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飲食・調理
 
【考案の名称】材料練り合わせ用ボウル
【実用新案権者】
【識別番号】504298763
【氏名又は名称】小竹 大
【住所又は居所】三重県名張市百合が丘東七番町百五十五番地
【考案者】
【氏名】小竹 大
【住所又は居所】三重県名張市百合が丘東七番町百五十五番地
【要約】
【課題】
保護用にゴム手袋を装着し水に濡れて滑り易く取り扱いにくい状態の掌上でも、ボウルを使用して速乾性のセメント等の材料を素早く練り合わせて使用し、直ちにボウルの内面に付着した残留物を剥離、洗浄して、再度同じ工程を必要回数繰り返し施工する中で効率の良い作業が出来る為の材料練り合わせ用ボウルの考案。
【解決手段】
容積の異なる上下のボウルを支軸で結合しさらに、合成ゴムにて形成する事により、ゴム手袋を装着して取り扱いにくくなった状態の片方の掌上でも、支軸を指と指の間に挟み支え持つ事でボウルは固定され安定した状態が保たれるので、素早く材料を練り合わせる事が可能となる。また合成ゴム製である為に多種多様の材料が練れ、外圧による変形、復元が可能なので、ボウルを裏返したり握り潰したりして、ボウル内に凝固して付着した残留物を剥離し洗浄する事が容易である。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
容積が異なる上下の半円球型のボウル部を有し、さらに上下ボウル間が支軸で結合されている事を特徴とする材料練り合わせ用ボウル。
【請求項2】
上下の半円球型ボウル部を結合する支軸を手の指間で挟持する事を特徴とする請求項1記載の材料練り合わせ用ボウル。
【請求項3】
耐油性、耐薬品性に優れ、且つ耐圧性、耐熱性、耐寒性を有すると共に外力による変形後の形状がその外力の解放後直ちに原形に復元するような柔軟性を有する合成ゴムにて形成した事を特徴とする請求項1および2記載の材料練り合わせ用ボウル。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案のボウルは容積の異なる上下のボウルを支軸にて結合し、耐油性、耐薬品性、耐圧性、耐熱性、耐寒性に優れた合成ゴムにて形成した、材料練り合わせ用ボウルに関するものである。
【背景技術】
材料の練り合わせ用ボウルとしては、形状を自在に変形させる事は出来ないが、ポリプロピレン製のボウルやステンレス製のボウルが一般的に知られている。
特にポリプロピレン製のボウルは軽くて丈夫、耐熱性、耐薬品性に優れており、またステンレス製のボウルは、錆びないという特長があり、平らな面での練り合わせには、どちらも適している。しかし、短時間で凝固する速乾性のセメント等を練り合わせた場合内面に付着し固まってしまったセメントは容易に取り除く事が出来ない。
そこで、ボウルが手先にて変形出来るものとし、その変形による表面の伸縮に、固まったセメントが追随出来ず、層間剥離する事となって容易に取り除ける事が考えられる。この変形自在のボウルでは、速乾生セメントを練り合わせる為に掌上に乗る程度の大きさのものは見かける。しかしながら、セメントは強アルカリ性の為に素手で触る事は好ましくない。通常、保護の為にゴム手袋を装着して作業をする事が多いので、片方の掌上で固定した状態を保ちながらもう片方の手で練り合わせる事は、素手で作業するよりも容易な事ではない。
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
ボウルを使用して材料を練り合わせる際にゴム手袋をはめていて素手の感覚が鈍り、滑りやすく取り扱いにくい状態の掌上や、平らでない場所での作業でもボウルがしっかりと固定され安定した状態で練り合わせ作業が出来る事とした。
速乾性セメントと呼ばれる製品には硬化反応調整剤が混入されていて、非常に短時間で凝固する。この様なセメントをボウルで練り合わせて使用し、後に時間が経ちボウルの内面に凝固して付着してしまったセメント類が容易に取り除ける事とした。
ボウルで練り合わせた材料が一度に使いきれなくて残ってしまったものをボウルに入れたまま、保存できる事とした。
【課題を解決するための手段】
本考案は容積の異なる上下のボウル間を支軸で結合し、しかも、耐油性、耐薬品性、耐圧性、耐熱性、耐寒性を有すると共に、外力による変形後の形状が、その外力の解放後直ちに原形に復元するような柔軟性を有する合成ゴムにて形成する事によって、持ち易くかつ指と指の間で支軸を挟み支え持つ事でボウルは固定され安定した状態が保てるので素早く適量の材料を練り合わせる事を可能とした材料練り合わせ用ボウル。
本考案は、合成ゴム製であるために自在に変形させ、直ちに原形に復元する事が可能である。その為に速乾性のセメント等を練り合わせた際、時間が経ちボウル内に凝固して付着してしまったセメント等を、ボウル部を裏返したり握り潰したり外力を加える事により、容易に剥離させる事が出来る。塊が取れた後、薄く残ったセメントの残留物は水で洗えば容易に取り除く事が出来る。
本考案の容積の異なる2つのボウルは共に半円球型の為に、使用していない方のボウルを下向きにして置く事で残ってしまった材料を安定した状態で保存する事が出来る。
【考案の効果】
本考案の材料練り合わせ用ボウルは容積の異なる上下のボウル部を支軸で結合し形状をワイングラス型にし、さらに耐油性、耐薬品性、耐圧性、耐熱性、耐寒性を有する合成ゴムにて形成した為に多種多様の材料を練り合わせる事が出来るという特徴の他に、外力解放後、直ちに復元するような柔軟性をも併せもっている為にボウルの形状を自在に変形させる事が出来る。単に合成ゴム製のボウルだと材質がやわらかいので、平らでない面に置いた時には不安定であり、ゴム手袋を装着して扱いにくい状態の掌上ではやはり作業がしにくいが、本考案のように大小2つのボウルを掌にフィットするサイズの半円球型にし支軸にて結合してある為に、ゴム手袋を装着した取扱いにくい状態の掌上ででも、片手でボウル間の支軸を指間で挟み支え持つ事によって固定し安定させた状態でもう片方の手で素早く材料を練り合わせることが可能である。また、大小2つのボウルを使用する材料の量によって使い分ける事でさらに効率の良い作業が出来る。
【考案を実施するための最良の形態】
以下、本考案の実施例の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1に示す如く、ボウル本体Hは容積が異なると共に、中間を支軸3にて結合された上下の半円球型椀部1、2より成り、しかも耐油性、耐薬品性に優れ、かつ耐圧性、耐熱性、耐寒性を有すると共に、更に外力による変形後の形状がその外力解放後、直ちに原形に復元するような柔軟性の合成ゴムにて形成されている。
速乾性のセメント等を使用しての止水作業の場合、通常のセメントとは違い硬化反応調整剤が混入されている為に硬化時間が非常に短い。その為に練り合わせた直後から硬化が始まるため適量を素早く練り合わせる必要がある。
図2は、ボウル本体Hの容積が大きい方の半円球型椀部1を使用して材料4を練り合わせている状態を示している。
止水工事には必ず水がある。ゴム手袋5を装着して、水で濡れて滑りやすくなり、取り扱いにくくなった状態でも、ボウル本体Hの支軸3を指と指の間に挟み支え持ち片方の掌上で固定させ、もう片方の手で素早く材料4である速乾性のセメントを適量練り合わせる事が容易である。また、大小2つのボウルを使用する材料の量によって使い分ける事でさらに効率の良い作業が出来る。
図3は図2に於いて練り合わせた材料を掌上に取り出している状態を示しており、練り合わせた材料4である速乾性のセメントをボウルから手中に取り出し素早く漏水箇所に塗り込める。本考案のボウルは2つの半円球椀部1、2がある為、片方のボウルを使用した直後、もう片方のボウルを使用する事が可能なので急を要する止水工事などでは作業効率が上がる。
特に土木工事において、地中の管渠布設工事などのように地下水が漏水となって埋設されたコンクリート構築物に侵入してくるケースは多々ある。下水道事業の管渠布設工事においては、その性質上マンホール内への漏水はあってはならないので完全に止水工事をしなければならない。多種多様の止水方法がある中で代表的な速乾性のセメントを使用して止水工事をする際に本考案の材料練り合わせ用ボウルが非常に役立つ。
図4は使用後のボウルを洗浄している状態を示している。一度硬化してしまった速乾性のセメントを再度練り合わせて使用する事は出来ないので使用の都度ボウルを洗浄する必要がある。本考案のボウル本体Hは、形状を自在に変形させる事が出来るので裏返したり握り潰したりして外力を加える事で、硬化して付着してしまったセメントの残留物は層間剥離し容易に取り除く事が出来る。また、内面に薄く残ったセメントの残留物も水中で容易に取り除くことが出来る。この作業工程を必要回数繰り返して止水工事は完了する。
【産業上の利用可能性】
本考案のセメント等の材料練り合わせ用ボウルは耐油性に優れ、掌上で固定され安定した状態で使用する事が出来るので、ペンキや絵の具を入れ、パレットとしても用途が広い。
本考案のラバーボウルは、その材質、形状共に現在歯科治療の際に印象材や歯科用セメント等の練り合わせ用ボウルとしても利用出来る。治療は医療用手袋を装着した状態で行われる為、歯科用材料を練り合わせる際、本考案の材料練り合わせ用ボウルを使用すると片方の掌上でボウルが固定された状態での作業が可能なので効率が良い。また、用途により使用される材料の分量は様々である。本考案の材料練り合わせ用ボウルは大小2つのボウルを有する為に使い分けが便利である。さらに、ボウルの内面に付着した残留物もボウルを裏返したり握り潰したりして外力を加える事で容易に剥離させる事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】正面図
【図2】使用例:本考案に係るボウルの容積が大きい方の半円球椀部を使用して材料を練り合わせている状態図。
【図3】使用例:ボウル内で練り合わせた材料を掌上に取り出している状態図。
【図4】使用例:使用後のボウルを洗浄している状態図。
【符号の説明】
H ボウル本体
1 上半円球型椀部大
2 下半円球型椀部小
3 支軸
4 練り合わせた材料
5 ゴム手袋を装着した手
6 洗浄用バケツ
7 洗浄用スポンジ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
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