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土木・建設
 
【考案の名称】標示体(アートコーン)
【実用新案権者】
【識別番号】595173189
【氏名又は名称】清水 卯三郎
【住所又は居所】埼玉県入間市野田699番地12
【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
【考案者】
【氏名】清水 卯三郎
【住所又は居所】埼玉県入間市野田699番地12
【要約】 (修正有)
【課題】資源を有効に活用して環境に配慮するとともに、視認性の高い情報の表示が可能な標示体を提供する。
【解決手段】標示体10は、表示本体部11と固定部12を有する。情報13を印刷した合成紙あるいは合成木材からなる表示本体部11を略円錐台形状に構成してなる。
【選択図】図1

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
情報を印刷した合成紙あるいは合成木材からなる表示本体部を略円錐台形状に構成してなる標示体。
【請求項2】
情報が印刷された略扇形の合成紙あるいは合成木材の表示本体部と、
前記表示本体部を略円錐台形状に維持可能となるように該表示本体部の一部に設けられた固定部と、
を有する標示体。
【請求項3】
前記表示本体部を支持する支持部材を備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の標示体。
【請求項4】
前記表示本体部に注意喚起手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の標示体。
【請求項5】
複数の前記表示本体部を連携可能な連携手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の標示体。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、標示体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路等に設置する樹脂材料からなる略円錐台形状の標示体(標識具・コーン)の表面に、案内や注意喚起を目的として各種情報(文字や図柄)を表示する場合がある。これらの情報の表示方法として、標示体本体に直接印刷したり、標示体に表示体を取り付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2021−116675号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、標示体本体に直接印刷を行う方法では、その材質がプラスチック(一般的には例えば、ポリエチレンなど)の場合には特に、印刷の耐久性が悪く(色褪せが進行しやすく)、屋外等の使用において印刷が劣化し、不鮮明になりやすい問題があった。
【0005】
また、プラスチック製の標示体(コーン)はその材質の紫外線の硬化などにより外観の劣化が進みやすい問題もある。例えば、店舗前などに設置する場合などでは特に、ひび割れや欠損部の発生などにより見栄えが悪くなると、機能的にはコーンとして問題がなくても、交換・廃棄が繰り返され、資源が無駄になりがちである。
【0006】
また、例えば特許文献1に記載のようにコーンに別体の表示体を取り付けるような場合、表示体は耐久性・防水性を考慮してプラスチック材料が用いられることも多い。しかしながらプラスチック製の標示体(コーン)や、プラスチック材料による表示体の場合、これら(プラスチック材料)を廃棄する際の環境に及ぼす影響が問題となる。
【0007】
本考案は、斯かる実情に鑑み、資源を有効に活用して環境に配慮するとともに、視認性
の高い情報の表示が可能な標示体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本考案は、情報を印刷した合成紙あるいは合成木材からなる表示本体部を略円錐台形状に構成してなる標示体に係るものである。
【0009】
また、本考案は、情報が印刷された略扇形の合成紙あるいは合成木材の表示本体部と、前記表示本体部を略円錐台形状に維持可能となるように該表示本体部の一部に設けられた固定部と、を有する標示体に係るものである。
【考案の効果】
【0010】
本考案によれば、資源を有効に活用して環境に配慮するとともに、視認性の高い情報の表示が可能な標示体を提供できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案の標示体を説明する外観図である。
【図2】本考案の標示体説明する図であり、(A)展開状態の平面図、(B)組み立て状態を示す正面図、である。
【図3】本考案の標示体の変形例を示す図であり、(A)外観図、(B)外観図、(C)上面図である。
【図4】本考案の標示体の変形例を示す図であり、(A)発光ユニットの分解図、(B)発光ユニットの取り付け例を示す図、(C)発光ユニットの取り付け例を示す図である。
【図5】本考案の標示体の変形例を示す外観図である。
【図6】本考案の標示体の変形例を示す図であり、(A)展開状態の平面図、(B)使用状態を示す外観図である。
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下、本考案の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本考案の標示体10を説明する図であり、同図(A)は標示体10の外観の一例を示す正面図であり、同図(B)が背面図である。図2は、本考案の標示体10を説明する図であり、同図(A)が標示体10の組み立て前の展開図であり、同図(B)が組み立て状態を示す正面図である。
【0013】
図1に示すように、本考案は、保安や案内のために道路、工事現場、施設内外などに配置される略円錐台形状の標示体10であって、特に情報13の表示が可能(表示機能付き)の標示体10(以下、サインコーン10という)に係るものである。
【0014】
同図(A),同図(B)を参照して、本考案のサインコーン10は、表示本体部11と固定部12(同図(B)参照)を有する。表示本体部11は、任意の情報13を印刷した合成紙あるいは合成木材からなる。合成紙とは、合成樹脂を主原料とし、合成樹脂の特徴を残しつつも木材パルプを主原料とした紙の持つ種々の性質(例えば、広範な印刷・加工性能など)を付与した製品をいう。本考案の合成紙は、その材質としてプラスチック(プラスチックフィルムなど)が僅かに含まれてもよいが、その含有割合は少ない方が望ましく、好適にはプラスチックフィルムが含まれないものをいう。または、合成木材(人工木材ともいう、以下同様)は、木粉とプラスチックを原料とする木材・プラスチック複合材(Wood-plastic composite:WPC)または、原料にリサイクルされた木質系原料やプラスチック原料を一定量用いた木材・プラスチック再生複合材(Wood-Plastic Recycled Composite:WPRC)である。本考案の合成木材も特にWPCの場合はプラスチックの含有量が少ないものの方が望ましい。また、本考案ではこれらに適宜の他の材料を混合したものも合成紙あるいは合成木材に含まれる。
【0015】
表示本体部11には、任意の情報13が印刷される。情報13は例えば、注意書き、案内、標識などを示す文字、図柄などであり、図1の例では、「駐停車禁止」の文字、それを囲む矩形の枠体、略円錐台形の表示本体部11の周方向に施された帯状の図柄(図1ではハッチングで示す)等である。このサインコーン10は、例えば、道路、駐車場などに単独で置いて又は複数個並べて、歩行者や車両の通行を案内・規制する交通標識として用いられる。あるいはサインコーン10は、例えば施設内外や店舗前・道路等に設置して案内標識として用いられる。
【0016】
表示本体部11は、図1(A)、同図(B)に示すように、情報13が外表に視認可能となるように例えばその外形が略円錐台形状に構成される。より詳細には、表示本体部11はその頂部Tと底部Bが開口された筒状の円錐台形状であるが、頂部Tの開口の程度(開口の程度が小さい)によっては略円錐台形状であってもよい。
【0017】
図2を参照して、サインコーン10(表示本体部11)は、展開状態では同図(A)に示すように円弧部111と半径部112を含む略扇形の合成紙あるいは合成木材からなるシートである。そして、表示本体部11の一部、具体的に略扇形の半径部112の少なくとも一方(半径部112A)には、他方の半径部112Bと重ね合わせて固定(接着)可能な固定部12が設けられる。固定部12は例えば、接着剤を塗布した領域あるいは両面テープを貼り付けた領域などである。
【0018】
表示本体部11は、まず、例えば、図2(A)に示すような略扇状の無地のシートに対し、既知の印刷機(プリンター)によって任意の情報13を印刷する。そして同図(B)に示すように一点鎖線を軸として巻き、略円錐台形状に変形するとともに固定部12にて半径部112同士を固定(接着)する。固定部12により、表示本体部11は略円錐台形状に維持される。固定部12は、繰り返し剥離と接着が可能な接着材料により構成されてもよい。
【0019】
合成紙は、強度や耐水性においてプラスチックフィルムに似た特性を有しており、シート状の表示本体部11を円錐台形状にするだけで、安定した自立が可能となる。
【0020】
なお、情報13を印刷後の表示本体部11の表面に、例えば防水(撥水)・防汚加工(例えば、ラミネート加工など)を施してもよい。
【0021】
サインコーン10の形状、サイズは例えば、従来既知のコーン(三角コーン)などと同程度であるが、所定形状の合成紙(または合成木材)に印刷して組み立て可能であるので、サイズや形状は任意である。例えば、従来既知のコーンと比較して径が細く高さが高い形状とすることも可能であるし、従来既知のコーンと比較して径が太く高さが低い形状とすることも可能である。
【0022】
本考案によれば、容易且つ安価に、情報13の表示機能付きの標示体(サインコーン)10を提供できる。この場合、表示本体部11は軽量であり、また印刷する情報13の変更により多種多様な情報13の表示が可能となる。また、情報13の表示が不要となった場合などにあっては、表示本体部11は、図2(A)に示すように固定部12の固定(接着)を剥離してシート状とし、必要に応じて折り畳むことも可能であり、運搬が容易になるだけでなく、省スペースで収納可能となる。
【0023】
また、表示本体部11を例えば合成紙(または合成木材)で構成することにより、色彩・文字等様々な印刷が可能となり、印刷の再現性も高く、発色性も良好となる。さらに、印刷の耐久性も高めることができる。従って標示体10に対して、長期間にわたり視認性
および審美性の高い表示機能を付与することができる。
【0024】
さらに、サインコーン10は、略円錐台形で筒状の合成紙あるいは合成木材(のみ)で構成されており、従来既知のプラスチック製コーンと比較して、廃棄時のリサイクル性を高め、また廃棄時の環境に対する負荷を軽減できる。
【0025】
<変形例>
以下、図3から図6を参照して本考案のサインコーン10の変形例について説明する。これらはいずれもサインコーン10及びその使用状態を説明する外観図である。
【0026】
まず、図3は、表示本体部11に支持部材15を設ける例である。同図(A),同図(B)は外観図であり、同図(C)は上面図である。
【0027】
支持部材(ベース部)15はサインコーン10を支持する部材である。同図(A)に示すように、ベース部15は、例えばその外周形状が円形状や多角形状の環状の部材であり、略円型の表示本体部11の底部Bの周囲に鍔状に取り付け(着脱)可能である。図1、図2に示すように、サインコーン10は、表示本体部11のみでも安定して自立可能であるが、ベース部15を設けることにより、設置時の安定性をより高めることができる。この場合、ベース部15も表示本体部11と同様、合成紙あるいは合成木材で構成するとよい。なお、同図の例では、ベース部15は表示本体部11に着脱可能である場合を示したが、ベース部15は表示本体部11に一体的に接合していてもよい。例えば、図示は省略するが、ベース部15はその外周縁部の一部が円弧部111(図2(A)に示した展開図参照)に連続して設けられ、組み立てることにより図3(B)に示すように表示本体部11の底部B周囲に鍔状に固定配置されるものであってもよい。
【0028】
また、ベース部15を或る程度重量のある材料(例えば、木材など)で構成するか、錘となる部材に合成紙のベース部15を張り付けるなどすることで、サインコーン10を安定して配置することができる。
【0029】
さらに、同図(C)に示すように、例えば、表示本体部11の底部Bとなる部分に予め切れ込み等を入れるなどしておき、その部分を外側に放射状に折り曲げてベース部15としてもよい。
【0030】
図4は、表示本体部11に注意喚起手段16を備える例である。注意喚起手段16は、表示本体部11(サインコーン10)を目立たせ、より注意喚起を促す手段である。注意喚起手段16の一例としては発光ユニット16が挙げられる。発光ユニット16は、例えば、同図(A)に示すように、電源アダプター161と点滅(点灯)可能なライト162、および防水キャップ163などを含む。
【0031】
同図(B),同図(C)に示すように注意喚起手段(発光ユニット)16は、略円錐台形の筒状に構成された表示本体部11の頂部Tの開口部に取り付け可能である。詳細には、例えば電源アダプター161とライト162は例えば表示本体部11の内部に収容され、あるいは頂部Tの開口部に取り付けられる。そして防水キャップ163は電源アダプター161とライト162を覆うように開口部に取り付けられる。
【0032】
図示は省略するが、注意喚起手段16は、表示本体部11(の存在)を目立たせる手段であればこの例に限らない。注意喚起手段16は例えば、表示本体部11の頂部Tに取り付け可能な蓄光手段や反射手段(リフレクター)などであってもよい。また、注意喚起手段16の取り付け位置は表示本体部11の頂部Tに限らず、表示本体部11の側面部(略円錐台形状の周面部)であってもよい。例えば、注意喚起手段16は、帯状の基部に取り
付けられたライト、帯状の反射ベルトなどを表示本体部11の側面部に例えば螺旋状に巻き付けるなどしてもよい。
【0033】
図5は、複数の表示本体部11を連携可能な連携手段17を設ける場合の一例である。連携手段17は例えば、同図(A)、同図(B)に示すようにその頂部(頭部)に係止リング172を備える係止キャップ171である。同図(A)に示すように、係止キャップ171は、表示本体部11の頂部Tの開口部に取り付け可能であり、係止リング172には例えば、同図(B)に示すようにロープなどの連結手段30を締結(係止)可能である。これにより、複数のサインコーン10同士をロープ30等で連結することができる。
【0034】
あるいは、同図(C)に示すように、表示本体部11の側面(略円錐台形状の周面)に、直接、連携手段17(例えば、係止リング172)を取り付けてもよい。また、同図(A),同図(B)において係止リング172は、係止キャップ171の側面(周面)に備えてもよい。
【0035】
また、図6に示すように、サインコーン10(表示本体部11)の側面部に連結部材(ロープや連結棒(コーンバー)など)を挿通可能な穴部18を設けてもよい。これにより、例えば、同図(B)に示すように穴部18にコーンバー201を挿通、支持することが可能となり、図5に示す連携手段17を設けることなく、複数のサインコーン10を連携することができる。
【0036】
また、穴部18の位置は図示のものに限らない。また、穴部18は略円形状にかぎらず、スリット状または切り込み等であってもよい。
【0037】
以上、本考案のサインコーン10は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0038】
例えば、図1、図2に示す構成、および図3〜図6に示す変形例の構成は、適宜組み合わせて適用可能である。例えば、図3に示すベース部15は、図4〜図6のいずれかに示した変形例と組み合わせてもよい。また、図4に示す注意喚起手段16と図5に示す連携手段17を共用してもよい。
【0039】
また、例えば、表示本体部11は組み立てた状態で略円錐台形状になっていればよく、展開状態では1枚の略扇形状のシートで構成されなくてよい。例えば、展開状態では複数枚のシートにより構成され、夫々を接着するなどして略円錐台形状としてもよい。また、帯状のシートを螺旋状に巻き付け、略円錐台形状としてもよい。
【0040】
また、図4に示す防水キャップ163は、電源アダプター161やライト162を覆うものでなく、単独で用いてもよい。また、表示本体部11は、当該防水キャップ163や図5に示す係止キャップ171、その他用途に応じた任意形状のキャップ19(図6(B)参照)が取り付け可能である。
【0041】
また、本考案の図面に示した情報(文字および/または図柄)13は一例であり、図示の例に限らず任意の情報13を印刷可能である。情報13は文字のみであってもよいし、図柄のみであってもよい。
【0042】
また、固定部12は表示本体部11の形状を略円錐台形状に維持、固定可能なものであれば接着に限らず、ボタンや紐状部材、ワイヤなどであってもよい。
【0043】
なお、強度を高めるために、表示本体部11および/またはベース部15を、他の材料
(例えば、ダンボール紙、木材など)に貼り付けてもよい。また、所定の芯部材などに表示本体部11を被せて使用してもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 サインコーン
11 表示本体部
12 接着部
13 情報
15 支持部材(ベース部)
16 注意喚起手段(発光ユニット)
17 連携手段
18 穴部
30 連結手段
111 円弧部
112、112A、112B 半径部
161 電源アダプター
162 ライト
163 防水キャップ
171 係止キャップ
201 コーンバー
B 底部
T 頂部
試作写真
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【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
【図4】
図4 
【図5】
図5 
【図6】
図6 
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