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飲食・調理
 
【発明の名称】可動式の鍋蓋用つまみ
【出願人】
【識別番号】516341796
【氏名又は名称】佐藤 加津美
【住所又は居所】神奈川県中郡大磯町国府本郷835-9
【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
【発明者】
【氏名】佐藤 加津美
【住所又は居所】神奈川県中郡大磯町国府本郷835-9
【要約】
【課題】 鍋蓋を収納する際、突起部が障害になり鍋蓋同士をうまく重ねて収納すること又は垂直に立てて収納することが困難であること。
【解決手段】 鍋蓋用つまみ100は、両側面に軸受けを備える本体1と、前記本体1の周縁に配置される一対の半環状板状体であり且つ各両端部の形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部2と、前記つまみ部2の両端部近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部2の厚み方向と垂直に設けられた軸3と、前記軸を付勢する付勢手段4と、前記軸3を挿通する孔を備え且つ前記本体1を覆い得るカバー6と、前記本体の中央に配置される固定手段7と、を備える。これにより、つまみ部が起立した状態及び寝た状態を保つことができ、少ないスペースで安定した収納が可能となる。
【選択図】 図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋蓋の中央上部に配置される鍋蓋用つまみであって、
両側面に軸受けを備える本体と、
前記本体の周縁に配置される一対の半環状板状体であり且つ各両端部の形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部と、
前記つまみ部の両端部近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部の厚み方向と垂直に設けられた軸と、
前記軸を付勢する付勢手段と、
前記軸を挿通する孔を備え且つ前記本体を覆い得るカバーと、
前記本体の中央に配置される固定手段と、
を、備えたことを特徴とする鍋蓋用つまみ。
【請求項2】
鍋蓋の中央上部に配置される鍋蓋用つまみであって、
板状の本体と、
前記本体の上部に配置される一対の半環状板状体であり且つ各両端部の形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部と、
前記つまみ部の両端部近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部の厚み方向と垂直に設けられた軸と、
前記軸を付勢する付勢手段と、
前記本体の中央に配置される固定手段と、
を、備えたことを特徴とする鍋蓋用つまみ。
【請求項3】
前記つまみ部の半環状頂上近傍には、単数又は複数の起伏が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鍋蓋用つまみ。
【請求項4】
前記半楕円形の一部は、所定幅で平面取りされていることを特徴とする請求項1〜3に記載の鍋蓋用つまみ。
【請求項5】
前記本体は、中央下部に凹部を有することを特徴とする請求項1〜4に記載の鍋蓋用つまみ。
【請求項6】
前記つまみ部のそれぞれに着脱自在なスタンド部を備えたことを特徴とする請求項1〜5に記載の鍋蓋用つまみ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つまみ部を回動可能にすることにより、鍋蓋収納時の収納空間を効率よく利用するための鍋蓋用つまみに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鍋蓋用のつまみは、円柱形等の突起部が鍋蓋の中央上部に配置されることにより構成されていた。そのため、鍋蓋を収納する際、突起部が障害になり鍋蓋同士をうまく重ねて収納することが困難であった。そこで、特許文献1のような発明がなされている。特許文献1は、鍋蓋の中央上部に設けた左右のツマミ金具を可動させることにより、収納時の省スペース化を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−000632
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、左右のツマミ金具を立てた状態(調理時)と、寝かせた状態(収納時)とで、ツマミ金具が固定されていない。そのため、調理時に使用者の意に反してツマミ金具が寝た状態へとなってしまう危険性があった。また、鍋蓋を立てた状態での収納時には、ツマミ部が立った状態へとなってしまい、うまく収納することができないという問題点があった。本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、本発明の鍋蓋用つまみは、両側面に軸受けを備える本体と、前記本体の周縁に配置される一対の半環状板状体であり且つ各両端部の形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部と、前記つまみ部の両端部近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部の厚み方向と垂直に設けられた軸と、前記軸を付勢する付勢手段と、前記軸を挿通する孔を備え且つ前記本体を覆い得るカバーと、前記本体の中央に配置される固定手段と、を、備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の鍋蓋用つまみは、板状の本体と、前記本体の上部に配置される一対の半環状板状体であり且つ各両端部の形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部と、前記つまみ部の両端部近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部の厚み方向と垂直に設けられた軸と、前記軸を付勢する付勢手段と、前記本体の中央に配置される固定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記鍋蓋用つまみにおいて、本発明の鍋蓋用つまみは、前記つまみ部の半環状頂上近傍には、単数又は複数の起伏が設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、上記鍋蓋用つまみにおいて、本発明の鍋蓋用つまみは、前記半楕円形の一部は、所定幅で平面取りされていることを特徴とする。
【0009】
また、上記鍋蓋用つまみにおいて、本発明の鍋蓋用つまみは、前記本体は、中央下部に凹部を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記鍋蓋用つまみにおいて、本発明の鍋蓋用つまみは、前記つまみ部のそれぞれに着脱自在なスタンド部を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る鍋蓋用つまみを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る鍋蓋用つまみのカバーを外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る本体を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るつまみ部及び軸を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るつまみ部、軸及び付勢手段を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る鍋蓋用つまみの動きを示す概念図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るカバーを示す構成図である。
【図8】実施の形態1のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る鍋蓋用つまみを示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る鍋蓋用つまみを示す正面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る鍋蓋用つまみを示す側面図である。
【図12】実施の形態2のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る鍋蓋用つまみを示す平面図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る鍋蓋用つまみを示す正面図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係る鍋蓋用つまみを示す側面図である。
【図16】実施の形態3のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。
【図17】本発明の実施の形態4に係る鍋蓋用つまみを示す平面図である。
【図18】本発明の実施の形態4に係る鍋蓋用つまみを示す正面図である。
【図19】本発明の実施の形態4に係る鍋蓋用つまみを示す側面図である。
【図20】実施の形態4のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。
【図21】実施の形態4のスタンド部の作成例を示す図である。
【図22】実施の形態4のスタンド部のつまみ部への取付例を示す断面図である。
【図23】本発明の鍋蓋用つまみに模様を施した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る鍋蓋用つまみ100を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る鍋蓋用つまみ100のカバー6を外した状態を示す斜視図である。前記鍋蓋用つまみ100は、両側面に軸受け5を備える本体1と、前記本体1の周縁に配置される一対の半環状板状体であり且つ各両端部2aの形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部2と、前記つまみ部2の両端部2a近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部2の厚み方向と垂直に設けられた軸3と、前記軸3を付勢する付勢手段4と、前記軸3を挿通する孔を備え且つ前記本体1を覆い得るカバー6と、前記本体1の中央に配置される固定手段7と、から構成される。
【0013】
図3は、本発明の実施の形態1に係る本体1を示す構成図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図、(c)はその斜視図である。前記本体1は、両側面に後述する軸受け5を備え、且つ、中央には後述する固定手段7を挿通する孔1bを備える箱状体である。前記本体1の形状は、平面視において一対の辺を曲線とする箱状体であるが、これに限らず楕円形状、多角形状又は星型形状等も採用できる。また、前記本体1の寸法は、例えば縦幅を40mm以上70mm以下とし、横幅を40mm以上70mm以下とし、高さを5mm以上15mm以下とする。前記本体1は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0014】
前記本体1の両側面に設けられた前記軸受け5は、本体1に凹部として設けられ、短手方向の長さは後述する軸3の3a部分の直径と同程度であり、長手方向の長さは軸3の3a部分の直径の2〜5倍程度である(図3(a))。また、当該長手方向の一辺は開口しているため、後述するつまみ部2及び付勢手段4を連結した状態で軸受け5へ挿入することができ、鍋蓋用つまみ100の組み立てが容易に行える(図3(c))。
【0015】
図4は、本発明の実施の形態1に係るつまみ部2及び軸3を示す構成図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るつまみ部2、軸3及び付勢手段4を示す構成図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る鍋蓋用つまみ100の動きを示す概念図である。前記つまみ部2は、左右対称で一対の半環状の板状体であり、その両端部2aは側面視(厚み方向)で半楕円形である。前記つまみ部2は、前記本体1の周縁に配置される。前記半楕円形の長軸先端2bは、前記つまみ部2の起立状態では、つまみ部2が互いに接する側の斜め下方向であり、前記つまみ部2が寝た状態では互いに接する側の斜め上方向である(図6)。前記長軸先端2bは、その先端近傍が歯車状又はカム状に形成される。先端近傍を歯車状にすることで、より確実に前記つまみ部2を互いに連動させることができるので好ましい。
【0016】
また、前記つまみ部2の先端部2dは平面取りされている。当該構成とすることで、つまみ部2が起立状態から寝た状態へと移行した際、各先端部2d同士が面で支え合うことにより、つまみ部2が寝た状態をしっかりと保持可能となる(図6)。前記つまみ部2は、半環状の他に半楕円形状又は多角形状等を採用でき、これらの形状の互いに異なる組合せ等も採用できる。
【0017】
また、前記つまみ部2の半環状の頂上近傍2cは、側面視においてアーチ状に構成される(図4(a)(c))。当該構成とすることで、前記つまみ部2の起立状態では、つまみ部2同士の間に使用者の指を挿入可能な空間が確保でき、また、つまみ部2が寝た状態では、つまみ部2と鍋蓋Bとの間に使用者の指を挿入可能な空間を確保できるため、つまみ部2が摘み易くなり、鍋蓋用つまみ100の操作性が向上する。なお、当該構成は、起伏を複数設けた波型状、起伏の頂点を尖らせた山型状等も採用できる。また、前記半環状の頂上近傍2cに、リブ溝加工等の滑り止め加工を施すことにより、前記つまみ部2が更に摘み易くなる。前記つまみ部2は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0018】
前記軸3は、側面視において前記つまみ部2の両端部2aの略中心に設けられ、平面視において前記つまみ部2の長手方向と平行に且つ前記両端部2aから半環状の中心側へ突出するように設けられる(図4)。前記軸3の形状は、つまみ部2に接する部分が太く(3a)、先端側が細い(3b)二段円柱形である。例えば、つまみ部2に接する部分3aの直径は3mm以上8mm以下であり、先端側3bの直径は1mm以上5mm以下である。図5に示すように、当該先端側3bには後述する付勢手段4が連結される。
【0019】
当該二段円柱形の構成とすることで、鍋蓋用つまみ100を使用する際、鍋蓋Bの荷重をつまみ部2に接する部分3aで支えることとなり、丈夫で安定した使用が可能となる。また、先端側3bを細く構成することで、径の小さなコイルスプリング(付勢手段4)等に対応し、全体としてより小さな鍋蓋用つまみ100を提供することができ、収納時等の省スペース化が可能となる。前記軸3の形状は上記に限らず、二段角柱形であってもよい。また、円柱形又は角柱形の先端近傍に、付勢手段4を連結可能とするための円周方向の溝加工等を施す構成としてもよい(図示省略)。また、図4で示すように、先端側3bを覆い得るつまみ部2に接する部分3aと同径の軸カバー3cを設けても良い。当該構成とすることで、鍋蓋用つまみ100を使用中の汚れ等が付勢手段4に付着し難くなり、清掃及びメンテナンスが容易になると共に、付勢手段4の腐食等を抑えられるため鍋蓋用つまみ100の長期に渡る使用を可能とする。
【0020】
また、前記軸3は、前記つまみ部2と一体成型される他、前記つまみ部2の表面に固着して設けても良い。前記軸3は、金属、天然樹脂又は合成樹脂であり、例えば金属の場合には、鉄、鋼、アルミ又はステンレスを、合成樹脂の場合には、フェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0021】
前記付勢手段4は、図5に示すように、平面視において前記軸3の直交方向、且つ、隣り合う前記軸3に連結される弾性体である。前記付勢手段4は、例えば、コイルスプリング、板バネ又は耐熱性ゴムであり、前記軸3を、側面視において前記つまみ部2が互いに接する側(内側方向)へ付勢する。前記鍋蓋用つまみ100においては、例えばコイルスプリングが2つ、隣り合う前記軸3の軸間に配置される。
【0022】
図7は、本発明の実施の形態1に係るカバー6を示す構成図であり、(a)は、その側面図、(b)は、その平面図、(c)はその斜視図である。前記カバー6は、前記軸3が挿通し、且つ、側面視において軸3の横方向へのずれを抑止する孔5aを備える筐体である。当該孔5aは、前記カバー6の底辺からの逆U字状の切り欠きにより、前記軸3の3a部分の径よりも少し大きく形成され、例えば、当該孔5aの直径は3.1mm以上8.1mm以下である。また、前記カバー6は、前記本体1に対応し且つ本体1を覆い得る形状に成型される。例えば、図7に示すように、平面視において一対の辺を曲線とする形状の他、楕円形状、多角形状又は星型形状等も採用できる。前記カバー6は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0023】
使用者等が行う鍋蓋用つまみ100の組み立て手順としては、前記付勢手段4によって連結されたつまみ部2を前記軸受け5に挿入した後、当該カバー6を前記本体1に被せる(図1、図2)。当該構成とすることで、側面視において軸3の横方向へのずれが抑止されるため、鍋蓋用つまみ100の安定した使用が可能となる。また、軸受け5内への汚れ等の侵入を抑えるため、鍋蓋用つまみ100を使用中の汚れ等が付勢手段4に付着し難くなり、清掃及びメンテナンスが容易になると共に、付勢手段4の腐食等を抑えられるので鍋蓋用つまみ100の長期に渡る使用を可能とする。
【0024】
前記固定手段7は、前記本体1の中央且つ前記カバー6の内部に配置され、前記孔1bから下方向に突出する螺子である。突出先には、前記固定手段7と螺合する受け部7aが配置される(図6)。前記固定手段7と前記受け部7aの間には、ワッシャーを配置しても良い。また、前記固定手段7は、所謂ピンバッジの留め具に一般的に用いられている構成としても良い。すなわち、前記固定手段7は、棒状の一部に切り欠き部を設けた構成又は棒状の一部に周方向の溝を設けた構成とする。この場合、前記受け部7aは、前記切り欠き部又は前記溝に嵌合する突起部を有する。当該構成とすることで、鍋蓋用つまみ100の鍋蓋Bへの着脱が容易に行える。また、前記固定手段7は、磁力によるものでもよい。すなわち、前記固定手段7を磁石にし、金属の前記受け部7aを鍋蓋Bに固定して構成してもよい。この場合、前記孔1bは形成されない。前記固定手段7を磁力によるものとすることで、前記鍋蓋用つまみ100の鍋蓋Bへの着脱が容易且つ迅速に行える。
【0025】
次に、前記鍋蓋用つまみ100の使用方法を説明する。図8は、実施の形態1のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。まず、使用者は、既存の鍋蓋用つまみ(図示省略)を鍋蓋Bから取り外し、前記鍋蓋用つまみ100を鍋蓋Bへ前記固定手段7により取り付ける。鍋蓋Bの使用時には、使用者は前記つまみ部2の頂上近傍2cを摘み上げ、前記つまみ部2を起立状態(図8(c))にし、調理を行う。このとき、前記つまみ部2の両端部2aは半楕円形状に形成されているので、その抵抗により前記つまみ部2は起立状態が保たれる。そのため、使用者の意に反して前記つまみ部2が勝手に倒れてしまうことはない。
【0026】
次に、使用者は、調理を終えて鍋蓋Bを収納するために前記つまみ部2をそれぞれ開くように倒し、前記つまみ部2を寝た状態(図4(a))へと移動させる。このとき、前記つまみ部2の両端部2aは半楕円形状に形成されているので、その抵抗により前記つまみ部2は寝た状態が保たれる。そのため、複数枚の鍋蓋Bを重ねて収納する場合でも、前記つまみ部2が障害になることはなく、少ないスペースで安定した収納が可能となる。また、鍋蓋Bを垂直に立てて収納する場合においても、前記つまみ部2の寝た状態は保たれているので、上記同様、少ないスペースで安定した収納が可能となる。
【0027】
前記つまみ部2の起立状態(調理時)から、寝た状態(収納時)への移行において、図8に示すように、前記つまみ部2が使用者により倒されると、前記軸3が前記軸受け5内を移動する。すなわち、前記つまみ部の両端部2aが半楕円形状に形成されていることにより、前記つまみ部2の傾きに伴い、前記つまみ部2及び前記軸3は、側面視でそれぞれ外側方向へ移動する。前記長軸先端2bが互いに接する時、両軸間の距離dは最大(図4(b))となり、調理時及び収納時においては、距離dは最小となる。前記軸3は、外側方向へ移動すると同時に、前記付勢手段4であるコイルスプリングにより内側方向引っ張られる。詳細には、両軸間の距離dが最大の時、張力は最大となり、距離dが最小の時、張力は最小となる。そのため、前記つまみ部2は、調理時及び収納時以外の中間域では安定せず、調理時又は収納時でのみその状態が安定して保たれる。
【0028】
前記鍋蓋用つまみ100によれば、以下の効果が奏される。鍋蓋Bの使用時(調理時)には、前記つまみ部2の起立状態が保たれ、使用者の意に反して前記つまみ部2が倒れないので、安全に鍋蓋Bを使用することができる。一方、鍋蓋Bの収納時には、前記つまみ部2の寝た状態が保たれるので、複数枚の鍋蓋Bを重ねて収納する場合でも、前記つまみ部2が障害になることはなく、少ないスペースで安定した収納が可能となる。同様に、鍋蓋Bを垂直に立てて収納する場合においても、前記つまみ部2の寝た状態は保たれているので、少ないスペースで安定した収納が可能となる。前記つまみ部2は、調理時及び収納時以外の中間域では安定せず、調理時又は収納時でのみその状態が安定して保たれる構造により、使用者は少ない力で容易に、前記つまみ部2の状態の切換えを行うことができる。
【0029】
また、前記つまみ部2の先端部2dが平面取りされていることにより、つまみ部2が起立状態から寝た状態へと移行した際、各先端部2d同士が面で支え合うことにより、つまみ部2が寝た状態をしっかりと保持可能となる。また、前記つまみ部2がアーチ状に構成されていることにより、前記つまみ部2の起立状態及び寝た状態において、使用者がつまみ部2を摘まむための空間を確保できるため、鍋蓋用つまみ100の操作性が向上する。
【0030】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る鍋蓋用つまみ200を示す平面図であり、図10は、その正面図、図11は、その側面図である。前記鍋蓋用つまみ200は、中央下部に凹部201aを有する本体201と、前記本体201の上部に配置される一対の半環状板状体であって、各両端部202aの形状が厚み方向に半楕円形の湾曲面となるつまみ部202と、前記つまみ部202の両端部202a近傍且つ前記半楕円形の略中心に、前記つまみ部202の厚み方向と垂直に設けられた軸203と、前記軸203を付勢する付勢手段204と、前記軸203を支持する軸受け205を備え且つ前記付勢手段204を覆うカバー206と、前記本体201の中央に配置され、下方向に突出する固定手段207と、から構成される。なお、実施の形態1と同様の構成要素には同一符号を付する。
【0031】
前記本体201は、中央下部に凹部201aを有する平面視で略円形状の板状体であり、当該凹部201aの中央には、後述する固定手段207の一部を挿通する孔201bを有する。前記本体201は、例えば直径を、40mm以上70mm以下とし、厚さを2mm以上5mm以下とする。前記本体201は、平面視で略円形状の他に楕円形状、多角形状又は星型形状等も採用できる。なお、前記本体201は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0032】
前記凹部201aは、平面視で略円形状であり、正面視で略台形状である。例えば、前記略台形状の上辺は10mm以上18mm以下、下辺は20mm以上35mm以下、高さは4mm程度である。前記凹部201aを設けることにより、鍋蓋Bが平らな形状であるか、曲線を有する形状であるかに関わらず、前記鍋蓋用つまみ200を鍋蓋Bにしっかりと固定することができる。
【0033】
前記つまみ部202は、左右対称で一対の半環形状の板状体であり、その両端部202aは側面視(厚み方向)で半楕円形である。また、前記つまみ部202は、長手方向の長さが前記本体201の直径よりも短く設定され、例えば30mm以上60mm以下であり、前記本体201の上部に配置される。前記半楕円形の長軸先端202bは、前記つまみ部202の起立状態では、当該つまみ部202が互いに接する側の斜め下方向であり、前記つまみ部202が寝た状態では互いに接する側の斜め上方向である(図11)。なお、前記つまみ部202は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0034】
前記つまみ部202は、半環形状の他に、半楕円形状又は多角形状等を採用できる。また、前記つまみ部202は、左右対称でなく、異なる形状の組合せも採用できる。前記長軸先端202bは、その先端近傍が歯車状又はカム状に形成される。先端近傍を歯車状にすることで、より確実に前記つまみ部202を互いに連動させることができるので好ましい。また、前記つまみ部202の半環形状の頂上近傍202cに、リブ溝加工等の滑り止め加工を施すことにより、前記つまみ部202が摘み易くなり、鍋蓋用つまみ200の操作性が向上する。
【0035】
前記軸203は、側面視において前記半楕円形の略中心に設けられ、正面視において前記つまみ部202の長手方向と平行に且つ前記両端部202aから左右両側に突出するように設けられる。前記軸203の形状は円柱形であるが、多角柱形であっても良い。また、前記軸203は、前記つまみ部202と一体成型される他、前記つまみ部202の表面に固着して設けても良いし、前記つまみ部202を挿通するように設けても良い(図示省略)。前記軸203は、金属、天然樹脂又は合成樹脂であり、例えば金属の場合には、鉄、鋼、アルミ又はステンレスを、合成樹脂の場合には、フェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0036】
前記カバー206は、前記軸203を支持する軸受け205を備え、後述する前記付勢手段204を覆い得る筐体である。前記カバー206は、前記本体201の上部で且つ前記両端部202a近傍に配置される。詳細には、図9に示すように、前記本体201の外周側には矩形筐体206aが2つ設けられ、中心側には長尺状矩形筐体206bが1つ設けられる。なお、前記カバー206は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0037】
前記軸受け205は、前記カバー206に凹部として設けられ、長手方向の長さが前記軸203の直径の2〜3倍程度であり且つ短手方向の長さが前記軸203の直径と略同一である、一辺を半円状とする矩形状である。前記半円状の直径は、前記軸203と略同径であり、側面視において前記つまみ202が互いに接する側に形成される。なお、前記軸受け205は、前記カバー206に凹部として設けられる他、前記本体201から立設するよう独立して設けられてもよい。
【0038】
前記付勢手段204は、図11に示すように、前記軸受け205の内部に配置される弾性体であって、前記軸受け205の半円状の一辺とは反対側の側面と、前記軸203との間に配置される。前記付勢手段204は、例えば、板バネやコイルスプリング、耐熱性ゴムであり、前記軸203を前記半円状の一辺方向、すなわち、側面視において前記つまみ部202が互いに接する側(内側方向)へ付勢する。前記鍋蓋用つまみ200においては、例えば板バネが8つ、前記軸受け205内にそれぞれ配置される。
【0039】
前記固定手段207は、前記本体201の中央且つ前記カバー206(長尺状矩形筐体206b)の内部に配置され、前記孔201bから下方向に突出する螺子である。突出先には、前記固定手段207と螺合する受け部207aが配置される(図10)。前記固定手段207と前記受け部207aの間には、ワッシャーを配置しても良い。また、前記固定手段207は、所謂ピンバッジの留め具に一般的に用いられている構成としても良い。すなわち、前記固定手段207は、棒状の一部に切り欠き部を設けた構成又は棒状の一部に周方向の溝を設けた構成とする。この場合、前記受け部207aは、前記切り欠き部又は前記溝に嵌合する突起部を有する。当該構成とすることで、鍋蓋用つまみ200の鍋蓋Bへの着脱が容易に行える。また、前記固定手段207は、磁力によるものとしてもよい。
すなわち、前記固定手段207を磁石にし、金属の前記受け部207aを鍋蓋Bに固定して構成してもよい。この場合、前記孔201bは形成されない。前記固定手段207を磁力によるものとすることで、前記鍋蓋用つまみ200の鍋蓋Bへの着脱が容易且つ迅速に行える。
【0040】
次に、前記鍋蓋用つまみ200の使用方法を説明する。図12は、実施の形態2のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。まず、使用者は、既存の鍋蓋用つまみ(図示省略)を鍋蓋Bから取り外し、前記鍋蓋用つまみ200を鍋蓋Bの中央へ前記固定手段207により取り付ける。鍋蓋の使用時には、使用者は前記つまみ部202の頂上近傍202cを摘み上げ、前記つまみ部202を起立状態(図12(c))にし、調理を行う。このとき、前記つまみ部202の両端部202aは半楕円形状に形成されているので、その抵抗により前記つまみ部202は起立状態が保たれる。そのため、使用者の意に反して前記つまみ部202が勝手に倒れてしまうことはない。
【0041】
次に、使用者は、調理を終えて鍋蓋Bを収納するために前記つまみ部202をそれぞれ開くように倒し、前記つまみ部202を寝た状態(図12(a))へと移動させる。このとき、前記つまみ部202の両端部202aは半楕円形状に形成されているので、その抵抗により前記つまみ部202は寝た状態が保たれる。そのため、複数枚の鍋蓋Bを重ねて収納する場合でも、前記つまみ部202が障害になることはなく、少ないスペースで安定した収納が可能となる。また、鍋蓋Bを垂直に立てて収納する場合においても、前記つまみ部202の寝た状態は保たれているので、上記同様、少ないスペースで安定した収納が可能となる。
【0042】
前記つまみ部202の起立状態(調理時)から、寝た状態(収納時)への移行において、図12に示すように、前記つまみ部202が使用者により倒されると、前記軸203が前記軸受け205内を移動する。すなわち、前記つまみ部の両端部202aが半楕円形状に形成されていることにより、前記つまみ部202の傾きに伴い、前記つまみ部202及び前記軸203は、側面視でそれぞれ外側方向へ移動する。前記長軸先端202bが互いに接する時、両軸間の距離dは最大(図12(b))となり、調理時及び収納時においては、距離dは最小となる。前記軸203は、外側方向へ移動すると同時に、前記付勢手段204である板バネにより内側方向へ押圧される。詳細には、両軸間の距離dが最大の時、押圧力は最大となり、距離dが最小の時、押圧力は最小となる。そのため、前記つまみ部202は、調理時及び収納時以外の中間域では安定せず、調理時又は収納時でのみ、その状態が安定して保たれる。
【0043】
前記鍋蓋用つまみ200によれば、以下の効果が奏される。鍋蓋Bの使用時(調理時)には、前記つまみ部202の起立状態が保たれ、使用者の意に反して前記つまみ部202が倒れてしまうことがないので、安全に鍋蓋Bを使用することができる。一方、鍋蓋Bの収納時には、前記つまみ部202の寝た状態が保たれるので、複数枚の鍋蓋Bを重ねて収納する場合でも、前記つまみ部202が障害になることはなく、少ないスペースで安定した収納が可能となる。同様に、鍋蓋Bを垂直に立てて収納する場合においても、前記つまみ部202の寝た状態は保たれているので、少ないスペースで安定した収納が可能となる。また、前記つまみ部202は、調理時及び収納時以外の中間域では安定せず、調理時又は収納時でのみその状態が安定して保たれる構造により、使用者は少ない力で容易に、前記つまみ部202の状態の切換えを行うことができる。
【0044】
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3に係る鍋蓋用つまみ300を示す平面図であり、図14は、その正面図、図15は、その側面図である。前記鍋蓋用つまみ300は、後述する軸受け305及び付勢手段304以外の構成は、実施の形態2と同様であるのでその説明を省略し、同一の構成要素には同一符号を付する。
【0045】
前記軸受け305は、前記カバー206に凹部として設けられ、長手方向の長さが前記軸203の直径の2〜3倍程度であり且つ短手方向の長さが前記軸203の直径と略同一である、短手両辺を半円状とする矩形状である。また、前記半円状の直径は、前記軸203と略同径である。なお、前記軸受け305は、前記カバー206に凹部として設けられる他、前記本体21から立設するよう独立して設けられてもよい。
【0046】
前記付勢手段304は、図13に示すように、平面視において前記軸203の垂直方向、且つ、隣り合う前記軸203に連結される弾性体である。前記付勢手段304は、例えば、板バネやコイルスプリング、耐熱性ゴムであり、前記軸203を側面視において前記つまみ部202が互いに接する側(内側方向)へ付勢する。前記鍋蓋用つまみ300においては、例えばコイルスプリングが4つ、隣り合う前記軸203の軸間に配置される。
【0047】
前記鍋蓋用つまみ300の使用方法は、実施の形態2と同様なのでその説明を省略する。図16は、実施の形態3のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。前記つまみ部202の起立状態(調理時)から、寝た状態(収納時)への移行において、図16に示すように、前記つまみ部202が使用者により開くように倒されると、前記軸203が前記軸受け305内を移動する。すなわち、前記つまみ部の両端部202aが半楕円形状に形成されていることにより、前記つまみ部202の傾きに伴い、前記つまみ部202及び前記軸203は、側面視でそれぞれ外側方向へ移動する。前記長軸先端202bが互いに接する時、両軸間の距離dは最大(図16(b))となり、調理時及び収納時においては、距離dは最小となる。前記軸203は、外側方向へ移動すると同時に、前記付勢手段304であるコイルスプリングにより内側方向へ引っ張られる。詳細には、両軸間の距離dが最大の時、張力は最大となり、距離dが最小の時、張力は最小となる。そのため、前記つまみ部202は、調理時及び収納時以外の中間域では安定せず、調理時又は収納時でのみその状態が安定して保たれる。
【0048】
前記鍋蓋用つまみ300によれば、より簡易な構成で且つ安価に、実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
【0049】
(実施の形態4)
図17は、本発明の実施の形態4に係る鍋蓋用つまみ400を示す平面図であり、図18は、その正面図、図19は、その側面図である。図20は、実施の形態4のつまみ部の可動に伴う各部の動きを示す概念図である。前記鍋蓋用つまみ400は、後述するつまみ部402及びスタンド部408以外の構成は、実施の形態2又は3と同様であるのでその説明を省略し、同一の構成要素には同一符号を付する。
【0050】
前記つまみ部402は、左右対称で一対の半円形状の板状体であり、その両端部402aは側面視で半楕円形である。前記つまみ部402は、長手方向の長さが前記本体201の直径よりも短く設定され、例えば30mm以上60mm以下であり、前記本体201の上部に配置される。また、前記つまみ部402は、前記スタンド部408を取り付けるための取付孔402cを複数備える。前記半楕円形の長軸先端402bは、つまみ部402の起立状態では、つまみ部402が互いに接する側の斜め下方向であり、つまみ部402が寝た状態では互いに接する側の斜め上方向である(図19)。更に、前記半楕円形の長軸先端402b近傍は所定幅で平面取りされている(図19)。例えば、前記所定幅は2mm以上5mm以下である。なお、前記つまみ部402は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0051】
前記つまみ部402は、半環状の他に、半楕円形状又は多角形状等を採用できる。前記長軸先端402bは、その先端近傍が歯車状又はカム状に形成される。先端近傍を歯車状にすることで、より確実に前記つまみ部402を互いに連動させることができるので好ましい。
【0052】
図21は、実施の形態4のスタンド部408の作成例を示す図である。前記スタンド部408は、矩形平板状であり、短手方向の一端部に開閉構造を備える。当該開閉構造は、前記つまみ部402に対応する形状で形成され、前記つまみ部402と同一又は少し大きく形成することが好ましい。前記開閉構造の一片408cは、前記取付孔402cに挿通する凸部408aを複数備え、他片408dは、前記取付孔402cに挿通し前記凸部408aと嵌合する凹部408bを複数備える。
【0053】
前記スタンド部408は、天然樹脂又は合成樹脂から成型され、合成樹脂の場合、例えばフェノール樹脂又はシリコーンゴムを用いることが好ましい。また、前記スタンド部408の、長手方向の長さは、前記鍋蓋用つまみ400を取り付ける鍋蓋Bの半径よりも短く設計する。例えば、直径160mmの鍋蓋Bの場合には、前記スタンド部408の長手方向の長さは、60mm以上80mm以下にすることが好ましく、直径200mmの鍋蓋Bの場合には、前記スタンド部408の長手方向の長さは、80mm以上100mm以下とすることが好ましい。
【0054】
図22は、実施の形態4のスタンド部408のつまみ部402への取付例を示す断面図である。前記スタンド部408は、前記つまみ部402にそれぞれ一枚ずつ取り付けられ、前記一片408c及び他片408dで前記つまみ部402を挟むように取り付けられる。このとき、前記凸部408a及び凹部408bが、前記取付孔402cを挿通し、嵌合することで前記スタンド部408が、前記つまみ部402に固定される。
【0055】
次に、前記鍋蓋用つまみ400の使用方法を説明する。なお、前記つまみ部402が起立した状態(調理時)と、前記つまみ部402が寝た状態(収納時)に関しては、実施の形態2又は3と同様なので説明を省略する。
【0056】
前記つまみ部402の起立状態(調理時)から、寝た状態(収納時)への移行において、図20に示すように、前記つまみ部402が使用者により倒されると、前記軸203が前記軸受け205内を移動する(図20(d))。すなわち、前記つまみ部の両端部402aが半楕円形状に形成されていることにより、前記つまみ部402の傾きに伴い、前記つまみ部402及び前記軸203は、側面視でそれぞれ外側方向へ移動する。このとき、前記軸203の両軸間の距離dは最大になり、前記付勢手段204である板バネの押圧力も最大となる。そのため、この中間域では、前記つまみ部402は不安定な状態となる。
【0057】
前記つまみ部402が使用者により更に倒されると、前記長軸先端402bが互いに接する状態となる(図20(c))。このとき、前記長軸先端402b近傍は、所定幅で平面取りされているため、前記軸203の両軸間の距離dは最小となり、前記付勢手段204である板バネの押圧力も最小となる。そのため、前記つまみ部402は安定した状態で保たれる。この状態において、使用者は、スタンド部408を用いることにより鍋蓋Bを自立させることができる。すなわち、鍋蓋Bの縁と前記スタンド部408の各1点の計3点で支えられることにより、鍋蓋Bは自立する。
【0058】
前記つまみ部402が使用者により更に倒されると、再び前記軸203が前記軸受け205内を移動する(図20(b))。上記同様、前記軸203の両軸間の距離dは最大になり、前記付勢手段204である板バネの押圧力も最大となるため、この中間域においても前記つまみ部402は不安定な状態となる。前記つまみ部402が使用者により更に倒されると、前記つまみ部402は寝た状態(収納時)となり安定して保たれる。
【0059】
前記鍋蓋用つまみ400によれば、実施の形態2及び3と同様の効果を奏することに加えて、鍋蓋Bを自立させることが可能である。そのため、調理中、一時的に鍋蓋Bを鍋から外した際の、鍋蓋Bが占めるスペースを最小限にすることができる。また、洗浄後の鍋蓋Bを自立させておくことで、効率的且つ衛生的に乾燥させることができる。
【0060】
以上、本発明に係る実施の形態を述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、正面視において前記軸203を前記両端部202aから左右両側に突出すると説明したが、左右のどちらか一方、すなわち、前記本体201の外周側又は中心側のどちらか一方に突出する構成としてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、前記軸3及び203は、前記つまみ部2、202及び402の両端部の略中心に設けられると説明したが、前記軸3及び203を偏心して設けてもよい。すなわち、前記中間域において付勢手段の付勢力(張力又は押圧力)が大きくなるよう、前記軸3及び203をつまみ部2、202及び402の両端部の中心から偏心して配置することで、前記付勢力が増大することにより、前記中間域でのつまみ部2、202及び402がより不安定な状態となるため、鍋蓋用つまみをより機敏に動作させることができる。
【0062】
また、実施の形態2を基に前記鍋蓋用つまみ400の説明をしたが、組合せはこれに限られない。すなわち、実施の形態1又は3を基にしてもよく、この場合には、実施の形態1又は3の効果も同時に奏されることとなる。
【0063】
また、図23に示すように、本体やつまみ部、スタンド部等に様々な模様を施したり、形状をレモンやクローバーの葉に似せたりしたものなど、デザイン性を持たせたものとしてもよい。こうすることで、気分や料理、提供場所に応じて皿を選ぶのと同様の感覚で、鍋蓋のつまみを換えることが可能となり、多種多様な需要に応じることができるようになる。
【符号の説明】
【0064】
100 鍋蓋用つまみ
1 本体
2 つまみ部
3 軸
4 付勢手段
5 軸受け
6 カバー
7 固定手段
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
【図15】
図15
【図16】
図16
【図17】
図17
【図18】
図18
【図19】
図19
【図20】
図20
【図21】
図21
【図22】
図22
【図23】
図23
イラスト 
写真1 
写真2 
写真3 
発明者からのメッセージ

 我が家では戸棚の上に場所を設けて8枚ほどの鍋蓋が並んでいますが、少し油断してしまおうものなら、次に取り出すときには頭の上から鍋の蓋が何枚もガチャガチャと落ちてきます。
 そこで、つまみの部分をワンタッチで平らにし、また必要なときには簡単につまみやすい状態にできる鍋蓋つまみはないかと考えました。収納の際にはパチンと開いて倒し、何枚も効率よく重ねて収納する。使うときにはパチンと立ててつまみやすい状態にして固定し、安全に鍋蓋を持ち上げることのできる交換用のつまみです。
 今回の発明品は両サイドに開くつまみ部分の根元をギア状にしてかみ合わせ、コイルスプリングで引き寄せてあります。そして双方が蓋に張り付いて180°に開いた状態か、ぴったり重なって持ち手となる、蓋に対して垂直に固定できるように途中の角度でのギア部分を膨らませて不安定な状態にしてあります。そのため立てる(使用時)か、開いて寝かせる(収納時)かのどちらかのみで固定できるようになっています。鍋蓋はつまみを開いて重ねてコンパクトに収納する。これが日本標準、世界標準になるとよいなと考えています。
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