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土木・建設
 
【発明の名称】斜面用足場設置具
【早期審査対象出願】
【特許権者】
【識別番号】525225548
【氏名又は名称】栗原 功
【住所又は居所】神奈川県秦野市今泉1121-2
【代理人】
【識別番号】100151390
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 淨宗
【発明者】
【氏名】栗原 功
【住所又は居所】神奈川県秦野市今泉1121-2
【要約】
【課題】 作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、該斜面にこれを強固に固定し、該足場を据え付ける個所の角度を調節する作業を簡便にし、作業者が容易かつ安全に該足場に昇り降りできる斜面用足場設置具を提供する。
【解決手段】 斜面用足場設置具1は基礎部2と固定部3と据え付け部4とを有する。基礎部2は入出路21を有する。固定部3には突き刺し部材31が基礎部2に回動可能に取り付けられる。据え付け部4は据え置き部41と支持部42と係止部43とからなる。据え置き部41は途中で折り曲げ可能に構成された棒状部材であり、一端が基礎部2に回動可能に取り付けられ、他端が支持部42に嵌め合わせられる。支持部42は一端が回動可能に基礎部2に取り付けられ、他端が据え置き部41に嵌め合わせられる。
【選択図】 図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具であって、基礎部と、固定部と、据え付け部とを有しており、該基礎部は該斜面に接して該足場を設置するための基礎になる箇所であって、作業者が該足場に昇り降りするための入出路を有しており、該固定部は該基礎部を該斜面に固定するための箇所であり、該斜面に突き刺すための突き刺し部材が該基礎部に回動可能に取り付けられており、該据え付け部は該足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための箇所であって、据え置き部と、支持部と、係止部とからなり、該据え置き部は該足場を据え置くための箇所であって、途中で折り曲げ可能に構成された棒状部材であり、一端が該基礎部に回動可能に取り付けられているとともに、他端が該支持部に嵌め合わせ可能に構成されており、該支持部は該基礎部上に該据え置き部を支持するための箇所であって、一端が回動可能に該基礎部に取り付けられているとともに、他端が該据え置き部に嵌め合わせ可能に構成されており、該係止部は該据え置き部と該支持部とを嵌合させた状態を維持するための箇所であることを特徴とする斜面用足場設置具。
【請求項2】
請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、前記固定部に回動範囲制限手段を有しており、該回動範囲制限手段は、前記突き刺し部材が前記基礎部に対して回動する範囲を制限するための手段であることを特徴とする斜面用足場設置具。
【請求項3】
請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、前記基礎部に補助固定部を有しており、該補助固定部は、前記斜面にこれを突き刺して該基礎部を固定するための補助突き刺し部材を着脱自在に取り付けるための箇所であることを特徴とする斜面用足場設置具。
【請求項4】
請求項3に記載した斜面用足場設置具であって、補助突き刺し部材を有しており、該補助突き刺し部材は前記斜面にこれを突き刺して該基礎部を固定するための部材であり、及び/又は、補助突き刺し部材保持部を有しており、該補助突き刺し部材保持部は、該補助突き刺し部材を該斜面用足場設置具に保持するための箇所であることを特徴とする斜面用足場設置具。
【請求項5】
請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、前記据え置き部に前記足場が滑落しないようにするための滑り止めを有していることを特徴とする斜面用足場設置具。
【請求項6】
請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、前記据え置き部又は前記支持部に嵌め合わせ可能な範囲を示す目印を有していることを特徴とする斜面用足場設置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、山や土手の斜面の草刈りといった斜面上で作業を行う際に作業者がその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて調節し、これを水平に設置するための斜面用足場設置具に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明に係る斜面用足場設置具は、斜面上で作業を行う際に作業者がその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置することを対象にしているが、本願では特に草刈り機を使用して山や土手の斜面の草刈りを行う際に作業者がその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置することを例にして説明する。
【0003】
草刈り機を使用して山や土手の斜面の草刈りを行う際、作業者は斜面上に立って草刈り機を操作しようとすると不安定な姿勢になるところ、作業がしにくかったり、転倒し易かったりするため、斜面の上側又は下側の平地に立って草刈り機を操作することがある。しかしながら、これでは作業者は安定した姿勢で草刈り機を操作することができるものの、斜面の上側又は下側のどちら側からも草刈り機が届かない箇所にある草を刈り残してしまうことがある。また、特に作業者が高齢者である場合は、斜面の上側から草刈り機を操作しようとすると、斜面の下側を覗き込むような姿勢になり、バランスを崩して転倒し易いという問題もある。
【0004】
そこで、斜面の勾配に合わせて足場を据え置く個所の角度を調節し、これを水平に設置するための斜面用足場設置具が提案されてきた。例えば、水平管材の一端に縦管材が枢着されており、その他端には傾斜バーの一端が枢着されており、該傾斜バーと縦管材とはスクリュー及びナット部材を介して該水平管材に対して該傾斜バーを傾斜自在に連結した構成の勾配用枠組が提案されている(例えば、下記の特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 実開昭51−64020号公報
【0006】
上記の従来技術に係る斜面用足場設置具によれば、スクリューをハンドルで操作することにより、斜面の勾配に合わせて足場を据え付ける個所の角度を調節することにより、足場を水平に設置することができる(例えば、上記の特許文献1を参照。)。このような斜面用足場設置具を使用すれば、作業者は水平に設置された足場にその足を踏み立てることにより、安定的な姿勢で斜面上の作業を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術に係る斜面用足場設置具は、これを斜面上に置いただけでは、特にその勾配が急であったりその地質が滑り易かったりすると、該斜面上を滑落してしまうといった問題が生ずる。そこで、本願発明が解決しようとする第一の課題は、作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、該斜面にこれを強固に固定することができる斜面用足場設置具を提供することにある。
【0008】
また、従来技術に係る斜面用足場設置具は、該斜面の勾配に合わせて足場を据え置く個所の角度を調節する作業が煩雑であるという問題があった。そこで、本願発明が解決しようとする第二の課題は、作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、該足場を据え付ける個所の角度を調節する作業を簡便にした斜面用足場設置具を提供することにある。
【0009】
更に、従来技術に係る斜面用足場設置具は、作業者が斜面の下側の平地から足場まで到達するためには該斜面を登らなければならず、足場から下側の平地に到達するためには該斜面を下らなければならないため、特にその勾配が急であったりその地質が滑り易かったりすると、作業者が足場に昇り降りするのに疲労するとともに、転倒したり滑落したりするおそれがあった。そこで、本願発明が解決しようとする第三の課題は、作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、作業者が容易かつ安全に該足場に昇り降りできる斜面用足場設置具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、上記の各課題を解決するために提案されたものであり、以下の構成を有するものである。以下では、本願発明の構成を理解するのを補助するため、本願に添付した図面に表示した番号及び符号をあわせて記載する。
【0011】
請求項1に係る斜面用足場設置具(1)は、作業者が斜面(A)上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場(B)を斜面(A)の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具であって、基礎部(2)と、固定部(3)と、据え付け部(4)とを有している。基礎部(2)は斜面(A)に接して足場(B)を設置するための基礎になる箇所であって、作業者が足場(B)に昇り降りするための入出路(21)を有している。固定部(3)は基礎部(2)を斜面(A)に固定するための箇所であり、斜面(A)に突き刺すための突き刺し部材(31)が基礎部(2)に回動可能に取り付けられている。据え付け部(4)は足場(B)を斜面(A)の勾配に合わせて水平に設置するための箇所であって、据え置き部(41)と、支持部(42)と、係止部(43)とからなる。据え置き部(41)は足場(B)を据え置くための箇所であって、途中で折り曲げ可能に構成された棒状部材であり、一端が基礎部(2)に回動可能に取り付けられており、他端が支持部(42)に嵌め合わせ可能に構成されている。支持部(42)は基礎部(2)上に据え置き部(41)を支持するための箇所であって、一端が回動可能に基礎部(2)に取り付けられており、他端が据え置き部(41)に嵌め合わせ可能に構成されている。係止部(43)は据え置き部(41)と支持部(42)とを嵌合させた状態を維持するための箇所である。
【0012】
請求項2に係る斜面用足場設置具(1)は、請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、固定部(3)に回動範囲制限手段(32)を有している。回動範囲制限手段(32)は、突き刺し部材(31)が基礎部(2)に対して回動する範囲を制限するための手段である。
【0013】
請求項3に係る斜面用足場設置具(1)は、請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、基礎部(2)に補助固定部(22)を有している。補助固定部(22)は、斜面(A)にこれを突き刺して基礎部(2)を固定するための補助突き刺し部材(5)を着脱自在に取り付けるための箇所である。
【0014】
請求項4に係る斜面用足場設置具(1)は、請求項3に記載した斜面用足場設置具であって、補助突き刺し部材(5)を有しており、及び/又は、補助突き刺し部材保持部(23)を有している。補助突き刺し部材保持部(23)は、補助突き刺し部材(5)を斜面用足場設置具(1)に保持するための箇所である。
【0015】
請求項5に係る斜面用足場設置具(1)は、請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、据え置き部(41)に足場(B)が滑落しないようにするための滑り止め(415)を有している。
【0016】
請求項6に係る斜面用足場設置具は、請求項1に記載した斜面用足場設置具であって、据え置き部(41)又は支持部(42)に嵌め合わせ可能な範囲を示す目印(416)を有している。
【発明の効果】
【0017】
本願発明に係る斜面用足場設置具は、上記の通りの構成であるから、以下のような効果を奏することができる。
【0018】
まず、請求項1に係る斜面用足場設置具(1)は、突き刺し部材(31)を回動させて斜面にこれを突き刺すことにより、基礎部(2)を強固に斜面(A)に固定することができる。従って、請求項1に係る斜面用足場設置具は、作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、該斜面にこれを強固に固定することができる斜面用足場設置具を提供するという本願発明が解決しようとする第一の課題を解決することができる。
【0019】
特に、請求項2に係る斜面用足場設置具(1)は、固定部(3)に突き刺し部材(31)が基礎部(2)に対して回動する範囲を制限するための回動範囲制限手段(32)を有しているため、突き刺し部材(31)が基礎部(2)に対して開きすぎてしまい、斜面(A)に突き刺し部材(31)を強固に突き刺すことができず、斜面用足場設置具(1)が斜面(A)を滑落してしまうといったことを防止できるため、上記の本願発明が解決しようとする第一の課題を解決するために一層好適である。
【0020】
また、請求項3に係る斜面用足場設置具(1)は、斜面(A)にこれを突き刺して基礎部(2)を固定するための補助突き刺し部材(5)を着脱自在に取り付けるための補助固定部(22)を基礎部(2)に有しているから、補助固定部(22)に取り付けた補助突き刺し部材(5)を斜面に突き刺すことにより、基礎部(2)をより強固に斜面(A)に固定することができるため、上記の本願発明が解決しようとする第一の課題を解決するために一層好適である。
【0021】
更に、請求項4に係る斜面用足場設置具(1)は、補助突き刺し部材(5)を有しており、及び/又は、補助突き刺し部材保持部(23)を有しているところ、作業者は補助突き刺し部材(5)を簡便に用いることができるとともに、これを斜面用足場設置具(1)と合わせて保管しておくことができるため、上記の本願発明が解決しようとする第一の課題を解決するために一層好適である。
【0022】
次に、請求項1に係る斜面用足場設置具は、足場(B)を水平に据え置けるように、作業者が斜面(A)の勾配角度に合わせて据え置き部(41)を回動させるとともに、その途中で所望の角度により折り曲げる。そして、作業者は据え置き部(41)に対向するように支持部(42)を回動させ、据え置き部(41)と支持部(42)とを嵌め合わせ、係止部(43)で係止してその嵌め合わせた状態を維持する。それから、作業者は据え置き部(41)に足場(B)を水平に据え置いて、斜面(A)上に水平に足場(B)を設置することができるのである。従って、請求項1に係る斜面用足場設置具は、作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、該足場を据え付ける個所の角度を調節する作業を簡便にした斜面用足場設置具を提供する本願発明が解決しようとする第二の課題を解決することができる。
【0023】
特に、請求項5に係る斜面用足場設置具は、据え置き部(41)に滑り止め(415)を有しているところ、据え置き部(41)に足場(B)を据え置いた際に、据え置き部(41)から足場(B)が滑落するおそれを低減することができるため、上記の本願発明が解決しようとする第二の課題を解決するために一層好適である。
【0024】
また、請求項6に係る斜面用足場設置具は、据え置き部(41)又は支持部(42)に嵌め合わせ可能な範囲を示す目印(416)を有しているところ、作業者が据え置き部(41)と支持部(42)とを嵌め合わせる際に、両者を嵌め合わせることができるか否かを作業者に認識させることができるため、上記の本願発明が解決しようとする第二の課題を解決するために一層好適である。
【0025】
そして、請求項1に係る斜面用足場設置具は、作業者が足場(B)に昇り降りするための入出路(21)を基礎部(2)に有しているため、作業者は斜面(A)を上り下りするよりも、容易かつ安全に足場(B)に昇り降りすることができる。従って、請求項1に係る斜面用足場設置具は、作業者が斜面上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場を該斜面の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具につき、作業者が容易かつ安全に該足場に昇り降りできる斜面用足場設置具を提供するという本願発明が解決しようとする第三の課題を解決することができる。
【0026】
本願発明に係る斜面用足場設置具を使用すれば、斜面の勾配に合わせて足場を据え置く個所の角度を調節し、これを水平に設置することができるため、作業者は水平に設置された足場にその足を踏み立てることにより、斜面上でも安定した姿勢で作業を行うことができる。即ち、斜面上の草刈りで言えば、作業者は安定した姿勢で草刈り機を操作することができるとともに、斜面上の草に余すところなく草刈り機を届かせることができるため草を刈り残してしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具を使用する形態を示した概略構成斜視図である。
【図2】本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具を収納する形態を示した概略構成斜視図である。
【図3】本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具を使用している状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具(1)の構造につき、添付図面に基づいて説明する。
【0029】
本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具(1)は、図1ないし3に図示するように、作業者が斜面(A)上で作業を行う際にその足を踏み立てるための足場(B)を斜面(A)の勾配に合わせて水平に設置するための斜面用足場設置具であって、基礎部(2)と、固定部(3)と、据え付け部(4)とを有している。
【0030】
基礎部(2)は、図1及び2に図示するように、斜面(A)に接して足場(B)を設置するための基礎になる箇所であって、作業者が足場(B)に昇り降りするための入出路(21)を有している。具体的には、金属製の棒状部材を組み立てて基礎部(2)の全体的な形状を梯子状に形成することにより、入出路(21)を形成することができる。
【0031】
固定部(3)は、図1及び2に図示するように、基礎部(2)を斜面(A)に固定するための箇所であり、斜面(A)に突き刺すための突き刺し部材(31)が基礎部(2)に回動可能に取り付けられている。突き刺し部材(31)としては、金属製の平板状の部材をL字型に屈曲させ、その先端を鋭利に加工した部材等を用いることができる。このような突き刺し部材(31)を基礎部(2)の一端部に軸支させることで、突き刺し部材(31)を基礎部(2)に回動可能に取り付けることができる。尚、固定部(3)は基礎部(2)の左右両側に設けると、これを基礎部(2)の片側にのみ設ける場合に比較して、基礎部(2)を斜面(A)により安定的に固定することができるようになり好適である。
【0032】
固定部(3)は、図1及び2に図示するように、突き刺し部材(31)が基礎部(2)に対して回動する範囲を制限するための回動範囲制限手段(32)を有している。回動範囲制限手段(32)としては、突き刺し部材(31)における基礎部(2)に取り付ける箇所の近傍に孔部を穿設し、基礎部(2)の内側へその脚を伸ばすようにボルトを取り付ける等してこれを設けることができる。
【0033】
据え付け部(4)は、図1及び2に図示するように、足場(B)を斜面(A)の勾配に合わせて水平に設置するための箇所であって、据え置き部(41)と、支持部(42)と、係止部(43)とから構成される。
【0034】
据え置き部(41)は、図1及び2に図示するように、足場(B)を据え置くための箇所であって、途中で折り曲げ可能に構成された棒状部材であり、一端が基礎部(2)に回動可能に取り付けられており、他端が支持部(42)に嵌め合わせ可能に構成されている。例えば、第一の据え置き部材(411)となる金属製の角型の管状部材の一端と第二の据え置き部材(412)となる金属製の筒状部材の一端とをボルト等の軸部材(413)で回動可能に接合することにより据え置き部(41)を形成することができる。そして、第一の据え置き部材(411)の他端は蝶番等の回動手段(414)によって基礎部に回動可能に取り付けられており、第二の据え置き部材(412)の他端は自由端になっており支持部(42)に挿入できるようになっている。第一の据え置き部材(41)は足場(B)を据え置くため、これが滑落し難いように、角型の部材を用いるのが好適である。
【0035】
据え置き部(41)は、図1及び2に図示するように、足場が滑り落ちないようにするための滑り止め(415)を有している。具体的には、第一の据え置き部材(411)における足場(B)と接する箇所に滑り止め(415)としてゴムシートを取り付けている。
【0036】
据え置き部(41)は、図2に図示するように、支持部(42)に嵌め合わせ可能な範囲を示す目印(416)を有している。例えば、第二の据え置き部材(412)の自由端において支持部(42)内に挿入して係止することができる範囲を着色することで、目印(416)とすることができる。
【0037】
支持部(42)は、図1及び2に図示するように、基礎部(2)上に据え置き部(41)を支持するための箇所であって、一端が回動可能に基礎部(2)に取り付けられており、他端が据え置き部(41)に嵌め合わせ可能に構成されている。具体的には、支持部(42)は金属製の筒状部材から構成されており、一端が蝶番等の回動手段(421)によって回動可能に基礎部(2)に取り付けられており、他端が自由端になっており第二の据え置き部材(412)の自由端を挿入できるようになっている。
【0038】
尚、図では据え置き部(41)を支持部(42)に挿入する構造になっているが、これとは反対に支持部(42)を据え置き部(41)に挿入する構造にすることも可能である。
【0039】
係止部(43)は、図1及び2に図示するように、据え置き部(41)と支持部(42)とを嵌合させた状態を維持するための箇所である。例えば、蝶ナット等の各種公知の係止具を用い、支持部(42)に穿設した孔部からこれを挿入し、支持部(42)内に挿入した第二の据え置き部(412)の端部を押圧することで据え置き部(41)と支持部(42)とを嵌合させた状態を維持することができる。
【0040】
補助固定部(22)は、図1及び2に図示するように、斜面(A)にこれを突き刺して基礎部(2)を固定するための補助突き刺し部材(5)を着脱自在に取り付けるための箇所であって、基礎部(2)に設けられている。例えば、補助突き刺し部材(5)としては、テント設置用のペグといった各種公知の杭部材を用いることができる。そして、補助固定部(22)はこのような補助突き刺し部材(5)を挿通して取り付けるべく、基礎部(2)に孔部を穿設することでこれを設けることができる。
【0041】
補助突き刺し部材保持部(23)は、図1及び2に図示するように、補助突き刺し部材(5)を斜面用足場設置具(1)に保持するための箇所である。例えば、補助突き刺し部材(5)を基礎部(2)とともに挟持してこれを保持するための帯状の部材を基礎部(2)に取り付けることにより、補助突き刺し部材保持部(23)とすることができる。
【0042】
以上が、本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具の構造に係る説明である。以下に、本願発明の一実施形態に係る斜面用足場設置具の使用方法につき、添付図面に基づいて説明する。
【0043】
斜面用足場設置具(1)は、斜面(A)上で作業を行う際に作業者がその足を踏み立てるための足場(B)を斜面(A)の勾配に合わせて水平に設置することを対象にしているが、以下では特に草刈り機を使用して山や土手の斜面(A)の草刈りを行う際に作業者がその足を踏み立てるための足場(B)を斜面(A)の勾配に合わせて水平に設置することを例にして説明する。
【0044】
斜面(A)に足場(B)を設置する場合、まず、作業者は、図1に図示するように、突き刺し部材(31)を回動させて基礎部(2)の長さ方向に対して所望の角度開くようにする。ここで、突き刺し部材(31)が基礎部(2)の長さ方向に対して90度以上開くと、斜面(A)に突き刺し部材(31)を強固に突き刺すことができず、斜面用足場設置具(1)が斜面(A)上を滑落してしまうおそれが高まる。そこで、回動範囲制限手段(32)を設けることにより、突き刺し部材(31)が基礎部(2)の長さ方向に対して90度以上開こうとすると、それを阻害してこれ以上開かないようにすることができるため、斜面用足場設置具(1)が斜面(A)上を滑落してしまうおそれを低減することができて好適である。
【0045】
次に、作業者は、図2に図示するように、斜面(A)と基礎部(2)の長さ方向とが平行になるようにして斜面(A)上に基礎部(2)を置くとともに、突き刺し部材(31)を斜面(A)に突き刺すことにより、基礎部(2)を強固に斜面(A)に固定することができる。
【0046】
ここで、斜面(A)が軟弱な土壌によって形成されているような場合、突き刺し部材(31)を斜面(A)に突き刺すだけでは、基礎部(2)を斜面(A)に強固に固定することができない可能性がある。そのような場合、作業者は、図1及び3に図示するように、基礎部(2)に穿設された孔部に補助突き刺し部材(5)を挿通させて、これを斜面(A)に突き刺すことができる。このように、作業者は補助固定部(22)を利用することで、基礎部(2)をより強固に斜面(A)に固定することができ好適である。
【0047】
そして、作業者は、図1に図示するように、足場(B)を水平に据え置けるように調節しながら、第一の据え置き部材(411)を基礎部(2)に対して回動させるとともに、第二の据え置き部材(412)を第一の据え置き部材(411)に対して折り曲げる。また、作業者は、据え置き部(41)に対向するように支持部(42)を基礎部(2)に対して回動させ、その内部に第二の据え置き部材(412)の自由端を挿入し、係止具により支持部(42)内に挿入した第二の据え置き部(412)の端部を押圧することにより、据え置き部(41)と支持部(42)とを結合する。このように、斜面用足場設置具(1)は、作業者が足場(B)を据え付ける個所の角度を調節する作業を簡便に行うことができるのである。
【0048】
ここで、支持部(42)への第二の据え置き部材(412)の自由端の挿入が不十分である場合、作業者の意図することなく第二の据え置き部材(412)が支持部(42)から脱出してしまうおそれがある。そこで、作業者は、図2に図示するように、着色により第二の据え置き部材の自由端において支持部(42)内に挿入して、これを係止することができる範囲を目印(416)として、第二の据え置き部材(412)が支持部(42)から脱出しないように支持部(42)の内部に第二の据え置き部材(412)の自由端を挿入することができる。
【0049】
作業者は、図3に図示するように、上記のようにして足場(B)を据え置く準備をした斜面用足場設置具(1)と平行するようにして、同様に足場(B)を据え置く準備をした斜面用足場設置具(1)をもう一台設置する。それから、作業者は、図3に図示するように、二台の斜面用足場設置具(1)の据え置き部(41)に足場(B)を水平に据え置いて、斜面(A)上に水平に足場(B)を設置することができる。足場(B)としては、金属製の平板状の足場用板といった各種公知の足場を用いることができる。そうすると、図3に図示するように、据え置き部(41)と、支持部(42)と、基礎部(2)とで側面視三角形状の構成により足場(B)を強固に支持することができる。また、第一の据え置き部材(41)における足場(B)と接する箇所には滑り止め(415)としてゴムシートが取り付けられているため、第一の据え置き部材(41)に足場(B)を据え置いた際に、第一の据え置き部材(41)から足場(B)が滑落するおそれを低減することができ、好適である。
【0050】
ここで、斜面用足場設置具(1)は、作業者が足場(B)に昇り降りするための入出路(21)を有しているため、作業者は斜面(A)を上り下りするよりも、容易かつ安全に足場(B)に昇り降りすることができる。そして、作業者は、上記のようにして水平に設置された足場(B)にその足を踏み立てることにより、斜面(A)上でも安定した姿勢で作業を行うことができる。即ち、斜面(A)上の草刈りで言えば、作業者は安定した姿勢で草刈り機を操作することができるとともに、斜面(A)上の草に余すところなく草刈り機を届かせることができるため草を刈り残してしまうこともない。
【0051】
尚、斜面(A)に高さがあるために一台の斜面用足場設置具(1)の高さでは所望の高さに足場(B)を設置することができない場合は、斜面用足場設置具(1)を斜面(A)に沿って縦方向に複数台設置することにより所望の高さに足場を設置することができる。また、足場(B)を斜面(A)の横方向に移動させる場合、一方の斜面用足場設置具(1)を斜面に設置したまま、他方の斜面用足場設置具(1)を撤去して所望の位置に再度設置することにより、簡便に移動させることができる。
【0052】
斜面(A)から足場(B)を撤去する場合、まず、作業者は、足場(B)を第一の据え置き部材(41)から取り外して、斜面用足場設置具(1)から足場(B)を撤去する。また、補助突き刺し部材(5)を斜面(A)に突き刺している場合、作業者はこれを挿通させていた補助固定部(22)を介して斜面(A)から引き出して撤去する。次に、作業者は係止具による係止状態を解除し、支持部(42)の内部に挿入されていた第二の据え置き部材(412)の自由端を引き出して、据え置き部(41)と支持部(42)の結合状態を解除する。そして、支持部(42)を回動させて基礎部(2)の長さ方向に平行になるようにするとともに、第一の据え置き部材(411)と第二の据え置き部材(412)とが直線状になるように折り曲げ状態を解除して、第一の据え置き部材(41)を回動させてこれを基礎部(2)の長さ方向に平行になるようにする。更に、使用者は斜面(A)に突き刺していた突き刺し部材(31)を回動させて斜面(A)から抜き出し、これも基礎部(2)の長さ方向に平行になるようにする。ここで、突き刺し部材(31)を斜面(A)から引き出しにくい場合は、基礎部(2)を固定部(3)とは反対側から持ち上げると、これを比較的容易に斜面(A)から抜き出すことができる。上記のように、斜面用足場設置具(1)はこれを使用しないときは、それを折り畳んで平面状に形成することができるため、運搬及び保管の際はコンパクトにこれらを行うことができ好適である。
【符号の説明】
【0053】
1 斜面用足場設置具
2 基礎部
21 入出路
22 補助固定部
23 補助突き刺し部材保持部
3 固定部
31 突き刺し部材
32 回動範囲制限手段
4 据え付け部
41 据え置き部
411 第一の据え置き部材
412 第二の据え置き部材
413 軸部材
414 回動手段
415 滑り止め
416 目印
42 支持部
421 回動手段
43 係止部
5 補助突き刺し部材
A 斜面
B 足場
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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