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家庭用品T
 
【考案の名称】液体容器
【実用新案権者】
【識別番号】517191194
【氏名又は名称】宮田 俊彦
【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
【考案者】
【氏名】宮田 俊彦
【要約】 (修正有)
【課題】外部から衝撃を受けるなどして揺れた場合でも、液体がこぼれにくい液体容器を提供する。
【解決手段】液体容器1は、上面が開口部10aとされ、内部に液体を収容するものであり、開口部10aを画成する側壁11上端の周縁部に、容器内側向きに開口した凹部12が設けられている。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口部とされ、内部に液体を収容する液体容器であって、
前記開口部を画成する側壁上端の周縁部に、容器内側向きに開口した凹部が設けられている、
ことを特徴とする液体容器。
【請求項2】
前記周縁部に、内部の液体を注出可能な注ぎ口が設けられ、
前記凹部は、前記周縁部のうち前記注ぎ口を除く全周に亘って設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
【請求項3】
前記凹部が前記周縁部の全周に亘って設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
【請求項4】
前記凹部が上側に向かって開口した形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体容器。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、液体を収容する液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コップやバケツなどの液体容器では、上面が単純に開口しており、その開口周縁部は側壁が真っ直ぐ延びた形状であるか、あるいは開口側がやや広がった形状となっている。
そのため、液体容器が外部から衝撃を受けるなどして揺れたり傾いたりしたときには、内部の液体がこぼれやすかった。湯呑み茶碗などでは上面の開口が多少狭まったものもあるが、それでも液体の漏出を抑制できるものではなかった。
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
本考案は、上記事情を鑑みてなされたもので、内部の液体がこぼれにくい液体容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、第1の手段は、上面が開口部とされ、内部に液体を収容する液体容器であって、
前記開口部を画成する側壁上端の周縁部に、容器内側向きに開口した凹部が設けられていることを特徴とする。
【0005】
第2の手段は、第1の手段において、
前記周縁部に、内部の液体を注出可能な注ぎ口が設けられ、前記凹部は、前記周縁部のうち前記注ぎ口を除く全周に亘って設けられていることを特徴とする。
【0006】
第3の手段は、第1の手段において、
前記凹部が前記周縁部の全周に亘って設けられていることを特徴とする
【0007】
第4の手段は、第1〜第3の手段において、前記凹部が上側に向かって開口した形状に形成されていることを特徴とする。
【考案の効果】
【0008】
第1の手段によれば、上面の開口部を画成する側壁上端の周縁部に、容器内側向きに開口した凹部が設けられているので、外部から衝撃を受けるなどして内部の液体が揺れた場合でも当該液体Lをこぼれにくくすることができる。
【0009】
第2の手段によれば、側壁上端の周縁部に内部の液体を注出可能な注ぎ口が設けられ、凹部が当該周縁部のうち注ぎ口を除く全周に亘って設けられているので、凹部による液体の漏出抑制効果を損なうことなく、容器外部への液体の注ぎ出しを容易に行うことができる。
【0010】
第4の手段によれば、凹部を上側に向かって開口した形状(すなわち、側壁上端の上側が狭まっていない形状)のものとすることにより、当該液体容器を成形品とした場合に、凹部を含む液体容器の内部を1つの成形型のみで容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)実施形態における液体容器の断面図であり、(b)この液体容器の作用を説明するための図であり、(c)この液体容器の平面図である。
【図2】実施形態における液体容器の変形例を示す断面図である。
【図3】実施形態における液体容器の変形例を示す断面図である。
【図4】実施形態における液体容器の変形例を示す断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下、本考案に係る液体容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1(a)は、本実施形態における液体容器1の断面図であり、図1(b)は、液体容器1の作用を説明するための図であり、図1(c)は、液体容器1の平面図であり、図2及び図3は、液体容器1の変形例を示す断面図である。
図1(a)に示すように、液体容器1は、内部に液体を収容するものであり、本実施形態では、上面が開口部10aとされた略円筒状のコップである。
【0014】
液体容器1のうち、開口部10aを画成する側壁11上端の周縁部には、容器内側向きに開口した凹部12が全周に亘って設けられている。より詳しくは、当該周縁部が容器外側へ凸状に湾曲した形状に形成されており、その内側部分が凹部12となっている。
このような凹部12が設けられていることにより、図1(b)に示すように、液体容器1が外部から衝撃を受けるなどして内部の液体Lが揺れた場合でも、波立った液体Lが凹部12内に保持されて容器外部への漏出が抑制される。これにより、内部の液体Lをこぼれにくくすることができる。
【0015】
なお、この凹部12は、容器内側向きに開口した形状に形成されていれば、その形状や大きさ等は特に限定されない。例えば図2(a)に示すように、凹部12を角張った形状のものとしてもよい。
あるいは図2(b)に示すように、凹部12を、上側(開口部10a側)に向かって開口した形状(すなわち、側壁11上端の上側が狭まっていない形状)のものとしてもよい。凹部12をこのような形状とすれば、例えば液体容器1を成形品とした場合に、凹部12を含む液体容器1の内部を1つの成形型のみで成形することができる。またこの場合、凹部12より下側の側壁11上端を凹部12内にやや突出させた突出部11aを設けることで、図2(c)に示すように、より効果的に液体Lの漏出を抑制することができる。
さらに、図3(a),(b)に示すように、複数の凹部12を上下に連続させて、側壁11上端の周縁部を凹凸状や階段状または螺旋状に形成してもよい。これにより、液体Lの漏出抑制効果の向上が期待できる。
【0016】
また、側壁11上端の周縁部には、図1(a),(c)に示すように、当該上端よりも下側の側壁11と滑らかに連なって内部の液体を注出可能な注ぎ口13が設けられていることが好ましい。この注ぎ口13は、側壁11上端の周縁部のうち例えば周上1か所に設けられ、当該注ぎ口13を除く全周に亘って凹部12が設けられているのがよい。ただし、注ぎ口13の数量や位置、周方向の長さは特に限定されない。
このような注ぎ口13を設けることにより、凹部12による液体Lの漏出抑制効果を損なうことなく、容器外部への液体Lの注ぎ出しを容易に行うことができる。
【0017】
以上のように、本実施形態の液体容器1によれば、開口部10aを画成する側壁11上端の周縁部に、容器内側向きに開口した凹部12が設けられているので、外部から衝撃を受けるなどして内部の液体Lが揺れた場合でも当該液体Lをこぼれにくくすることができる。
【0018】
また、側壁11上端の周縁部に内部の液体Lを注出可能な注ぎ口13を設け、凹部12を当該周縁部のうち注ぎ口13を除く全周に亘って設けることにより、凹部12による液体Lの漏出抑制効果を損なうことなく、容器外部への液体Lの注ぎ出しを容易に行えるようにすることができる。
【0019】
また、凹部12を上側に向かって開口した形状(すなわち、側壁11上端の上側が狭まっていない形状)のものとすることにより、液体容器1を成形品とした場合に、凹部12を含む液体容器1の内部を1つの成形型のみで容易に成形することができる。
【0020】
なお、本考案は上記実施形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは勿論である。
【0021】
例えば、上記実施形態では液体容器1がコップであることとしたが、本考案は、コップに限定されず、上面が開口しており内部に液体を収容する液体容器全般に広く適用可能である。
具体的に、本考案に係る液体容器は、図4(a)に示すような取っ手14付きのバケツや、図4(b)に示すようなお椀であってもよいし、あるいは図示は省略するが、カップ、瓶、洗面器等であってもよい。
【0022】
また、液体容器1の材質は特に限定されず、ガラス、樹脂、紙、金属、セラミック等、どのような材料であってもよい。
また、液体容器1の形状も、円筒状のものに限定されない。
【符号の説明】
【0023】
1 液体容器
10a 開口部
11 側壁
12 凹部
13 注ぎ口
L 液体
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
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