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家庭用品T
 
【発明の名称】瓶類のキャップ取外し具
【特許権者】
【識別番号】501326850
【氏名又は名称】中島 義雄
【住所又は居所】愛知県一宮市浅井町尾関字丸山25の1
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100089060
【氏名又は名称】向山 正一
【発明者】
【氏名】中島 義雄
【住所又は居所】愛知県一宮市浅井町尾関字丸山25の1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属その他の硬質棒状体の先端部に、断面形状が三角形状で、かつ先鋭状のキャップ取外し部を備えたことを特徴とする瓶類のキャップ取外し具。
【請求項2】
上記三角形状の各頂点は、鋭利な刃先に形成されている請求項1記載の瓶類のキャップ取外し具。
【請求項3】
上記三角形状の上部頂点の刃先は、円弧状または二段傾斜に形成されている請求項1または2記載の瓶類のキャップ取外し具。
【請求項4】
上記三角形状の底面部は、キャップ取外し部より軸方向に長く傾斜状に形成されている請求項1記載の瓶類のキャップ取外し具。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
この発明は、使用済み空瓶の瓶口に嵌めつけられた合成樹脂製等のキャップ、中栓等を取外す瓶類のキャップ取外し具に関する。
【従来の技術】
ごみを分別回収するに際して、使用済み空瓶は資源ごみに分別される。醤油、ソース、調味料等各種空瓶は、瓶の形が種々で、大小の径の肩部のあるもの、肩部のないスマートな形状のものがあり、その瓶口には種々の形状、構造の合成樹脂製等キャップ、中栓等の装着物が密着嵌合され、外部からは簡単にははずれない構造となっている。キャップ、中栓は合成樹脂製であるが、硬質、軟質のものがある。高炉で精錬されるときに、この合成樹脂キャップが付いているとダイオキシンその他の有害物質が排出され、公害の原因となる。
【発明が解決しようとする課題】
空瓶を捨てるときに、キャップを外さないで出しても罰則規定はなく、また、消費者は空瓶のキャップを取外す作業が容易にできないために、キャップを付けたままの状態でごみ集積場に出している。
そのままでは、再利用に不都合が生じるので、回収業者、町内会の係り、有志などが、キャップの付いている空瓶を手作業で既存のドライバ、ニッパー等の工具を利用して取外しているのが現状である。
この作業で、マイナスドライバーを使用するも、先端は厚みがあるので、瓶と合成樹脂キャップとの間に差し込みにくく、無理矢理差し込むのに力を要し、差し込んでもそれをこじ開けるのにはかなりの力を要し、またニッパーでも硬質の合成樹脂等キャップを切ることは容易でなく、沢山の空瓶の処理をすると手に豆ができるほど大変な作業となり、毎回この作業をするのが困難となっている。
この発明は従来のこのような問題点を解消するもので、空瓶よりキャップ、中栓等装着物(以下、これをキャップ或いはキャップ、中栓という)を簡単に外すことができる瓶類のキャップ取外し具を提供することを目的とする。
【課題を解決する手段】
この発明の請求項1のキャップ取外し具は、金属その他の硬質棒状体1の先端部に、断面形状が三角形状で、かつ先鋭状のキャップ取外し部2を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の瓶類のキャップ取外し具の上記三角形状の各頂点は、鋭利な刃先3に形成されている。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の瓶類のキャップ取外し具の上記三角形状の上部頂点の刃先3aは、円弧状または二段傾斜に形成されている。
請求項4の発明は、請求項1記載の瓶類のキャップ取外し具の上記三角形状の底面部4は、キャップ取外し部より軸方向に長く傾斜状に形成されている。
この第1の発明の構成によれば、先端に断面形状が三角形状で、かつ先鋭状のキャップ取外し部を備えたことにより、刃先を瓶とキャップとの間或いはキャップの下端に差し込むとき、刃先でキャップを切断或いは起こしてキャップを瓶の口より剥がして簡単に外すことができる。刃先をキャップと瓶類間に押し込むと三角形の傾斜した両面でキャップの周縁を押し広げる作用をするので、キャップと瓶との間に空間ができて、キャップを外しやすくすることができる。
この第2の発明の構成によれば、キャップ取外し具の上記三角形状の各頂点は、鋭利な刃先に形成されているので、刃先をキャップと瓶類間或いはキャップの下端部に簡単に差込みできるとともに刃先でキャップを切断することができる。
この第3の発明の構成によれば、三角形状の上部頂点の刃先は、円弧状または二段傾斜に形成したので、先端部を先鋭としてキャップと瓶類間に差込むとキャップと瓶類との間に空間を生じてはずしやすくし、傾斜した刃先でキャップを切断或いは起こすことができる。
この第4の発明の構成によれば、上記三角形状の底面部は、キャップ取外し部より軸方向に長く傾斜状に形成されているので、刃先の底面を瓶の口、瓶の肩部に安定して当てることができ、キャップ取外し具でキャップを取外す作業を容易にできる。
【発明の実施の形態】
この発明のキャップ取外し具の実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明のキャップ取外し具の正面図、図2は同側面図、図3は同背面図、図4は刃先の両側に円弧を付けた場合の拡大側面図、図5は同拡大正面図、図6は縦断面図、図7は図4のX−X端面図、図8は刃先の別の実施例の拡大側面図、図9は図8のX−X断面図、図10はこの発明のキャップ取外し具を瓶のキャップに当てた状態の断面図、図11はキャップを取外す状態の断面図、図12はキャップ受止め部付き台の斜視図、図13はキャップ受止め部付き台の別の実施例を示す斜視図、図14はキャップ受止め部付き台に瓶をセットし、この発明のキャップ取外し具を差し込む状態の斜視図である。
図1乃至図9において、この発明のキャップ取外し具は、金属その他の硬質棒状体1の先端部に、断面形状が三角形状で、かつ先鋭状のキャップ取外し部2を備えたものである。実施例では、硬質棒状体1として、金属棒を使用し、金属棒の基端部には柄6が備えられている。
金属棒1は、先端部に、断面形状が三角形状で、かつ先鋭状のキャップ取外し部2を備える。上記三角形状の各頂点は、図7に示すように鋭利な刃先3に形成されている。すなわち、三角形状の上部頂点に鋭利な刃先3a、下部の両側の頂点に鋭利な刃3bが形成されている。前記金属棒1は柄6に差込固定されている。金属棒を柄に取付ける構造は従来のドライバ等と略同じように取付ける。柄6は図示のものに限るものではない。実施例では金属棒が丸棒の場合を説明したが、これに限られるものではなく、断面四角形、三角形の角棒等でもよい。金属棒の刃先には、危険防止のためのカバー(図示せず)等を被せるのが好ましい。
Aは醤油、ソース、調味料等各種のガラス瓶で、Bはその瓶の口に嵌めつけられている合成樹脂製のキャップ、或いは中栓等装着物である。瓶のキャップ、中栓等は、種々の構造のものがあり、瓶の口部に密着嵌合して取り付けられている。図10および図11では、瓶Aの口部の外周に設けた段部C間にキャップB(中栓)の下部を密嵌して固定して、そのキャップに蓋(図示せず)を被せるものを示す。
キャップ取外し部2の断面三角形状の上部頂点の刃先3aは、先端から金属棒の外周まで円弧状或いは傾斜状に形成されている。
実施例の三角形状の上部頂点の刃先3aは、図2に示すように、先端から金属棒の外周まで円弧状として、先端の傾斜角を小さくして先鋭とする。或いは、図4、図6に示すように、刃先3aを傾斜面とする。実施形態では刃先3aの傾斜を2段傾斜としてある。すなわち、キャップと瓶類の間に差し込みやすくするために尖っていた方がよいので、先端部の傾斜角θ1を小とし、また先端部をキャップに差し込んでからはキャップに刃先を切り込むために刃先の中途から上端までの傾斜角θ2を大に形成されている。刃先を円弧状又は二段傾斜とすることにより、先端は傾斜角が小で先鋭としてあるからキャップと瓶類間に差込み、或いはキャップに切り込みやすく、次いで傾斜角が大となる刃でキャップの周縁に切り込み或いは起こすことができる。
この上部頂点の刃先3aで軟質の合成樹脂の場合にはキャップの周縁を縦に切断でき、硬質の合成樹脂で切断できないものは、キャップの周縁を押し開くようにできる。
また、刃先3の下部両側の刃先3bは図1、図3に示すように先端を先鋭として金属棒の外周まで円弧状とするか、図5に示すように、刃先3の下部両側の刃先3bも先端から中途までの傾斜角θ3を小として先鋭とし、中途から金属棒の外周までの傾斜角θ4を大とするのが好ましい。
刃先3を断面形状を三角形状とする場合、金属棒1の両側のカットの仕方は、図4および図5に示すように、刃先の先端より金属棒1の軸方向の中途まで軸心に対称に円弧状のえぐり部5が形成され、かつ金属棒の先端より途中までえぐり部5の円弧を段々と浅くかつ幅を狭く形成してある。このえぐり部分5を長くしてこの傾斜に沿ってキャップに押し込み時にキャップの下端を押し上げやすくする。
図7に示すように、断面三角形の刃先3は両面を円弧状にえぐった形状とされているので、頂点の刃先を鋭利とすることができる。
図2乃至図4に示すように、前記刃先3の底面部4の長さLは、少なくとも先端を瓶とキャップの下端との間に位置決めして瓶AのキャップBの下端に当て、瓶の周縁部に当接できる長さが必要である。刃先の底面部4は三角形の底面に相当し、平らに形成することで、瓶に当てて取外し具を押し込みやすくできる。
実施形態では、この三角形状の底面部4は、キャップ取外し部2より金属棒1の軸方向に長く傾斜状に形成されている。すなわち、刃先を瓶のキャップBの下端に当てるときに金属棒1の底面の平らな面を瓶Aの肩部、勾配面等に当接させるため少なくとも瓶のキャップBの下端から瓶の肩部までの距離より長くしてある。この構造とすることにより、瓶の肩部、勾配は瓶の種類により種々であるが、どの瓶の肩部、勾配にも対応できる。
図2、図4に示すように前記刃先3の底面部4は先端が略軸心の位置で、その先端から金属棒の略中程の外周まで、傾斜状にカットして形成されている。この構造とすることで、刃先をキャップの下端に当て、底面部4を瓶の肩部に当てたとき、金属棒1と瓶の外周とのなす角度を大きくすることができる。この角度を大きくとることで、底面部を瓶の肩部に当てた状態で刃先をキャップと瓶の間に位置決めしやすく、また、瓶と柄との間隔を広くとることで、柄を瓶に当てて押さえると梃子作用で刃先が上方へ上げられて、キャップの周縁を切断或いは起こしてこじ開けることができる。
図9と図10に示す別の実施形態の刃先は、略正三角形の形状とされ、先端部の傾斜角は小さくそれに続いて段々傾斜角を大きくしてある。また、刃先3の両側のカットの仕方は、先端より軸心に対称に軸方向に短く傾斜状に形成されている。
この発明の瓶類のキャップ取外し具は、前記構造としたので、金属棒1の先端のキャップ取外し部2を断面三角形状でかつ先鋭としてその頂点の刃先3aと3bを鋭利としたので、刃先をキャップと瓶類間に差込むとともに刃先でキャップを切断することができる。図10および図11に示すように、瓶AのキャップB、中栓等を除去するとき、底面を瓶に当てかつ瓶の肩部、勾配面に当て刃先を瓶とキャップとの隙間或いはキャップの下端に当てやすく、しかも刃先を先鋭としかつ上部刃先を二段傾斜としたので、キャップが瓶に付着している個所に刃先の先端部を押し込むと直ぐに刃先の傾斜面がキャップの周縁に切り込んで亀裂を入れ、それによって、キャップの内部に緩みが生じる。キャップ、中栓の材質が硬い場合には切断しえなくとも、刃先をキャップに押し込むことでキャップの周縁を起こして周縁を押し広げる作用をするので、キャップと瓶との間に空間ができて、キャップを瓶の口より剥がして簡単に外すことができる。さらに刃先を押し込み金属棒を持ち上げることでキャップが剥がれる。
また、金属棒の刃先の底面を平ら面としたので、瓶の肩部にこれを当てて押すと刃先をキャップの縁にずれなく安定して位置を決めることができる。
さらに、その底面部を軸方向に長く形成してあるので、肩部のある各種の瓶に対応できる。肩部を金属棒の梃子の支点として利用でき、刃先をキャップに差込んだ状態で、金属棒の柄を押し下げることで刃先を上げキャップの周縁に持ち上げ力を掛けることができ、僅かな力でキャップを外すことができる。このとき金属棒を瓶に当てるが、刃先の底面が平らであるから金属棒が滑ることがない。
勿論、肩部のない瓶の場合には、刃先を直接キャップに当てて使用することができる。
この発明の瓶類のキャップ取外し具を屋外のごみ集積場等で使用する場合には、キャップ付き瓶を手に持って取外すこともできるが、瓶の先端を台等に当ててキャップを外す作業をするのが好ましい。その場合に使用する台として、図12および図13に示すキャップ受止め手段付き台10を使用すると、取外し作業が簡単かつ楽にでき、取外す作業効率を向上できる。
図12の実施例では、キャップ受止め手段11として角材の受止め部材12が台10の上面に固定されている。また、図13の実施例では、キャップ受止め手段11として、台10にキャップが入る大きさの凹部13を設けてある。この凹部13はキャップを受け止める面13aを略垂直面とし、その垂直面より傾斜状面が設けられ、瓶AのキャップBを斜めにして当てることができるようにする。また、キャップ受止め手段は上記の構成に限定されるものではない。
この台とこの発明のキャップ取外し具とを組として消費者等に販売する。
消費者は空瓶のキャップを外してごみ集積場に出すために、家庭でキャップ外しの作業をするときに、図14に示すように、前記台を利用して、瓶のキャップを台10の受止め部材12に当てて、しかる後、この発明のキャップ外し具の金属棒をキャップに当てるときに、平ら面を瓶に沿わせて刃先をキャップと瓶の隙間或いはキャップの下端に差し込み、柄を押して金属棒を前進させることにより鋭利な刃先が隙間に入るとともにキャップの周縁を切り裂き或いは起こして緩め、それをそのまま前方へ押すことによりキャップを簡単に瓶より取外すことができる。前記台がないときは、まな板等を利用してキャップを当てて同様にキャップを外すことができる。家庭内で使用済み瓶のキャップを取外すときは、予め容器に湯(例えば、40℃〜45℃)を入れ、キャップの部分を約二,三分暖めてから、この発明のキャップ除去具を使用すれば、より一層簡単かつ安全にキャップを外すことができる。
また、屋外のごみ集積場で、町内の係り或いは有志がキャップを取外すときは、木の台の上で行うのが好ましい。作業中に瓶の口先が滑らないように図12および図13に示したキャップ受止め手段11を設けた台10を用いれば、そのキャップ受止め手段11に瓶のキャップを当てて、この発明のキャップ取外し具でキャップを簡単かつ楽に外すことができ、作業者の労力を従来に比べて格段に少なくすることができる。
以上の実施形態を示したが、この発明はこの形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態を実施しうるものである。また、瓶はガラス瓶の場合で説明したが、これに限られるものではなく、ペットボトルほか各種キャップ付きの容器でごみとして出すときに、キャップの取外しが必要なものに使用できる。
【発明の効果】
この発明によると、断面形状が三角形状で、かつ先鋭状のキャップ取外し部を備えたことにより、刃先を瓶とキャップとの隙間或いはキャップの下端に差し込むとき、刃先でキャップを切断或いは起こしてキャップを瓶の口より剥がして簡単に外すことができる。刃先をキャップに押し込むと三角形の傾斜した両面でキャップの周縁を押し広げる作用をするので、キャップと瓶との間に空間ができて、キャップを外しやすくすることができる。この発明のキャップ取外し具を用いれば、キャップを簡単かつ楽に外すことができるので、作業効率を向上させることができ、家庭内、或いはごみ集積場で従来より短時間で沢山のキャップの取外し処理ができる。瓶類のリサイクルに有益な工具である。
この発明によると、キャップ取外し具の上記三角形状の各頂点は、鋭利な刃先に形成したので、刃先をキャップと瓶類間に差込むとともに刃先でキャップを切断することができる。また、この発明によると、三角形状の上部頂点の刃先は、円弧状または二段傾斜に形成したので、先端部をキャップと瓶類間に差込むと、キャップと瓶類との間に空間を生じてキャップをはずしやすく、或いはキャップに切り込みやすく、次いで大きい傾斜角の刃でキャップを切断或いは起こすことができる。
さらに、この発明によると、取外し具は、底面がキャップ取外し部より軸方向に長く傾斜状に形成することにより、刃先の底面を瓶の口、瓶の肩部に安定して当てることができ、キャップ取外し具でキャップを取外す作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のキャップ取外し具の正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同背面図である。
【図4】刃先の両側に円弧を付けた場合の拡大側面図である。
【図5】同拡大正面図である。
【図6】同縦断面図である。
【図7】図4のX−X端面図である。
【図8】刃先の別の実施例の拡大側面図である。
【図9】図8のX−X端面図である。
【図10】この発明のキャップ取外し具を瓶のキャップに当てた状態の断面図である。
【図11】キャップを取外す状態の断面図である。
【図12】キャップ受止め部付き台の斜視図である。
【図13】キャップ受止め部付き台の別の実施例を示す斜視図である。
【図14】キャップ受止め部付き台に瓶をセットし、この発明のキャップ取外し具を差し込む状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 金属棒
2 キャップ取外し部
3 刃先
3a 上部刃先
3b 両側の刃先
4 底面部
A 瓶
B キャップ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
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