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飲食・調理
 
【考案の名称】ペットボトル用の栓体
【実用新案権者】
【識別番号】515213537
【氏名又は名称】小栗 悦嗣
【住所又は居所】和歌山県和歌山市栗栖581−4
【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
【考案者】
【氏名】小栗 悦嗣
【住所又は居所】和歌山県和歌山市栗栖581−4
【要約】   (修正有)
【課題】注ぎ出し口を咥えたり吸ったりしなくても済み、注ぎ出し口からの飲料を口に確実に納めることのできるペットボトル用の栓体を提供する。
【解決手段】ペットボトル用の栓体1は、上面開口部9および下面開口部を有して筒状に形成された栓本体4と、栓本体4の下面開口部の内周面に形成されていてペットボトルBの注ぎ口15の雄ネジ16と螺合する第1雌ネジ部6と、栓本体4の上面開口部9に着脱可能に装着されて上面開口部9を蓋止する蓋部材3と、栓本体4の外周面から径方向外向き且つ斜め上向きに延在して形成されたジョウゴ状の受舌部8と、を備えた構成にされている。そして、栓本体4の上面開口部9に第2雌ネジ部10が形成され、第2雌ネジ部10と係脱可能に螺合する雄ネジ部13が蓋部材3の下部に形成されている。また、蓋部材3の上面に、指で摘持される摘み部が突設されている。
【選択図】図5
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
上下に開口する筒状に形成された栓本体と、
前記栓本体の下面開口部に形成されていてペットボトルの注ぎ口の雄ネジと螺合する第1雌ネジ部と、
前記栓本体の上面開口部に装着されて当該上面開口部を開閉自在に蓋止する蓋部材と、
前記栓本体の外周面から径方向外向き且つ斜め上向きに延在して形成されたジョウゴ状の受舌部と、を備えて成ることを特徴とするペットボトル用の栓体。
【請求項2】
前記栓本体の上面開口部に第2雌ネジ部が形成され、前記蓋部材の下部に、前記第2雌ネジ部と係脱可能に螺合する雄ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のペットボトル用の栓体。
【請求項3】
前記蓋部材の上面に、指で摘持される摘み部が突設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペットボトル用の栓体。
【請求項4】
前記栓本体の第1雌ネジ部および第2雌ネジ部が同内径および同ネジピッチで形成されるとともに、前記第1雌ネジ部と前記第2雌ネジ部とが上下一連につながって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のペットボトル用の栓体。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、ペットボトルの注ぎ口の雄ネジ部に取り付けられて注ぎ口を蓋止する栓体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のペットボトル用の栓体としては、下記の特許文献1,2に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の栓体は、開閉式の上蓋を有しており、上蓋内に曲げて格納されていたストローが上蓋を開いたときに伸び出るようになっている。伸び出したストローが利用者の口に咥えられてペットボトル内の飲料が吸い出される。一方、特許文献2に記載の栓体は、栓本体内に、弁室と、ボール弁体とが収容されていて、操作摘みを回すことによりボール弁体を開いて注ぎ管を開放するようになっている。この栓体は、注ぎ管が口に咥えられてペットボトル内の飲料が吸い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−189385号公報
【特許文献2】登録実用新案第3027247号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した特許文献1,2に記載の栓体では、ストローまたは注ぎ管を口に咥えて飲料を飲むようになっている。
しかしながら、ストローや注ぎ管などの管部材を口に咥えて飲料を飲むことに抵抗感を覚える利用者は少なくない。これは、管部材を繰り返し口に咥えるために唾液がペットボトル内に入りやすく衛生面で懸念があること、飲料を吸って飲むこと自体を嫌う人がいること、特にストローの場合は吸引抵抗が高いので吸い出し量が比較的小さくなることなどの理由が挙げられる。
【0005】
本考案は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、注ぎ出し口を咥えたり吸ったりしなくても済み、注ぎ出し口からの飲料を口に確実に納めることのできるペットボトル用の栓体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本考案に係るペットボトル用の栓体は、上下に開口する筒状に形成された栓本体と、前記栓本体の下面開口部に形成されていてペットボトルの注ぎ口の雄ネジと螺合する第1雌ネジ部と、前記栓本体の上面開口部に着脱可能に装着されて当該上面開口部を蓋止する蓋部材と、前記栓本体の外周面から径方向外向き且つ斜め上向きに延在して形成されたジョウゴ状の受舌部と、を備えた構成にしてある。
尚、前記のペットボトルとは、ポリエチレンテレフタレート(英略字でいわゆるPET)製のボトル容器のことであり、このことは実用新案登録請求の範囲、明細書および要約書においても同義である。
【0007】
また、前記構成において、前記栓本体の上面開口部に第2雌ネジ部が形成され、前記蓋部材の下部に、前記第2雌ネジ部と係脱可能に螺合する雄ネジ部が形成されているものである。
【0008】
そして、前記した各構成において、前記蓋部材の上面に、指で摘持される摘み部が突設されているものである。
【0009】
更に、前記した各構成において、前記栓本体の第1雌ネジ部および第2雌ネジ部が同内径および同ネジピッチで形成されるとともに、前記第1雌ネジ部と前記第2雌ネジ部とが上下一連につながって形成されているものである。
【考案の効果】
【0010】
本考案に係るペットボトル用の栓体によれば、筒状の栓本体と、栓本体の上面開口部を開閉自在に蓋止する蓋部材と、栓本体に形成されたジョウゴ状の受舌部と、を備えているので、栓本体がペットボトルの注ぎ口に装着されている状態で、蓋部材を操作して栓本体の上面開口部を開け、ペットボトルを斜めに傾けると、栓本体の上面開口部から飲料が流出していったん受舌部上に注ぎ出される。受舌部はジョウゴ状に形成されているので、飲料は受舌部上をわずかに広がって案内されその縁部から利用者の口に確実に納まり得る。従って、ストローなどのように咥えたり吸ったりしなくても済み、受舌部からの飲料を口やコップに確実に納めることができる。
【0011】
また、栓本体の上面開口部に第2雌ネジ部が形成され、蓋部材の下部に雄ネジ部が形成されているものでは、蓋部材の雄ネジ部が栓本体上部の第2雌ネジ部と螺合するので、蓋部材の雄ネジ部が螺進させることにより、栓本体の上面開口部を液漏れさせることなく確実に蓋止することができる。
【0012】
そして、蓋部材の上面に摘み部が突設されているものでは、蓋部材の開栓または閉栓の際に摘み部を指で摘持して蓋部材を操作できるので、飲料が接する受舌部その他に手指が触れなくて済む。従って、この栓体は衛生的であり蓋部材の開閉操作も確実に行なうことができる。
【0013】
更に、栓本体において、蓋部材の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部分と、ペットボトルの雄ネジと螺合する雌ネジ部分とが上下一連につながっており、かつ、同内径および同ネジピッチで形成されているものでは、栓本体における雌ネジの種類がひとつになるので、容易に製造できる。また、蓋部材の雄ネジ部はペットボトルの雄ネジと同外径および同ネジピッチで形成されることになるので、これらの雄ネジを成型するための金型を共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案の一実施形態に係るペットボトル用の栓体を示す斜視図である。
【図2】前記栓体の基体部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
【図3】前記栓体の蓋部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
【図4】前記栓体をペットボトルの注ぎ口に装着した状態を示す側面図である。
【図5】装着された栓体がペットボトルの注ぎ口を閉止している状態を示す部分側断面図である。
【図6】装着された栓体がペットボトルの注ぎ口を開いている状態を示す部分側断面図である。
【図7】ペットボトルの注ぎ口に装着された栓体から飲料を注ぎ出す態様を示す図であって、(a)は注ぎ出た飲料を直に飲む態様を示す状態説明図、(b)はコップに注ぐ態様を示す状態説明図である。
【図8】本考案の別の実施形態に係る栓体をペットボトルの注ぎ口に装着した状態を示す部分側断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0015】
本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本考案を具体化した一例に過ぎず、本考案の技術的範囲を限定するものでない。図1は本考案の一実施形態に係るペットボトル用の栓体を示す斜視図、図2は前記栓体の基体部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は側面図、図3は前記栓体の蓋部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は側面図、図4は前記栓体をペットボトルの注ぎ口に装着した状態を示す側面図、図5は装着された栓体がペットボトルの注ぎ口を閉止している状態を示す部分側断面図である。
各図において、この実施形態に係るペットボトル用の栓体1は、ペットボトルBの注ぎ口15に取り付けられる基体部材2と、基体部材2に装着されて上面開口部9を開閉自在に蓋止する蓋部材3と、から構成されている。
【0016】
前記の基体部材2は、上下に開口した円筒状の栓本体4と、栓本体4の上端面から筒径方向外向きに、且つ、斜め上向きに延在するジョウゴ状に形成された受舌部8と、から一体的に構成されている。栓本体4は、上面開口部9および下面開口部5を有している。栓本体4の筒内の上下略中央部には、内向きに突出した内周鍔部7が全周にわたって形成されている。栓本体4の筒内における下面開口部5の内周面、すなわち内周鍔部7の下方位置には、第1雌ネジ部6が形成されている。この第1雌ネジ部6は、ペットボトルBの注ぎ口15の外周面にある雄ネジ16と螺合するようになっている。栓本体4の筒内における上面開口部9の内周面、すなわち内周鍔部7の上方位置には、第2雌ネジ部10が形成されている。受舌部8は、先細に形成されたクチバシ状部8Aと、クチバシ状部8Aの対面側で横直線状に形成された平口状部8Bを備えていて一体的に形成されている。
【0017】
前記の蓋部材3は、上面11Aが平らで下部が半球状に形成された蓋本体11と、蓋本体11の上面11Aに上向きに突出して形成された摘み部12と、蓋本体11の下面に垂設された雄ネジ部13と、から一体的に構成されている。この雄ネジ部13は、基体部材2の第2雌ネジ部10と係脱可能に螺合するようになっている。そして、雄ネジ部13は、その一部分が上下に切り欠かれて、飲料Dを流出させるための通液溝14が形成されている。通液溝14における蓋本体11との付け根部分は、開栓時の注ぎ出し口17となる。また、摘み部12は、平面視で例えば十字状に形成されていて、人の指で摘まれて回されるようになっている。
【0018】
上記のように構成された栓体1の作用を次に説明する。この場合、ペットボトルB内には予め飲料Dが注入されており、図5に示したように、蓋部材3の雄ネジ部13が螺進して蓋本体11の下面が受舌部8の上面に密着することにより、注ぎ出し口17が閉止されている状態から説明する。
先ず、利用者は、蓋部材3の摘み部12を指で摘んで開栓方向に回す。すると、蓋部材3の雄ネジ部13が基体部材2の第2雌ネジ部10に対して螺退することにより、図6に示すように、注ぎ出し口17が開かれる。
【0019】
そこで、利用者がペットボトルBを斜めに傾けるとともに、受舌部8の例えばクチバシ状部8Aを口に向けてかざすと、ペットボトルB内の飲料Dは蓋部材3の通液溝14を通り注ぎ出し口17から受舌部8上に注ぎ出されていったん広がる。その後、先細のクチバシ状部8Aで流れが狭められ、図7(a)に示すように、勢いよく飛び出して口内に直に納められるのである。あるいは、図7(b)に示すように、コップCに注ぐときも受舌部8があるので、クチバシ状部8Aからでも平口状部8Bからでも飲料Dを注ぎやすく、コップC内に確実に納めることができる。
一方、受舌部8の平口状部8B側を利用者の口に向けた場合は、注ぎ出し口17から受舌部8上に注ぎ出て広がった飲料Dが、平口状部8Bの縁から幅広い範囲で緩やかに放出される。この場合、利用者が平口状部8Bに口を付けておくと、飲みやすくなる。
【0020】
以上に述べたように、本実施形態に係る栓体1は、ジョウゴ状の受舌部8が栓本体4に一体に形成されているので、上面開口部9の注ぎ出し口17から出た飲料Dは受舌部8上をわずかに広がって案内され受舌部8の周縁部から利用者の口に確実に納まり得る。従って、ストローのように咥えたり吸ったりしなくても済み、注ぎ出し口17から流出した飲料Dを口やコップCに確実に納めることができる。
【0021】
また、蓋部材3の雄ネジ部13は栓本体4上部の第2雌ネジ部10と螺合するので、蓋部材3の雄ネジ部13が螺進することにより、栓本体4の上面開口部9を液漏れなく確実に蓋止することができる。そして、蓋部材3の開栓または閉栓の際に摘み部12を指で摘持して蓋部材3を操作できるので、飲料Dが接する受舌部8その他に手指が触れなくて済む。従って、この栓体1は衛生的であり蓋部材3の開閉操作を確実に行なうことができる。
【0022】
尚、上記の実施形態では、栓本体4の内周面に内周鍔部7を備えるとともに、内周鍔部7の上下に在る第2雌ネジ部10と第1雌ネジ部6を異なる内径および異なるネジピッチにした例を示したが、本考案のペットボトル用の栓体はそれに限定されるものでない。例えば、図8に示すような栓体1aも本考案に含まれる。
この栓体1aでは、基体部材2aの栓本体4の内周面に、上面開口部9から下面開口部5にかけて、上下一連につながった一連雌ネジ部20が形成されている。栓体1で設けられていた内周鍔部7は省かれている。この一連雌ネジ部20では、蓋部材3aの雄ネジ部13aと螺合する上側の雌ネジ部分と、ペットボトルBの雄ネジ16と螺合する下側の雌ネジ部分とが同内径および同ネジピッチで形成されている。すなわち、蓋部材3aの雄ネジ部13aは、ペットボトルBの雄ネジ16と同外径および同ネジピッチで形成されている。
【0023】
上記のように、栓体1aは、一連雌ネジ部20が栓本体4内で上下一連につながっているとともに同内径および同ネジピッチで形成されているので、栓本体4における雌ネジの種類がひとつになる。従って、栓本体4の一連雌ネジ部20は容易に製造することができる。また、蓋部材3aの雄ネジ部13aはペットボトルBの雄ネジ16と同外径および同ネジピッチで形成されることになるので、これらの雄ネジを成型するための金型を共通化できるという利点もある。
【符号の説明】
【0024】
1,1a 栓体
2,2a 基体部材
3,3a 蓋部材
4 栓本体
5 下面開口部
6 第1雌ネジ部
8 受舌部
9 上面開口部
10 第2雌ネジ部
11 蓋本体
11A 上面
12 摘み部
13,13a 雄ネジ部
15 注ぎ口
20 一連雌ネジ部
B ペットボトル
D 飲料
 発明者からのメッセージ

ペットボトル!ジョウゴ(漏斗)いらず!!
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
発明者からのメッセージ

 ペットボトル!ジョウゴ(漏斗)いらず!
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