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【発明の名称】作業着 【出願人】 【識別番号】515070804 【氏名又は名称】本屋 朋弘 【住所又は居所】東京都大田区田園調布本町27−7−302 【代理人】 【識別番号】100153268 【弁理士】 【氏名又は名称】吉原 朋重 【発明者】 【氏名】本屋 朋弘 【住所又は居所】東京都大田区田園調布本町27−7−302 【要約】 (修正有) 【課題】開示の作業着は、高所作業時における落下防止の機能をより充実させ、万が一の落下時にも作業者の体への負担を軽減すると共に、作業者による作業性を向上させる。 【解決手段】作業者の上半身に着用する高所作業用の作業着であって、作業着本体2と、前記作業着本体の背面中央付近に一端が固定される命綱4と、前記命綱の他端に装着されるフック6と、前記作業着本体の脇下付近に配置され、前記フックを係止させるためのリング状部材8と、前記作業着本体の背面下部に一端が固定される紐状の前後連結部10と、前記作業者の股下を通した前記前後連結部の他端を係止させる機構を備え、前記作業着本体の前面下部に配置される前後連結係止部12と、を有することを特徴とする。 【選択図】図3 【特許請求の範囲】 【請求項1】 作業者の上半身に着用する高所作業用の作業着であって、 作業着本体と、 前記作業着本体の背面中央付近に一端が固定される命綱と、 前記命綱の他端に装着されるフックと、 前記作業着本体の脇下部位に配置され、前記フックを係止させるためのリング状部材と、 前記作業着本体の背面下部に一端が固定される紐状の前後連結部と、 前記作業者の股下を通した前記前後連結部の他端を係止させる機構を備え、前記作業着本体の前面下部に配置される前後連結係止部と、を有し、 前記リング状部材に係止させた前記フックが前記作業者の脇下に形成される空間内で体の外縁より内側に保持されることを特徴とする作業着。 【請求項2】 前記命綱が2本であり、前記フックが2本の前記命綱それぞれの他端に装着され、 前記リング状部材が前記作業着本体の両脇下部位に1つずつ配置されることを特徴とする請求項1に記載の作業着。 【請求項3】 前記前後連結部が前記作業着本体の背面中央から左右振り分け位置に1つずつ備えられ、 前記前後連結係止部が前記作業着本体の前面中央から左右振り分け位置に1つずつ備えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業着。 【請求項4】 前記前後連結部が伸縮性を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の作業着。 【請求項5】 前記作業着本体がベストであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の作業着。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 安全帯の機能を果たす高所作業用の作業着の技術に関する。 【背景技術】 【0002】 安全帯とは、高い場所で作業を行うときに使用する命綱付ベルトのことである。 【0003】 例えば特許文献1乃至5で示すように、安全帯に関しては、安全性の向上、装着容易性の向上、装着時の負担感の軽減等、様々な観点から多数の研究・開発がなされている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】実開平4−99954号公報 【特許文献2】特開2006−116140号公報 【特許文献3】特開平11−333011号公報 【特許文献4】特表2011−512906号公報 【特許文献5】特開2010−213937号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記の従来技術においては、落下時に腰を痛める危険性がある、落下時に命綱が作業者から離れてしまい、落下防止の機能を果たせない危険性がある、命綱の先端に配置されるフックが作業の邪魔なるという複数の問題点を有する。 【0006】 そこで本発明では、上記問題点に鑑み、高所作業時における落下防止の機能をより充実させ、万が一の落下時にも作業者の体への負担を軽減すると共に、作業者による作業性を向上させる高所作業用の作業着を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 開示する作業着の一形態は、作業者の上半身に着用する高所作業用の作業着であって、作業着本体と、前記作業着本体の背面中央付近に一端が固定される命綱と、前記命綱の他端に装着されるフックと、前記作業着本体の脇下部位付近に配置され、前記フックを係止させるためのリング状部材と、前記作業着本体の背面下部に一端が固定される紐状の前後連結部と、前記作業者の股下を通した前記前後連結部の他端を係止させる機構を備え、前記作業着本体の前面下部に配置される前後連結係止部と、を有することを特徴とする。 【0008】 開示する作業着の一形態は、上記構成に加え、前記命綱が2本であり、前記フックが2本の前記命綱それぞれの他端に装着され、前記リング状部材が前記作業着本体の両脇下部位付近に1つずつ配置されることを特徴とする。 【0009】 開示する作業着の一形態は、上記構成に加え、前記前後連結部が前記作業着本体の背面中央から左右振り分け位置に1つずつ備えられ、前記前後連結係止部が前記作業着本体の前面中央から左右振り分け位置に1つずつ備えられることを特徴とする。 開示する作業着の一形態は、上記構成に加え、前記前後連結部が伸縮性を備えることを特徴とする。 開示する作業着の一形態は、上記構成に加え、前記作業着本体がベストであることを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 開示する高所作業用の作業着は、高所作業時における落下防止の機能をより充実させ、万が一の落下時にも作業者の体への負担を軽減すると共に、作業者による作業性を向上させる。 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】本実施の形態に係る作業着の正面図である。 【図2】本実施の形態に係る作業着の背面図である。 【図3】本実施の形態に係る作業着の使用例を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0012】 図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。 (本実施の形態に係る作業着の構造) 【0013】 図1乃至3を用いて、本実施の形態に係る作業着1の構造について説明する。図1は作業着1の正面図であり、図2は作業着1の背面図であり、図3は作業着1の使用状態図(着用状態図)である。 【0014】 作業着1は、高い場所で作業を行う場合に使用する命綱付きベルトである安全帯の代替的な機能を備えるものである。図1及び2で示すように、作業着1は、作業着本体2、命綱4、フック6、リング状部材8、前後連結部10、前後連結係止部12を有する。 【0015】 作業着本体2は、作業着1のベースとなる部位であり、作業者14の上半身に着用する作業着である。作業着本体2は、丈の短い袖無しの胴衣であるベストであることが好適であるが、袖があるものでも構わない。 【0016】 図2で示すように、命綱4は、その一端が作業着本体2の背面中央付近に固定されている。この固定方法は、縫い付け、金具止め等その他限定されない。安全ベルトは、作業者の腰に装着するため、万が一の落下時には荷重が胴部・腰部に集中し、内臓や脊髄の損傷が生じる場合がある一方、作業着1は、作業者14の上半身全体で体重を受け止めるため、従来の安全ベルトに係るそのような事態を回避させることができる。 図2で示すように、フック6は、命綱4の他端に装着されるフック部材であり、支持物・固定物16に命綱4を固定するためのフック部材である。 なお、作業着1は、1組の命綱4及びフック6を備える形態であっても良く、2組の命綱4及びフック6を備える形態であっても良い。 【0017】 図1及び2で示すように、リング状部材8は、作業着本体2の脇下部位付近に配置され、フック6を係止させておくためのリング形状の部材である。作業着1が2組の命綱4及びフック6を備える形態であれば、リング状部材8も両脇部位付近に1つずつ配置されるが、作業着1が1組の命綱4及びフック6を備える形態であれば、リング状部材8は両脇部位付近に1つずつ配置される形態でも、何れか一方の脇下部位付近に配置される形態でもどちらでも良い。 【0018】 フック6をリング状部材8に係止させる場合、フック6は作業者14の脇下に位置し、作業者14の体の内側に保持されるため、作業者14がその状態で作業を行っても、フック6が周囲の工作物に衝突することが無く、作業者14の作業性を向上させることができる。 【0019】 図2で示すように、前後連結部10は、作業着本体2の背面下部に一端が固定され、紐又はベルトのような形状の部材である。前後連結部10は、作業者14の股下を通し、後述する前後連結係止部12に他端を係止させることにより、落下時等、作業着1が作業者14の頭部方向から抜ける(脱げる)事態を防止する。前後連結部10は、装着容易性、装着後の装着感向上の観点から伸縮性を備えることが好適である。 【0020】 図1で示すように、前後連結係止部12は、作業者14の股下を通した前後連結部10の他端を係止させる機構を備え、作業着本体2の前面下部付近に配置される。 【0021】 なお作業着1は、1組の前後連結部10及び前後連結係止部12を備える形態であっても良いが、2組の前後連結部10及び前後連結係止部12を備える形態の方が装着感向上・落下時の安全性の観点から好適である。 【0022】 図1及び2で示すように、作業着1が2組の前後連結部10及び前後連結係止部12を備える場合、前後連結部10は作業着本体2の背面下部中央から両側略等距離の位置に配置され、前後連結係止部12は作業着本体2の前面下部中央から両側略等距離の位置に配置される。 【0023】 図1及び2では、前後連結部10の他端をフックとし、前後連結係止部12をリング形状の部材としているが、前後連結部10の他端及び前後連結係止部12の各機構は、両者が連結した状態を保持できるその他の機構であっても良い。 【0024】 作業着1は、ハーネス型安全帯に比べ、形状が安定しているため着用動作が容易であり、収納時に縺れてしまうことも無いため、使用時に解くという手間も掛からない。 (本実施の形態に係る作業着の使用方法) 図1乃至3を用いて、本実施の形態に係る作業着1の使用方法について説明する。 作業者14は、作業着1の両脇部位に腕を通した後、作業着1の前面中央の開閉部を閉じ、作業着1を上半身に装着する。 作業者14は、前後連結部10を自らの股下を通し、前後連結部10の他端を前後連結係止部12に係止させる。 【0025】 上記2つの動作で、作業者14は作業着1の装着動作を終える。作業着1は、ハーネス型安全帯に比べ、形状が安定しているため着用動作が容易であり、収納時に縺れてしまうことも無いため、使用時に解くという手間も掛からない。 【0026】 作業者14は、高所作業を行うとき、フック6を固定物16に係止させることによって、落下防止を図る。作業着1が2組の命綱4及びフック6を備える場合、作業者14は、各フック6を2箇所の固定物16に係止させることによって(二丁掛け)、落下防止を図り、安全性を高めることができる。 【0027】 また、作業者14は、命綱4を固定物16に通した(掛けた)後、フック6をリング状部材8に係止させることによって、自らの体勢を保持するような形態で使用することもできる。 【0028】 一方、作業者14は、高所作業を行わないとき(命綱4の使用が必要でないとき)、フック6を脇下のリング状部材8に掛けた状態で、種々の作業を行うことができる。このようにすることで、フック6は作業者14の脇下に位置し、作業者14の体の内側に保持されるため、作業者14がその状態で作業を行っても、フック6が周囲の工作物に衝突し工作物に傷を付けることも無く、作業者14の作業性を向上させることができる。 【0029】 以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。 【符号の説明】 【0030】 1 作業着(ベスト) 2 作業着本体(ベスト本体) 4 命綱 6 フック 8 リング状部材 10 前後連結部 12 前後連結係止部 14 作業者 16 固定物 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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この作業着のいい所は現場で作業をしている職人さん達が、毎日高所作業で安全帯をつけていますが、私の物は着るという感覚でつくりました。特に今までと違う点は、安全帯のフックが脇の下に収納できる点です。今までは体の外に収納していましたので、建物や商品にキズがつき、クレームが多数あります。この作業着では、体の内側に収納してあり、ベストを着る感覚です。 |
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The Work Cloth The main advantage of the new design is its comfort in practice. Professionals work at high altitude, requiring a safety belt. My aim was to maximize comfort by allowing the safety belt to be worn as though wearing normal clothes. In particular, the new design allows the safety belt hook to be stored beneath the arm. Previously, the hook had to be stored outside the body. This was the source of many complaints due to resulting damage to buildings and products. The new design allows storage of the hook inside the uniform, much like wearing a vest. |
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