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【発明の名称】簡易ハウス 【出願人】 【識別番号】523386267 【氏名又は名称】高橋 盛夫 【住所又は居所】岩手県北上市常盤台1丁目1番60号 【代理人】 【識別番号】110002354 【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所 【発明者】 【氏名】高橋 盛夫 【住所又は居所】岩手県北上市常盤台1丁目1番60号 【要約】 【課題】 構造が複雑になることなく、屋根の取り外しを行わなくても、容易に壁パネルの交換を行うことができるようにして、壁パネルの交換作業効率の向上を図る。 【解決手段】 隣接する一対の支柱10間の間隔を同じにする支柱10の組Ga,Gbを複数組設け、これらに設けられる壁パネル20同士を交換可能にし、壁パネル20を、床フレーム1,屋根フレーム3及び隣接する一対の支柱10で構成される壁空間に遊挿される矩形枠状の壁フレーム21を備えて構成し、この壁フレーム21に枠状のフランジ22を延設し、フランジ22が当接する支柱10の外表面に、所定間隔で複数のボルト23を立設し、フランジ22に、ボルト挿通孔24を形成し、壁パネル20を、ボルト23にナット25をねじ込むことによりフランジ21を支柱10に押圧して固定するようにした。 【選択図】図1 ![]() ![]() 【特許請求の範囲】 【請求項1】 矩形枠状の金属製の床フレームを有した床と、上記床フレームに対応し且つこれと平行に設けられる矩形枠状の金属製の屋根フレームを有した屋根とを備え、上記床フレームと屋根フレームとの間に架設される金属製の支柱を4本以上設け、該支柱を少なくとも上記床フレームの4つのコーナ部と屋根フレームの4つのコーナ部との間に架設し、隣接する一対の支柱の組を少なくとも4組備え、隣接する一対の支柱の組に壁パネルを設け、上記隣接する一対の支柱間の間隔を同じにする支柱の組を複数組設け、該隣接する一対の支柱間の間隔を同じにする支柱の組に設けられる壁パネル同士を交換可能にした簡易ハウスにおいて、 上記壁パネルを、上記床フレーム,屋根フレーム及び隣接する一対の支柱で構成される対応する壁空間に遊挿される矩形枠状の金属製の壁フレームを備えて構成し、該壁フレームに上記床フレーム,屋根フレーム及び隣接する一対の支柱の外表面に当接する枠状の金属製のフランジを延設し、上記壁空間を構成する少なくとも一対の各支柱の上記フランジが当接する外表面に、所定間隔で複数のボルトを立設し、上記フランジに、上記ボルトに対応したボルト挿通孔を形成し、該壁パネルを、上記ボルトにナットをねじ込むことにより該フランジを支柱に押圧して対応する壁空間に固定するようにしたことを特徴とする簡易ハウス。 【請求項2】 上記ボルトを、上記支柱のみに立設し、上記ボルト挿通孔を、上記フランジの支柱に当接する部位のみに形成したことを特徴とする請求項1記載の簡易ハウス。 【請求項3】 上記支柱とフランジとの間にシート状のパッキンを介装することを特徴とする請求項2記載の簡易ハウス。 【請求項4】 上記隣接する一対の支柱間の間隔を同じにする複数の支柱の組からなり、互いに支柱間の間隔寸法が異なる複数のグループを設けたことを特徴とする請求項1記載の簡易ハウス。 【請求項5】 上記床フレームのコーナ部と屋根フレームのコーナ部との間に架設される支柱を、該コーナ部間に架設される主支柱と、該主支柱に接合若しくは近接して架設される副支柱とを備えて構成し、該副支柱に、上記壁パネルのフランジを当接させるようにするとともに、上記ボルトを立設したことを特徴とする請求項4記載の簡易ハウス。 【請求項6】 上記支柱の内側に、該支柱及び該支柱に設けられる壁パネルの壁フレーム側を覆う横断面L字板状の内側コーナカバーを付設したことを特徴とする請求項5記載の簡易ハウス。 【請求項7】 上記床フレームのコーナ部と屋根フレームのコーナ部との間に架設される隣接する支柱間に、別の支柱を設けたとき、該別の支柱の内側面に、該別の支柱の内側面及び該別の支柱に設けられる壁パネルの壁フレーム側を覆う横断面I字板状の内側中間カバーを付設したことを特徴とする請求項6記載の簡易ハウス。 【請求項8】 上記床フレームの4つのコーナ部と屋根フレームの4つのコーナ部との間に架設される4本の各支柱の外側面であって、上記壁パネルのフランジが及ばない露出した長手方向角部に、該角部を覆う横断面L字板状の外側コーナカバーを付設したことを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の簡易ハウス。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、屋根及び複数の壁パネルで囲繞した小部屋を提供し、例えば、建築現場等の事務所,仮店舗,倉庫,宿舎などとして用いられ、最近では住居用としても用いられる簡易ハウスに係り、特に、例えばトラックの荷台に載せて運搬可能な小型のもので、使用している全部若しくは一部の壁パネル同士を交換可能にして配置換えを行うことができる簡易ハウスに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、この種の簡易ハウスとして、例えば、特開2015−101896号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。図9に示すように、この簡易ハウスHaは、長方形の矩形枠状の金属製の床フレーム100を有した床101と、床フレーム100に対応し且つこれと平行に設けられる長方形の矩形枠状の金属製の屋根フレーム102を有した屋根103とを備え、床フレーム100と屋根フレーム102との間に金属製の支柱104を6本架設し、これらの支柱104の内の4本は床フレーム100の4つのコーナ部と屋根フレーム102の4つのコーナ部との間に架設し、他の2本は、互いに対向する一対の長辺であってコーナ部間の中央部に架設している。これにより、隣接する一対の支柱104の組を6組備え、これらの隣接する一対の支柱104の各組に、壁パネル105を設けている。壁パネル105としては、全面が壁で形成されたもの、ドアが設けられたもの、窓が設けられたもの等種々用意されている。 【0003】 そして、隣接する一対の支柱104の6組においては、隣接する一対の支柱104間の間隔が同じになっていて、これらに設けられる壁パネル105同士を交換可能にしている。具体的には、隣接する支柱104の互いに対面する側部に、長手方向にホゾ孔106を形成し、各壁パネル105の両側縁部にホゾ孔106に上からスライドして係合するホゾ107を形成している。 【0004】 この従来の簡易ハウスHaは、例えば、工場などで組み立てを行う。この際には、床101の床フレーム100に各支柱104を立設し、それから、各壁パネル105を、クレーンなどで持ち上げて、所望の位置に移動させ、これらのホゾ107を支柱104のホゾ孔106に上から差し込んでスライドして係合させて支柱104間に取付ける。最後に、クレーンなどで屋根103を持ち上げてその屋根フレーム102を支柱104に取付けるようにする。このようにして組み立てられた簡易ハウスHaは、例えば、トラックの荷台に載せて使用場所に運搬して設置する。勿論、設置場所において組み立てることもできる。これにより、この簡易ハウスHaは、建築現場等の事務所,仮店舗,倉庫,宿舎などの用途に供される。 【0005】 また、この簡易ハウスHaにおいて、例えば、これの設置場所において、あるいは、トラックでそのまま搬送して別の場所で使用する際等、ドアの位置や窓の位置を変えたいような場合が生じるが、その場合には、先ず、クレーンなどで屋根103を持ち上げて取外し、それから、組立時とは逆に、必要な壁パネル105を、クレーンなどで持ち上げて、これらのホゾ107を支柱104のホゾ孔106にスライドさせて取外す。それから、上記と同様に、取外した各壁パネル105を、クレーンなどで持ち上げて、所望の位置に移動させ、これらのホゾ107を支柱104のホゾ孔106に上から差し込んでスライドして係合させて支柱104間に取付ける。最後に、再び、クレーンなどで屋根103を持ち上げてその屋根フレーム102を支柱104に取付けるようにする。これにより、この簡易ハウスは、ドアや窓の位置を設置場所の条件に合わせた形で、使用の用に供することができる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】 特開2015−101896号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、この従来の簡易ハウスHaにおいては、壁パネル105の配置換えを行い、ドアの位置や窓の位置を変えたい場合には、逐一、クレーンなどで屋根103を持ち上げて取外し、それから、必要な壁パネル105を、これもクレーンなどで持ち上げて取外さなければならないので、作業が極めて煩雑になっている。また、取外した各壁パネル105を組み立てるときも、クレーンなどで持ち上げて、所望の位置に移動させ、最後に、再び、クレーンなどで屋根103を持ち上げて支柱104に取付けるようにしなければならないので、この点でも作業が極めて煩雑になっている。即ち、従来の簡易ハウスHaでは、屋根103の着脱と壁パネル105の着脱とを、逐一、クレーンなどで持ち上げて行わなければならないので、壁パネル105の交換作業効率が悪いという問題があった。また、支柱104にホゾ孔106を設け、壁パネル105にホゾ107を形成するので、加工が面倒で、構造が複雑になり、製造コストも高くなるという欠点もある。 【0008】 本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、構造が複雑になることなく、屋根の取り外しを行わなくても、容易に壁パネルの交換を行うことができるようにして、壁パネルの交換作業効率の向上を図った簡易ハウスを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 このような目的を達成するため、本発明の簡易ハウスは、矩形枠状の金属製の床フレームを有した床と、上記床フレームに対応し且つこれと平行に設けられる矩形枠状の金属製の屋根フレームを有した屋根とを備え、上記床フレームと屋根フレームとの間に架設される金属製の支柱を4本以上設け、該支柱を少なくとも上記床フレームの4つのコーナ部と屋根フレームの4つのコーナ部との間に架設し、隣接する一対の支柱の組を少なくとも4組備え、隣接する一対の支柱の組に壁パネルを設け、上記隣接する一対の支柱間の間隔を同じにする支柱の組を複数組設け、該隣接する一対の支柱間の間隔を同じにする支柱の組に設けられる壁パネル同士を交換可能にした簡易ハウスにおいて、 上記壁パネルを、上記床フレーム,屋根フレーム及び隣接する一対の支柱で構成される対応する壁空間に遊挿される矩形枠状の金属製の壁フレームを備えて構成し、該壁フレームに上記床フレーム,屋根フレーム及び隣接する一対の支柱の外表面に当接する枠状の金属製のフランジを延設し、上記壁空間を構成する少なくとも一対の各支柱の上記フランジが当接する外表面に、所定間隔で複数のボルトを立設し、上記フランジに、上記ボルトに対応したボルト挿通孔を形成し、該壁パネルを、上記ボルトにナットをねじ込むことにより該フランジを支柱に押圧して対応する壁空間に固定するようにした構成としている。 壁パネルとしては、全面が壁で形成されたもの、ドアが設けられたもの、窓が設けられたもの等種々用意されている。 【0010】 これにより、本発明の簡易ハウスを組み立てるときは、例えば、工場などで行う。この際には、床の床フレームに各支柱を立設し、それからクレーンなどで屋根を持ち上げて、この各支柱上取付ける。次に、各壁パネルを、これは作業員が手で持って、所望の位置に移動させ、壁パネルのフランジのボルト挿通孔に支柱のボルトを挿通させて、壁フレームを対応する壁空間に遊挿して支持する。それから、ナットを各ボルトにねじ込んで締め、フランジを支柱に押圧する。これにより、壁パネルは対応する壁空間に固定される。このようにして、順次壁パネルを壁空間に取付けていく。組み立てられた簡易ハウスは、例えば、トラックの荷台に載せて使用場所に運搬して設置する。勿論、設置場所において組み立てることもできる。これにより、この簡易ハウスは、建築現場等の事務所,仮店舗,倉庫,宿舎などの用途に供される。 【0011】 また、この簡易ハウスにおいて、例えば、これの設置場所において、あるいは、トラックでそのまま搬送して別の場所で使用する際等、ドアの位置や窓の位置を変えたいような場合が生じるが、その場合には、必要な壁パネルにおいて、組立時とは逆に、ボルトからナットを緩めて外す。それから、作業員が壁パネルを手で持って、支柱のボルトから壁パネルのフランジのボルト挿通孔を外し、所望の位置に移動させる。その後、上記と同様に、壁パネルのフランジのボルト挿通孔に支柱のボルトを挿通させて、壁フレームを対応する壁空間に遊挿して支持する。それから、ナットを各ボルトにねじ込んで締め、フランジを支柱に押圧する。これにより、壁パネルは対応する壁空間に固定される。この場合、屋根を取り外さなくても、ナットの取外し取付けだけで、壁パネルの交換を行うことができるので、即ち、従来のように、屋根の着脱を、逐一、クレーンなどで大きく持ち上げて行わなくても良いので、壁パネルの交換作業効率の向上を図ることができる。 【0012】 また、壁パネルは、内側ではなく、外側に向けて取り外し、外側から装着するので、従来のように大きく上に持ち上げなくても良いことから、着脱が容易であり、この点でも作業性を向上させることができる。更に、壁パネルをナットで止めるだけなので、構造を簡単にし、コストダウンを図ることができる。 【0013】 そして、必要に応じ、上記ボルトを、上記支柱のみに立設し、上記ボルト挿通孔を、上記フランジの支柱に当接する部位のみに形成した構成としている。ボルトを、壁空間を構成する床フレーム,屋根フレーム及び隣接する一対の支柱の全部に設け、これらのボルトに対応したボルト挿通孔を、壁パネルのフランジの全周に形成しても良いが、ボルトを支柱にのみ立設し、ボルト挿通孔をフランジの支柱に当接する部位のみに形成したので、それだけ、構造が簡単になっており、ナットによる止も少なくて済むことから、壁パネルの交換作業が容易になり、交換作業効率をより一層向上させることができる。この場合、壁フレームが壁空間に遊挿され、フランジは床フレーム,屋根フレーム及び隣接する一対の支柱に当接するので、壁パネルの支持が損なわれることはない。 【0014】 この構成においては、上記支柱とフランジとの間にシート状のパッキンを介装することが有効である。シール性を向上させることができる。 【0015】 また、必要に応じ、上記隣接する一対の支柱間の間隔を同じにする複数の支柱の組からなり、互いに支柱間の間隔寸法が異なる複数のグループを設けた構成としている。支柱間の間隔寸法が異なる複数のグループを設けたので、それだけ、汎用性を向上させることができる。 【0016】 更に、必要に応じ、上記床フレームのコーナ部と屋根フレームのコーナ部との間に架設される支柱を、該コーナ部間に架設される主支柱と、該主支柱に接合若しくは近接して架設される副支柱とを備えて構成し、該副支柱に、上記壁パネルのフランジを当接させるようにするとともに、上記ボルトを立設した構成としている。これにより、支柱は、主支柱と副支柱とを備えるので、コーナ部において強度が高くなり、簡単な構造において、支持を安定化することができる。この構成においては、床フレームのコーナ部と屋根フレームのコーナ部においては、主支柱を中心にして床フレームと屋根フレームを構成する部材が90°折曲して延在するが、副支柱は、この延在する一方側若しくは他方側の何れかの部材間に架設しても良く、あるいは、この延在する一方側若しくは他方側の両方の部材間に架設しても良い。即ち、副支柱は、1本でも良く、2本でも良い。2本ある方が強度は高くなる。 【0017】 この場合、上記支柱の内側に、該支柱及び該支柱に設けられる壁パネルの壁フレーム側を覆う横断面L字板状の内側コーナカバーを付設したことが有効である。内側コーナ部を内側コーナカバーで覆うので、簡単な構造において、内側コーナ部の外観品質を向上させることができる。特に、支柱が1本の場合には、壁パネルが邪魔になって、内側コーナカバーを設けにくいが、副支柱を設けたので、内側コーナカバーをこの副支柱に設けることができ、確実に内側コーナ部を覆って外観品質を向上させることができる。 【0018】 また、必要に応じ、上記床フレームのコーナ部と屋根フレームのコーナ部との間に架設される隣接する支柱間に、別の支柱を設けたとき、該別の支柱の内側面に、該別の支柱の内側面及び該別の支柱に設けられる壁パネルの壁フレーム側を覆う横断面I字板状の内側中間カバーを付設した構成としている。別の支柱を内側中間カバーで覆うので、簡単な構造において、内側コーナカバーと相俟って、外観品質を向上させることができる。特に、内側中間カバーはその厚さの分、内側に出っ張るが、それがあたかもそこに柱があるように視認できるので、より一層外観品質を向上させることができる。 【0019】 更に、必要に応じ、上記床フレームの4つのコーナ部と屋根フレームの4つのコーナ部との間に架設される4本の各支柱の外側面であって、上記壁パネルのフランジが及ばない露出した長手方向角部に、該角部を覆う横断面L字板状の外側コーナカバーを付設した構成としている。支柱の外側を外側コーナカバーで覆うので、簡単な構造において、コーナ部の支柱の外側の外観品質を向上させることができる。 【発明の効果】 【0020】 以上説明したように本発明の簡易ハウスによれば、例えば、これの設置場所において、あるいは、トラックでそのまま搬送して別の場所で使用する際等、ドアの位置や窓の位置を変えたいような場合が生じるが、屋根を取り外さなくても、ナットの取外し取付けだけで、壁パネルの交換を行うことができるので、即ち、従来のように、屋根の着脱を、逐一、クレーンなどで大きく持ち上げて行わなくても良いので、壁パネルの交換作業効率の向上を図ることができる。また、壁パネルは、内側ではなく、外側に向けて取り外し、外側から装着するので、従来のように大きく上に持ち上げなくても良いことから、着脱が容易であり、この点でも作業性を向上させることができる。更に、壁パネルをナットで止めるだけなので、構造を簡単にし、コストダウンを図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスを示す分解斜視図である。 【図2】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスを示す一部分解斜視図である。 【図3】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスを示す側面図である。 【図4】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスを示す平面断面図である。 【図5】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスを示す図2中X−X線部の要部拡大分解斜視図である。 【図6】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスを示す図2中Y−Y線断面図である。 【図7】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスにおいて壁パネルの交換例を示す斜視図である。 【図8】本発明の実施の形態に係る簡易ハウスの支柱の変形例を示す要部断面図である。 【図9】従来の簡易ハウスの一例を示す分解斜視図である。 【発明を実施するための形態】 【0022】 以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る簡易ハウスについて詳細に説明する。 図1乃至図7に示す本発明の実施の形態に係る簡易ハウスHは、矩形枠状の金属製の床フレーム1を有した床2と、床フレーム1に対応し且つこれと平行に設けられる矩形枠状の金属製の屋根フレーム3を有した屋根4とを備えている。床フレーム1は、後述の矩形閉断面の鉄製の棒材からなる支柱10の主支柱11に、同じく矩形閉断面の鉄製の棒材を溶接により接合して、この棒材とこれが溶接された主支柱11の一部とともに長方形枠状に形成されている。床フレーム1には同様の棒材からなる梁材1a(図4)が架設されるなどしており、床2は、その上に例えば木製のフロア材5が敷設されて形成されている。また、床フレーム1の下面は鉄などの金属製の土台6に支持されている。 【0023】 屋根フレーム3は、同じく矩形閉断面の鉄製の棒材を溶接により接合して長方形枠状に形成されている。図3に示すように、この屋根フレーム3には、屋根フレーム3の上側に傾斜して配置され屋根フレーム3と同様の枠状の上側フレーム7が適宜数の同様の棒材からなる支持部材(図示せず)を介して支持され、上側フレーム7には同様の棒材からなる梁材(図示せず)が架設されるなどしており、屋根4は、これらの屋根フレーム3,上側フレーム7,梁材及び支持部材を適宜の屋根材8で被覆して形成されている。この屋根4において、屋根フレーム3の外表面は、後述の壁パネル20のフランジ21が当接できるように露出させられている。 【0024】 また、実施の形態に係る簡易ハウスHは、床フレーム1と屋根フレーム3との間に架設される金属製の支柱10が4本以上設けられており、支柱10は、少なくとも床フレーム1の4つのコーナ部と屋根フレーム3の4つのコーナ部との間に架設され、隣接する一対の支柱10の組が少なくとも4組備えられている。実施の形態では、支柱10は、矩形閉断面の鉄製の棒材からなり、4本の支柱10が、床フレーム1の4つのコーナ部と屋根フレーム3の4つのコーナ部との間に夫々溶接により架設され、2本の支柱10が、床フレーム1及び屋根フレーム3の長手方向に沿う長辺の一方側であってコーナ部の支柱10間に所要の間隔で溶接により架設され、他の2本が、床フレーム1及び屋根フレーム3の長手方向に沿う長辺の他方側であってコーナ部の支柱10間に所要の間隔で溶接により架設されている。 【0025】 床フレーム1のコーナ部と屋根フレーム3のコーナ部との間に架設される支柱10は、コーナ部間に架設される主支柱11と、主支柱11に接合若しくは近接して架設される副支柱12とを備えて構成されている。主支柱11の下部の下端側は土台6側に延びており、この下部に床フレーム1を構成する棒材が溶接固定されており、床フレーム1は、この棒材とこれが溶接された主支柱11の一部とで枠状に構成されている。床フレーム1のコーナ部と屋根フレーム3のコーナ部においては、主支柱11を中心にして床フレーム1と屋根フレーム3の部材としての棒材が90°折曲して延在するが、副支柱12は、この延在する床フレーム1と屋根フレーム3の短辺を構成する棒材に溶接により架設されている。 【0026】 そして、隣接する一対の支柱10の組が少なくとも4組備えられる。実施の形態では、8組備えられる。この隣接する一対の支柱10の組の全部若しくは一部(実施の形態では全部)に壁パネル20が設けられる。この隣接する一対の支柱10の組において、隣接する一対の支柱10間の間隔を同じにする支柱10の組が複数組設けられており、隣接する一対の支柱10間の間隔を同じにする支柱10の組に設けられる壁パネル20同士が交換可能になっている。 【0027】 詳しくは、実施の形態では、図4に示すように、隣接する一対の支柱10間の間隔を同じにする複数の支柱10の組からなり、互いに支柱10間の間隔寸法が異なる複数(実施の形態では2つ)のグループが設けられている。一方のグループは、隣接する一対の支柱10間の間隔をLaとした支柱10の組Gaを6組備えている。この一方のグループは長手方向両端の支柱10の組と、長手方向一端側の4つの支柱10の組とからなる。他方のグループは、隣接する一対の支柱10間の間隔をLbとした支柱10の組Gbを2組備えている。この他方のグループは、長手方向他端側の2つの支柱10の組とからなる。壁パネル20において、一方のグループ(支柱10の組Ga)用の壁パネル20は、6つ備えられており、これらが相互に交換可能になっている。他方のグループ(支柱10の組Gb)用の壁パネル20は2つ備えられており、これらが相互に交換可能になっている。 【0028】 各壁パネル20の基本的構成は、図1,図2及び図5に示すように、床フレーム1,屋根フレーム3及び隣接する一対の支柱10で構成される対応する壁空間Eに遊挿される矩形枠状の金属製の壁フレーム21を備えて構成されている。この壁フレーム21には、床フレーム1,屋根フレーム3及び隣接する一対の支柱10の外表面に当接する枠状の金属製のフランジ22が延設されている。フランジ22は、コーナ部の支柱10であって副支柱12により形成された壁空間Eにおいては、副支柱12の外表面に当接する。 【0029】 また、壁空間Eを構成する少なくとも一対の各支柱10のフランジ22が当接する外表面には、所定間隔で複数のボルト23が立設されている。コーナ部の支柱10においては、支柱10のフランジ22が当接する主支柱11の外表面及び副支柱12の外表面に夫々ボルト23が立設されている。一方、フランジ22には、ボルト23に対応したボルト挿通孔24が形成されており、壁パネル20が、ボルト23にナット25をねじ込むことにより、フランジ22を支柱10に押圧して対応する壁空間Eに固定されるようにしている。実施の形態では、ボルト23は、支柱10のみに立設され、床フレーム1及び屋根フレーム3には設けられていない。また、ボルト挿通孔24は、フランジ22の支柱10に当接する部位のみに形成され、床フレーム1及び屋根フレーム3には設けられていない。支柱10とフランジ22との間には、シート状のパッキン26が介装される。 【0030】 そして、図1に示すように、一方のグループ(支柱10の組Ga)用の壁パネル20としては、6つ備えられているが、その内の3つの壁パネル20(A)は、壁フレーム21の表裏にボードが付設されて、全面が壁で形成されている。また、その内の1つの壁パネル20(B)は、壁フレーム21に一対の引き戸が設けられている。その内の別の1つの壁パネル20(C)は、半分がボードで覆われ、半分に開き戸が設けられている。その内のまた別の1つの壁パネル20(D)は、下半分にボードが付設され、上半分に引き戸型の窓を有した窓枠が設けられている。 【0031】 他方のグループ(支柱10の組Gb)用の壁パネル20としては、2つ備えられているが、1つの壁パネル20(E)は、壁フレーム21の表裏にボードが付設されて、全面が壁で形成されている。また、もう1つの壁パネル20(F)は、壁フレーム21の表裏にボードが付設されているとともに、その上側に換気用窓が設けられている。 【0032】 また、実施の形態に係る簡易ハウスHにおいて、図6に示すように、コーナ部の支柱10の内側には、支柱10及び支柱10に設けられる壁パネル20の壁フレーム21側を覆う横断面L字板状の内側コーナカバー30が付設されている。この内側コーナカバー30は、副支柱12にビスや接着剤で固定されている。特に、支柱10が1本の場合には、壁パネル20が邪魔になって、内側コーナカバー30を設けにくいが、副支柱12を設けたので、内側コーナカバー30をこの副支柱12に設けることができる。 【0033】 更に、床フレーム1のコーナ部と屋根フレーム3のコーナ部との間に架設される隣接する支柱10間に設けた支柱10においては、この支柱10の内側面には、支柱10の内側面及び支柱10に設けられる壁パネル20の壁フレーム21側を覆う横断面I字板状の内側中間カバー31が付設されている。内側中間カバー31は、支柱10にビスや接着剤で固定されている。 【0034】 更にまた、床フレーム1の4つのコーナ部と屋根フレーム3の4つのコーナ部との間に架設される4本の各支柱10の外側面であって、壁パネル20のフランジ22が及ばない露出した長手方向角部には、角部を覆う横断面L字板状の外側コーナカバー32が付設されている。外側コーナカバー32は、支柱10にビスや接着剤で固定されている。尚、図1,図2,図4、図7においては、内側コーナカバー30,内側中間カバー31及び外側コーナカバー32の図示を省略している。図3中、符号40は屋根4の上に突設され、簡易ハウスH全体をクレーンで持ち上げる際に利用されるフックである。 【0035】 従って、実施の形態に係る簡易ハウスHを組み立てるときは、例えば、工場などで行う。この際には、例えば、床2の床フレーム1に各支柱10を溶接により立設し、それからクレーンなどで屋根4を持ち上げて、この各支柱10上に溶接により取付ける。次に、各壁パネル20を、これは作業員が手で持って、所望の位置に移動させ、壁パネル20のフランジ22のボルト挿通孔24に支柱10のボルト23を挿通させて、壁フレーム21を対応する壁空間Eに遊挿して支持する。フランジ22と支柱10との間にはパッキン26を介装する。それから、ナット25を各ボルト23にねじ込んで締め、フランジ22を支柱10に押圧する。これにより、壁パネル20は対応する壁空間Eに固定される。このようにして、順次壁パネル20を壁空間Eに取付けていく。それから、内側コーナカバー30,内側中間カバー31及び外側コーナカバー32を付設する。適宜内装を施し、外装も行う。 【0036】 このようにして組み立てられた簡易ハウスHは、例えば、トラックの荷台に載せて使用場所に運搬して設置する。勿論、設置場所において組み立てることもできる。これにより、この簡易ハウスHは、建築現場等の事務所,仮店舗,倉庫,宿舎などの用途に供される。この場合、コーナ部の支柱10は、主支柱11と副支柱12とを備えるので、コーナ部において強度が高くなり、簡単な構造において、支持を安定化することができる。また、内側コーナ部は、内側コーナカバー30に覆われているので、簡単な構造において、内側コーナ部の外観品質を向上させることができる。また、コーナ部とコーナ部との間の支柱10の内側面は、、内側中間カバー31で覆われているので、簡単な構造において、内側コーナカバー30と相俟って、外観品質を向上させることができる。特に、内側中間カバー31はその厚さの分、内側に出っ張るが、それがあたかもそこに柱があるように視認できるので、より一層外観品質を向上させることができる。更に、コーナ部の支柱10の外側は、外側コーナカバー32で覆われているので、簡単な構造において、コーナ部の支柱10の外側の外観品質を向上させることができる。 【0037】 この簡易ハウスHにおいて、例えば、これの設置場所において、あるいは、トラックでそのまま搬送して別の場所で使用する際等、ドアの位置や窓の位置を変えたいような場合が生じるが、その場合には、図7に示すように、必要な壁パネル20において、組立時とは逆に、ボルト23からナット25を緩めて外す。それから、作業員が壁パネル20を手で持って、支柱10のボルト23から壁パネル20のフランジ22のボルト挿通孔24を外し、所望の位置に移動させる。その後、上記と同様に、壁パネル20のフランジ22のボルト挿通孔24に支柱10のボルト23を挿通させて、壁フレーム21を対応する壁空間Eに遊挿して支持する。それから、ナット25を各ボルト23にねじ込んで締め、フランジ22を支柱10に押圧する。これにより、壁パネル20は対応する壁空間Eに固定される。この場合、屋根4を取り外さなくても、ナット25の取外し取付けだけで、壁パネル20の交換を行うことができるので、即ち、従来のように、屋根4の着脱を、逐一、クレーンなどで大きく持ち上げて行わなくても良いので、壁パネル20の交換作業効率の向上を図ることができる。 【0038】 また、壁パネル20は、内側ではなく、外側に向けて取り外し、外側から装着するので、従来のように大きく上に持ち上げなくても良いことから、着脱が容易であり、この点でも作業性を向上させることができる。更に、壁パネル20をナット25で止めるだけなので、構造を簡単にし、コストダウンを図ることができる。更に、ボルト23は、支柱10のみに立設され、ボルト挿通孔24は、フランジ22の支柱10に当接する部位のみに形成されているので、ボルト23を、壁空間Eを構成する床フレーム1,屋根フレーム3及び隣接する一対の支柱10の全部に設け、これらのボルト23に対応したボルト挿通孔24を、壁パネル20のフランジ22の全周に形成する場合に比較して、それだけ、構造が簡単になっており、ナット25による止も少なくて済むことから、壁パネル20の交換作業が容易になり、交換作業効率をより一層向上させることができる。この場合、壁フレーム21が壁空間Eに遊挿され、フランジ22は床フレーム1,屋根フレーム3及び隣接する一対の支柱10に当接するので、壁パネル20の支持が損なわれることはない。 【0039】 更にまた、隣接する一対の支柱10間の間隔を同じにする複数の支柱10の組からなり、互いに支柱10間の間隔寸法が異なる複数(実施の形態では2つ)のグループを設けたので、即ち、一方のグループ(支柱10の組Ga)と、他方のグループ(支柱10の組Gb)を設けたので、壁パネル20の配置換えのパターンが増え、それだけ、汎用性を向上させることができる。 【0040】 図8には、コーナ部に設ける支柱10の変形例を示している。床フレーム1のコーナ部と屋根フレーム3のコーナ部においては、主支柱11を中心にして床フレーム1と屋根フレーム3の棒材が90°折曲して延在するが、副支柱12は、この延在する両方の床フレーム1の棒材と屋根フレーム3の棒材との間に架設されている。副支柱12が2本あるので、より一層強度は高くなる。尚、副支柱12は、延在する一方側若しくは他方側の何れかの棒材間に架設しても良い。即ち、1本でも、2本でも良い。また、副支柱12を特に設けなくても良い。 【0041】 尚、上記実施の形態において、支柱10の数や壁パネル20の数は、上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。また、壁パネル20の構成も上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差し使えない。壁空間Eに交換不能な壁パネルを設けても良く、また、壁パネルの無い壁空間があっても良く、適宜変更して差支えない。当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。 【符号の説明】 【0042】 H 簡易ハウス 1 床フレーム 2 床 3 屋根フレーム 4 屋根 5 フロア材 6 土台 7 上側フレーム 8 屋根材 10 支柱 11 主支柱 12 副支柱 20 壁パネル Ga 一方のグループ(支柱10の組Ga、支柱間隔La) Gb 他方のグループ(支柱10の組Gb、支柱間隔Lb) 21 壁フレーム 22 フランジ 23 ボルト 24 ボルト挿通孔 25 ナット 26 パッキン 30 内側コーナカバー 31 内側中間カバー 32 外側コーナカバー 40 フック |
【図1】![]() |
【図2】![]() |
【図3】![]() |
【図4】![]() |
【図5】![]() |
【図6】![]() |
【図7】![]() |
【図8】![]() |
【図9】![]() |
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