解不足及び学術の「術」の重要さが社会的なニーズ対応が学術の存在価値を左右することへの認識にあると共に、社会的要求に対応しない無作為つまり学術的分断状況への評価不足も存在する。上記二つの文献は社会技術の背景に社会システムの数理的構造や自律的な個と社会システムが連帯性をもって関係性を築く知と社会の構造化にかかわる論理的構造の把握の必要性を示唆し、これらの構造に加えて関係性の在り方を含めた現実への経験的構造への視座が直観の有効活用と合わせて必須である事が明らかであり学術の分断を救う爲の以下の社会システム的な論理の追求が学術的課題となる。
抽象的な事柄故に実体性が無くてもコト的世界の中で実存性と実在性を有する社会を技術的に表現する為の社会システム構築の理論的な仕掛けとして、意識の働きを有効に活用する「社会単位」の論理を提示して社会システムの理論化を行う中で、社会単位を知の統合の基本要素として構造化すると共に、コト的世界を可視化して表現する為に事(コト)の論理を追求した事理の原理群の発見と理論化を行って事理力学の在り様を説明したのが特許文献7(0013項、0014項)である。その際に本発明の技術分野である思考情報技術に関する体系化(特許文献7図4)を発明の一環として実施して説明済であるが、コト的世界の論理(事理)の理論群に対する体系化までは行っておらず、技術的な面での使い勝手の不十分さは否めない。その結果学術的にコト的世界を扱う際の構想知に関わる論理の超越性を理解するのに時間が掛る懸念が在る。社会単位の存在を人文科学領域の哲学の論理から指摘するのが唯識論領域の華厳教学であり、華厳教学(非特許文献12他)が説く「梵我一如」は社会単位そのものと理解出来る。華厳教学がコト的世界観の下で論理構成しているとすれば、モノ的世界観に立つ唯物論の立場が主流である西洋哲学との対比を社会科学的な観点で理解し把握して対応することが課題である。上記の様な背景を有する思考情報技術を改善する為には構想法先行発明群で発見して理論化した部分を見直して改良を加えながら、個々の理論同志の関係性をより明確にした上で構想知に関わる脳内の思考回路に就いての人間ならではの超越性を把握して要素結合を図る必要があり、まずは特許文献8(図6参照)に拠って「事理の統一的超越場」を明らかにして実用性が高い技術化を達成する道筋が示された。この構想知の超越場はコト的世界の中で理論化されるとして、場を構成して場の外界に影響を及ぼす様々な機能と働きを有する精神の力の体系の下で「超越場」が構成出来ると考えられる。場の外に影響力を及ぼす力を生む精神のエネルギーは様々な形で超越的に力の体系に変換され言葉と行為の形で創発されると考えるのが相対論的に自然である。つまり人間の意識が有する精神のエネルギーが言葉や行為を経て変換され人材や予算など含めた具体的な各種の力(ちから)を生み出す事を意味する。この部分の理論化の要点は現代物理学の知見の社会適用つまり「法則の現実化」であるが、従来の社会科学において人間の意識を内包する超社会システムの定義と記述の方法が不明確であり、「コト」に関するコト的世界観に基づく知的活動(特に事興し)を産業化する為のデザインと経営構想策定に対応可能とする構想力を備える為の方法論に未だ課題が存在する。つまり、特許文献8による事理力学の展開は従来の論理に比して発展的な展開が為されているが上記の課題を全て解決するに至っていない。従ってP.Fドラッカー(非特許文献11参照)が半世紀以上前に指摘した知識社会化の時代要請に未だに応え切れていない。結果として様々な政策や産業の領域・分野に於いて環境変化に対応するための変革に無理や無駄が生じて適者性が満たされない一方で、生産力は語られても予測ではなく人間の意志と意欲の働きに発する精神のエネルギーによる変革力が与える未来社会の水準へのインパクトの本質とその在り方が明示されない。更に唯物論的な発想に準拠する生産力中心の狭い世界観の下での発想に拠って社会技術に関る変革力と生産力の理論的な関係も不明確なままである。つまり経営問題や社会的課題に取組む産業界や個別企業そして自治体・行政体などに於ける様々な不都合に対して対応策の方向性を示す如く社会が複雑化する中で相互関係の増加に起因して複合化する社会的課題のソリューションを獲得する対応策の戦略や政策デザインに関わる構想や経営計画を立てる段階に於いて、意識を有する存在である人間の精神性や心の働きを内包する物事や事態を扱う社会に役立つ新しい概念の学問領域確立に向けて学術的に扱う必要性が知的生産性の議論と相俟って増加している状況と認識出来る。従って上記0001項で示した枠組みを踏まえた上での下記の実用的な技術課題への対応策が、技術開発を契機とした学術的な課題解決への嚆矢となり得る。
【社会技術構築に向けた思考情報技術的な課題】
【0011】
上記二種類の課題の基本になるのが理論的なバックグラウンドを確立した上で社会と知の関係性の下での人間の思考能力を活かす社会技術の確立であり、単なる電子計算機上の情報処理ではなく技術の社会化に向けた人間の思考段階にまで遡った対応力を育成し実行する為の思考情報技術とコト的世界観の下での事理力学の論理に則った事理情報技術の確立である。そこで特許文献8の発明に於いて事理力学の基本論理を構想設計法の記述文法の強化と云う形で格子譜論理に反映させたが、社会科学との連携の中で「社会技術=社会科学*哲学」の狭い世界での展開に終わるのではなく、哲学領域と科学領域の範囲自体の拡張への手掛りを数理的構造化の理論を伴った現代科学の社会適用の形でモデル化することでモデリング・デザイン技法による思考情報技術の正統性の確保が必須となる。該発明では思考情報技術的に一歩踏み込んだ形の構想知の領域においてコト的世界の中で事理の原理が働く要素を吟味しつつ「統合による分析」の手法を駆使して一つの体系として構成することを試みる中で、事理力学の形で構想譜表現した統合力モデル(特許文献8図3)として全体像を描いた上で、事理力学成立の中心となる統合の場として「事理の統一的超越場」の体系化(特許文献8図6)が行われ、これらは事理の統合論理の形を表現する三次元思考の方法論を提供すると共に思考上の情報処理スキルを獲得する為の枠組の定式化した能力開発を提供する技術となる。つまり「事」が物事(モノ=もの・こと;実体性)の要素と事態・事情(コト=ことの状況;実存性)の二つの意味を有する事を理解した上で、事理学(仮称)を物理学との対比で考えるとコト的世界は特許文献7(0013項、0014項)の論考に拠って社会単位、超社会システム、格子譜表現、構想体、構想譜表現、構想設計、政策デザインなど多様な表現的側面を有する必要がある。従ってコト的世界を扱う為にはこれら多様な表現形態を支えながら構想知の領域において思考情報技術と格子譜論理を成立させている事理力学の論理の核心を構成する事理の原理を技術化した事理情報技術の確立が求められる。つまり特許文献8で追求した事理力学の社会適用を受止める為の本発明による「思考感応方程式」の各項の意味を格子譜論理の内容と相補的に対応させる「知と社会の相補統合機能」の確立が実用性向上の鍵となる。事理情報の処理に於ける場と体系の関係は相互作用の関係性を有するので技術的には試行錯誤的な思索の循環の中で技術開発する必要があり、各要素の重みまでを考慮した論理を必要とするので本発明でもその様に扱われる。
本発明の目的項を構成する上記学術的な課題解決への道筋に関する構想設計的な手段としての学問的且つ社会技術的な対応策の基本において、超社会システムに対するデザイン思考を考えた場合の意識に留意した思考情報技術に就いては、構想法先行発明群によって個別の思考情報技術と事理の原理群までは開発され提示済の状況にある。しかし上記の様な社会的時代背景の中で知的且つ有機的な社会システムつまり超社会システム(特許文献3参照)に関るデザイン思考(特許文献2参照)に基づくデザイン論に関して理解を深めた上で該当分野の技術者が利用出来る様な形で構想力を増強出来る様に、まず特許文献8に沿って思考情報技術の上位に事理情報技術に特化した上で階層化設定して客観的かつ体系的に定式化され利便性が高められる事が重要である。更に意識空間の定形化に基づいた知的な世界にある意識・心・精神・知が働く場・事理・コト的世界において事理力学の論理に沿った統合的な変革力を伴った対応策を社会の生存エネルギー水準まで考慮して構想設計する為の目的項を指定する統合的対象論を導く事理情報技術の「革新性」の必要性が判明した。また意識空間の階層的構成法に基づく構想知の事理力学的な統合による未来社会への社会的水準の方向性対応が欠かせない。端的に言えば構想設計対象としての超社会システムを扱う設計技術の体系化と超社会システムの「エネルギー水準」を含めた設計対象の定式化の両方の確立が思考情報技術と事理情報技術の課題である。これらの技術の確立は社会の負の状況を示すタナトス理論を克服した上で、大きな意味でのトータルなQCD面からの知的生産性の向上にとっての障壁を超える為に解決すべき社会的且つ学術的な課題でもある。従って構想の専門家及び専門家のグループに加え普通の担当者でも理解を深め習熟によって操作可能になる道具立て(ツール)として、例えばパソコンの汎用ソフトなどを活用した構想設計用アプリの形態での実現が急務である。一言で表現すれば思考を記述する図3の格子譜機能に表現力を組込んで格子譜論理を組み立てる表現技術に関わる先行発明としての深化型構想設計法ADDiD(特許文献4の図3〜図6)の基本形文法及び特許文献7(図19)と特許文献8(図7)との記述文法群による技術的な拡張形・強化形に本発明による「革新形」の文法展開を加え、コト的世界の事理力学の論理で補完した相補統合記述文法の形で完成度を高める必要がある。そこから学術的・社会的な課題も克復可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を受止める上で重要な事は「社会とは何か?」の理解であり上記の社会技術的な扱いの中で超社会システム表現への視座を指摘したが、更に思考情報処理における「法則の現実化」の観点で脳神経科学の理論的知見である意識の論理と統合に関する認識力を説く哲学(カント由来;非特許文献文献2参照)を導入して意識特性を「感性、悟性、理性」の枠組で把握し直しておく。学術が扱うべき社会は実在する社会の人間の脳への写像である学術単位の形態つまり華厳教学(東洋哲学)が説く「存在するものは全て心の表れである」とする前提の下で、社会像の展開を意図して意識特性がもたらす社会認識の経験的な尺度として特許文献6(0020項他)や特許文献7(0014項など)と特許文献8(0011項等)で導入して説明済の「実体性、実存性、実在性」を使って知の構造化に必要な社会の構造化の軸を非特許文献17が知の構造化要素として挙げた「人、プラットフォーム、表現」対応の要素を手掛りとして格子譜論理(本発明図3注4他)を参照しながらパイオニア的に示すと、
(1)知の感性軸及びその社会的・経験的尺度の実体性が構造化要素の「表現」の項目として理解されて「個の意識を起点とした構想の実現を表現する」に代表される格子譜論理に結び付くと共に社会に対する想いを形にして表現する為の構想設計(デザイン思考)が示す「ミッション・コンセンサス・コミットメント」による人間の意志表現の意味を有する要素となる。
(2)知の悟性軸及びその社会的・経験的尺度の実存性が構造化要素の「人;人間と知」の項目として理解されて意識のトライアングル理論に基づく記憶機能の働きにより「超時間的な概念形成の機能として知の追形成・現形成・先形成」を担う中で構想知を媒介にして脳内情報を外部から見える形式知へと超越的に変換すると共に、社会に対する構想設計の基本である「命の論理」を伴った生態系の論理を組込む形の「社会的記憶の覚醒(コンテクスト)・未来進化戦略(エンゲージメント;記憶の操作)・記憶の書換(コンセンサス)」による人間の悟性に関るトランスパーソナルな人格の精神性の働きが超時間的に駆動する事情表現を意味する要素と理解出来る。なお精神性の位置付けに関して人間の人格の枠組を三元的に理解すると「身体性、実在性、精神性」で構成され超社会システム(特許文献3の0016項)で説明済。
(3)知の理性軸及びその社会的・経験的尺度の実在性が構造化要素の存在と思考のベースとなる「プラットフォーム」の主要項目であると理解され更に「モノ的世界とコト的世界の相補的な統合」に代表される環境変化への対応力と生存力に基づく「社会は“つくる”もの」を示す精神のエネルギーが創発する生産力と変革力の合成が示す生存エネルギー水準が構成する社会的なエネルギーバランスの在り方の理解(図8、0023項)に加えて、意識のトライアングル理論の知見を社会適用して拡張展開した自己意識・当事者意識・連帯意識から成る意識の階層構造を基盤にした構想譜表現のハイパーネットワーク構造までを組込んだ意識の統一場・意識の超越場・当事者意識・知の統一場のヘリコイド・ダイナミック(特許文献8図5、図10参照)を基軸にした「個の意識と社会システムとを連帯的に結合する社会的関係の場」を構成し、三軸の交点は「真の実在」つまり物事のアイデンティティを示す。なお実在性の論理は「太陽律(ビッグバン由来)、オパーリン律(発生論由来)、ダーウェン律(適者生存則)」に基づく「命の原理」を核とする「生命、人生、地域、文明」に対するプラットフォームの原初を規定する。
の定義が可能になり、付け加えれば知の統合の基本構造として「知識=感性*悟性、知性=悟性*理性、知匠=理性*感性」の論理を三次元構成図で描く特許文献7(0013項と図3参照)までを視野に入れて知と社会の構造化の概念を構築した。超社会システムがコト的世界観の下での有機的な社会システムである事から構造化要素とされる「人」は意識・精神(エネルギー含)・心・知などの要素展開を通して他の構造化要素とも関連が、この点への理解不足がモノ的世界に留まる社会科学の弱点である事を再認識して発明を進める。更に「社会」を意識が構成する軟構造運動体の知の相補統合の「形」として理解して超社会システムを認識することに依って「法則の現実化」が図られ、格子譜論理を用いる事で精神のエネルギーを言葉の意味に込めた要素内容記述を伴った図式表現が可能になり以下の発明過程に繋げる。
本発明の図1は課題解決の手段と実施形態構成の過程をフローチャートで説明する図であり八つのステップから構成される。ステップAで「モノ的とコト的の意味理解」をすることで本発明の前提の全体像を確認し、ステップBで「コト的世界の把握」を図式表現の下で多面的に行ってステップAのコト的な部分を再確認し、ステップCで「コト的世界の特性と表現」について具体的な特性を理解した後で意匠登録された格子譜の論理に従ったコト的世界の表現法のイメージを固め、ステップDで「コト的世界の構成理論(構想知の理解と定式化)」に就いて思考感応モデルとしての図式的な定式化を進めて構想知の理解を深め、ステップEで図式化を伴った「思考情報処理環境の把握」による脳内の思考の結果としての社会知の組立と外界における自然知の役割を具体的な形で明らかにし、ステップFで「コト的世界の思考情報技術の再確認」をする為にステップEの結果と先行発明による知見とを照合して思考情報技術の在り様を再確認することによりA〜Fの六つステップに於いて課題解決の手段を構築した。この結果を反映させてステップGに於いて「事理力学の理論と作用体系」を知の相補統合機能に集約して確立し本発明の理論を構築した上で、ステップHにおいては三つの実施例の提示によって発明の実施形態の理解を深めた。上記の結果として構想法先行発明群で提示された構想設計法の社会理論への適合性と有効性を高めるべく為されるところの個の意識と社会システム及び両者を結び付ける社会的関係の場との三元要素構成を有する有機的な社会単位を構成単位とする階層構造或はハイパーネットワーク構造を為す社会的な物事及び事態とその背後に存在する事情に対応する社会的課題解決に向けた技術的・学術的な対策を構想して事業化する目的を持つ意志と意図に関わる意識が司る精神のエネルギーの働きの存在を想定した上で、目的達成の為のニーズに対応した事興しの道筋を示す構想設計の対象となる社会事象に関する知的作業として事業構想・戦略策定・地域デザイン・政策デザイン・人生設計・学術体系構築・知の統合・社会の設計図等の人間の知的営為を思考感応方程式よって論理表現する超社会システムの構成単位である社会単位に対して、該社会単位の生存エネルギー水準の適者性を確保する為の構想を描く如く文理融合のデザイン思考論理及び事理の論理に従う当事者たる個或いはチームの意識を起点とする三次元思考に基づく思考情報技術と事理情報技術から成る格子譜論理に基づいた構想知を構想譜に図式化して描く構想設計法の技術的な方法論の構築を意図するものであり、その為にモノ的世界観とコト的世界観の融合的プラットフォームの下に於ける連帯型社会の考え方を核にした個つまり個人或は個別チーム(共に有機体)の意識と社会システムとを結びながらこれら両者の間の情報の授受を行う相補統合特性を有する知的な関係性の場から構成されるところの思考情報特性を有する連帯型の超社会システムとしての当事者間の共同構想からなる構想体モデルを想定した上で、該構想体モデルを記述する機能を備えた所与の条件としての格子譜と該格子譜の相補統合記述文法を予め設定して表現する如く作用する思考情報技術と事理情報技術及び表現技術を社会技術に定位した手法を適用して相補統合を為した上で社会的な物事に対する構想内容を図式化して構想譜を描くことを可能にする事で構想機能付き電子計算機のアプリケーションソフトとして働く汎用図表作成ソフトによる構想結果を表現する構想譜の深化型構成法を構成することを特徴とする適者生存則に沿った知の統合効率と知的生産性向上を可能にする知と社会の相補統合機能を有して成る深化型構想設計法TaDDiDが構築出来る。
【0013】
ステップA「モノ的とコト的の意味理解」に於いては、必須故に技術と切り離すことが困難なことから上述の技術分野(0001項、0002項)及び背景技術(0003項、0004項)の説明部分に於いて「例によるコト的意味の具体的な説明(構想の本質)」を提示済である事を再確認した上で例示として三元性,空間と時間の二義性、電子計算機/AI(信号伝達速度、決定論的)との違いを再認識し、「自然知と社会知の論理と思考情報技術(社会考学の展開)」及び「社会知を前提とした先行発明群の分析と訂正項目」を技術の内容説明と併合し明かにすると共に技術的な課題(0011項)を設定した。合せて物理原理を事理力学に変換する部分も説明してコト的世界の総合的な認識を物理学の原理と思考情報技術を定義する。
【0014】
ステップB「コト的世界の把握」では単なる技術説明から視点を変えコト的世界のプラットフォーム性を多面的に定義する為に、細部ステップB1)「モノ的世界とコト的世界の比較」を基本的な比較を行う図2を提示して社会の分断と相補的融合を定義し相補統合機能の運動方程式を中心とした生産力と変革力の水準論に言及する。まず図2「モノ的世界とコト的世界の比較(分断と相補的な融合の定義);基本形」は「人間が人間らしく生きる;物事の物理学的な姿(自然知)と考学的なかたち(社会知)の超越的結合」を示すものであり、モノ的世界とコト的世界の各項目を相補性/相対性を媒介とした連結論理によって相補的に結び付ける有様を表にした分類の下で比較する。比較の細部項目は1)現代物理学の論理、2)相対比較の論理(Logによるレベル表現)の意味は既に上記0001項において説明済であり、3)人類の在り方に関しては生命誌と知的社会の視点で比較し、4)社会的関係力学の根拠は細部区分としてのa)関係性の形態とb)社会適用の論理を掲げ、5)意識のトライアングル論と認識論では思考情報への展開を意図して細部区分a)意識論で外界・脳・自己の三元比較を行ないb)意識の認識論を感性・悟性・理性の特性で比較しながら分析を行った。これ以上の細部説明は図2をなぞるだけになるので省略しても内容の定義と理解に差し支えないと考える。次に細部ステップB2)「科学的知見の社会適用の理論化の必要性;文理融合」について、図2細部項目1)現代物理学の論理が人間の認識と行為を媒介にした文理融合の論理に従って社会の動きに転換される必要性を再確認する。この再確認の問題はモノ的世界を支配する力が物理学の示す古典的なニュートン力学の論理である事の認識如何であり、通常の社会現象は古典物理学の原理で説明できるとする理解である。日常的には力学の原理が精神の力に直接影響しているとの認識は顕在的では無いとしても社会現象の中で古典物理学が説明できない事柄の増加の指摘であり、社会的課題である「社会の分断」がその一つと言える。この論理の一端は上記0003項で説明済であるが、人間の意識・心・精神の動きは現代物理学の量子論や相対論の導入無しでは解明できないことの認識と行為に関るものであり、社会に於けるコト的世界が人間の内面の在り方と直結する以上現代物理学の基本原理に関する知見自体を人間の知性と言葉や行為を通すことで社会的行為が発生する事を認識した理論化が必須となる。この部分は技術哲学の領域に属する性格が存在し新しい思考情報技術を確立して社会技術化する手掛かりとなり、上記の仮説的な考え方を基本原理の社会化つまり「社会適用」と称する。ここで「変革力F=Ea/c(2乗)=運動エネルギー*加速度*存在力」において、変革力Fの値は「F=1、F>1、F<1」の三態が想定され、問題となるのは「F<1」の衰退モードである。変革は「形」として運動するシステムの存在を賭けて定常的に行われるが、変革力が「1」より小さいと累乗的に逐次減少し時系列的にみれば「衰退」を意味すると理解出来る。これは物理的な原理であるが、この事実は社会的な事柄でも全く同じ連続線上に存在すると認識できる。「F>1」の場合は変革が累積されて発展モードとなるのは明らかであるとして、物理量Fを人間が感じることは難しい。精神のエネルギーや精神力と称される力である生身の人間が発揮する変革力に就いて、意味のある理解を進める事が必要である。その理論的媒介になるのが次の細部ステップとしての細部ステップB3)「情報伝達の観点に於ける光速が持つ力と精神の力の関係分析」である。上記0001項において予め説明済の変革力FのLog化に拠る感応情報化の手続きつまり上記(0001項)「思考感応方程式」の案出及び考速b=ncで定義する光速つまり電気信号の伝達速度の有機体神経内の電気信号による思考の伝達速度の設定が精神の力を評価する際の考え方であり社会適用に繋がる以下の理解の仕方となる。
【0015】
ステップC「コト的世界の特性と表現」に於いては上記二つのステップの定義を前提に、まず細部ステップC1)「思考情報と事理情報との違い」に就いて図2からの展開である図4を中心に把握し更に後述する思考情報技術の社会適用を試みた図9の相補統合形と図16の政策形に展開される。これら四つの図式の性格は現実世界の知と社会に於ける状況の比較分析データの意味を有し、社会適用の学術面での切り口を明かにする図4「モノ的世界とコト的世界の比較(分断と相補的な融合の定義);考学形(社会系学術の形」では思考感応方程式の有機的な社会知の論理特性と社会的関係力学の学術的表現(学術単位)に就いてのモノ的世界とコト的世界の比較による意味の解明を示している。図4は図2基本形のからの論理展開であり、A)「有機的事理学の物理的論理の定義のまとめ」の項目による図2との連続性の確認に続くB)コト的世界への変革力の方程式(思考感応方程式)では「モノ的世界の要素」と「コト的世界の要素」とを「融合論(連結論理)」によって比較論的融合を為す如く比較項目を設定し、1)相対比較の論理つまり変革力の水準表現系の論理、2)哲学的な社会知の構成論理、3)学術観の展開、の各項目に就いて細部の比較展開を行うことで学術的な意味の把握と確認を行もので内容的な細部は表の各項目内容が説明そのものである。なお図4の注2で示す考速bの背景には人間の存在力を示すb=nc=nxルート(E/m)の論理(x;乗算)に留意する必要があり、「存在のモノ的な性格を隠喩する」の項目は、変革力Fには質量mが含まれないが人間の脳が認識する思考の形として悟性の働きにより軟構造の存在を示す運動体としての「形」がある事を認識し理解する事の重要性を示唆する。このb=ncに於けるc=ルート(E/m)の隠喩つまり質料とエネルギーの等価則を把握出来る認識と理解こそが人間の脳の「超越的な存在力」を意味すると認知する必要性を示し、物理空間から意識空間を経て思考空間に「空間転換」出来る人間の思考能力の発見とも言える。まさに「我思う故にわれ在り;パスカル」である。図4を社会適用の準備としてのコト的世界観の下での事理に特化した「考学形;社会系学術の形」と称する理由でもある。ここで考学形は上記(0004項)で定義した社会技術を核にする社会考学の領域を意味する。社会適用の言葉による具体的表現は格子譜論理に基づく構想譜によって為され、細部ステップC2)「表現方法としての格子譜(意匠登録)の役割」について、図3「格子譜(意匠登録)の有機的システム表現形;コト的世界を表現する格子譜理論」を本発明の与件として確認する。また図3は格子譜の意匠としての原型から展開する超社会システムモデルの言葉による記述文法の働きを多面的に記しながら注書きを加えた形で実用化への理解を容易化した説明を付加した実用表現である。同図注2に記した座標表現の意味は一般的な二次元グラフ表現に於ける座標と同義であり、行為網要素(z)と基盤肢要素(x、y)の基本的な関係はz=f{x(時間軸)、y(空間軸)}の式による座標概念的な表現を意味する。構想法先行発明群においても常に使用される表現法であり、表現法の累積的改善の中で格子譜論理の有効性の検証の役割を担う。格子譜は実社会の階層構造を表現する如く重層的なフラクタル理論やハイパーネットワーク理論を吸収する機能を有する事や格子譜の表現モードが設計モードと記述モードを有する事は特許文献4で確認済である。更に時間と空間との社会的関係の場が構想体のアイデンティティを示す「真の実在」を核にして構成されると定義する社会単位の意味の中に、社会単位の存在自体を保障する社会のホメオスタシスが存在する事を認知する社会知が必須との気付きが求められ、そこから構想自体の存在価値が担保される。図3上部の一点鎖線内に構想法先行発明群から得た留意点に加えて補足説明される如く表現軸の普遍的価値化が必須であり、時間軸*空間軸*関係性軸を物理的な三次元座標軸とする「先験的な場」の表現に於いて特許文献4(0022項)でも触れている三つの表現軸自体に普遍的な人類共有価値の文明軸尺度として「時間軸=持続可能性」、「空間軸=快適性」、「関係性軸=連帯性」の論理を設定し定義した上で論理的な尺度に基づく共有価値としての健全性・正統性・本質性の特性を有した形をもって合理性と合目的性を確保して適合させる事で、構想設計の技術的尺度で構成される共有価値としての適合性と有効性及び安全性を確保することが可能になりこの論理を社会技術分野に於ける「社会のホメオスタシス理論」と称する。ここから格子譜が表現する超社会システムの各単位の実在性が保証されることが判る。なお共有価値の体系的記述は後述する図17の中で追証的に説明している。
【0016】
ステップD「コト的世界の構成理論(構想知の理解と定式化)」では、細部ステップD1)「コト的世界観の意味を構成する構想知」を図式化した思考感応理論モデルとして図5が示される。図5では自己の内面と外界とを融合する脳内ワーキングメモリ(作業記憶)の超越力の働きである構想知理論を構造化して描いており、思考感応方程式の理論的解明から適者生存理論(ダーウィン律)を図式で理解出来る。図5において物事の思考的根幹を事実の認識においている。事実は格子譜論理の根幹であり、基盤肢は「当事(事に当たる;当事者意識)、事情・事態・事興し・事業」の各要素から構成されて思考の流れを支えている。事情(過去・現状)と事興し(未来)の要素は時間軸(When)をそして事態(有様の知的把握)と事業(行為)の要素は空間軸(Where)を為すと理解出来る。また構想過程である脳内思考の流れにおいては物事に対する「コンテクスト、エンゲージメント、ミッション、コミットメント、コンセンサス」の物理的な操作の要素が思考の基盤を為している形として理解出来る。更にワーキングメモリ(図5注4参照)による思考の流れは「事象に対する心象、表象(構想知領域)、形象、具象」の思考行為網である構想過程を経て格子譜論理の深層を為して構想知を構成しており、特許文献8(0012項)で説明済の社会単位を形成することでプラットフォームとしてのコト的世界を思考情報技術化する。構想的な時制としては「表象(追形成;過去)、事象(現形成;現在)、形象(先形成;未来)」の超時間的認識が認められる構想語の役割を示しており、作業的には形象のフェーズにおいて変革力が発揮され格子譜論理に基づく構想譜の形成論理の定式化に結び付く。つまり図5は構想設計に定位される構想知の理論的な裏付である。
【0017】
ステップE「思考情報処理環境の把握」においては、細部ステップE1)において模式図で示した社会考学モデルとしての「思考情報処理環境の把握」が図6によって為されている。図6は当事者意識(図7参照)による超越的脳内処理の空間論と機能論の模式図的理解の骨子を表現したものであり、個の思考感応情報を扱う前提としての人間の身体性・精神性・実在性・魂の存在の理解を構造上の前提として描いている。人間の頭脳内の思考過程は全て解明されている状況にはないとして、構想設計法を確立して手中に収める我々の目的からは現在判明している理論に体験上の仮説を加えた形で「思考情報処理環境」を把握して理解を深化させることが必須である。別の言い方をすると、当事者である構想設計者が当事者意識の下で自己の脳の働きを自分で覚知して認知する事を意味するので非決定論的なアナログの世界でもある。この事を主観的と限定する事は誤りであり、技術の普遍性で客観性を確保する。図6の理解には十個の注書きのフォローと脳神経科学(非特許文献3参照)の知見を基本にした当事者としての自己の脳機能の動作認識が求められる。該当事者意識を別出しにして分析・把握するのが細部ステップE2)「生存の所作を担保する人格と当事者意識の知の駆動力構成モデル」として図7が示すモデルであり、この図は特許文献6(図11と0026項参照)及び特許文献文献7(図6と0012項参照)を引用し加筆して再掲した。図7は超社会システムに於ける個の実在と連帯意識の作用を前提とする精神的活力の世界を描いており、「当事;事に当たる」に就いて自己の精神性と身体性を超えた新たな連帯的世界を創造する有機体的な実在の論理を確保する行為と理解する。当事者意識を有して変革と課題解決につながる「事興しに当る人格」つまり当事者は、外界との超越的な関係を扱えるトランスパーソナルな人格を有して外界との間で連帯的な自由と対等の形で折合いを付けられる意識の下で、問題意識の醸成、意識的観察の促進、変革意識の誘起及び連帯的活動意識の発動を伴って連帯的共生の論理を駆動できる精神のエネルギー(精神的活力;バイタリティ)を有すると考える。本発明図7中の上部一点鎖線で囲んだ「あるべき姿の認識と設計」の各項目の意味する事柄もこの精神的な活動力に発する思考情報技術の駆使とエネルギーの注ぎ方に繋がる。次にステップFで思考情報技術の多面的な扱いを確認しておく。
【0018】
ステップF「コト的世界の思考情報技術の再確認」を行うとして、細部ステップF1)「事理情報処理環境;図6」を想定した状況に於ける技術構築の展開は既に先行発明群の中で実行しており、以下の三つのケースを直接再確認出来る。まず特許文献7の図7「コト的世界の思考情報技術体系」に関しては、思考の構成・機能・働きの見える化として意識空間に於ける思考と記憶のモデリング理論を図式的に展開し、次に特許文献8の図3「事理力学の思考情報技術体系;構想譜表現による社会単位モデル」においては実体的な物事の背景にある光の世界の実存性を前提とした自己と外界の関係場の実在的な事理情報世界を社会単位モデルとして定式化して構造化・可視化した「統合による分析法」の前向きの「光の論理」への適用を図った。更に特許文献8の図6「事理の統一的超越場;有機的技術統合モデル」において、モノ的世界とコト的世界の相補的統合(社会単位の場と力・エネルギーの事理情報論理)を図式表現し、人間の精神エネルギーの産物と見做した「有機的技術統合モデル」として定式化し、これらの思考情報技術は本発明を実施する手段として深化型構想設計法の記述文法に既に組込まれている事を再確認し上記本発明図6の中核を為す当事者意識の構成は図7で解明した。上記ステップAからステップFまでの与件と手段を駆使し、特許文献7の図4を参照し一部用語を本発明の論理に向けて修正しながら本発明書図8で事理力学における統合的な力の方向性と社会の生存エネルギー水準の関係を明らかにした上で、図9が示す有機的な事理の原理とその展開を確認して相補統合形論理の細部構造を定式化して特許文献8の図4に対して本発明書に拠る数理社会単位モデルの論理を加えた本発明書図10で社会の負の情況を分析するタナトスモードの統合診断モデルを構築しながら、図11と図12でタナトス情況を脱する為の思考感応方程式を展開した数理社会単位モデルの解の超域構成モデルとその中心を為す精神的調整力に関わる超知モデルを明らかにして生態系サイバネティクス論を構築した後で図13において上記ステップの革新形論理を組込んだ相補統合形の記述文法を規定し図14と図15に依って上記の図式とその論理と機能及び相補統合記述文法を適用した構想設計装置のブロック構成と知の社会の相補統合機能までを明らかにする手順形態に基づいた本発明の実施形態の詳細を描き後述するステップGにおいて「知と社会の相補統合機能」の実施形態を確立することで、モノ的世界観とコト的世界観の融合の下に於ける連帯型社会の考え方を核にした個つまり個人或はチーム(有機体)の意識と社会システムとを結びながらこれら両者の間の情報の授受を行う知的な関係性の場から構成される思考情報特性を有する連帯型の超社会システムとしての構想体モデルを想定した際に、該構想体モデルを数理社会単位モデルの展開形として記述する機能を備えた所与の条件としての格子譜と該格子譜の相補統合記述文法を予め設定してモデル表現する如く作用させる思考情報技術と事理情報技術を社会技術に定位した学術的な手法を適用して知と社会の構造化の相補的統合を為す事により社会的な物事に対する構想内容を図式化して構想譜を描く事を特徴として備えた構想機能付き電子計算機のアプリケーションソフトとして働く汎用図表作成ソフトによる構想結果を表現する構想譜の構成法を構成する事で社会単位/政策単位・学術単位の形で知の統合効率と知的生産性向上を可能にする知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiDが提供可能になる。
【発明の効果】
【0019】
物理学に準拠したコト的世界を表現する心と社会の運動力学に基づく方程式群が表す「知」の形である数理社会単位モデル及び「社会」の現実をデザイン思考と覚知に拠る認識の下で可視化した形としての超社会システムの表現原理である格子譜論理に基づく構想譜で表現する構想体モデルにおいて、これら二つの知と社会を代表するモデルによる表現力等価則の定式化に基づいて「現実の法則化」と「法則の現実化」の両方の命題が満たされることが判明したことで、知と社会の構造的な相補性か確かめられ知と社会の相補統合機能が定義出来た。そこから社会的分断の本質解明は学術的分断の修復に関わってコト的世界観の下で可能になる事が判明する共に心の運動力学を社会適用して導かれる思考感応方程式を解く事で社会及び学術の分断の論理が解明され対応策に組込まれるべき社会的論理の基本が解明出来た。また分断を乗り越える為の生存力を社会的なエネルギー水準の論理で理解する事が可能になる事で、多変量解析などの分析手法の活用によって思考感応方程式が文明的な発展と衰退のモードを解明する事に資する事も理解出来て様々な社会形態論理のもとで文明論的な社会の理解も可能になった。文明論への展開の可能性からは当然ながら世界平和の道筋を理論的に追求する方向性が視えて来たので、現代物理学の特殊相対性原理が招いた「核の脅威」を「心と社会の運動力学」を用いた社会と文明の観点から解決する道を拓く事を東洋の哲学である華厳教学が説く共存の論理を適用した科学と技術の責務遂行の論理が得られたことから確認できる。更に物事の「存在力」の働きの源泉が生存の為の関係性の在り方としての「支配や取引」の形を選んだことによる作用への対抗策についても、これを社会的な格差や脅威等の元凶と認めた上で連帯的な対応としての社会的変革力を数理社会単位モデルの論理に従って発揮することで、強権的な支配や取引の論理の負の部分を抑制する論理も発見出来た。逆に社会的な変革力を作用させないと支配や強権的取引の論理に引っ張られて負の社会へ移行する可能性が高まる論理も判明した。また社会的課題解決の道に量子論と相対論の物理的原理に準拠する新しい選択肢が出て来たことにより、学術的な新し枠組み構築の可能性も高まり上記で指摘した学術的な意味を有した課題解決への道が拓かれる。
この成果によって上記の「社会とは何か」の理論化(0012項)で言及した知の構造化の基本となる社会の構造化の三要素とされる「人、プラットフォーム、表現」を論理展開した手段構成の鍵となる機能を明示すれば、まずプラットフォームの基本表現原理が質料mを有しないコト的世界観の下での社会変革力F=Ea/b(2乗)であり、次に人の要素の代表原理がLog表現で有機化した人間の感応概念を導入した精神のエネルギーを表現する思考感応方程式LogF=LogE+Loga−2Logbであり、更に表現要素の鍵が思考感応方程式の展開形を図式表現する格子譜論理で構成され、これら三つの要素が横断的な統合化機能を有して全体が相補統合される社会理論が「表現力等価則」の下で定式化され組み上がった。なお思考情報技術レベルの効果は先行発明(特許文献7;0016項、0017項参照)の説明の内容と共通面が多いが、事理力学を適用する技術面と学術面に対する細部効果は次項以下で列挙される。
【構想設計に関わる社会技術的な効果】
【0020】
第一に構想設計に相補統合記述文法による構想譜表現を適用した社会技術的な効果が指摘でき、背景として思考情報と事理情報に関る社会技術を生み出す思考情報処理環境が定式化されることで構想を扱う当事者が自らの思考の流れを社会知の形で把握する事が容易化して知的作業の全体像をイメージし易くなった事を思考の駆動力増強に活用する効果に加え、モノ的世界とコト的世界の相補的統合の論理確立とその展開によって特許文献6(0021項)に於ける意識の働きによる精神のエネルギーの役割が本発明に基づく事理の原理から得られる思考感応方程式の展開である数理社会単位モデル及び事理力学的な社会の生存エネルギー水準の論理が格子譜論理における「基盤肢*行為網*真の実在」の三元論理と連続的な同根性を有する発見的根拠に基づく構想譜表現に資する新しい概念が案出されて構想譜上でのコト的世界の記述と表現に関る社会技術の「法則の現実化」の点で効果的な前進が出来た。第二に構想設計の中で社会技術としての思考情報処理の思考対象となる生身の人間が係る社会的な物事の病理(社会的傷病)に対する「診察、診断、正否両面の処方、変革設計、効果の予測評価」の各技術フェーズを横断的に扱ってシームレスに遂行する「社会診断」が可能になり処理効率の向上が期待出来る。第三に社会の負の論理としてのタナトス理論を打ち消す如く働く革新的要素としての精神のエネルギー発揮による変革力の論理の定式化が社会の生存力を示す超越的な社会エネルギー水準の在り方を決定付ける論理の把握と数理社会単位モデルの把握により、社会構想への人間の関与の役割の重要性を示唆する事が判明した。つまり社会の分断や脅威への対処法に関る原理的な論理に遡る技術的な根拠が得られた事から社会的な物事の領域を考慮した適切なテキスト化やマニュアル化による教育と訓練を経る事によって、特別な専門家に加えて課題に関心を有する一般的な担当者が適合性と有効性をもって構想設計に関れるノウハウ確立が為り組織の大小に関らず課題となる事柄への変革の着手が容易化され社会の礎を築く障壁が低くなる。第四に「事理力学の原理(プラットフォーム)、思考感応方程式と数理社会単位モデル(人)、基盤肢*行為網*真の実在からなる格子譜論理による図式化(表現)」の三者が知の統合性の上に社会の統合性を示して技術的な統合的等価性を有する事から「現実の法則化」への確信が得られた。
【学術的な効果】
【0021】
社会技術の必要性を説く非特許文献16による一連の論理展開の中で「外堀は埋まった」と称する事を認めるとして、以下の点で次段階となる「内堀を埋める」作業に向けての手立や道具建への言及が皆無に近い事への理論的な対応論が本発明に於いて確立出来た。解明した学術的に解決すべき主な点を再掲すれば以下である。
a)世界観と社会観が示す哲学的且つ論理的な構造性の下で、量子力学と特殊相対性理論に準拠する「知」そのものを理解し把握しないと知の構造化は難しい。
b)社会の基本構造とシステム的な意味の把握が未達な為人間の機能や役割の位置付けが不明確になり、意識への視線が乏しく関係性への言及が欠如する。
c)知と知識及び情報が混同される場合が多く、「知とは何か」や「社会とは何か」の分析に基づく知的作業の対象論が薄くなって核心に迫る論理が展開出来ないことから内堀を埋める材料や方法論が不足しており、この事への認識にも分断が在る。
d)「構造化の意味論」が欠けているので単に必要な要素を挙げるだけでは先に進めなく、思考方法の三角形を説いただけでは現実社会に対する“つくる”を解くデザイン思考と構造化を支える思考・思索の尺度の三次元化の発想に到らない。
e)新しいシステムを“つくる”為の構造化に資する新しいパラダイムに注視されていないので、内堀を埋めて本丸を攻略する道筋が見えない。
本発明ではこれら五つの課題が残っている理由に論者等に統合論理追求の作業に必要な現代科学の知見と社会技術的経験の問題が指摘出来る中で、本発明の考案者が内堀を埋める為に実務的経験を活かす事で課題解明の手掛りが提示された。課題を攻略した上での特筆すべき点として、脳内の思考情報処理環境の構想設計上の定式化によってまず現実的な物事に対する知の範疇である自然知と社会知の役割分担を明確化すると共に、知の形態としての人間の脳内の暗黙知・構想知・形式知の思考処理情報の流れ及び特性の本質的な把握と理解が為されて構想譜の意味と構想語の表現力が認知できた事で、構想設計作業の為の必要な思考や思索の深化による知的処理を統合的に行う為の理論的な枠組みである「社会考学」へ手掛りを獲得出来て「現実の法則化」の手掛りが得られた。一方で技術的な観点で超社会システムの関数表現形(数学的構造)である思考感応方程式の発見とその社会適用論理の確立によって社会考学の基礎となる社会技術の機能と基本構造が判明して応用への道が拓かれたので「法則の現実化」の方向性も確立出来た。その要因は思考や構想の対象となる「社会」を単なる知識としてではなく知の統合そのものと認識した上で、社会システムから超社会システムへと本来在るべき姿を直観的覚知によって把握し、哲学と科学の知見を総動員しながら物理学的な基本原理の下でコト的世界観を躊躇なく導入し理論化して技術開発した事にある。また精神のエネルギーと社会の生存エネルギー水準との社会適用に関わる等価性は、社会的課題に対するタナトス理論と社会診断法への展開を可能にし、診断の処方を生態系サバネティクス理論の下で調整出来る事を明らかにする学術的な可能性への誘導を確保した。なお思考感応方程式の解となる数理社会単位モデルによる数理構造表現と格子譜論理が示す「相補統合的な場=基盤肢*行為網*真の実在」の理論との「表現力等価則」の定式化は、統合の論理である覚知・構想力・統覚で構成される認識力三態に従って「社会を在りの儘に写し取ることの重要さ」を示唆しており、社会科学領域に於ける今後の学術的理論進展に資する事柄に特筆される。この事は華厳教学の科学化つまりコト的世界への展開を意味しており、「社会単位」は社会的な物事に対する当事者の関心によって規定される社会を在りの儘に認識して把握する「梵我一如」との論理的等価性を有する学術的根拠を提示する。上記の結果「現実の法則化」と「法則の現実化」の両面での論理成立を検証出来た。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】「コト的世界理論の発明過程」のフローを示す図
【図2】「モノ的世界とコト的世界の比較(分断と相補的な融合の方程式);基本形」の図
【図3】「格子譜の有機的システム表現形;コト的世界を表現する格子譜理論」の図
【図4】「モノ的世界とコト的世界の比較(分断と相補的な融合の定義);考学形」の図
【図5】「コト的世界観の意味を構成する構想知;思考感応理論モデル」を示す図
【図6】「思考情報処理環境;社会考学モデル(模式図)」を説明する図
【図7】「生存の所作を担保する人格と当事者意識の知の駆動力構成モデル」を示す図
【図8】「事理力学に於ける統合的な力の方向性の構成(主図と補図A、B)」を示す図
【図9】「格子譜論理によるモノ的世界とコト的世界の分断と相補的融合の定義;相補統合形」を示す図
【図10】「タナトスモード社会(偽の実在)の統合診断モデル」を示す図
【図11】「課題解決を構想する思考感応方程式の解の超域構成モデル」を示す図
【図12】「思考感応方程式の解に繋がる精神的調整力の超知モデル」を示す図
【図13】「格子譜の革新形記述文法と相補統合記述文法」を規定する図
【図14】「構想設計装置のブロック構成」を示す図
【図15】「知と社会の相補統合機能;哲学を媒介にした知性の構造的理解と表現尺度」を示す図
【図16】「社会変革を目指す分断と相補的社会変革融合の例示;政策形」を示す図
【図17】「コト的世界を拓く社会知の解剖学的構成の構想;政策学提案モデル」を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1で示したステップG「事理力学の理論と作用体系」の構築は上記六つのステップA〜Fで説明した課題の解決手段を用いて発明として実施する中核的ステップであり、細部ステップG1)では構想対象である構想モデルの事理と社会を結ぶ論理を確立する為に生存エネルギーに関る図8「事理力学に於ける統合的な力の方向性の構成」によって、社会の生存と適者生存則を受止める進化の原理をもたらす「心と社会の運動力学」の図式的解明を行なう為に事理情報の原点となる精神の力に基づく生存エネルギー水準の理論的表現を図式で示す。構想設計に於いては図8注5と注6に留意する。補図Aでは生産力と変革力による場の力とエネルギーのベクトル変換を説明している。図中基本図1では構想体として運動する場の形を示し基本図2では形を有する運動する場の加速を示しており基本原理は上記式1〜式3(0001項)で説明済である。補図Bでは基本図1と基本図2で示す二つの力のベクトル的な合成図を生存力の水準の力学的模式表現の形で「生存ネルギー理論の構成図」と表現している。詳細は注a〜注d及び参考1〜参考3の説明に詳しい。これらの論理も上記(0001項)で説明済の事柄を図式で検証したものであり正のエネルギー水準(LogF>0)こそが未来への前向きな生存力を示す適者生存則を示す。つまり物理的な「力」に戻れば、存在力1/b(二乗)が発展力Eaよりも大きいと社会の分断が進み衰退の方向に向かう力の原理を明示す事に留意して構想設計を為す必要性が指摘出来る。社会的な存在力は自己防衛本能に基づく要素が大きく自己(当事者)の命を守る意識の発露であるが、既得権益・老害・借金・社会保障・侵略・先制攻撃・テロ・詐欺など社会的発展の「足を引っ張る」論理を示すので、変革力FのLogを取った式3の生存エネルギー水準の負の変数自体(−2Logb)が分断の論理を証明することに気が付くべき事の重要性を示唆する。既に分断の存在は社会の基本原理的な論理であると説明しており、負の変数自体を緩和する方法と負の変数を打ち消す発展の力(LogE+Loga)を大きくしてF>1或はLogF>0(正)を目指すのが現実的な解となり思考感応方程式(LogF)の解はこのことに存すると言えるので更に論理を展開する。
細部ステップG2)では有機的社会システムに於けるコト的世界の社会単位の統合的表現形である図9「格子譜論理に於けるモノ的世界とコト的世界の分断と融合の定義」の「相補統合形」の論理を確認して展開形相補思考感応方程式に於ける論理展開の方法論と数理社会単位モデルを確立する。図9の項目A)有機的事理学の物理系論理の項目は上記図4との連続性を掲げた項目であり、以下の項目B)格子譜論理要素の相補統合機能の項で思考感応方程式の構造化と可視化の理解促進を意図し、項1)図式による全体表現を想定して要素を理解する為に格子譜論理の基本概念の三つの要素項目「基盤肢要素;LogE、関係性の場;LogF、行為網要素;Loga」を横軸項目に置いて関係性の場の存在を確認しており、格子譜の基盤肢を構成する先験的な場がモノ的世界の下で構想体の運動エネルギーEを有する形を構成し行為網が運動体としての構想体の操作五態に基づく経験的な場の運動に摂動エネルギーを与える加速度を表していて、真の実在が代表するアイデンティティを核とする関係性の場において両者は融合される。比較の視点を変えた項2)前記経験的な場(行為網;LogE)の構成の展開においては、操作五態(Loga)を意識特性の尺度を超越的展開して実体性、実在性、実存性の三つの項目で構成要素の内容比較をして意識の働きを確認している。次の項は地域や組織に於ける実際の局面での生存力確保に向けた存在力と発展力確保への予算や人材の配分を考慮した形態を定義するもので、項3)物事の重み水準を考慮に入れた展開方程式群は思考感応方程式の解を探るべく比較項目を設定して「存在力水準、発展力、生存力水準」の展開方程式群と称する三つの水準に対して「自己の内面の世界、当事者の生存性(人格の論理)、外界への対応力水準」の項目に展開する中で知的生産性評価を導入し、包括知的生産性指数pと全体資源の各項目への資源配分(予算や人材)の重み指数M(r、s、t)を想定した時にr+s+t=1の条件下でLogF(M,p)を導入した新たな展開形思考感応方程式を設定できる(LogF(M,p)=p(rLogE+sLoga)−2t/p Logb;式4)。これは生存エネルギー水準を統合的に評価する式で図9に於いて物事に対する対応力の時代変化のフォローや地域比較の正当性を組込んだ形になっており「現実の法則化」の一つの姿と言える。なお包括知的生産性指数pは存在力に関しては「負の割り算」の意味が存在し、「p」が大きくなると負の要素は低下すると理解出来る。次に上記展開型の構造は存在力の影響そのものにも展開されて存在力が生存水準全体にかかる基本式を現実的な方向に展開する事が出来る。存在力の影響は運動エネルギーEや加速度aにも及ぶのが通常の社会的事象である。次に項4)思考感応方程式の因数分解の基本形を示すことにより格子譜上で方程式を相補統合する手掛かりが得られる。つまり「LogF=(LogE−1/2Logb)+(Loga−1/2Logb)−Logb(人格と精神の社会適用);式5」が生存エネルギー水準の概念型思考感応方程式による数理社会単位モデルであり、「2Logb」の係数「2」を均等に三つに分割して「2=1+1=1/2+1/2+1」の形に因数分解したものである。一般的な社会課題への取組においては、変革の推進に対する既存の現状維持力(抵抗力)は変革の全体だけでなく変革の動き(運動)や加速(推進力)にも影響を及ぼすのが通常の現象であり、上記式5の概念式は一般化することが可能でまた望ましいが、展開型の相補思考感応方程式「LogF=(LogE−uLogb)+(Loga−vLogb)−wLogb;式6、但しu+v+w=2」の形がそれに該当し、一般型の数理社会単位モデルと理解出来る。なお式4と式6を合体させるのが汎用型となり得るが説明は省く。係数「u,v,w」の配分は対象課題に於ける変革の抵抗力(負の要因)の程度と下記タナトス特性によって変化するのは言うまでもない。実際の構想設計においては状況に合わせて指数や係数の更なる分解が実際の姿である事は当然として、運動エネルギーEが基盤肢要素であり加速度aが行為網であることから、式3をベース論理とし式4〜式6の方程式群で導入した指数や係数は格子譜上の全ての要素に適切に配分しながら現実に合わせて設計内容を言葉の表現で規定することになるとして、上記の論理に関しては普遍性を持って適用出来るので適合性と有効性の確保が可能である。次の細部ステップG3)では図10が示すタナトスモードの下で思考感応方程式の解に繋がる「タナトス理論」を図式上に定位しており、適者の論理から外れる社会的傷病の事態の裏に存在する劣事(負の事情)の事理体系を明らかにして「社会診断」への応用に繋げている。権力の意識の働きによる社会の負の事情を説明する「タナトス理論」の下での診断技術の構成は主として、
A)眼の前の事しか対応しない「下向きの感性」に基づく社会構造的な不備や棄損的な事情に就いては、判り易く表現すればモレ(洩れ),オレ(折れ),ヨレ(撚れ),ズレ(ずれ),キレ(切れ)の五つの「レ」で代表される事情に注視する。
B)声が大きい方にだけ振り向く「後向きの悟性」に基づく不適切な社会的行為や妨害的事情に就いては、ムシ(無視),ムチ(無知),ムリ(無理),ムダ(無駄),ムイ(無為)の五つの「ム=無」で代表される事情に注視する。
C)当たらない予測に頼る「内向きの理性」により生きる自由度の制限や束縛的事情を表し、アイデンティティの否定に繋がる致命的な意識欠如による関係性が薄いモノ的世界的な事情を表現する。権限と責務或は権利と義務のバランスを欠いた権力の自我の働きが主因と言われ、超自我に課題がある。
に大別される。図10に定式化されて個々には社会的自体の裏に存する事情を意識で走査(スキャン)する如く構成され、社会診断の処方箋の記述に際してはタナトス情況とその改善策の処方を併記する方法が望ましい。上記項C)は更に細分化され、
(1)タナトス(Thanatos);社会的傷病が重く社会が苛立っている劣事状況の評価と扱い
・様々な誘惑や欲望が引力となってタナトス(Thanatos;闇)状況を生んでいる
・引力の源泉は「偽の実在」;「権利と義務或は権限と責務」に対する理性が関わる
・一度防塁を越えると「偽の実在」に向けて意識が傷つき蟻地獄を転げ落ちる
(2)世相の実在モードの評価・判別を行って対処の方向を描く
・「真の実在」モードは光(善事)の論理の世界を示す
・「偽の実在」モードはタナトス(劣事;闇/負の論理)の世界を示す
(3)「偽の実在」の意味に関してその正当性の無さを下記の如く評価できる。
・当事者の「命の原理」から一見赦されると勘違いする連帯性無視の世界の源泉
・「適者の論理」ではなく目先の「強者の論理」が勝り弱者を排除する
・関係性が連帯性ではなく「取引」の論理になっている
・強者の論理は当事者の自律的人格の弱さに起因する(カーニバリズム仮説)
(4)意志・意図など「意」の欠如;「意」に関る知性(悟性*理性)の在り方(「ケ」の世界)
・融け・逝け,敗け・投げ,除け・置け,倒け・抜け,避け・空け・賭け・泣け・除け・逃げ
(5)社会的ホメオスタシスの欠如;「まる」の世界
・息が出来ない情況;止る・困る,詰る・溜る,嵌る・埋る,閉る・迫る,決る・余る
の五つの事情を辞書の参照により例示的に自然言語で把握してタナトス(劣時)の基本を認識するのが「タナトス理論」の骨子となり、これらの事情を示す情況が図10に図式化されて思考感応方程式の解に繋がる数理社会単位モデルの展開による事理的なタナトス論理の模式図が得られる。つまり、前記の社会的な事情に関する統合論理を格子譜論理で読み解いて図式化し診断技術に定位する事で,社会診断の主体を為す「タナトス理論」の学術面への定位による社会診断の適用が可能になり,構想体毎に分析を行って構想譜上に投影した意識特性としての感性・悟性・理性に基づく社会的CT走査(CTスキャン;Consciousness Tomography)とその図式診断の格子譜論理に基づく処方が得られる。事例を先取するならば、政策策定(事業戦略も同様)に際しての構想では診断結果と対処法を構想譜として図式化することが構造設計段階に於ける総合診断結果としての「政策/戦略デザイン」そのものとなる。なお社会診断に言及した延長線上で診断技術の細分化を行うならば診断モードの類型化が可能であり、構想体が属する夫々の文化的なアイデンティティを前提にした上で「覚診(問題意識の発揮と確認)・析診(分析)・問診(当事者確認;洞察)・構診(タナトス情況の把握;図10参照)・統診(処方の適合性・有効性・安全性の確認)」の五つの診断モードを構成する事で、「構診」の正当性に向けた図10が示すタナトス論理を解明する為の統合的な道具立てとして確立される。なお析診(分析)の手法に関しては、構想設計を必要とするレベルの社会的課題に於いては一般的に多変量解析が多用される事は衆知の事柄である。一方本発明が扱うタナトス情況の解明と処方の背後に存在する心や精神に関わる事情の対応に人間の知的作業が関連する為に思考感応方程式の解に接近するにはタナトス情況を制御する事が必須になるとして、機械的な制御は適切ではない為人間の心や精神を「調整;Regulation」する発想が必要であり、次ステップG4、G5で説明する如くこの考え方を本発明書では「生態系サイバネティクス」と称する。まず細部ステップG4)において図11では「課題解決を構想する思考感応方程式の解の超域構成モデル」を前記「調整」の方法論を導く発想の定式化モデルとして構想譜表現で示している。図11は相補統合に向けた個・学術・組織体・文化における超域性(Trans−sphere)を有する意識の自律的超越力の論理を示しており、注書きの如く社会的超域性(社会作法)の論理は超自我的(トランスパーソナル)な人格の意識特性に発して展開されている。図11において調整行為の骨格を為すのは超域を構成するモデルのアイデンティティとしての超知(図12参照)の下での超自我を基本にした超専門領域・超組織・超文化で構成される基盤肢の機能であり、コーディネータに拠る調整の操作は行為網の操作論理に従って為される様に構成される。なお参考説明を加えるならば、図11と図12は特許文献7の図8の一部を超域と超知にズームインした形式となっており、一部改変を加えながら構想設計法を構成するタナトス理論の内包的な位置付けを明らかにした。次に細部ステップG5)における本発明書図12では「思考感応方程式の解に繋がる精神的調整力の超知モデル」を図11の中心に在るアイデンティティ部分をズームインした形で示している。図12は非決定論的な生態系調整の枠組みとホモサピエンスの論理の在るべき姿を表現しており、一般的に知られる「知足;足るを知る」から展開する知の構造的論理によって適者生存の原理を実態化する為の「生態的サイバネティックス」の基本を構成し、タナトス情況に対処する正当的な調整機能を実現する為に点線の囲みで示す注書き「A)生態系サイバネティクスの意味」と「B)生態系サイバネティクスの超社会システムへの実装;格子譜論理に基づく」で補足説明してあり、心と知的活動の広がりが示す「知容」を「知魂(知赦の論理)・受容・寛容・知的キャパシティ・活動の広がり」で構成し全体的な知的営為を「知異・知待・知遊・知足・知容」の格子譜論理で思考操作すると定義する論理構成に依って「超知;Socio−meta−intellectual」の機能を表現して定式化した。「知赦の論理」の根源は思考感応方程式の「−2Logb」の存在を認めて構想譜を描く事を意味する。内容的には常識的な事柄をリストアップし格子譜論理に基づいて整理した構成を示し、技能を伴う個々の非決定論的な内容を具体的表現で示して類型化した上で構造化することによって思考感応方程式の論理に従う思考情報技術的な表現上の客観性を担保する。なお制御理論のサイバネティクスの概念を導入して生態系サイバネティクスの調整機能の意味理解と働きのシステム化を社会実装する事に拠って、人間社会の存在力によって生存を担保する「社会的な免疫力;Social immunity」が向上する。更に「超知」の概念は個起点のトランスパーソナルな人格に準拠することから、社会技術的な観点から個々の地域や国を起点とする社会の「グローカル哲学;特許文献7の0007項参照」に展開する事が可能になり、コト的世界下に於ける社会の哲学的基盤を構成するリーディング機能を果たす可能性を指摘出来る。また社会的免疫力は共有価値の体系によっても担保される意味が存在し、後述する図17でも事例的な観点で説明する。
【0024】
発明の実施形態を構想設計の方法論として定式化して構想設計装置つまり電子計算機のアプリに組み込む準備の為の細部ステップG6)において、図13「格子譜記述文法の革新形定義を付加した相補統合記述文法」を定義しており、深化型構想設計法ADDiDの格子譜の基本形に拡張形と強化形そして相補統合的論理の革新形を意図した本発明書に基づくコト的世界下での革新形記述文法を総合して相補統合形として構成し構想譜の描画を規定する相補統合型構想設計法TaDDiD」を実現している。図13では「相補統合の項目、項目別機能を定義する為の記述文法の内容、文献的原典」の三つの区分で各項目の文法的内容を構成リスト化して規定するが、細部内容は実施に際して図式も含め文献的原典の項で明らかにして参照可能にしており、図式に関しても上記図式関連の各項目における説明を含めて参照できる。なお図13では相補統合を特徴付ける構造化要素に特化する文法の定義が為され、点線で囲んだ箇所において相補的な「知と社会の構造化要素」の二次元的な表現構成を行うべく横軸を学術的な社会の構成要素として導入した「人、プラットフォーム、社会的表現」の三要素に展開する中で、縦軸に知的営為の構造化要素として把握した「意識・心・精神;人」、「社会システム;場」、「社会技術;表現」の三つの項目を分析要素に設定した上で上記の論理展開を整理し「構造化の補足説明」の各項目も含めてリスト化している。なお二次元的な表を人間の意識の働きで超越的に三次元化するのが意識のトライアングル理論に基づく当事者意識の機能と理解出来る。格子譜の記述文法のアプリケーションソフトへの組込は特許文献4(0018項参照)の図7で示す構想機能付き電子計算機とそのアプリで構成する「構想設計装置」の連続線上に展開するもので、相補統合機能を実現する為の機能ブロックが細部に追加される。そこで本発明では細部ステップG7)において本発明図14「構想設計装置のブロック構成」に従って組込み特許文献4(図7)に追加する形でまず汎用格子譜情報20を細分化して汎用格子譜情報21と格子譜有機的システム表現形22で構成して出力25を初期画面表示生後部40の入力に導き、次の意識の統一場情報10を細分化し「意識の統一場情報11とコト的世界情報12」で構成して出力15を情報操作表示制御部50に導き、記述文法情報(相補統合形)30には「基本、拡張、強化、革新」の文法を相補統合した形を採用し全体構造を保全したまま記述文法情報出力35を情報操作表示制御部60の第二の入力として導き更に装置外部からの入力情報100も構想譜情報操作表示制御部50に導いており、初期画面制御部40の出力45と構想譜の情報操作表示制御部50の出力55は二つとも表示手段60に導かれ出力情報65となって出力手段70に導かれ印刷や送信に使われる様に構成することでADDiDからTaDDiDへの移行を実現した。なお思考情報処理の主要部分において入力情報100は格子譜(図3参照)に対する汎用格子譜情報20の出力25を念頭に置いた上で相補統合記述文法情報出力35を参照しながら必要な構想譜要素に関して対象とする構想体の構想内容を思考し構想設計して表現力等価則に沿った構想譜を描き表示手段60の内容を規定する構想譜情報に当事者意識の下で変換して構想譜表示情報を得る如く思考情報処理(図6参照)した結果を構想譜の為の情報操作表示制御部出力55を構成する。つまり構想結果を表現する構想譜は、格子譜の初期画面上の各要素に合わせた表示情報を情報操作表示制御部50で要素毎に記述文法に従って情報操作し構成して得られる。なお表示手段60(画面)は一般的な電子計算機の表計算用のアプリケーションソフトを応用して格子譜論理の下で構成して汎用性を確保する。
【0025】
ステップGの細部ステップG8)において相補統合機能の定式化を行っており、上記図14の記述文法情報(相補統合形)30に於ける知と社会の相補統合機能に関してまとめる事で実用に際しての思考の融合的な流れを容易化する如く描いたのが図15「知と社会の相補統合機能;哲学を媒介にした知性の構造的理解と表現尺度」であり、構想法先特許文献群に上記で説明した本書に於ける思考情報技術の総体を知性の構造軸(実存性*実在性)の格子譜論理の軸変換設定の下で図式化した。図15の中心を構想設計の核心である知の構造化要素の「表現」に設定し、コト的世界の知と社会の構造化要素のプラットフォームを担う基盤肢要素としての社会に関わる時間軸系要素(横軸;社会の構造化)である「人間社会」と「生態系」及び知の空間軸系要素(縦軸;知の構造化)としての「哲学的論理の統合知」と「知と社会の世界観」が各特許文献の記述内容に準拠して設定され「知と社会の相補統合機能」の形が定義できた。知の要素の基本領域は哲学的論理で構成され、弁証法、生命誌、華厳教学、相対性理論の哲学(特殊相対性理論の人間社会展開)の四つの要素を三木哲学の構想力の論理で統合した形(特許文献7参照)で把握される。知の構造化要素である「人」の要素は意識論(特許文献5)、意識の統一場(特許文献6)、思考情報技術(構想法先行発明群+本発明書)、知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiDの操作(本発明書)の各要素を当事者意識(本書図7参照)で統合して処理する行為網と理解し操作五態の形で既に説明済である。以上図15の論理は図13が示す相補統合記述文法に組込まれてTaDDiDを構成し表現力等価則の下での本発明の理論的特徴を表現する。そこで相補統合機能は相互に表現力等価則を満たす人間社会{個の意識*社会システム*社会的関係の場}、生態系{発展力(LogE+Loga)+存在力(−2Logb);適者生存則}、哲学論理の統合知{梵我一如と正反合で代表}、知と社会の世界観「(モノ的世界+コト的世界+特殊相対性原理による融合);F=Ea/b(2乗)」に就いて格子譜論理(基盤肢*行為網*真の実在)を核とする四つの数理論理の概念の思考統合によって実現した。
この様にしてモノ的世界とコト的世界との融合論理で表現される未来への発展力と負の社会を主導する可能性を有する存在力との間の綱引的な分断を認識して連帯的融合に変換する文明転換的な論理を社会の経済・文化的発展の核とする如く、人間社会の中でアイデンティティの尊厳を有する有機体としての個つまり個人や個別チームの当事者意識と社会システムとの間を結びながら両者間の情報の授受を行う知的な関係性の場から構成される思考情報特性を有する超社会システムとしての構想体モデルを表現することで新しい超社会システムを構想する事が可能になり、特許文献6(0024項)で扱った超社会システムの未来の方向の示唆及び特許文献8で扱った社会単位の在り方が期待する「今ここに居て、どちらへ向う」の未来像を理論的に体現する事で論理を検証した。該新しい社会システムの未来像の構築と課題に対応する為の診察・診断・処方・操作を可能にする社会の構造的把握を扱う社会技術と知の統合には学術的な理論に基づく思考情報技術が必要と判明した。構造化の要点としての人の意識・心・精神の機能と働きの把握及び統合化原理としてコト的世界に変革的作用をする統合的な力を説く現代物理学準拠の方程式群で表現するプラットフォームの下で、意匠登録済の格子譜による構想譜と社会変革に関わる三次元思考に基づく数理社会単位モデルとの表現力等価則を用いて知と社会を構造化した新しい社会システムの構想を支える思考情報技術で定式化した知の相補統合機能の論理を備えた上で、構想体表現として該相補統合機能を展開した形で知の構造化と社会の構造化の統合形を構想体モデル化する為の構想設計の所与の条件となる格子譜と該格子譜の相補統合記述文法を予め設定して規定する如く作用させて思考情報技術と事理情報技術を社会技術に定位したモデリング・デザイン技法を適用することで、社会的な物事に対する構想内容を図式化して構想譜を描く事を特徴とした構想機能付き電子計算機のアプリケーションソフトとして働く汎用図表作成ソフトにより構想結果を表現する構想譜の構成法を構成して知の統合効率と知的生産性向上を可能にするところの知と社会の相補統合機能を備えた深化型構想設計法TaDDiDを提供できる。
【実施例1】
【0026】
図1で示したステップHにおける「実施例の提示」の実施例1として「心と社会の運動力学」に注視し、図3格子譜の注7と図5の注5及び図7における当事者意識の発露としての行為網操作五態を「数理構想力モデル」として表現力等価則に沿って説明する。操作五態の「ミッション」は構想力に関わる変革力の発露つまり思考感応方程式そのものであり、「ミッション(使命)=エンゲージメント(将来への戦略)+コミットメント(実行表明)−場のコンテクスト(問題解決の足を引っ張る課題の存在)」のモデル表現で「=、+、−の演算子群はコンセンサス要素」と理解出来るので、上記式6を構想設計の数理構想力モデルと理解して構造的に定義出来ると共に格子譜論理の「情報循環」の機能の存在を含むことで、事理力学の数理的な法則から導いた「心と社会の運動力学」が現実的なデザイン思考及び超社会システムの観察から得られた格子譜論理との間に表現論理に於ける整合的な等価則が認められる事が検証された。変革力が生存エネルギー水準の論理(0023項参照)を示す事から、ミッション遂行はコト的世界観の下での適者生存則を満たす方向性を有すると理解出来るので法則と現実の間の相互作用的な関係性が検証出来た。なお「場のコンテクスト」の前提にはモノ的世界観を代表する基盤肢の存在が内包されており、基盤肢自体に不都合が存在すれば基盤肢自体を変革の対象として構想に組込む事が出来る。
【実施例2】
【0027】
図1で示したステップHにおける「実施例の提示」の実施例2として図16「社会変革を目指す分断と相補的社会変革融合」を例示して政策形の分断と融合の形を表現している。図16は有機的な社会知の論理特性と心と社会の運動力学の社会適用展開としての社会単位更には政策単位のマクロな社会診断を定式化して構想設計に於けるコト的世界理解の実施例であり、内容的には基本となる「1)相対比較の論理(変革力の水準表現系)を掲載した後、2)社会の論理と哲学、3)実社会の形の論理(関係性を基本)、4)社会的基本行動の分断と融合の形、5)社会現象の融合論理追求、6)統合的安全保障(国・文明の保全と発展;「万年の日本;縄文由来」)」と多岐に亘って相補的な課題を比較している。各項目は図表に示す如く更に細項目化した比較に依って新しい概念化での社会構造認識と社会診断への手掛りとしても活用できる。図16から例示的に学ぶべき事柄を二つ指摘出来るとして、一つは事理力学に於ける運動エネルギーEを社会適用して理解する社会的な意志と意図による動きの存在と状況把握であり、もう一つは事理力学に於ける加速度aを社会適用して理解する人材や開発予算と政策予算の意欲を示す要素となる。格子譜論理に照らせば運動を支えるのが基盤肢の存在であり加速度は行為網に於ける操作五態を支える意識の働きになる。更にこれを支援する俗に言う「人・物・金・情報・文化」に関わる方策として中心を為すのが構想体のアイデンティティであり、華厳教学が説く「梵我一如」の「我」の意味を有し構想体が実在する事を保障する存在力の理解と認識出来る。基本原理は命・人生・地域・産業・文明の多岐にわたって精神エネルギーのレベルにおける「守りと攻め」のバランスの原則つまり図8が示す生存エネルギー水準確保の発想にあり、図16の各項目は数理社会単位モデルからこの原則を学んで社会適用し各構想体の構想譜を描く事の肝要さを指摘する。
【実施例3】
【0028】
図1で示したステップHに於ける「実施例の提示」の実施例3では図17「コト的世界を拓く社会知の解剖学的構成の構想」例となる政策学提案モデルを想定し、社会知の意味論を示す関心と認識に基づいて診察と診断を処方につなぐ「社会診断」としてのコト的世界の雛型(プロトタイプ的モデル)を政策単位の形で取り上げた。本発明に於けるコト的世界の認識は従来のモノ的世界の認識と同じではなく脳の思考情報処理環境の下での三次元思考論理の理解に従って為される必要があり、非決定論的要素が多い為に相補統合機能の論理的な把握よりも難物である。構想設計法に関する学術的に重要な目的の一つである政策学を想定した「政策デザイン」への適用を鑑みるに、課題が指摘されて来た社会科学と政策科学及び社会技術領域の学術的な観点に於ける思考情報技術に関る社会知の解剖学的分析の全体像をモデル化した上で注書きと合わせて把握することは、社会技術領域での新しい概念形成の点でも有用である。上述した共有価値の位置付け(0015項参照)も社会知の在り方を認識して把握することの一環として注書きの如く体系的に理解出来る。
【実施を効果的にするための留意点】
【0029】
本発明の与件である先行発明群の中の特許文献4の実施を効果的にする為の留意点と特許文献7の留意点及び特許文献8の留意点との共通部分が多く、更に本発明で得られた新しい相補統合の概念に基づく社会技術に関連して思考情報技術の対象を個人やチームのミッション及び多様な事業プロジェクトなど個々の社会単位を基本にした上で事理情報技術に昇華させて適用し格子譜による表現技術に集約する事が重要な留意点である。具体的な操作に際しては記述文法の構成としての基本形・拡張形・強化形・革新形に留意した上で記述文法をテーマの複雑性や適用領域の違いによる必要に応じて選択又は統合してマニュアル化出来る。なお本発明はコト的世界に於ける社会技術領域に属する故に社会的な物事に対する事理力学の側面からアプローチしているが、純粋に科学の領域つまり事理力学の理論を核にした「社会考学」の構築も必要である。その際統計資料を統計学的に吟味した上で多変量解析特に主成分分析などベクトル量の概念を有して構造化された分析方法を選択し分析結果の意味を数理社会単位モデルに照らして適切に読み解く必要がある。発明者が試行した或る特定された地域の共同構想を意識した地域デザイン面での多変量解析では、地域の活力に就いて資源(富;資本、予算、税収等)に根拠を置いた運動エネルギー要素及び地域文化に根差した気質に主導される人材の自律的行為に基づく加速度の要素との両者が統合化された指標がコト的な切り口での地域の存在と将来方向を決する生存エネルギー水準比較として把握され本発明の結果との整合性が認められる。また日本の都道府県毎の文化政策を対象にした研究において政策の健全性と先進性の水準を調査・分析した際に、文化活動に対する熱意を政策的な運動エネルギーEに比定し予算や関連政策の程度を政策の加速度a(摂動エネルギー)に比定して政策水準を相互比較した統計結果が文化活動自体の水準に就いて同様な傾向を示した。なお精神のエネルギーの作用を社会適用する論理は人間の超越的能力に関わるため当事者意識を「内部観察」する個起点の論理から発出することで可能になる如く多変量解析に用いるデータが「個の意識」の在り方を含む事が必須となるが、日本の統計データに個の意識に関わる領域が希薄であり学術的な観点から懸念されると共に統計分析上の工夫を要する。上記の論点の延長線上で以下の項目を社会単位の学術的・社会技術的な成り立ちと使い方に関する留意点とする。
1)効果的な実施には知と社会の統合論を認知して社会適用する手続きが必須となるが、統合論の専門家或は統合論を一つの専門領域とする学術的な位置付け及び教育と資格を含めた制度への視座が社会適用の第一歩となる要件であり、非特許文献16で指摘される「設計型科学者」の概念とも通底する。しかし設計型科学者が実務に関わらない場合、当事者意識を担保できるかに関しては疑問が存在し、客観と主観に加えて社会技術の「普遍性」を統合的に扱う視点が重要な留意点となる。
2)社会単位を表現する為の格子譜は構想設計法における表現技術を構成する基本であり構想法先行発明群の各所に於いて実用化し効用を検証したが、その過程で得られた活用上の要点を含めて本発明書図3に於いて有機的システム表現形の形で注書きを伴って再定義しており図14で説明した情報操作の論理と合わせて構想譜の記述に関する以下の社会技術の実務的な思考スキルの養成が肝要となる。
(a)統合に拠る分析(Analysis by Synthesis)の活用の習熟
(b)三元構成変数の必要性認識と意識論に基づく脳の超越力の理解及び上記操作五態を始め特許文献8の図5(0018項参照)の基盤肢と行為網の項目比較が示す各種五態の意味の再確認と修得
(c)価値判断を組込んだ社会診断の当事者感覚の醸成とタナトス理論の習熟
(d)図3の論理構造の役割と働きの実務的な理解及び操作スキル
(e)各方程式(式1〜式6)の解の解釈力と知性の統合スキルの醸成
(f)思索遂行の為の仮説の立て方の習熟(帰納法、演繹法、推論)
(g)構想体モデルの構想体名及びアイデンティティの把握と設定の習熟
(h)超域と超知の理解と生態系サイバネティクスの論理の把握と操作
(i)社会単位は人間の精神の力とエネルギーで運動する軟構造体との認知
3)社会技術の生成に関して「技術=科学*哲学の媒介」の関係性の中で科学的知見を「社会適用」する為の条件として理解するべき事柄は、「社会とは何か?(0012項参照)」を意識しながら経験的な場に就いて意識論の知見を活用して格子譜論理に基づいた「社会単位」の全体像を把握することである。
4)本発明自体が社会の構成単位である「社会単位/政策単位/学術単位」を社会技術の側面から注視しており、数理社会単位モデルが表現する如く科学の社会適用に関わる原理的な基本となる「社会の変革力F=Ea/b(2乗)、思考感応方程式と数理社会単位モデル、格子譜論理」から成る超社会システム三態がモノ的世界とコト的世界に関わる相補的な統合的等価性の存在を把握した上で根底に言葉や行為の持つ力と精神エネルギーの等価性が観察されるので言葉の吟味・選択が重要となる。
5)構成単位には多面的な技術上の意味があり格子譜(意匠登録)を核として構想語、構想譜、構想知理論、超社会システム、デザイン思考エンジン、政策単位、学術単位、知の超体モデル、思考感応方程式、数理社会単位モデル、梵我一如等が挙げられ、これら全体が事理力学下の社会の変革力の原理に根源を有する数理社会単位モデルを仲介とした「法則の現実化」を体現する社会知の表現と理解出来る。
6)社会単位の様相を表現する言葉に関する学術上のリテラシー上で気になる点があり、感性の尺度の実体性(Actuality)、悟性の尺度の実存性(Reality)、理性の尺度の実在性(Entity)に関して国際的な水準で意味的な整合を取れていない事に留意する必要がある。例えばリアリティが日常的に使われる言葉であって意味的に混乱がみられることを考慮しないと学術的な論理自体が混乱することになり、西洋からの直輸入が顕著である哲学や社会科学の間にこの懸念が存在する。構想法先行発明群及び本発明においては図式表現と合わせて用語を定義しながら国際性を辞書が定義する英語表現とその直訳に置き換えて上記三つの意識の尺度を使い分ける。更に哲学と現代物理学の融合が言葉と行為による知的営為によって、コト的論理に於ける意識の運動を支える力を与えると解釈して社会実装する。
7)例えば産業構造の変革や経営戦略の刷新更には新しいまちづくりの為の革新的な事業プランなど未来志向の共同構想に就いて、チームと云う柔軟な形を構成した上で個々の参画者(チーム員)が持つ知恵と意志・意図・意欲を有する当事者としてチームリーダーの下で精神の持つ力とエネルギーに転換して言葉として表現しながら熟議を重ねる中で、自律的な意識に従って構想譜の各要素に思索と議論の結果を落とし込んでワンチーム化しながら構想を設計する事が重要であり、心と社会の運動力学に注視しながら熟議に参画する当事者が表現力等価則の下で格子譜論理と方程式群を使い熟すことがチームとしてのパフォーマンスを揺ぎ無いものにする。
【0030】
一般的に例えば非特許文献16が説く社会科学領域の学術が注視する「知識」と称する言葉はモノ的世界観の延長線上での呼び方になるので本発明では採用せず、「知」に一本化して表現し包括性を持たせた上で知の構造化をモノ的世界観で理解し、精神力に裏付けされた言葉の力に基づく知の変革力による社会の構造化をコト的世界観で把握する考え方が根底にある事に留意している。まず知の構造化要素を上述の論理(0010項参照)に従って「人、プラットフォーム、表現」とすると図8の基本図1で示すフレミング左手の法則に従った三次元ベクトル表現において、「意識の流れ」軸が人であり人の精神の力が場の摂動エネルギーとして働き「場」の軸がプラットフォームに比定され「ローレンツ力」が構想譜上での表現力に該当する論理によって、知の構造化の概念が把握できて図3で示した構想設計の「記述モード」として理解される。次に知の創出場つまり社会変革力の力学による社会の構造化要素を社会技術に着目したところの「技術=哲学*科学」が示す概念式で把握できるので、図8の基本図2で示すフレミング右手の法則に従った三次元ベクトル表現において、「意識の運動」の軸が哲学であり「場」が科学を社会適用する関係性の場として比定できると共に「ローレンツ力」が社会の必要とする技術(社会技術)の力に対応される。なお「真の実在」は構造化対象のアイデンティティであり、構造化の核を意味する知と社会の構造化と統合化の原点として当事者意識の下で認識される要素となり図3で示した構想設計の「設計モード」が把握出来る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
タナトス理論が示唆する分断や脅威など社会的傷病への対応と課題が複雑過ぎて方向性の見えない物事や事態・事情への対応策の構想や事業戦略更には多面的な要素を有する産業構造の変革とこれを支える戦略的な政策のデザインなどに関わる社会のトップ層のソリューション志向への決意と人格次第で社会の生存エネルギー水準が変化する意味の存在が明らかになり、該決意自体を支える産業の基本となる事興しに関わるデザイン思考の社会技術とこれに基づくシステム構築法が明確化された事で、社会をマクロに捉えて個々の知恵を集約したチーム等の社会単位を想定した上で事業や戦略を統合化する為の産業上の使用可能性に関わって次の様なコト的世界観や事理力学の論理の活用意義が確認出来る。つまり各組織のトップとこれを支える企画やコンサルタントそして構想デザイナーの役割を有する社会のリーダー層による当事者意識を有した連帯的なデザイン思考の行方には、個々の人生及び地域と国の産業や経済更には日本文明の将来への期待そして学術的な展開の成否が掛かる。従って意識のトライアングルの論理を前提とした事理力学の根拠を有する意識空間の階層化理論の知見や知の超体モデルの発想更には数理社会単位モデルの論理を構想に組込むことにより、客観的なコト的世界の構成法と表現法が明らかになって社会全体の在り方と知の統合と社会の統合化への理解が進み、社会的傷病としての分断や脅威から必然的に発生する社会論理が「心と社会の運動力学;式4」から読み解けると共に傷病の診断と回復への処方も同じ式4から導ける事が判明したので、経済や産業の構想への学術的裏付けが得られた。個別に存在する様々な知見活用への統合的な表現力等価則の適用やノウハウを統合的施策のQCDを確保した形で社会適用する事で構想と戦略の策定に利用できる以下の多面的な産業活用展開の正当性が指摘出来る。
イ)心と社会の運動力学を社会適用するに際しての「変革力=発展力−存在力」の解釈において、発展力は革新的な「イノベーション」の力を示唆し存在力のマイナス要素を削減する現状からの「リノベーション」が重要になると共に変革力がプラスになってこそ社会単位の存在エネルギー水準を持ち上げる総合的な社会水準の「エレベーション」実現の意味が創発されるとする大局的な理解が出来る。
ロ)事業や経営戦略の基本となる社会的価値を創出する産業上の仕組みに関わる社会技術に就いて、開発技術の本質つまりポイエーシス技術の成り立ちである科学と哲学の融合によるコト的世界の知の統合の方法論の存在と論理を示す事で、当事者意識の下での知の重要性に視線を向ける契機を提供できると共にニーズ対応の社会技術開発の方向を定める構造化・可視化・言語化した情報を客観性を有して提供できる。数理社会単位モデルはその典型的な仕掛けの理論的根拠を提供する。
ハ)事業構想や産業構造の変革及び関連する政策デザインや地域デザイン更には新しい産業と連動した統合的安全保障政策の策定等に必要な将来を見据えた相補統合機能を備えた深化形構想設計の方法論確立によって、社会的な物事の未来を適者生存則に准じた形で構築する為のソリューション型リーダーシップ発揮の根拠となるトップ層の当事者意識の表現に正当性を担保する枠組みを準備する事で、事業構想や政策デザインの事態と事情の両面からその本質を押さえた正統性の確保が可能となり、リーダー層に必要となる判断力に責任と覚悟を付与できる。
ニ)社会に於ける消費スタイルやライフスタイルの変化と多様化を取り込んだ産業構造変革及び地方創生や地域開発に貢献する為の経済活動に関る事業構想や開発戦略などの知的営為に対して、思考感応方程式の解に繋がる人生設計に関る人間の意識にまで踏み込んでその行為の本質を押さえた構想設計に健全な適合性・有効性を組込むことで目的志向の適者性を確保して知的生産性を向上できる素地が整った。
ホ)Win−Winに向かう国際協調例えば感染症等への防疫対策とこれに関わる医療・教育・雇用・文化・芸術などへの対応策、SDGs対応、国際市場に於ける貿易や経済摩擦の緩和、産業構造のグローバル展開のグローカルな調整など意識が大きく作用する領域において、主観的に受け取られがちな意識の働きを思考情報技術と事理情報技術及び表現技術の駆使による数理社会単位モデルに従った行為の論理を基本とする客観的な作用に転換することで、社会技術の下で普遍性を有して社会的ニーズを満たす価値体系に誘導するリノベーション論理の構築と推進の機会が高まる。
ヘ)複雑系が指摘される社会システム論の隘路を解く超社会システム論を展開する中での意識論と知の統合論の側から社会理論化が出来たので、経済産業領域のイノベーションを社会理論の側から支える社会科学領域に於ける学術発展の為の様々な社会システム論への展開が容易になると共に地域経営の領域に踏み込むことが可能になり地域産業の発展に資する事が期待できる。その為には産業側から学術側への社会科学の社会技術化への開発支援を伴った要望と意識改革促進が必要である。
ト)本発明に組み込まれた構想力の適合性と有効性を確保しての構想結果の表現機能の増強を社会科学や政策科学に中心を置いた学術の変革、高度化された学術の教育・人材育成策、産業構造変革、市場とメディアの適者化、社会診断を伴った政策のデザインと策定など多様な領域に展開して社会適用することにより総合的な国際競争力を高めることが可能になると共に、複雑化する国際環境の変化に統合的に対応する統合安全保障政策への産業と文化の道筋を確立し万年の長きに亘り受け継いできた日本文明をこの先の未来へと引き継いでいく方法論として活用可能である。
チ)上記の社会システム分野以外に数理社会単位モデルの論理と構造を理解した上で社会経済活動に携わる人材育成の分野でも効用を幾つか挙げることが出来る。まず人間の基本的能力を個人とチームの両面において意識の深層に遡って把握出来るので人生設計を踏まえた自主的な能力開発を核にしてリカーレント教育領域の体系的な生涯学習に活かす事で多面的な能力獲得に結び付ける方法論を展開出来る。また組織が有する人材やチーム力の知的活動に関る能力を構造的に把握可能になることで人材育成について必要十分性を持って効果的に方法論を策定出来る。更に意識空間の階層化理論に基づくコト的世界の相補統合機能によって人間の知的営為を多面的に体系化出来ることから、効率の良いマネージメントの仕組みを構築出来ると共に多面的なマネージメント力の育成が可能になり経営力強化が果たせる。
リ)コト的世界観の下で超社会システムの効果的構築、人材育成への効用、社会システムと人材やチームの連帯的且つ対等性ある関係性の構築が望めるので、知的活動の対象となる実効的で将来性のある社会の設計図描写が可能になり、文化と産業の新しい連携の形に向けた社会・経済のイノベーションを実現する道が拓かれた。
ヌ)上記で強調した構想設計法の社会適用に関して象徴的なネーミングの重要性は周知であり、名称を「HI法;発明者のイニシャル」と着想する中で根拠として理論の全体像を調和型共同構想(Harmonious Imagination)とした上で背景となる知の形態をデジタル的な自然知とアナログ的な社会知とのハイブリッドな知の構成(Hybrid Intellective)と理解し、知と社会の構造化要素に関して「人」の関連を人間性の統合(Humanity Integral)で理解して思考情報に関わる「プラットフォーム」の階層的な情報構造(Hyperlinked Interactive)と構想結果の「表現力」を格子譜の有する全体表現性(Holistic Illustrative)で象徴的に代表させる事で知と社会の三次元構造に因んで「HIキューブ法」と設定するアイディアを採用する。
メッセージ

 本発明は、社会や地域経営の喫緊の課題としてメディアで注視される「社会の設計図問題」や「社会の将来像問題」の解決と関連する物事に関する「全体知」を獲得する方法論として、コト的世界観の下で「知と社会の統合」を実現する思考情報技術を用いた構想設計の社会技術を提供します。
 この分野の発明は設計型社会科学や政策学の側から取り組むべきテーマですが、「知と社会の統合」の学術に関して社会科学が文理融合の域に達していない事から、認識技術を核にした「技術」の側から物理学原理を事理的観点で捉える「社会考学(工学ではない)」の立場でアプローチする事で、モノ的な社会とコト的な知の世界を人間の精神のエネルギーの役割に注目した特殊相対性原理(ヒト的)の「質量エネルギー等価則」を活かした相補統合を実現でき、先行発明である格子譜論理(意匠登録1696155)を用いて統合思考の論理を構造化・可視化した表現技術を開発する事によって社会経営領域での社会実装が可能になりました。
 パラダイムシフトを伴った新しい技術分野の発明を有効化すべく、学術的追求を必要とする部分に関して政策科学や政策学系の大学・研究機関・企業との研究協働化が重要と考えます。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
【図15】
図15
【図16】
図16
【図17】
図17
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