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飲食・調理
 
【考案の名称】液体調味料差し
【実用新案権者】
【識別番号】500246588
【氏名又は名称】黒田 清治
【住所又は居所】岡山県岡山市福成1−5−28
【考案者】
【氏名】黒田 清治
【住所又は居所】岡山県岡山市福成1−5−28
【代理人】
【識別番号】100088993
【弁理士】
【氏名又は名称】板野 嘉男
【要約】
【課題】 卓上の調味料差しと同じ操作で定量の調味料を排出できる。
【解決手段】 液体調味料を入れることができる容器に、容器に直接設けられて外力を加えると縮小して中の空気を容器内に押し出し、解放すると容器内の空気を吸って原形に復帰する空気溜まりと、容器の周壁上部に突出して外気と容器内とを連通する注ぎ口を設けたことを特徴とする液体調味料差し。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 液体調味料を入れることができる容器に、容器に直接設けられて外力を加えると縮小して中の空気を容器内に押し出し、解放すると容器内の空気を吸って原形に復帰する空気溜まりと、容器の周壁上部に突出して外気と容器内とを連通する注ぎ口とを設けたことを特徴とする液体調味料差し。
【請求項2】 空気溜まりが容器の輪郭内に納められる請求項1の液体調味料差し。
【請求項3】 容器が容器本体とその上部に着脱できる蓋とからなる請求項1又は2の液体調味料差し。
【請求項4】 空気溜まりと注ぎ口が共に蓋に設けられる請求項3の液体調味料差し。
【考案の詳細な説明】
【考案の属する技術分野】本考案は、醤油、ソース、酢といった液体調味料を定量ずつ注ぎかけることができる液体調味料差しに関するものである。
【従来の技術】液体調味料等を定量ずつ注ぎかけることができる調味料差しは、従来からも種々のものが存在していた。例えば、実開昭57−77178号公報には、容器内と連通する空気袋を設け、この袋をレバーで押し潰すことで袋内の空気を容器内に送り、送られた空気量に相当する調味料を押し出すものが示されている。又、実開平5−40166号公報には、蓋をした容器そのものに空気袋を付設し、蓋を取った後に空気袋を押し潰して中の調味料を絞り出すものが示されている。
【考案が解決しようとする課題】ところが、これらに共通していることは、空気袋に、外から内への空気の流入は許容するが、その反対は規制するチェック弁のようなものが設けられている点である。従って、その取付け等に工夫を要し、コストも高くなる。又、空気袋が容器外に設けられていてスペースをとるし、これを潰すにもレバー等を必要とする等、大掛かりになって使い勝手も悪い。
このため、実開昭61−107776号公報には、チェック弁のようなものを必要としない空気袋を有するものが示されている。ところが、これには、計量した調味量を一旦溜める貯留室が設けられており、これから調味料等を取り出すようにしており、装置が大掛かりになる。本考案は、このような課題を解決するものであり、卓上に置く調味料差しとほぼ同じ操作で定量ずつ注ぎ出せるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本考案は、液体調味料を入れることができる容器に、容器に直接設けられて外力を加えると縮小して中の空気を容器内に押し出し、解放すると容器内の空気を吸って原形に復帰する空気溜まりと、容器の周壁上部に突出して外気と容器内とを連通する注ぎ口とを設けたことを特徴とする液体調味料差しを提供する。
指等によって空気溜まりを押すと、空気溜まりは潰れて中の空気を容器内に押し出す。すると、容器内の圧力が高まるから、その圧力に見合っただけの液体調味料が注ぎ口から押し出される。一方、指を離すと、空気溜まりは注ぎ口から外気を吸って原形に復帰する。この場合、液体調味料が押し出されるためには、容器の中の液体調味量が注ぎ口を塞いでいることが条件となるから、注ぎ出すときには、容器を傾けて注ぎ口を下に向ける必要がある。この点で、卓上に置く調味料差しと同じ操作をすることになる。
この空気溜まりは、原形復帰可能な弾性体室で構成されるのが一般的であるが、これを容器に直接設けたものであるから、構造が簡単であるし、押し操作も容易である。そして、この空気溜まりを容器の輪郭内に納めておけば、押し操作は更に容易になるし、デザイン的にも優れたものとなる。加えて、容器が容器本体とその上部に着脱できる蓋とで構成すれば、蓋を取ることで容器本体内に液体調味料を入れられるし、このとき、空気溜まりと注ぎ口を共に蓋に設ければ、この操作のときにも、空気溜まりや注ぎ口が邪魔をしない。
【考案の実施の形態】以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本考案に係る液体調味料差しの断面側面図、図2は平面図であるが、この液体調味料差し(以下、調味量差しという)は、容器本体1とその上部に着脱可能に被せられる蓋2とからなる容器3を主体とするものである。この場合、容器本体1の上部外周には雄ネジ部4を蓋2の内周には雌ネジ部5を形成して相互に螺合すればよい。又、容器本体1の外周又は蓋2の内周の一方にはOリング6を保持し、シールを図っている。
容器3(本例では蓋2)には、空気溜まり7と注ぎ口8とを設ける。空気溜まり7は、ゴムや樹脂等を用いて作られ、指の押圧等による外力を加えると変形し、取り除くと原形に復帰する部屋で構成され、その内部と容器3内とは連通している。尚、本例の場合、樹脂材を蛇腹状に形成したものを示しているが、これに限定されるものではない。本例の空気溜まり7は、蓋2の頂面に凹陥したポケット9を形成し、この中に収容している。従って、蓋2の輪郭内に納められたものになり、操作勝手とデザイン性が向上する。
空気溜まり7の底部とこれがセットされるポケット9の底壁には、空気溜まり7の内部と容器3の内部とを連通する小さな孔10が形成されており、空気溜まり7を押し潰したときの空気はこの孔10を通って容器3内に押し出される。注ぎ口8は筒形状のものでよく、蓋2の外周から突出して形成される。この場合の突出長は適当でよい。この注ぎ口8により、容器3の内部と外気とは連通されることになる。
図3は以上の調味料差しの使用状態を示す断面側面図であるが、空気溜まり7の上に指を載せた状態でこの容器3を手で持ち(従って、それができる程度の大きさに作られる)、振り掛けようとする物の上に持って行き、傾けて注ぎ口8を下に向ける。このとき、中の調味料は注ぎ口8の上に被さるのが条件であり、この条件を傾け角度と中の調味料の量とで達成する。
尚、液面が孔10より上に来ても、機能上は別段問題はないが、容器3内の調味料が空気溜まり7に出入りして音を発生したり、操作に違和感が生じたりするので、孔10はできるだけ蓋2の端の方に形成するのが好ましいとともに、注ぎ口8を孔10の正反対の位置で、しかも、下方に設けるのが好ましい。又、空気溜まり7に入った調味料を効率良く容器3内に戻すために、空気溜まり7の底部とこれがセットされるポケット9の底壁は、この孔10を最下点とする漏斗形に形成しておくのが適する。以上の状態になっても、容器3内の空気量は変わらないから、中の調味料は注ぎ口8からは排出されない。
次に、空気溜まり7を指で押し潰す。すると、空気溜まり7に溜まっていた空気は孔10から容器3内に入り、容器3内(厳密に言えば調味料上方の空間)の圧力を高めてその圧力に見合っただけの液体調味料を注ぎ口8から押し出す。所定量の調味量が排出されると、容器3内の空気圧は元の圧力に下がり、排出は止まる。このとき、注ぎ口8の出口の部分を径の大きな半球状にしておくと、ここに調味料が溜まり、この切れを確実なものにする。 一方、指を離すと、空気溜まり7は原形復帰するが、このとき、外気は注ぎ口8から調味料の中を通って容器3内に吸われ、容器3の空気圧は元の大気圧に戻り、同じく、排出が止まる。このように、この調味料差しは、一度の操作で定量だけを排出するものとなる。尚、一回の排出量で足らなければ、以上の操作を繰り返せばよい。 以上の調味料差しは、食するものに振り掛けるために卓上に置かれる調味料差しと、その大きさ及び操作がほとんど同じであるから、これに代えて使用してもよい。又、定量ずつ排出できることから、調理器具の傍に置く調理用の調味料差しとして使用してもよい。この場合、その定量を大さじ半分とか一杯に設定しておくと、一々計量する手間が省ける。更に、この調味料差しで使用される調味料には、醤油、ソース、酢、みりん、酒は勿論のこと、油やある程度粘性のあるものでも使用が可能である。
【考案の効果】以上、本考案に係る調味量差しによれば、定量ずつ注ぎ出すことができるから、調理等に使用した場合、一々計量する手間が省ける。そして、その操作は、傾けて指で押すだけであるから、通常の調味料差しと変わらず、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一例を示す調味料差しの断面側面図である。
【図2】本考案の一例を示す調味料差しの平面図である。
【図3】本考案の一例を示す調味料差しの使用状態を示す断面側面である。
【符号の説明】1 容器本体2 蓋用スティック3 容器7 空気溜まり8 注ぎ口
【図1】
図1
【図2】
図2 
【図3】
図3
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