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【考案の名称】具足入子 【実用新案権者】 【識別番号】524279652 【氏名又は名称】岡本 清美 【住所又は居所】鳥取県八頭郡八頭町門尾131-2 【代理人】 【識別番号】100080182 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 三彦 【代理人】 【識別番号】100142572 【弁理士】 【氏名又は名称】水内 龍介 【代理人】 【識別番号】100232910 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邉 憲 【考案者】 【氏名】岡本 清美 【住所又は居所】鳥取県八頭郡八頭町門尾131-2 【要約】 (修正有) 【課題】長靴を着用又は着脱する際、容易に脱ぎ履きを可能としつつ、長靴の使用中は脱げにくくする具足入子を提供する。 【解決手段】踵C側の後方部5が直線状の長靴1を着用又は着脱する際に用いられる具足入子100であって、弾性があり、後方部5に沿って縦に延びて長靴1の内部に入れる縦ヘラ板部2と、縦ヘラ板部2の上部に設けられ、後方部5に係止する係止手段3と、を有し、縦ヘラ板部2は、縦ヘラ板部2を押し下げることで、縦ヘラ板部2が使用者の足F側に突出して弾性変形した状態で、係止手段3により後方部5に係止される。 【選択図】図3 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 踵側の後方部が直線状である長靴を着用又は着脱する際に用いられる具足入子であって、 弾性があり、前記後方部に沿って縦に延びて前記長靴の内部に入れる縦ヘラ板部と、 前記縦ヘラ板部の上部に設けられ、前記後方部に係止する係止手段と、を有し、 前記縦ヘラ板部は、前記縦ヘラ板部を押し下げることで、前記縦ヘラ板部が使用者の足側に突出して弾性変形した状態で、前記係止手段により前記後方部に係止されることを特徴とする具足入子。 【請求項2】 前記縦ヘラ板部の下部は、膨らんだ形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の具足入子。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 踵側の後方部が直線状である長靴を履く又は脱ぐときに用いられる具足入子に関する。 【背景技術】 【0002】 作業者が、田んぼ等の地面がぬかるんだ場所で作業をする際には、例えば特許文献1のような長靴が用いられていた。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 実用新案登録第3152486号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、特許文献1や図5(a)に示すように田んぼ等で使用される一般的なゴム製の従来の長靴7は、ぬかるんだ地面に足が埋まった状態から脱出する場合であっても、簡単に長靴が脱げないようにするために、足首部分8がくびれた形状となっており、履き口よりも足首部分8の開口の方が狭く形成されている。そのため、逆に、従来の長靴7を着用又は着脱するときは、図5(b)に示すようにくびれた足首部分8において、踵Cが引っ掛かることによりゴムが伸びて摩擦力が高まるので、脱ぎ履きが困難であった。 【0005】 そこで、本考案は上記事情を鑑みたものであって、長靴を着用又は着脱する際、容易に脱ぎ履きを可能としつつ、長靴の使用中は脱げにくくする具足入子を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題に鑑み、本考案に係る具足入子は、踵側の後方部が直線状である長靴を着用又は着脱する際に用いられる具足入子であって、弾性があり、前記後方部に沿って縦に延びて前記長靴の内部に入れる縦ヘラ板部と、を有し、前記縦ヘラ板部は、前記縦ヘラ板部を押し下げることで、前記縦ヘラ板部が使用者の足側に突出して弾性変形した状態で、前記係止手段により前記後方部に係止されることを特徴としたことにある。 【0007】 前記縦ヘラ板部の下部は、膨らんだ形状を有していることを特徴としたことにある。 【考案の効果】 【0008】 踵側の後方部が直線状である長靴の内部において、長靴の後方部に沿って縦に延び、弾性のある縦ヘラ板部を押し下げて縦ヘラ板部が使用者の足側に突出して弾性変形した状態で、係止手段により前記後方部に係止されることで、縦ヘラ板部が足首周りを押し付けるので長靴が脱げにくくなる。一方で、係止手段を解除することで、縦ヘラ板部が直線状になり足首周りが解放されるので容易に脱ぎ履きすることができる。 【0009】 また、前記縦ヘラ板部の下部は、膨らんだ形状を有しているので、縦ヘラ板部と足との接触面積を増やすことができる。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】本考案に係る具足入子の概略斜視図である。 【図2】具足入子を足に当ててから長靴を履く様子を示す概略側面断面図である。 【図3】(a)長靴を履いている最中の様子を示す概略側面断面図である。(b)長靴を履き終えた後の様子を示す概略側面断面図である。 【図4】係止手段により、縦ヘラ板部を弾性変形させて係止した後の状態を示す概略側面断面図である。 【図5】(a)従来の一般的な長靴の側面図である。(b)着用又は着脱の際に踵がくびれた部分に引っ掛かる様子を示した図である。 【考案を実施するための形態】 【0011】 (実施形態について) 以下、図面を参照して、本考案に係る具足入子100を詳細に説明する。本考案に係る具足入子100は、踵C側の後方部5が直線状である長靴1を着用又は着脱する際に用いられる。具足入子100は、構造が簡易かつ軽量な構成としている。 【0012】 後方部5は、長靴1において、使用者の足Fの踵C側であって、踵Cから脹脛Hまでの裏側を覆う箇所である。本考案の具足入子100に用いられる長靴1の後方部5は、図2等に示すように、直線状であり、足首N部分がくびれていない。したがって、長靴1を着用又は着脱する際であっても、図5(b)に示すような踵Cが引っ掛かることがなくなる。 【0013】 長靴1と一緒に用いられる具足入子100は、図1に示すように、主に、縦ヘラ板部2と、係止手段3と、押板部4と、を有している。長靴1を着用する際は、図2に示すように、使用者の足Fに具足入子100を当てながら長靴1を履く。 【0014】 縦ヘラ板部2は、弾性があり、後方部5に沿って縦に延びて足Fとともに長靴1の内部に入れられる。縦ヘラ板部2も後方部5と同様に側面視で高さ方向に直線状であるので、足Fに添えて長靴1を履いても、踵Cが長靴1の足首N周りに緩衝することなく、スムーズに着用ことができる。 【0015】 しかし、足首N周りがくびれた形状になっていないので、縦ヘラ板部2と足Fとの間に空洞が生じる。空洞が生じると、足首N周りが固定されていないので、長靴1が脱げやすくもなる。 【0016】 縦ヘラ板部2は、長靴1の後方部5に沿って縦に延びるように弾性を有して形成されている。そして、図1(c)の断面図に示すように、縦ヘラ板部2の足F側の形状は、膨らんだ形状を有している。これにより、足Fとの密着度を上げて接触面積を増やすことができ、摩擦力を上げることができる。また、縦ヘラ板部2の長さLは、後方部5の長さと同一又は後方部5の長さより長くなるように形成されているのが好ましい。必要であれば、縦ヘラ板部2の後方部5側の面は、後方部5と接触した際に摩擦力が小さくなるような素材で形成されていてもよい。 【0017】 他方で、縦ヘラ板部2の後方部5側の面は、後方部5の摩擦力を下げるために。摩擦係数の小さい素材で形成されていてもよい。摩擦力を下げることで、長靴1を着用する際にスムーズに着用することができる。 【0018】 また、図4等に示すように、縦ヘラ板部2の上部2aには、後方部5に係止する係止手段3が設けられている。本実施形態において、係止手段3は、図1に示すように、爪部3aを有した突出部である。図4に示すように、長靴1の後方部5には、突出部に嵌め込み可能な突出孔5aが設けられており、縦ヘラ板部2を押し下げて弾性変形させた後に、突出部を突出孔5aに嵌め込めて、後方部5に固定可能としている。また、爪部3aが突出孔5aに引っ掛かることで容易に突出孔5aから突出部が抜けないように構成されている。 【0019】 突出孔5aの場所は、後方部5であって、係止手段3よりも下方に位置していればよい。突出孔5aの場所が下方であれば縦ヘラ板部2の弾性変形が大きくなり、上方であれば縦ヘラ板部2の弾性変形が小さくなる。したがって、使用者にとって適切な位置に適宜調整すればよい。また、突出孔5aの数を複数有していてもよい。 【0020】 押板部4は、係止手段3より上方に縦ヘラ板部2に設けられ、縦ヘラ板部2を下方向に押すためのものである。本実施形態においては、押板部4は、縦ヘラ板部2の上端に位置している。押板部4は、縦ヘラ板部2に対して略直角になるように、突き出して設けられている。 【0021】 踵押さえ部6は、後方部5の後ろ側に突出するように取り付けられており、長靴1を脱ぐときに逆の足で踏むことで、長靴1を脱ぎやすくすることができる。 【0022】 (使用例について) 具足入子100を使用する際は、図2に示すように、具足入子100を足Fの後方側に当てながら長靴1を着用する。図3(a)に示すように、縦ヘラ板部2の後方側の面と、長靴1の後方部5は直線状であり、摩擦力が小さいので、踵Cが足首N周りに引っ掛かることなくスムーズに長靴1を着用することができる。そして、着用すると図3(b)の状態となる。この状態の場合、足首N周りに空洞が生じており、足首Nが固定されていないので、すぐに足Fが長靴1から脱げる状態である。 【0023】 その後、図4に示すように、押板部4を下に押し下げて、係止手段3により、後方部5に係止させる。押板部4を下に押し下げることで、縦ヘラ板部2は、弾性を有しているので、縦ヘラ板部2が使用者の足F側に突出して弾性変形することができる。したがって、縦ヘラ板部2が弾性変形することで、足Fと縦ヘラ板部2との密着度が上がり、接触面積も増えることで、足首周りが固定され、長靴1から足Fが脱げなくなる。 【0024】 また、縦ヘラ板部2の上部2aでは、係止手段3により後方部5に係止され、縦ヘラ板部2の下部2bは踵C、後方部5、又は靴底で支えられているので、縦ヘラ板部2は、弾性変形を維持することができる。 【0025】 また、縦ヘラ板部2は、上部2aから下部2bに向かうにつれて弾性変形しやすいように形成していてもよい。例えば、脹脛H付近よりも足首N付近の縦ヘラ板部2をより弾性変形させるように形成してもよい。そのために、脹脛H付近の縦ヘラ板部2よりも、足首N付近の縦ヘラ板部2を薄くなるように形成してもよいし、弾性率の異なる部材をそれぞれ用いてもよい。 【0026】 長靴1を着脱する場合は、係止手段3を外して縦ヘラ板部2の弾性変形を解除し、縦ヘラ板部2を直線状にする。縦ヘラ板部2を直線状にすることで、足首N周りが解放されるので、足Fとともに縦ヘラ板部2を長靴1から取り出す。 【符号の説明】 【0027】 100 具足入子 1 長靴 2 縦ヘラ板部 2a 上部 2b 下部 3 係止手段 3a 爪部 4 押板部 5 後方部 5a 突出孔 6 踵押さえ部 7 従来の長靴 8 足首部分 C 踵 F 足 N 足首 H 脹脛 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
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