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土木・建設
 
【発明の名称】足場用ジャッキの抜け止め構造
【出願人】
【識別番号】506417843
【氏名又は名称】有限会社久留島工業
【住所又は居所】福岡県遠賀郡遠賀町大字虫生津1656−3
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100094215
【氏名又は名称】安倍 逸郎
【発明者】
【氏名】久留島 健太郎
【住所又は居所】福岡県遠賀郡遠賀町大字虫生津1656−3 有限会社久留島工業内
【要約】
【課題】
ベースジャッキからの脚部の抜け止めを防止する足場用ジャッキの抜け止め構造を提供する。
【解決手段】
ハンドル付き回転体13に抜け止め具11の本体15が外嵌される。また、抜け止め具11は、本体15から突出して設けられた板ばね片16を備えている。その板ばね片16は、ベースジャッキ12との間に脚部14を押圧して挟み込むとともに、ベースジャッキ12の外周面に向かって脚部14を付勢するものである。そして、板ばね片16には、脚部14を押圧する押圧面に、上記脚部14の突出部18を係止する凹部19が形成されている。これにより、建枠の脚部14をベースジャッキ12に固定することができる。建枠の脚部14から持ち上げても、その脚部14からベースジャッキ12の抜けを防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースジャッキにハンドル付き回転体がねじ込まれ、そのベースジャッキに嵌め込まれた建枠の脚部の抜け止めを行う足場用ジャッキの抜け止め構造において、
上記脚部の外周面に、外側に突出した突出部を配設するとともに、
上記ハンドル付き回転体に外嵌することにより、ベースジャッキからの上記脚部の抜け止めを行う抜け止め具を配設し、
上記抜け止め具は、上記ハンドル付き回転体に外嵌される本体と、
その本体から上記脚部の軸方向に突出した板ばね片とを備え、
上記板ばね片は、上記ベースジャッキとの間に上記脚部を押圧して挟み込むとともに、上記ベースジャッキの外周面に向かって上記脚部を付勢し、上記脚部を押圧する押圧面に上記突出部を係止する凹部を配設した足場用ジャッキの抜け止め構造。
【請求項2】
上記突出部は、上記脚部の外周面に沿って環状に形成された請求項1に記載の足場用ジャッキの抜け止め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は足場用ジャッキの抜け止め構造、詳しくは工事現場で使用する枠組足場の基礎部分である足場用ジャッキの抜け止め構造に関する。
【背景技術】
工事現場では、建物の新築、解体またはリフォームなどの工事に際しては、枠組足場 が高所作業用として広く使用されている。枠組足場は、複数の建枠、布枠およびブレースの主要部などで構成され、それらの部材の最下部には基礎となる足場用ジャッキが設けられる。
足場用ジャッキは、水平面に載置されるベース板と、そのベース板上に立設され、その外周面に雄ねじが形成された円柱状の支柱を備えたベースジャッキを有している。また、この足場用ジャッキは、上記支柱にねじ込まれる略円筒状の回転体を有し、その回転体から水平方向に突出して設けられたハンドルを備えたハンドル付き回転体を有するものである。
上記ベースジャッキの支柱には、上記建枠の脚部(足場用パイプ)が嵌め込まれる。そして、脚部は、その先端(下端)がハンドル付き回転体に当接するまで嵌め込まれる。また、上記ハンドル付き回転体は、ベースジャッキの支柱にねじ込まれる構造を有している。この足場用ジャッキにより、基礎に高低がある場合でも、上記脚部の高さを調整することができる。
この場合、上記脚部は、上記ハンドル付き回転体の回転体の上に単に嵌合して当接・載置された状態である。すなわち、上記ベースジャッキと上記脚部との間には抜け止め具が存在しない。したがって、水平方向などへの搬送する時、この脚部パイプからベースジャッキが抜け落ちるなどの問題が生じていた。よって、再度、ベースジャッキに建枠の脚部を嵌め込まなければならないという手間が生じていた。
そこで、この問題を解消するために、さまざまな工夫がなされた足場用ジャッキが開示されている。例えば、特許文献1には、脚部の抜けを防止することが可能なベースジャッキが開示されている。この文献には、フランジ部材と、フック部材と、外れ止め部材とで構成された抜け止め具が開示されている。
【特許文献1】
特開平10−236784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の抜け止め具は、上記3つの部材が必要であり、また、その着脱が非常に煩わしい。
また、上記3つの部材のうち1つの部材が欠けると、抜け止め具として、機能を果たさなくなってしまう。
さらに、上記3つの部材は、構造的に複雑であり、個別に製造するので、それらを製造するコストが高くなってしまう。
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、ベースジャッキからの脚部の抜けを防止することができる足場用ジャッキの抜け止め構造を提供することを目的とする。
また、この発明は、抜け止め具の着脱が容易にできる足場用ジャッキの抜け止め構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ベースジャッキにハンドル付き回転体がねじ込まれ、そのベースジャッキに嵌め込まれた建枠の脚部の抜け止めを行う足場用ジャッキの抜け止め構造において、上記脚部の外周面に、外側に突出した突出部を配設するとともに、上記ハンドル付き回転体に外嵌することにより、ベースジャッキからの上記脚部の抜け止めを行う抜け止め具を配設し、上記抜け止め具は、上記ハンドル付き回転体に外嵌される本体と、その本体から上記脚部の軸方向に突出した板ばね片とを備え、上記板ばね片は、上記ベースジャッキとの間に上記脚部を押圧して挟み込むとともに、上記ベースジャッキの外周面に向かって上記脚部を付勢し、上記脚部を押圧する押圧面に上記突出部を係止する凹部を配設した足場用ジャッキの抜け止め構造である。
ベースジャッキの種類としては、例えば、溝切ジャッキ、大引ジャッキ、棒ジャッキが挙げられる。
上記脚部とは、円筒形状を有する建枠の脚部となる部分(足場鋼管など)である。建枠の種類としては、鳥居型枠、梯子型枠などが挙げられる。
脚部に設けられる突出部の形状は限定されない。例えば、環状の突出部でもよいし、複数個の突起が、脚部の周方向に離間して配設されたものでもよい。または、脚部の外周面にビスを止め、そのビスの頭で突出部とすることもできる。
また、上記突出部の形成方法も限定されない。例えば、環状の突出部をビード加工またはバルジ加工により形成することもできる。または、通常の建枠の脚部に、その断面が円形、半円形または矩形の環体を突出部として配設し、ビス止め、溶接などして設けることもできる。
抜け止め具の板ばね片の形状は限定されない。例えば、ハンドル付き回転体からベースジャッキの軸線方向に沿って三角形状に突出しても良く、または短冊状などの略矩形状を有して突出させることもできる。
その板ばね片は脚部(足場パイプ)の円周方向において複数個設けることができる。その個数は限定されず、例えば、180度間隔ごとに2個、または90度間隔ごとに4個設けることができる。
上記板ばね片は、本体と一体に形成しても良く、また、本体から分離した構造を有していてもよい。例えば、板ばね片は、本体にビス止めして分離できるように設けることもできる。
また、抜け止め具の本体の形状は限定されない。例えば、円筒形状を有することもできる。
抜け止め具の素材は、その形成が容易で軽い合成樹脂が使用されることが好ましい。合成樹脂としては、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもよい。例えば、機械的強度に優れたアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)が使用される。なお、金属製品で成形してもよいことは勿論である。
また、抜け止め具を合成樹脂で形成すれば、強度の調整が容易である。
請求項1に記載の発明によれば、抜け止め具は、足場用ジャッキのハンドル付き回転体にその本体が外嵌される。また、抜け止め具は、本体から突出して設けられた板ばね片を備えている。その板ばね片は、ベースジャッキとの間に脚部を押圧して挟み込むとともに、ベースジャッキの外周面に向かって脚部を付勢するものである。そして、板ばね片には、脚部を押圧する押圧面に、上記脚部の突出部を係止する凹部が形成されている。これにより、建枠の脚部をベースジャッキに固定することができる。建枠の脚部から持ち上げても、その脚部からベースジャッキの抜けを防止することができる。また、板ばね片の板ばねの付勢を解除すれば、ベースジャッキから容易に建枠の脚部を取り外すことができる。しかも、取付時、抜け止め具は、ハンドル付き回転体に対してネジ止めなどで固定していないので、ハンドル付き回転体をベースジャッキにねじ込みそのねじ込み高さ位置を調整することにより脚部(パイプ)の高さを調整することができる。
請求項2に記載の発明は、上記突出部は、上記脚部の外周面に沿って環状に形成された請求項1に記載の足場用ジャッキの抜け止め構造である。
請求項2に記載の発明によれば、上記突出部は、上記脚部(パイプ)の外周面に沿って環状に形成されている。環状の突出部はビード加工、バルジ加工などにより容易に形成することができる。
【発明の効果】
本願発明に係る抜け止め具では、足場用ジャッキのハンドル付き回転体にその本体を外嵌する。このとき、抜け止め具の本体から脚部の軸方向に沿って突出している板ばね片は、脚部をベースジャッキも外周面に向かって押圧している。そして、この押圧面には上記突出部に係止する凹部が形成されている。これにより、建枠の脚部は、その突出部が板ばね片の凹部に係止され、板ばねとベースジャッキとの間で固定される。よって、建枠の脚部のみを上に持ち上げても、足場用ジャッキはその脚部から外れることはない。
また、何らかの手段により板ばね片をその付勢方向とは逆方向に付勢して板ばね片の板ばねの付勢を解除すれば、ベースジャッキから建枠の脚部を容易に取り外すことができる。しかも、足場用ジャッキへの取付時、抜け止め具は、ハンドル付き回転体に対してのみ固定され、ベースジャッキには固定されていないので、その取付後においてハンドル付き回転体を回転させて脚部の高さを簡単に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。図1〜図3はこの発明の一実施例に係る足場用のジャッキを示している。
【実施例1】
以下、この発明の第1の実施例を図1〜図3を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本願発明に係る足場用ジャッキの抜け止め構造10は、金属製のベースジャッキ12を有している。このベースジャッキ12は、工事現場などで床面など略水平な箇所・位置に設置される略矩形状のベース板21を備えている。
また、このベース板21上の中央部には、円柱形状を有し、その外周面に雄ねじが形成された所定高さの支柱22が立設されている。ベースジャッキ12の種類としては、例えば、溝切ジャッキ、大引ジャッキ、棒ジャッキが挙げられる。
また、ベースジャッキ12には、所定高さで所定肉厚の略円筒状の回転体(ボス部)26を有するハンドル付き回転体13が配設されている。ハンドル付き回転体13の回転体26の内周面には、上記支柱22にねじ込まれる雌ねじが形成されている。また、ハンドル付き回転体13は、回転体26から水平方向の両側に所定長さを有して突出した一対のハンドル23を備えている。すなわち、ハンドル付き回転体13は、このハンドル23により回転体26を回転することにより、ベースジャッキ12の支柱22にねじ込まれる。
さらに、上記ベースジャッキ12の頭部(支柱22)には、建枠の支柱である円筒状の脚部14(パイプ)が嵌め込まれている。そして、その脚部14の先端が、上記ハンドル付き回転体13の回転体26の上部段差部27に当接するまで嵌め込まれている。
ここで、上記建枠の脚部14とは、例えば、鳥居型枠または梯子型枠などの建枠の脚となる部分である。そして、脚部14の先端(下端)は、円筒形状を有している。
また、上記脚部14の下部には、外側に膨らみを持たせた突出部18がその外周面に形成されている。突出部18は、図1に示すように、その膨らみが環状に形成されたものである。この環状の突出部18はビード加工、プレス成形(バルジ加工)等により形成される。
そして、上記ハンドル付き回転体13には、本願発明に係る抜け止め具11の円筒状の本体15が外嵌される。抜け止め具11は、例えば、機械的強度に優れたアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)で形成される。この抜け止め具11は、略円筒状の本体15を有している。また、この本体15には、上記ハンドル付き回転体13のハンドル23に嵌入される半円形の切り欠き24が本体15の両側に形成されている。
また、本体15の下部には、ハンドル付き回転体13の下部に掛止する爪17が設けられている。爪17は、本体15の下部からベースジャッキ12の支柱22に向かって突出した略矩形状を有している。また、爪17は、複数個設けられ、各爪17との間には、切り欠き部25が設けられる。これにより、複数個の爪17が左右に開きやすくなる。
さらに、本体15の上端からベースジャッキ12の支柱22の軸方向の上方に向かって突出した板ばね片16が設けられている。図3に示すように、その板ばね片16は、90度間隔ごとに4個設けられている。また、板ばね片16は、所定幅、所定長さを有して略矩形状に形成されている。板ばね片16の厚さは任意とする。
その板ばね片16は、ベースジャッキ12の支柱22の外周面に向かって脚部14を付勢する板ばねとして機能する。抜け止め具11を回転体13に装着した状態では、板ばね片16は、外力が作用していない場合には、脚部14の外周面に当接した状態である。
さらに、上記板ばね片16の上記脚部14の外周面を押圧する押圧面には、上記環状の突出部18を係止する凹部19が設けられている。その凹部19は、軸線が水平方向に延びるハーフパイプ形状を有して、板ばね片16の押圧面の略中央部に配設されている。
次に、本願に係る足場用ジャッキの抜け止めの構造について説明する。
まず、複数個のベースジャッキ12を工事現場の水平面に載置する。また、ベースジャッキ12の支柱22には、ハンドル付き回転体13が所定高さ位置にねじ込まれている。次いで、ベースジャッキ12の支柱22に、抜け止め具11の本体15を挿入する。そして、その本体15をハンドル付き回転体13の回転体26に位置させる。
そして、抜け止め具11の爪17をハンドル付き回転体13の回転体26の下部に引っ掛ける。これにより、抜け止め具11の本体15をハンドル付き回転体13の回転体26に嵌合することができる。
さらに、鳥居型枠などの建枠の脚部14を、その先端(下端)が上記ハンドル付き回転体13の回転体26の頭部に当接するまで、ベースジャッキ12の支柱22に挿入する。上記脚部14には、環状の突出部18がその外周面に形成されている。脚部14を降下させると、上記突出部18が、板ばね片16の内周面に当接し、その板ばね片16を脚部14の円形断面における放射方向に開かせる(拡げる)。
さらに、脚部14を降下させると、その脚部14の突出部18が板ばね片16の凹部19に嵌り込む。また、板ばね片16は、ベースジャッキ12の支柱22の外周面との間に脚部14を押圧して挟み込むとともに、ベースジャッキ12の支柱22の外周面に向かって脚部14を押圧して付勢する。
このように支柱22に抜け止め具11を嵌合して配設することにより、脚部14を、抜け止め具11とベースジャッキ12の支柱22との間に挟み付けて強固に固定保持することができる。また、抜け止め具11は、ハンドル付き回転体13には一体化されて嵌合掛止される。よって、この抜け止め具11は、全体として、ベースジャッキ12の支柱22に対してはその軸線回りに回転自在に設けられていることとなる。
この結果、建枠を持ち上げても、その脚部14はベースジャッキ12の支柱22から抜けることがない。また、ハンドル付き回転体13の回転体26の支柱22へのねじ込み位置を変更することにより、抜け止め具11がハンドル付き回転体13に取り付けられた状態で脚部14の下端の高さ位置を調整することができる。
次に、足場を撤去する場合、まず、上記板ばね片16を脚部14の放射方向に足で踏んだりまたは工具などで押し開きながら、脚部14を持ち上げる。すると、板ばね片16の凹部19への突出部18の係止が解除される。これにより、ベースジャッキ12の支柱22から脚部14を抜き出すことができる。このように、本願発明に係る抜け止め具11は、ワンタッチでハンドル付き回転体13から取り外すことができる。
また、本願発明に係る抜け止め具11は、ワンタッチでハンドル付き回転体13に装着することができる。工事現場で、足場を頻繁に移動する場合でも、ベースジャッキ12から脚部14が抜け落ちることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係る足場用ジャッキの抜け止め構造の全体構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施例1に係る足場用ジャッキの抜け止め構造の全体構成を示す断面図である。
【図3】図2のA−A線から見た断面を示す平面図である。
【符号の説明】
10 足場用ジャッキの抜け止め構造、
11 抜け止め具、
12 ベースジャッキ、
13 ハンドル付き回転体、
14 脚部、
15 本体、
16 板ばね片、
17 爪、
18 突出部、
19 凹部。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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