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【考案の名称】ラケット型電撃殺虫装置
【実用新案権者】
【識別番号】521301057
【氏名又は名称】秋山 和弘
【住所又は居所】茨城県鉾田市飯島211-75
【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
【考案者】
【氏名】秋山 和弘
【住所又は居所】茨城県鉾田市飯島211-75
【要約】 (修正有)
【課題】電撃殺虫装置を振り下ろし電撃を加える際に、虫を取り逃がさないようにする、ラケット型電撃殺虫装置を提供する。
【解決手段】ラケット型電撃殺虫装置1は、略円形形状又は略楕円形形状を備えた、非導電材により構成された枠体6と、枠体の厚さ方向寸法内に収まるように配置された略平面状の網目部材であって、枠体の厚さ方向に沿って一方側に位置する表電極及び他方側に位置する裏電極を備え、接触した虫5に電気ショックを与える導電性の第1ネット部材2と、第1ネット部材に所定レベルの電圧を印加する電気回路と、表電極を覆うように設けられた、捕獲誘導用の第2ネット部材3と、を有し、第2ネット部材は、表電極から遠ざかる方向に縮径する略部分円錐形状を備えている。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
略円形形状又は略楕円形形状を備えた、非導電材により構成された枠体と、
前記枠体の厚さ方向寸法内に収まるように配置された略平面状の網目部材であって、前記枠体の前記厚さ方向に沿って一方側に位置する第1面及び他方側に位置する第2面を備え、接触した虫に電気ショックを与える導電性の第1ネット部材と、
前記第1ネット部材に所定レベルの電圧を印加する電気回路と、
前記第1面を覆うように設けられた、捕獲誘導用の第2ネット部材と、
を有し、
前記第2ネット部材は、
前記第1面から遠ざかる方向に縮径する略部分円錐形状を備えている、
ことを特徴とするラケット型電撃殺虫装置。
【請求項2】
請求項1記載のラケット型電撃殺虫装置において、
前記第2ネット部材は、
前記第1ネット部材の前記第1面と略平行となる、前記一方側の端面を備える
ことを特徴とするラケット型電撃殺虫装置。
【請求項3】
請求項2記載のラケット型電撃殺虫装置において、
前記第2ネット部材は、
略等脚台形状の側面視形状を備える
ことを特徴とするラケット型電撃殺虫装置。
【請求項4】
請求項1記載のラケット型電撃殺虫装置において、
前記第2ネット部材は、
前記第1ネット部材の前記第1面と非平行となる、前記一方側の端面を備える
ことを特徴とするラケット型電撃殺虫装置。
【請求項5】
請求項4記載のラケット型電撃殺虫装置において、
前記枠体に接続され、非導電材により構成された把持部と、
前記第2ネット部材の前記把持部側の第1部位は、前記厚さ方向に沿った第1寸法を有しており、
前記第2ネット部材の前記把持部側と反対側の第2部位は、前記第1寸法よりも大きな、前記厚さ方向に沿った第2寸法を有している
ことを特徴とするラケット型電撃殺虫装置。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、飛翔中の蚊、蠅等の虫を効果的に捕獲し、電撃により駆除するラケット型電撃殺虫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蚊、蠅等の虫を駆除する装置として、蚊取り線香、殺虫剤スプレー、蠅叩き等があるが、さらに効果的な装置として、ラケット型電撃殺虫装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術のラケット型電撃殺虫装置は、2枚の外面ネット及び内面ネットをネット枠で挟んで構成されており、装置を手に持って虫目掛けて振り下ろすことにより、電撃により虫を駆除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2002−281882号公報 (図1等)
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のラケット型電撃殺虫装置は、空中に飛翔又は浮遊している処理対象の虫に対して殺虫装置を振り下ろし電撃を加える際に、振り下ろされる部材の動きや微妙な風圧を察知した虫が、ネットに触れる直前にそのネットの前方側空間から離脱することで、虫を取り逃がす可能性があった。
【0005】
本考案の目的は、振り下ろして電撃を加える際に、虫を取り逃がさないようにすることができるラケット型電撃殺虫装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願考案は、略円形形状又は略楕円形形状を備えた、非導電材により構成された枠体と、前記枠体の厚さ方向寸法内に収まるように配置された略平面状の網目部材であって、前記枠体の前記厚さ方向に沿って一方側に位置する第1面及び他方側に位置する第2面を備え、接触した虫に電気ショックを与える導電性の第1ネット部材と、前記第1ネット部材に所定レベルの電圧を印加する電気回路と、前記第1面を覆うように設けられた、捕獲誘導用の第2ネット部材と、を有し、前記第2ネット部材は、前記第1面から遠ざかる方向に縮径する略部分円錐形状を備えていることを特徴としている。
【0007】
本願考案においては、空中に飛翔又は浮遊している処理対象の虫に対して殺虫装置を振り下ろし電撃を加えるとき、振り下ろされる第1ネット部材の前方側に第2ネット部材が設けられている。これにより、振り下ろされる第1ネット部材の動きや微妙な風圧を察知した虫が、第1ネット部材の第1面に触れる直前にその第1ネット部材の前方側空間から離脱しようとしても、当該前方側空間を包囲する第2ネット部材により阻まれるので、離脱できずに第1ネット部材に触れて殺虫される。なお、第2ネット部材が設けられない第2面側は、例えば床面や地面に存在する虫を処理対象とするときに使用することができる。
【0008】
本願考案では、第1ネット部材、及び、第2ネット部材の第1面側の端面、の外径形状を画定する枠体が略円形形状又は略楕円形形状となっている。ここで、仮にそれらが四角形状(例えば正方形状)であったとすると、振り下ろしたときの虫の位置が四角のコーナー部以外であった場合には、ユーザが第1ネット部材内に虫を捕獲したつもりでも実際は取り逃がしてしまう等があり得る。すなわち、ユーザ感覚と実際の捕獲成否との間にずれが生じる可能性がある。本願考案によれば、第1ネット部材及び第2ネット部材の第1面側の端面の外径形状が略円形形状又は略楕円形形状であることにより、上記のずれが生じにくいので、うっかり虫を第1ネット部材外へ取り逃がしてしまうのを防止できる。
【0009】
また、本願考案では、第2ネット部材が、上記の前方側ほど縮径する略部分円錐形状となっている。ここで、仮に第2ネット部材が前方側へ等径にて延びる略円筒形状であったとすると、振り下ろしたときの虫の位置が当該円筒形状の前端近傍の内周部であった場合には、その内周部により衝突された虫が、衝突の反動で第1ネット部材側ではなく第2ネット部材内の空間から逸脱する方向へ跳ね返され、取り逃がしてしまう恐れがある。本願考案によれば、第2ネット部材が縮径する形状であることにより、上記のように振り下ろしたときの虫の位置が第2ネット部材の前端近傍の内周部であったときも、その内周部により衝突された虫は衝突の反動で第2ネット部材内の空間へ向かって斜めに跳ね返され、確実に第1ネット部材側へと導いて殺虫することができる。
【考案の効果】
【0010】
本願考案によれば、電撃殺虫装置を振り下ろし電撃を加える際に、虫を取り逃がさないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案の一実施形態に係るラケット型電撃殺虫装置を斜め方向から見た斜視図である。
【図2】図1に示したラケット型電撃殺虫装置のホルダに保持した状態の正面図及び側面図である。
【図3】図1中A−A’断面による断面図である。
【図4】枠体の略円形形状(又は略楕形形状)による作用効果を表す説明図である。
【図5】第2ネット部材の形状による効果を説明する概念図である。
【図6】第2ネット部材の厚さ方向寸法に大小をつける変形例による、ラケット型電撃殺虫装置を表す側面図である。
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下、本考案の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1及び図2に示すように、本考案の一実施形態に係るラケット型電撃殺虫装置1は、略円形形状又は略楕円形形状を備えた非導電材により構成され、いわゆるラケットのフレーム部分に相当する枠体6と、枠体6内に位置していわゆるラケットのガット部分に相当する第1ネット部材2と、捕獲誘導用の第2ネット部材3と、を有している。
【0014】
ラケット型電撃殺虫装置1はまた、枠体6に接続されユーザが把持可能な、非導電材により構成された把持部4を有している。把持部4の内部には、第1ネット部材2に所定レベルの電圧を印加する電気回路(図示省略)と、電源(図示せず)とが設けられている。また把持部4には、上記電気回路を通電するための電源スイッチ7と、指で押している間のみ電気ショックを与える動作が可能な、押しボタン式のスイッチ8と、適宜の紐やストラップ等の挿通穴を与える突起9と、が設けられている。
【0015】
ラケット型電撃殺虫装置1は、図2(a)及び図2(b)に示すように、把持部4をホルダ19に挿入することで把持部4の長手方向を略鉛直方向にした姿勢で立てておくことができる。突起9は、そのホルダ19の挿入時に邪魔にならないように、把持部4のうちそれらスイッチ7,8とは反対側に設けられている。なお、ホルダ等への挿入等を考慮しなくてもよい場合は、突起9を把持部4の基端(図2における下端)に設けてもよい。
【0016】
第1ネット部材2は、接触した虫に電気ショックを与える導電性の公知の構造を有しており、この例では、図3に示すように、枠体6の厚さ方向寸法内に収まるように配置された略平面状の網目部材となっている。詳細には、第1ネット部材2は、前述の枠体6の形状に対応した略円形形状又は略楕円形形状をそれぞれ備えた、表電極11と、裏電極13と、中央電極12と、を備えている。なお、表電極11が、枠体6の厚さ方向に沿って一方側(図1中の矢印に示す振り下ろすときの前方側。図1中の右下方側)に位置する第1ネット部材2の第1面に相当している。裏電極13が、枠体6の厚さ方向に沿って他方側(振り下ろすときの後方側。図1中の左上方側)に位置する第1ネット部材2の第2面に相当している。
【0017】
表電極11及び裏電極13は、通電している場合にユーザが手で接触しても感電することが無いように、同一の極性を備えた網状の電極となっている。中央電極12は、表電極11及び裏電極13とは異なる極性を備えた網状の電極となっている。表電極11と中央
電極12との間には絶縁性のスペーサー14が設けられており、裏電極13と中央電極12との間には絶縁性のスペーサー15が設けられている。
これらの電極構成により、第1ネット部材2の内部に侵入した虫は、表電極11及び裏電極13の両方に接触することにより感電して殺虫されることになる。これに対して、表電極11及び裏電極13は互いに同一電位であるため、ユーザが誤って手を接触させても感電することはない。
【0018】
第2ネット部材3は、第1ネット部材2の表電極11を覆うように設けられており、表電極11から遠ざかる方向に縮径する略部分円錐形状を備えている。特にこの例では、図2(b)に示すように、第2ネット部材3は、第1ネット部材2の上記表電極11と略平行となる前端面3a(一方側の端面に相当)を備えており、側面視における形状が略等脚台形状となっている。なお、図2(b)中に示す、第2ネット部材3の側面と図示左右方向(言い換えれば把持部4の長さ方向と直交する方向)とのなす角度θは、例えば3°〜5°であり、第2ネット部材3の上記図示左右方向(言い換えれば把持部4の長さ方向と直交する方向)における高さ(厚さ方向寸法)Hは、例えば約5cmである。
【0019】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のラケット型電撃殺虫装置1においては、空中に飛翔又は浮遊している処理対象の虫5に対して殺虫装置1を振り下ろし電撃を加えるとき、振り下ろされる第1ネット部材2の前方側に第2ネット部材3が設けられている。これにより、振り下ろされる第1ネット部材2の動きや微妙な風圧を察知した虫5が、第1ネット部材2の(振り下ろす前方側に位置する)表電極11に触れる直前にその第1ネット部材2の前方側空間から離脱しようとしても、当該前方側空間を包囲する第2ネット部材3により阻まれるので、離脱できずに第1ネット部材2に触れて殺虫される。なお、第2ネット部材3が設けられない(上記前方側とは逆の後方側に位置する)裏電極13側は、例えば床面や壁面に存在する虫(飛翔せず歩き回る虫等)を処理対象とするときに使用することができる。
【0020】
また、本実施形態のラケット型電撃殺虫装置1では、第1ネット部材2、及び、第2ネット部材3の表電極11側の端面、の外径形状を画定する枠体6が略円形形状又は略楕円形形状となっている。ここで、仮にそれらが四角形状(例えば正方形状)であったとすると、図4(a)及び図4(b)に概念的に対比して示すように、振り下ろしたときの虫5の位置が四角形状SQのコーナー部以外であった場合には、ユーザが第1ネット部材2の略円形形状又は略楕円形形状(この例では略円形形状CI)内に虫5を捕獲したつもりでも実際は取り逃がしてしまう等があり得る(図示する虫5′参照)。すなわち、ユーザ感覚と実際の捕獲成否との間にずれが生じる可能性がある。本願考案によれば、第1ネット部材及び第2ネット部材の第1面側の端面の外径形状が略円形形状又は略楕円形形状であることにより、上記のずれが生じにくいので、うっかり虫を第1ネット部材外へ取り逃がしてしまうのを防止できる。
【0021】
また、本実施形態のラケット型電撃殺虫装置1では、第2ネット部材3が、上記の前方側ほど縮径する略部分円錐形状となっている。
ここで、図5(a)に示すように、仮に第2ネット部材3が前方側へ等径にて延びる略円筒形状であったとすると、振り下ろしたときの虫5の位置が当該円筒形状の前端近傍の内周部であった場合には、図5(b)に示すように、その内周部により衝突された虫5が、衝突の反動で第1ネット部材2側ではなく第2ネット部材3内の空間から逸脱する方向へ跳ね返され、取り逃がしてしまう恐れがある。
本実施形態のラケット型電撃殺虫装置1では、第2ネット部材3が縮径する形状であることにより、図5(c)に示すように、上記のように振り下ろしたときの虫5の位置が、第2ネット部材3の前端近傍の内周部であったときも、図5(d)に示すようにその内周
部により衝突された虫5が衝突の反動で第2ネット部材3内の空間へ向かって斜めに跳ね返され、確実に第1ネット部材2側へと導いて殺虫することができる。
【0022】
また、本実施形態では特に、第2ネット部材3は、第1ネット部材2の表電極11と略平行となる前端面3aを備える。これにより、略部分円錐形状の第2ネット部材3の前端面3aを第1ネット部材2の表電極11と略平行に構成することで、第2ネット部材3を(特別な加工の必要なく)容易に製造することができる。なお、この効果は、上記のように第2ネット部材3が略等脚台形状の側面視形状を備えていなくても、前端面3aと表電極11とが略平行であれば得られるものである。
【0023】
また、本実施形態では特に、第2ネット部材3は、略等脚台形状の側面視形状を備えている。これにより、第2ネット部材3を、中心軸線まわりに線対称な断面を有する部分直円錐として構成できるので、第2ネット部材3をさらに容易に製造することができる。
【0024】
なお、本考案は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0025】
(1)第2ネット部材の厚さ方向寸法に大小をつける場合
本変形例によるラケット型電撃殺虫装置1の側面図を図6に示す。本変形例では、第2ネット部材3の前端面3a(一方側の端面に相当)が、第1ネット部材2の上記表電極11と非平行となっている。特にこの例では、第2ネット部材3の把持部4側の部位3b(第1部位に相当)は、第2ネット部材3の厚さ方向に沿って寸法H1(第1寸法に相当)を有しており、把持部4側と反対側の部位3c(第2部位に相当)は、寸法H1よりも大きな寸法H2(第2寸法に相当)を有している。
【0026】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0027】
また、本変形例においては特に、第2ネット部材3の前端面3aが第1ネット部材2の上記表電極11と非平行である。これにより、第2ネット部材3の形状を、例えばユーザによる振り下ろし特性や殺虫用途等に応じて、最適化することが可能となる。例えば右きき用、左きき用で非平行な形状で最適化すること等が考えられる。なおこの効果は、上記のように寸法H2が寸法H1よりも大きい形状でなくても、前端面3aと表電極11とが非平行であれば得られるものである。
【0028】
また、本変形例においては特に、ユーザが把持部4を持って電撃殺虫装置1を円弧状に振り回すとき、第2ネット部材3は、上記円弧の外周側における寸法H2が、円弧の内周側における寸法H1よりも大きい形状となる。これにより、円弧の外周側と円弧の内周側とを同一寸法とする場合に比べ、(外周側の寸法が大きい分)第2ネット部材3における虫5の捕獲率、言い換えれば殺虫率を向上することができる。
【0029】
(2)その他
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0030】
その他、一々例示はしないが、本考案は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0031】
1 ラケット型電撃殺虫装置
2 第1ネット部材
3 第2ネット部材
3a 前端面(一方側の端面に相当)
3b 把持部側の部位(第1部位に相当)
3c 把持部側と反対側の部位(第2部位に相当)
4 把持部
5,5′ 虫
6 枠体
11 表電極(第1面に相当)
13 裏電極(第2面に相当)
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
【図4】
図4 
【図5】
図5 
【図6】
図6 
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