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飲食・調理
 
【考案の名称】鍋蓋係止具を備えた鍋蓋
【実用新案権者】
【識別番号】500038075
【氏名又は名称】岡本 泰二
【住所又は居所】埼玉県加須市外記新田310−1
【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
【考案者】
【氏名】岡本 泰二
【住所又は居所】埼玉県加須市外記新田310−1
【要約】 (修正有)
【課題】鍋本体の上縁部に係止可能な鍋蓋係止具を備えた鍋蓋であって、外観形状がシンプルで、洗浄作業を安全かつ短時間で行える鍋蓋係止具を備えた鍋蓋を提供する。
【解決手段】鍋蓋4の外面に配設される摘み部5と、鍋蓋4の内面に配設される鍋蓋係止具1とを備えた鍋蓋4であって、鍋蓋係止具1の外周部は平面視において略円形であり、鍋本体2の上縁部3に係止可能とした鍋蓋係止具1を備えた鍋蓋4である。また、鍋蓋係止具1は基端部と先端部とから成り、基端部の外周径に較べて先端部の外周径が大きく、側面視においてハンドベル形状である。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
鍋蓋の外面に配設される摘み部と、鍋蓋の内面に配設される鍋蓋係止具とを備えた鍋蓋であって、前記鍋蓋係止具の外周部は平面視において略円形であり、鍋本体の上縁部に係止可能としたことを特徴とする鍋蓋係止具を備えた鍋蓋。
【請求項2】
前記鍋蓋係止具は基端部と先端部とから成り、基端部の外周径に較べて先端部の外周径が大きいことを特徴とする請求項1記載の鍋蓋係止具を備えた鍋蓋。
【請求項3】
前記鍋蓋係止具は側面視においてハンドベル形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鍋蓋係止具を備えた鍋蓋。
【請求項4】
前記鍋蓋係止具は鍋蓋に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍋蓋係止具を備えた鍋蓋。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、鍋本体の上縁部に係止可能な鍋蓋係止具を備えた鍋蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鍋蓋では、加熱調理中や加熱調理完了後に、鍋本体から鍋蓋を取り外した場合、片手で鍋蓋の摘み部を保持したままか、調理台上に鍋蓋を置く必要があった。しかし、片手で鍋蓋の摘み部を保持したままでは、一時的に調理の出来具合を調べる場合はともかく、両手を使用することができないと、杓子等で調理内容物を掬ってお椀などに移すことは困難である。また、調理台上に鍋蓋を置く場合、調理台上に広いスペースが必要となるが、調理台上には他の調理器具や食材が置かれることが多く、鍋蓋を置くスペースが確保できないこともある。さらに、鍋蓋を調理台上に置くと調理台に煮汁などが流れ出して調理台が汚れることもある。
【0003】
このような事情を考慮し、鍋蓋に取付けられている標準的な摘み部に替えて、特殊形状をした鍋蓋係止具または鍋蓋支持具を取り付けた鍋蓋が提案されている。(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
また、鍋蓋の摘み部にアーム状の支持部を接続した鍋蓋支持具付きの鍋蓋が提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
さらに、係止部を設けた板状の基材を鍋蓋の裏面中央に位置する摘子取付け部に止着し、鍋本体の上縁部に係止し得るようにした鍋蓋係止具を備えた鍋蓋が提案されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 実用新案登録第3136014号公報
【特許文献2】 実用新案登録第3170830号公報
【特許文献3】 特開2004−89634号公報
【特許文献4】 特開平10−309235号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1や特許文献2に記載の鍋蓋においては、標準的な汎用の摘み部に替えて特殊形状をした鍋蓋係止具または鍋蓋支持具を用いる必要がある。特殊形状の鍋蓋係止具や鍋蓋支持具は量産性に乏しく、その製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
特許文献3に記載の鍋蓋においては、鍋蓋の摘み部にアーム状の支持部を接続した鍋蓋支持具を用いることから、鍋蓋の着脱時に手の甲などがアーム先端部に接触することもあり安全面での不安があった。
【0009】
特許文献4に記載の鍋蓋においては、係止部を設けた板状の基材が鍋蓋の内面に止着されるため、鍋蓋内面と基材との隙間に煮汁などが侵入し、鍋蓋の洗浄が容易でなかった。
【0010】
調理終了後の鍋蓋の洗浄については、特許文献4に記載の鍋蓋に限らず、特許文献1〜3に記載の鍋蓋についても洗浄が容易でないという問題があった。すなわち、これらの鍋蓋に用いられる鍋蓋係止具や鍋蓋支持具の形状は、非対称な複雑形状とされている。そのため洗浄作業時において、洗浄スポンジ等の洗浄用具が鋭角部に引っ掛かることがある。また、切欠き等の凹部に付着した汚れを落とすのに時間を要するという問題があった。
【0011】
そこで、本考案の考案者は、市販されている標準的な鍋蓋に対し容易に着脱でき、鍋本体の上縁部に係止可能な鍋蓋係止具を備えた鍋蓋を考案した。また、本考案は、外観形状がシンプルで、調理終了後の洗浄作業が安全かつ極めて容易である鍋蓋係止具を備えた鍋蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の考案は、鍋蓋の外面に配設される摘み部と、鍋蓋の内面に配設される鍋蓋係止具とを備えた鍋蓋であって、前記鍋蓋係止具の外周部は平面視において略円形であり、鍋本体の上縁部に係止可能としたことを特徴とする鍋蓋係止具を備えた鍋蓋である。
【0013】
請求項2記載の考案は、請求項1記載の鍋蓋係止具を備えた鍋蓋において、前記鍋蓋係止具は基端部と先端部とから成り、基端部の外周径に較べて先端部の外周径が大きいことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の考案は、請求項1または請求項2記載の鍋蓋係止具を備えた鍋蓋において、前記鍋蓋係止具は側面視においてハンドベル形状であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の考案は、請求項1〜3の何れか1項に記載の鍋蓋係止具を備えた鍋蓋において、前記鍋蓋係止具は鍋蓋に対して着脱可能であることを特徴とする。
【考案の効果】
【0016】
本考案に係る鍋蓋係止具を備えた鍋蓋によれば、市販されている標準的な鍋蓋に対し、鍋蓋係止具を容易に着脱でき、鍋蓋を鍋本体の上縁部に簡単かつ確実に係止できる。また、本考案に係る鍋蓋係止具を備えた鍋蓋は、外観形状がシンプルで、洗浄作業を安全かつ短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本考案の実施例を示す鍋蓋係止具を備えた鍋蓋の部分断面図である。
【図2】本考案の実施例を示す鍋蓋係止具を備えた鍋蓋の斜視図である。
【図3】実施例1を示す鍋蓋係止具の断面図である。
【図4】実施例2を示す鍋蓋係止具の断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0018】
本考案に係る鍋蓋係止具を備えた鍋蓋の実施の形態について、図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本考案に係る鍋蓋係止具1を備えた鍋蓋を鍋本体2の上縁部3に係止した状態を示している。
【0019】
図1および図2に示すように、鍋蓋4の外面には断熱性に優れた合成樹脂材料からなる摘み部5が配設され、鍋蓋4の内面には金属材料からなる鍋蓋係止具1が配設されている。鍋蓋4の外面に配設される摘み部5は、市販されている標準的な摘み部と異なるところはない。すなわち、市販されている既存の摘み部をそのまま使用することができる。
【0020】
鍋蓋4の内面に配設される鍋蓋係止具1は、本考案の特徴的構成を備えている。図3は、実施例1としての鍋蓋係止具1の断面図である。この鍋蓋係止具1はプレス加工により、側面視においてハンドベル形状に形成されている。すなわち、鍋蓋係止具1の外周部は平面視において略円形とされている。また、鍋蓋係止具1は基端部6と先端部7とから成り、基端部6と先端部7との接続部8には段差が設けられ、基端部6の外周径に較べて先端部7の外周径は大きく形成されている。基端部6と先端部7との段差は、鋭角とならないよう緩やかな曲線で形成されている。また、基端部6の底面には取付孔9が設けられている。この取付孔9には、ねじ軸11が挿通され、ねじ軸11は鍋蓋4を挟んで摘み部5に設けられた雌ねじに螺合されている。
【0021】
鍋蓋係止具1の寸法について重要なことは、基端部6の底面から接続部8までの寸法hと、鍋蓋係止具1が取り付けられる鍋蓋4の内面から鍋蓋4の開口端面までの寸法Hとの関係において、h>Hとなる条件が必要である。この条件を満たすことにより、鍋蓋4を鍋本体2の上縁部3に係止した際、鍋蓋全体として鍋本体2の外側に傾く方向の曲げモーメントが発生することになり、鍋蓋4を鍋本体2の上縁部3に確実に係止することが可能となる。
【0022】
上述した鍋蓋係止具1によれば、鍋蓋係止具1の内外面とも略円形であることから、洗浄作業を容易かつ短時間で行うことができる。また、鍋蓋係止具1に鋭角部や突起部がないことから洗浄作業の安全性が確保できる。
【0023】
図4は、実施例2を示す鍋蓋係止具1の断面図である。この鍋蓋係止具1は軽量で耐熱性に富む合成樹脂材料を用いて成型されている。鍋蓋係止具1の基端部6には凹部がなく、先端部7側にのみ浅い凹部12が形成されている。このように凹部12の形状を浅くすることで、鍋蓋係止具1の洗浄作業がより一層容易になる。また、軽量な合成樹脂材料を用いて成型されることから、鍋蓋全体としての重量を抑制できるため、洗浄作業の作業性が向上する。
【0024】
以上、本考案に係る鍋蓋係止具を備えた鍋蓋の実施例について説明したが、本考案は上述した実施例に限定されるものではない。実施例では、側面視においてハンドベル形状である鍋蓋係止具について説明したが、鍋蓋係止具の側面視の形状はハンドベル形状に限らず、種々の形状を有するものであってもよい。また、鍋蓋係止具の具体的寸法については、鍋蓋の大きさに合わせて適宜決定することができる。なお、図1に示す鍋の形式はどのような形式の鍋であってもよく、例えば、片手鍋、両手鍋はもちろん、つるべのように取手が回動する鍋であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 鍋蓋係止具
2 鍋本体
3 上縁部
4,(10) 鍋蓋
5 摘み部
6 基端部
7 先端部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
写真1 
写真2 
写真3 
写真4 
 
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