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【考案の名称】外反母趾用靴下 【実用新案権者】 【識別番号】503383653 【氏名又は名称】佐藤 米子 【住所又は居所】岐阜県岐阜市西荘3丁目8番35号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100067596 【氏名又は名称】伊藤 求馬 【考案者】 【氏名】佐藤 米子 【住所又は居所】岐阜県岐阜市西荘3丁目8番35号 【要約】 【課題】 外観が良好で外反母趾の予防や痛みの抑制に高い効果を有し、実用的で美観の優れた外反母趾用の靴下を実現する。 【解決手段】 靴下1の足底部2に、つま先部21の内表面を覆い、親指と第2指との間の位置に、前端から後端に向けて高さが徐々に高くなり後端が開口する袋部51を底部2内表面との間に形成する布地5を縫合する。布地5の前縁および左右側縁は、つま先部21の前縁および左右側縁に縫合してある。後縁は、袋部51の開口を残して底部2内表面に縫合して取り付けてあり、袋部51にその後端の開口からパッド材6を挿入するようになしてある。 【参考図】 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 靴下のつま先部の底部内表面を覆い、親指と第2指との間の位置に、前端から後端に向けて高さが徐々に高くなり後端が開口する袋部を上記底部内表面との間に形成する布地を、その前縁および左右側縁を上記つま先部の前縁および左右側縁に縫合するとともに、その後縁を上記開口を残して上記底部内表面に縫合して取り付けてなり、上記袋部にその後端の開口からパッド材を挿入するようになしたことを特徴とする外反母趾用靴下。 【請求項2】 靴下の前縁と上記生地の前縁との縫合部には、上記袋部の前縁の左右両側に、タック部を形成した請求項1記載の外反母趾用靴下。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、外反母趾による痛みを緩和または予防する外反母趾用靴下に関するものである。 【背景技術】 足の親指(母趾)が第2指側に曲がり、付け根の関節が変形して痛みを生じる、いわゆる外反母趾に悩む人が増加している。このため、着用により外反母趾を矯正して痛みを和らげ、または外反母趾の進行を防止するための装具が開発されている。一般に、外反母趾の矯正には、親指と第2指の間を押し広げて、変形した親指を元に戻すように固定するとよいことが知られ、矯正用の装具、中でも手軽に装着できる靴下類が注目されている。 例えば、特許文献1には、足親指が入る袋部とそれ以外の足指が入る幅広の袋部の間に、弾性材を入れるもう一つの袋部を設けた靴下が開示されている。しかしながら、足指付きの靴下は見栄えがよくないことから、外出先で靴を脱ぐ場合には、着用しづらい。このため、外からは外反母趾用であることが分からないような靴下が望まれており、例えば、特許文献2には、内側のみ足指付きとした二重靴下が提案されている。これは、内側靴下の親指と第2指の間に空間部を設けて、この空間部につま先側からクッション材を挿入し、足指の形成されていない外側靴下を重ねたものである。 【特許文献1】 特開平7−324202号 【特許文献2】 特開2003−052728号 しかしながら、特許文献2の二重靴下は、装着が面倒である上、靴下が分厚くなる。また、クッション材を縫い込んだり、接合したりする必要があり、製作が容易でない、クッション材の交換ができないといった不具合があった。 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 そこで、本考案は、外観が良好で装着が容易であり、かつ外反母趾の予防効果、痛みの抑制効果が高い、実用的な外反母趾用の靴下を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 本考案の請求項1の外反母趾用靴下は、靴下のつま先部の底部内表面を覆い、親指と第2指との間の位置に、前端から後端に向けて高さが徐々に高くなり後端が開口する袋部を上記底部内表面との間に形成する布地を、その前縁および左右側縁を上記つま先部の前縁および左右側縁に縫合している。布地は、後縁を上記開口を残して上記底部内表面に縫合して取り付けており、上記袋部にその後端の開口からパッド材を挿入するようになしてある。 本考案の外反母趾用靴下は、パッド材を挿入する袋部を、つま先部内の底部側に設けており、甲部側には縫い目等がないので、外観が良好である。また、歩行中、甲側に比べると底部側の変形は小さいので、パッド材を挿入した袋部と足との相対位置がずれて、心地よくなかったり、パッド材が外れたりするのを防止できる。また、パッド材は着脱自在で、交換が容易である。よって、外観が良好で装着性もよく、外反母趾の予防や痛みの抑制に高い効果を有す、実用的な外反母趾用の靴下とすることができる。 本考案の請求項2の外反母趾用靴下は、さらに靴下の前縁と上記生地の前縁との縫合部において、上記袋部の前縁の左右両側に、タック部を形成する。 上記構成によれば、袋部の前縁にタック部を設けたので、先端側に十分なスペースが形成され、パッド材をつま先部の先端まで押し込むことができる。また、挿入したパッド材が押し出されにくくなるので、ずれや外れを防止する効果が高い。 【考案を実施するための最良の形態】 次に、本考案の外反母趾用靴下を、図1〜3により詳細に説明する。図1に示す第1の実施形態において、本考案の外反母趾用靴下1は、足底部2と足甲部3および脚部4からなる。足底部2には、つま先部21の内表面を覆い、親指と第2指との間の位置に、パッド材6を収容するための袋部51を形成する布地5が縫い付けられている。布地5は、伸縮性を有する編み生地で、好適には靴下生地と同材質のものを用いると着用感が良好となる。図2(a)に要部を拡大して示すように、袋部51は、前端から後端に向けて高さが徐々に高くなり後端が開口する形状となるように、前縁の左右両側に、タック部52、53を有し、これらタック部52、53により、足指形状に沿うとともに、パッド材6を収容するための十分なスペースを有する袋部51が形成される。布地5の後端縁は、ほつれ止めとのび止めのための縁かがりがなされており、袋部51の形成位置を除いて足底部2に縫い付けてある。 袋部51の形成は次のようにする。まず、布地5を、幅が前端から後方側へ向けて靴下本体のつま先部21より徐々に広くなる略半円形状に裁断して、外周縁にほつれ止めのための縁かがりをなす。次いで、図3に示すように、布地5の前縁および側縁が、足底部2のつま先部21の前縁および側縁に重なるように、袋部51形成位置の両端にタック部52、53となる外向きのひだを配置し、前縁および側縁を縫い合わせる。袋部51の形成部位を除く後縁と、袋部51の両側縁も、足底部2のつま先部21に縫着する。 このようにして形成した袋部51に、パッド材6を挿入し(図2(a))、保持させることで(図2(b))、外反母趾用靴下1とする。パッド材6は、ポリエチレン発泡体等の弾性材料からなり、袋部51形状に応じた略半楕円状に成形される。本実施の形態では、挿入時や取出し時ににつまみやすいようにパッド材6の後端部に突起部を設け、また、中央部に設けた抜き穴内に着脱自在な小パッド材61を保持している。この小パッド材61を嵌め込み、または取り外すことで、硬さや通気性を調整することができる。 上記構成の外反母趾用靴下1は、パッド材6を収容する袋部51を、足底部2に縫着したので、甲側から透けてみえたり、甲側に縫い目が出たりすることがなく、通常の靴下と外観上の違いがない。従って、靴をぬいでも、違和感を与えない。また、袋部51の前縁にタック部52、53を設けたので、前端から後端へ向けて緩やかにカーブし、後半部は高さ方向に十分なマチを有する形状とすることができ、パッド材6を先端まで押し込むことができるとともに、挿入したパッド材6が押し出されて外れるおそれが小さい。 そして、例えば甲側にパッド材6を固定する場合に比べると、歩行時に足指と袋部51内のパッド材6の相対位置がずれにくい。しかも、袋部51の開口が後端側(かかと部22側)にあるので、長時間着用しても、パッド材6が外れたりすることがない。また、厚みの異なるパッド材6を用意し、外反母趾の状態に応じて交換することで、外反母趾の防止、痛みの抑制といった効果をより高めることができる。さらに、パッド材6を外して洗濯できるので、パッド材6のへたりを防止し、耐久性を高めることができる。 上記第1の実施形態の外反母趾用靴下1は、足底部2と足甲部3および脚部4からなる短靴下として図示したが、本考案はこれに限定されるものではなく、ひざ丈ないしそれ以上の長さの長靴下、女性用タイツやストッキング等に適用することももちろんできる。女性用タイツやストッキングに適用した場合には、パンプスやハイヒールを履くことも可能となり、つま先部が露出するサンダルや靴等を履いても、外観が良好であるため、おしゃれ用としての需要が期待できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本考案の第1の実施形態における外反母趾用靴下の全体斜視図である。 【図2】図2は第1の実施形態の外反母趾用靴下の要部拡大斜視図で、(a)はパッド材を挿入する図、(b)はパッド材を装着した状態を示す図である。 【図3】図3は第1の実施形態の外反母趾用靴下の要部拡大正面図である。 【符号の説明】 1 外反母趾用靴下 2 足底部(底部) 21 つま先部 22 かかと部 3 足甲部 4 脚部 5 布地 51 袋部 52、53 タック部 6 パッド材 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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