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衣服・履物
 
【考案の名称】係合具
【実用新案権者】
【識別番号】513036099
【氏名又は名称】山本 壽康
【住所又は居所】東京都多摩市貝取1丁目17−3ルミネ永山第二201号室
【代理人】
【識別番号】100107711
【弁理士】
【氏名又は名称】磯兼 智生
【考案者】
【氏名】山本 壽康
【住所又は居所】東京都多摩市貝取1丁目17−3ルミネ永山第二201号室
【要約】   (修正有)
【課題】係脱が容易で係合部分が互い違いに重なる形状にならず係合位置の調節も可能な係合具を提供する。
【解決手段】互いに向かい合う平行な2面からなる被係合面11aを有するメス型係合体10と、被係合面の間に挿入され、被係合面に向かい合う2面が係合面21aとなる板体21を有するオス型係合体20からなる係合具Xにおいて、係合状態において互いに向かい合う係合面と被係合面のいずれか一方の表面に、挿入時の移動方向に対して直交するような穴ができるように紐体をループ状又は円弧状に形成してなるリング体13を多数配置し、他方の表面には、表面から斜めに突出し、かつ、突出した先端が挿入時の移動方向に対して反対方向を向く、弾性体からなる線材23を多数配置する。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合う平行な2面からなる被係合面を有するメス型係合体と、前記被係合面の間に挿入される板体であって、前記被係合面に向かい合う2面が係合面となる板体を有するオス型係合体からなる係合具であって、
係合状態において互いに向かい合う前記係合面と前記被係合面のいずれか一方の表面に、当該表面の挿入時の移動方向に対して直交するような穴ができるように紐体をループ状又は円弧状に形成してなるリング体が多数配置され、
係合状態において互いに向かい合う前記係合面と前記被係合面のいずれか他方の表面に、当該表面から斜めに突出し、かつ、突出した先端が当該表面の挿入時の移動方向に対して反対方向を向く、弾性体からなる線材が、多数配置される
係合具。
【請求項2】
前記線材には、当該線材の基端方向を向くように小さな線状の突起が斜めに突出するように多数配置されるものである請求項1に記載の係合具。
【請求項3】
前記ループ体は前記被係合面に起立できる程度の硬さを有する素材により形成されるものである請求項1又は2に記載の係合具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、メス型係体にオス型係合体を挿入させることで係合する係合具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特に衣服に用いられる係合具として、ボタン、線ファスナー、面ファスナーがある。これらは、構造が簡易で、使用方法も容易であることからほとんどの衣服に用いられている。
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ボタンは、一つ一つ留め、一つ一つはずす必要があるので手間がかかり、また、係合位置も固定され、また、係合部分の布は互い違い重なった状態となる。線ファスナーはボタンより係脱が簡易であり、係合部分の布は重ならないが、端部での係合はやや手間であり、やはり係合位置は固定されている。面ファスナーは、係脱は容易であり、係合位置も適宜変えることができるが、係合部分は重なる必要があるので布が互い違いに重なり、係合した位置を変えるには、一旦係合を解いてやり直す必要がある。
本考案は、このような従来の係合具の問題に鑑みて、係脱が容易で係合部分が互い違いに重なる形状にならず、また、係合位置の調節も可能な係合具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本考案は、次のような構成を有する。
請求項1に記載の考案は、互いに向かい合う平行な2面からなる被係合面を有するメス型係合体と、前記被係合面の間に挿入される板体であって、前記被係合面に向かい合う2面が係合面となる板体を有するオス型係合体からなる係合具であって、係合状態において互いに向かい合う前記係合面と前記被係合面のいずれか一方の表面に、当該表面の挿入時の移動方向に対して直交するような穴ができるように紐体をループ状又は円弧状に形成してなるリング体が多数配置され、係合状態において互いに向かい合う前記係合面と前記被係合面のいずれか他方の表面に、当該表面から斜めに突出し、かつ、突出した先端が当該表面の挿入時に移動方向に対して反対方向を向く、弾性体からなる線材が、多数配置される係合具である。
請求項2に記載の考案は、前記係合具において、前記線材には、当該線材の基端方向を向くように小さな線状の突起が斜めに突出するように多数配置されるものである。
請求項3に記載の考案は、前記係合具において、前記ループ体は前記被係合面に起立できる程度の硬さを有する素材により形成されるものである。
【考案の効果】
【0005】
以上のような構成により、本考案は、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の考案は、メス型係合体の被係合面間にオス型係合体の板体を挿入し、少し戻すと、線材の先端がリング体の穴に入って引っ掛かるので、オス型係合体は強い力で引かないとメス型係合体から抜けない状態となり互いに係合することができる。線材は弾性体で形成されているので強く引くと曲がってリング体から抜けるのでオス型係合体をメス型係合体から抜き出すことができる。線材の弾性力と数を調節することで係合力は自由に調節することが可能である。本考案は、このような動作を行うので、きわめて簡易に係合させることができ、係合を解くことも簡易である。また、メス型係合体とオス型係合体は付き合わせた状態で係合するので、係合する部分同士が重ならない。さらに、オス型係合体は係合後も挿入方向には動くことができるので、係合後でも係合を解除することなく位置決めを行うことができる。
【0006】
請求項2に記載の考案は、線材に配置される小さな線状の突起は、線材がリング体に挿入され際にはあまり抵抗とならないが、線材がリング体から抜けるときにはリング体に引っ掛かり抵抗となる。即ち、一旦線材がリング体に入ると、オス型係合体は挿入方向に動くことも規制されるので、係合状態を安定させることができる。もちろん小さな線状の突起が曲がるくらいに強くオス型係合体を挿入方向に押せば、線材は線状の突起に抗してリング体から抜けることができるので、オス型係合体を挿入方向に移動させることができる。
請求項3に記載の考案は、前記ループ体を被係合面に起立させることができるので、線材がループ体の穴に入りやすくなり、より確実に係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係る係合具の一部破断分解斜視図である。
【図2】メス型係合体の図1におけるA−A線拡大断面図である。
【図3】(a)は、オス型係合体の拡大平面図であり、(b)は線材近傍の拡大平面図である。
【図4】オス型係合体とメス型係合体の係合状態を示す拡大部分横断面図である。
【図5】(a)は変形例に係るオス型係合体の拡大平面図であり、(b)は変形例に係るメス型係合体の拡大横断面図である。
【図6】変形例に係るオス型係合体とメス型係合体を示す分解斜視図である。
【考案を実施するための形態】
【0008】
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に本実施形態に係る係合具Xの一部破断分解斜視図を示す。係合具Xはメス型係合体10、オス型係合体20から構成される。
図2にメス型係合体20の図1におけるA−A線拡大断面図を示す。メス型係合体10は、互いに平行に配置される長方形状の2枚の側面板、側面板の上部及び下部を連結する長方形状の上面板及び底面板、側面板、上面板、底面板の縁部で囲まれた開口を塞ぐ背面板からなる前方が開放された扁平な箱体からなる箱本体11により大枠が構成される。箱本体11の前記各側面板の互いに向かい合う2面は被係合面11aとなり、各被係合面11aには互いに等間隔に形成される上縁に平行な3筋の溝12が形成される。そして、被係合面11aが溝12で仕切られる、4つの長方形状のエリアには多数のリング体13が固定される。リング体13は弾性を有するある程度の硬さのある紐が円弧状になるように両端を被係合面11a表面に固定したものであり、円弧により形成される穴の向きが溝12の長手方向と同じ、即ち紐は溝12と直交するように配置される。
【0009】
図3(a)にオス型係合体20の拡大平面図を示す。オス型係合体20は、長方形状の板体21により大枠が構成される。オス型係合体を構成する板体の両主表面が係合面21aを構成する。板体21はメス型係合体10の向かい合う被係合面11aに設けられた互いに向かい合うリング体13同士の間隔と同じかこれよりもやや狭い厚さを有し、係合面21aがメス型係合体10の被係合面11aとほぼ合致する幅及び高さを有する。板体21は一方の側端縁に箱本体11の背面板とほぼ同じ大きさの蓋板24が固定されており、蓋板24が固定される側端縁側が背面、反対の側端縁側が前面となる。係合面21aには、被係合面11の溝12に合致する位置に、溝12に嵌る断面形状を有する細長い板状のレール22が、それぞれの溝12に対応するように設けられる。そして、係合面21aのレール22に仕切られた各エリアには多数の弾性体からなる線材23が固定される。線材23は先端が前面から背面に向かうように斜めに突出するように固定される。図3(b)に線材23近傍の拡大平面図を示す。図3(b)に示すように、線材23には、線材23の先端から基端に向かうように斜めに突出して小さな線状の突起23aが多数配置されている。
【0010】
次に、以上のような構成を有する係合具Xの使用方法及び作用について説明する。なお、係合具Xは例えばシャツの前身ごろの一縁にメス型係合体10を固定し、他縁にオス型係合体20を固定するといった使用方法を採るが、ここでは動作原理を説明するために、単純に係合具Xのみの動作について説明する。
最初は、メス型係合体10、オス型係合体20とは分離しているものとする。ここから、両者を係合させるために、メス型係合体10の前方の開放された細長い隙間に、オス型係合体20を前面側から挿入する。この際、メス型係合体10の溝12にオス型係合体20のレール22を挿入するようにする。図2、図3から、オス型係合体20の線材23は挿入方向に対して、メス型係合体10のリング体13に引っかからない方向に突出しているので、オス型係合体20の線材23は挿入方向に移動している状態では線材23はリング体13に引っかかることはない。なお、線材23に配置されている線状の突起23aは挿入方向への移動時にリング体13に引っかかるが、あまり大きな抵抗は与えない。
【0011】
オス型係合体20をメス型係合体10に挿入後、適当な位置で止め、少し挿入方向と反対側にオス型係合体20を移動させる。これにより、オス型係合体20の線材23は、メス型係合体10のリング体13内に入って引っかかり、オス型係合体20とメス型係合体10とは係合することとなる。図4に係合状態を示す拡大横断面図を示す。この状態から、オス型係合体20を挿入方向と反対に移動させても、線材23は大きく屈曲しない限りリング体13から抜けることができないので、一定以下の力で引き離しても係合が解けることはない。なお、オス型係合体20がメス型係合体10内で更に挿入方向に移動できる余裕があれば、挿入方向にはあまり抵抗無く進むことができるので、係合位置を適宜変えることができる。
【0012】
メス型係合体10とオス型係合体20との係合を解くには、一定以上の力でメス型係合体10とオス型係合体20とを挿入方向と反対方向に引っ張ればよい。これによって、弾性体からなる線材23はリング体13から抜けるように屈曲変形し、線材23がすべてリング体13から抜ければ引っかかるものがなくなるので、オス型係合体20をメス型係合体10から引き抜くことができる。なお、線材23は屈曲変形してリング体13から抜ける際には、リング体13に強く擦れることになるので、線材23に配置されている線状の突起23aは比較的大きな抵抗となり、線材23がリング体13から抜けることを妨げる。
【0013】
以上説明したとおり、係合部Xはメス型係合体10にオス型係合体20を挿入するだけで係合でき、また、強く引くだけで係合を解くことができるので、操作が極めて簡易である。また、線材23がリング体13内に入ることができる位置であれば、オス型係合体20をメス型係合体10に対する任意の挿入位置で係合させることができる。また、挿入方向に対しては係合後でも適宜係合位置を変えることも可能である。さらに、メス型係合体10とオス型係合体20とをつき合わせて係合させるので、係合部分がボタン止めや面ファスナーのように重なることがない。さらに、線材23、リング体13の数や弾性力を適宜変えることで係合力を任意に調節することができる。
【0014】
なお、上記実施形態では、メス型係合体10にリング体を、オス型係合体20に線材を設けているが、図5(a)に示すメス型係合体10Aのように、メス型係合体側に線材23Aを設け、図5(b)に示すオス型係合体20Aのようにオス型係合体側にリング体13Aを設けるようにすることもできる。
また、上記実施形態では、リング体13、線材23をマトリックス状の整列させているが、ランダムに配置してもよい。さらに、ガイドとしてメス型係合体10に溝12を、オス型係合体20にレール22が設けてあるが、これらは省略してもよい。この場合、上下方向にずらしてメス型係合体10とオス型係合体20とを係合させるようにすることができる。
さらに、メス型係合体10、オス型係合体20の縦方向の長さ、幅、厚さなどは用途に応じて適宜変更してよいことはいうまでもなく、例えば、図6に示すメス型係合体10B、オス型係合体20Bのように、シャツの前身ごろ全部に渡って固定できるように長尺に形成することができる。また、メス型係合体10、オス型係合体20の外側面には布地に縫い付けるための、穴やリング等を設けることができる。
それから、線材の角度、長さ、素材は適宜変更してもよい。同様にリング体の穴の形状も円弧状に代えてループ状にする等適宜変更でき、大きさも線材に合わせて変えることができる。また、リング体の素材は被係合面に立たなくても、線材が引っかかれば機能するので、柔らかいものを用いることも可能である。
【符号の説明】
【0015】
X 係合具
10、10A、10B メス型係合体
11 箱本体
11a 被係合面
12 溝
13 リング体
20、20A、20B オス型係合体
21 板体
21a 係合面
22 レール
23 線材
23a 線状の突起
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係る係合具の一部破断分解斜視図である。
【図2】メス型係合体の図1におけるA−A線拡大断面図である。
【図3】(a)は、オス型係合体の拡大平面図であり、(b)は線材近傍の拡大平面図である。
【図4】オス型係合体とメス型係合体の係合状態を示す拡大部分横断面図である。
【図5】(a)は変形例に係るオス型係合体の拡大平面図であり、(b)は変形例に係るメス型係合体の拡大横断面図である。
【図6】変形例に係るオス型係合体とメス型係合体を示す分解斜視図である。
リーフレット 
発明者からのメッセージ

この係合具(イージージョイント)はボタンやジッパーに変わる使いやすさを考慮して、考案しました。
使い方は、隙間に差込み閉じて、強く引っ張り開ける。係合具の強度を変える事で洋服だけではなくバック等にも使えます。
係合具を金属に替えて機械の結合部分に使い、係合具の内側を変えて引き離しが出来なくなるようにも出来ます。
係合具の材質、強度を何段階にも変える事で、それぞれの対応用途が変わって来ます。その他、様々な用途は工夫しだいです。
 
This invention, easy joint, is made to be used more easily than the usual button or zipper. The way to use it is, first, to put it to a space and close it, and then open it forcefully. Adjusting the strength of easy joint makes it possible to be used for not only clothes, but also other things such as bags. Partially replacing the easy joint with a metallic material to the joint part of a machine, and then change the inner part of the easy joint, you can fix it tightly, which can prevent the separation of the parts. Changing the level of the strength of easy joint, you can use it for various purposes, and the applicability of this product depends on your ideas. 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
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