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衣服・履物
 
【考案の名称】情報携帯機能を備えた靴の構造
【実用新案権者】
【識別番号】512094029
【氏名又は名称】斉藤 通
【住所又は居所】栃木県小山市若木町3−2−8
【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
【考案者】
【氏名】斉藤 通
【住所又は居所】栃木県小山市若木町3−2−8
【要約】   (修正有)
【課題】屋外で事故などに被災した場合に、確実に本人の確認ができる情報携帯機能を備えた靴を提供する。
【解決手段】靴のアッパー1の裏面であって、舌革11や爪先皮12、先芯13の裏面などに、耐水性の、防水チャック31で挿入口を構成したカード収納容器3を設けて構成する。靴の一部に足首締結帯4を取りつける。カード収納容器3には、身分を証明する事項を記入したカードなどを挿入して使用する。又、足首締結帯4を足首に結び、非常時に靴が離脱しても近辺に保持できる特徴がある。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
靴を底板とアッパーとで区分した場合に、
そのアッパーの裏面であって、舌革や爪先皮、先芯などの裏面に、
防水チャックで挿入口を構成した耐水性のカード収納容器を設け、
靴の一部に足首締結帯を取り付けて構成した、
情報携帯機能を備えた靴。
【請求項2】
靴を底板とアッパーとで区分した場合に、
そのアッパーの表面の前面、側面、背面に、
防水チャックで挿入口を構成した耐水性のカード収納容器を設け、
靴の一部に足首締結帯を取り付けて構成した、
情報携帯機能を備えた靴。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、氏名、住所、血液型などの情報を常時携帯することができ、事故の場合でも確実に本人の確認ができる、情報携帯機能を備えた靴の構造に関するものである。
【背景技術】
屋外で事故が発生した場合に、その被害者の個人の特定が必要であるが、その特定が困難な場合が実際に発生している。
特に地震や津波のように大勢の負傷者、死者が同時に発生した場合には、その身元の確認、特定がきわめて困難となっている。
そのために、個人情報を記載したカードなどを常時ポケットに入れて携帯していれば確認は容易であるはずである。
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
しかし一般の人は、季節や好み、目的に応じて相当多種類の衣服を所持している。
それらの人が、すべての衣服に情報を記入したカードを備えること、それを常に持ち歩くことはほとんど不可能である。
さらに衣服は頻繁に洗濯をするから、その度にカードを取り出して、洗濯後に収納するという行為もきわめて煩わしく実際的ではない。
【課題を解決するための手段】
上記のような従来の問題を改善するためになされた本考案の情報携帯機能を備えた靴の構造は、靴のアッパーの裏面であって、舌革や爪先皮、先芯の裏面に耐水性の、防水チャックで挿入口を構成したカード収納容器を設け靴の一部には足首締結帯を取り付けて構成したものである。
【考案の効果】
本考案の情報携帯機能を備えた靴の構造は上記したようになるから、以下のような効果の少なくともひとつを得ることができる。
<1>本考案の構成の靴を購入した購入者は、蓋付きの容器に身分を証明する事項を記入したカードなどを挿入して使用する。
<2>そして外出時には、必ず靴を履いており、しかも靴はひもやゴムなどで脱げにくく構成してあるから、被害者の身体から離れにくい。
<3>この点で、下着や上着、コートのポケットに身分情報を備えていれば同じ効果を得られるはずであるが、上記したように実際には衣服は多数の点数を所持しており、洗濯の回数も多いので、常にカードを携帯することは困難である。
<4>それに対して一般人では靴の所有数はそれほど多くはなく、被服のように季節や好み、目的に応じて多数、多種類の靴を持っている人は少なく、洗濯の機会も少ない。
<5>よって靴に蓋つきの収納容器が設けてあれば、数点の靴に情報を保存しておくだけで、身分情報を確保することができる。
<6>さらに本考案の情報携帯機能を備えた靴は、靴の一部に足首締結帯を備えている。そのために例えば「洗濯機に巻き込まれたような衝撃」と表現されるような津波に巻き込まれて靴が足から脱げたとしても、靴は足首から離脱することがなく、確実に情報を保持することができる。
<7>児童や学生、老人などは運転免許証のような身分証明書を持っていない場合が多いが、屋外で靴を履いていない場合はめったにない。したがって本考案の情報携帯機能を備えた靴を履いていれば万一事故に会った場合でも個人の情報を常に携帯することができる。
【実施例】
次に本考案の情報携帯機能を備えた靴の構造の実施例について説明する。
<1>靴の構造
まず一般の靴の構造について説明すると、靴はアッパー1と底2で区分することができる。
すなわちアッパー1とは底2を除いた上の部分の総称である。
そして本考案の対象とする靴は、革靴、運動靴、ハイヒールなどすべての靴を対象とすることができる。
<2>収納容器
収納容器3とは防水材料で構成した袋体である。
その一部には防水チャック31のような開閉自在の挿入口を開口する。
その防水チャック31部分から、個人情報を記入したカードを挿入することができる。
個人情報とは靴を履いている本人の氏名、住所、電話、血液型、既往症、親族の氏名、学校や会社名などである。
<3>取り付け場所
収納容器3は、靴のアッパー1の一部の裏側に接着、縫込みなどで設置する。
例えば革靴の場合には、舌革11と称する部分の裏面、あるいは爪先皮12の裏面、あるいは先芯13の裏面、踵の裏面などである。
運動靴などでは、デザイン的に美観を損なわなければ、アッパー1の表面、すなわちアッパー1の上面、側面、背面に、前記の収納容器を取り付けることもできる。
その場合にも収納容器3の挿入口は防水チャック31で保護しておけば、個人情報のカードが汚れたり破損することがない。
<4>足首締結帯
上記の情報携帯機能を備えた靴の構造の一部には、足首締結帯4を取りつける。
足首締結帯4は通常の繊維、合成繊維、伸縮する材料、チェーンなどの長い帯体、紐体で構成する。
そのように、帯状の材料だけに限らず、紐状の材料も含めて本発明では足首締結帯4と称する。
<4−1>足首締結帯の取り付け
足首締結帯4は、ヒールカップなどと称する踵側に、靴を履くときに引き上げるための円環状の「つまみ」14が付いている場合には、そのつまみ14を通して足首締結帯4を挿入して取り付ける。
運動靴では舌革の端部につまみ14が取り付けてある構造のものも市販されているので、そのつまみ14を通して足首締結帯4を挿入して取り付ける。
革靴など、つまみ14のない靴の場合には、ゴムひもを通すような、短い筒状体を踵側に取り付け、その筒状体をつまみ14として、そこに足首締結帯4を貫通させて取り付ける。
なお貫通させる場合だけではなく、一部を縫い付けるような点接触で取り付けることも可能である。
さらに図3に示すように、着用時にはつまみを貫通させた足首締結帯4を、つまみ14の周囲でいったん結び、その後に足首締結帯4を足首に巻き付けることもできる。
<4−2>足首締結帯の長さ
足首締結帯4の長さは、靴を履いた場合にその足首を少なくとも1周し、前部あるいは後部で結ぶだけの余裕のある長さである。
足首締結帯4の一部にマジックテープ(登録商標)などと称する面接触体を取りつければ、あえて結ぶ必要はないから、それだけ短い寸法で足りる。
<4−3>ファッション性
この足首締結帯4を、色彩の豊かな帯や紐で構成しておけば、これを足首に巻き付けるときには、足元を飾るファッションとなる。
また足首に巻き付けない場合でも、靴の後ろのつまみ14の周囲で花結びにしておけば、それだけでも装飾された靴として商品価値を高めることができる。
さらに多数の靴を店頭で並べて販売している場合に、本考案の靴だけはファッション性のある足首締結帯4を取り付けてあるから、購買者の目を引くことができ、類似商品との差別化を図り、売り上げに大きく貢献することができる。
<4−4>足首締結帯の表示効果
外出するときには当然靴を履くが、通常は数十足も保有している人は少なく、せいぜい数足程度である。
その程度の靴数であれば、すべての靴の収納容器に個人情報を記入したカードを挿入することもさほど困難ではない。
さらに運動靴以外では洗濯するということはほとんどないから、いったんカードを挿入しておけばそのまま保持、保管することができる。
しかしたとえこの靴を履いていたとしても、万一事故にあった場合に警察や消防の担当者がその靴の内部の情報に気が付かなければ役に立たない。
その場合に本考案の靴であれば、つまみ14か、あるいはいずれかの位置に足首締結帯4が取り付けてある。
したがって本考案の靴の機能、効果が広く知られれば、足首締結帯4が取りつけたある靴ならば個人情報が保管されている、と認識してもらうことができ、身元の確認を迅速に行うことができる。
<4−5>靴が脱げた場合(図4)
前記した様に、津波の衝撃は「洗濯機に巻き込まれた」と表現されるほどの強烈なものであり、衣服などもはぎ取られる可能性がある。
また無謀運転の自動車事故に遭遇した場合にも、衝突の衝撃で靴が跳ね飛ばされる可能性もある。
したがって一般の靴であれば履いている靴がもぎ取られる可能性も十分に想定される。
しかし本考案の情報携帯機能を備えた靴の場合には足首締結帯4によって靴は足首にしっかりと取り付けてある。
そのために相当に大きな衝撃があっても、踵から爪先までの長さは、足首よりも大きいから靴が足から離れることがなく、本人情報を提示するという本来の機能を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】革靴における実施例の説明図。
【図2】運動靴における実施例の説明図。
【図3】靴が脱げた場合の説明図。
【符号の説明】
1:アッパー
11:舌革
12:爪先皮
13:先芯
2:底
3:収納容器
31:防水チャック
4:足首締結帯
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
写真1 
写真2 
発明者からのメッセージ

説明文 
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