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健康・医療
 
【考案の名称】形状保持貼り薬
【実用新案権者】
【識別番号】508262168
【氏名又は名称】小川 和代
【住所又は居所】東京都江東区東陽5丁目26番1号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100110434
【氏名又は名称】佐藤 勝
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100117547
【氏名又は名称】須田 浩史
【考案者】
【氏名】小川 和代
【住所又は居所】東京都江東区東陽5丁目26番1号
【要約】(修正有)
【課題】
筋肉痛等を生じている患部が手の届き難い背中等でも、貼り薬の柔軟性を損なうことなく、且つ貼り薬の形状を維持させた状態で患部に確実に貼り付けることができ、患部に対して貼り薬の薬効を十分に伝えられる貼り薬を提供する。
【解決手段】
シート状の貼り薬11と、前記貼り薬の一面を剥離可能に被覆する保護部材13,14と、前記貼り薬の他面の外周部のみを剥離可能に被覆する形状保持部材12とを有し、複数枚の前記貼り薬、前記保護部材、及び前記形状保持部材が円周状又は多面体状に巻き形状保持貼り薬を構成する。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
シート状の貼り薬と、
前記貼り薬の一面を剥離可能に被覆する保護部材と、
前記貼り薬の他面の外周部のみを剥離可能に被覆する形状保持部材とを有し、
複数枚の前記貼り薬、前記保護部材、及び前記形状保持部材が円周状又は多面体状に巻かれて形成されていること
を特徴とする形状保持貼り薬。
【請求項2】
前記貼り薬は、ミシン目状に切断された切れ目部を有し、
前記切れ目部に沿って隣接する前記貼り薬が切断されること
を特徴とする請求項1に記載の形状保持貼り薬。
【請求項3】
前記形状保持部材は、指で掴むための掴み部を備えていること
を特徴とする請求項1に記載の形状保持貼り薬。
【請求項4】
前記形状保持部材は、ポリエステルフィルムにより形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の形状保持貼り薬。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、手の届き難い背中等でも形状を維持させた状態で確実に貼り付けることができる貼り薬に関する。
【背景技術】
従来、貼り薬には、所定の硬度を有したシートを貼り薬の裏面に容易に剥離できるように接着しておき、貼り薬を身体に貼り付けた後にシートを剥離する構成がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、貼り薬には、直接目視できない身体の裏面部分であっても、両手で操作することにより身体に貼り付けることができる補助器具に関する構成がある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開2003−113076号公報
【特許文献2】
特許第4184382号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の構成では、貼り薬の形状を維持するために用いられるシートに起因して貼り薬の柔軟性が損なわれ、筋肉痛等を生じている患部に適切に貼り薬を貼り付けることができない問題があった。また、筋肉痛等を生じている患部に適切に貼り薬を貼り付けるために、専用の器具が必要となる問題点があった。
そこで、本考案は前述の技術的な課題に鑑み、筋肉痛等を生じている患部が手の届き難い背中等でも、貼り薬の柔軟性を損なうことなく、且つ貼り薬の形状を維持させた状態で患部に確実に貼り付けることができ、患部に対して貼り薬の薬効を十分に伝えられる貼り薬の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決すべく、本考案に係る形状保持貼り薬は、シート状の貼り薬と、前記貼り薬の一面を剥離可能に被覆する保護部材と、前記貼り薬の他面の外周部のみを剥離可能に被覆する形状保持部材とを有し、複数枚の前記貼り薬、前記保護部材、及び前記形状保持部材が円周状又は多面体状に巻かれて形成されていることを特徴とする。
【考案の効果】
本考案に係る形状保持貼り薬によれば、筋肉痛等を生じている患部が手の届き難い背中等でも、貼り薬の柔軟性を損なうことなく、且つ貼り薬の形状を維持させた状態で患部に確実に貼り付けることができ、患部に対して貼り薬の薬効を十分に伝えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施形態の形状保持貼り薬を示す構成図であり、(a)は裏面側から形状保持貼り薬を見た構成図、(b)は側面側から形状保持貼り薬を見た構成図、(c)は患部への貼り付け面側から形状保持貼り薬を見た構成図である。
【図2】本考案の第1の実施形態の形状保持貼り薬の使用法を示す模式図であり、(a)乃至(e)は形状保持貼り薬を患部に貼り付ける動作を順に示す模式図である。
【図3】本考案の第1の実施形態の形状保持貼り薬を使用している状態を示す模式図であり、(a)は患部に貼り付けた貼り薬から形状保持部材を剥がす前の状態を示す模式図、(b)は患部に貼り付けた貼り薬から形状保持部材を剥がした後の状態を示す模式図である。
【図4】本考案の第2の実施形態の形状保持貼り薬を示す構成図であり、(a)は裏面側から形状保持貼り薬を見た構成図、(b)は側面側から形状保持貼り薬を見た構成図、(c)は患部への貼り付け面側から形状保持貼り薬を見た構成図である。
【図5】本考案の第3の実施形態の円周状に巻いて形成した複数枚の形状保持貼り薬を示す斜視図である。
【図6】本考案の第3の実施形態の形状保持貼り薬をホルダに収納した状態を示す斜視図である。
【考案を実施するための形態】
以下、本考案の形状保持貼り薬1に係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本考案の形状保持貼り薬1は、以下の記述に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
[第1の実施形態]
まず、本実施形態の形状保持貼り薬1の構成について、図1を参照しながら具体的に説明する。なお、図1は形状保持貼り薬1を示す構成図であり、さらに図1(a)は裏面側から形状保持貼り薬1を見た構成図、同様に図1(b)は側面側から形状保持貼り薬1を見た構成図、同様に図1(c)は患部への貼り付け面側から形状保持貼り薬1を見た構成図である。
本考案に係る形状保持貼り薬1は、筋肉痛等を生じている患部が手の届き難い背中等であることから、貼り薬11を患部に対して貼り付けることが困難であっても、貼り薬11を撓ませたり又は歪ませたりすることなく患部にしっかりと貼り付けることができる。この様な形状保持貼り薬1は、貼り薬11、形状保持部材12、上部保護部材13、及び下部保護部材14から構成される。以下、形状保持貼り薬1を構成する各構成部材について、図1(a)乃至(c)を参照しながら説明する。
形状保持貼り薬1を構成する貼り薬11は、筋肉痛等が生じている患部に貼り付けることにより鎮痛消炎効果をもたらす。この様な貼り薬11は、サリチル酸メチル及びL−メントール等を含有したシートから成り、例えば略長方形状に形成されている。また、貼り薬11の薬効を有する表面には、図1(b)に示すように、後述する上部保護部材13及び下部保護部材14が剥離可能に被膜されている。また、貼り薬11の裏面には、後述する形状保持部材12が剥離可能に被覆されている。
また、形状保持貼り薬1を構成する形状保持部材12は、本考案に係る重要な構成部材である。この様な形状保持部材12は、例えば筋肉痛が生じている患部が手の届き難い背中の場合でも、貼り薬11の形状を維持させた状態で確実に貼り付けるためのものである。具体的には、形状保持部材12は、例えばポリエステルフィルムから成り、例えば略長方形状に形成されている。また、該略長方形状部には貼り薬11の外形形状より小さい開口部12Bが設けられている。したがって、形状保持貼り薬1を構成する形状保持部材12は、貼り薬11裏面の中央部11Aには被覆せず、貼り薬11裏面の外周部11Bのみを剥離可能に被覆している。このため、貼り薬11の柔軟性を損なうことなく、貼り薬11の形状を維持することが可能である。また、該略長方形状の各辺には掴み部12Aが設けられている。該掴み部12Aは、例えば略半円形状に形成され、指先で容易に掴むことができる。
また、形状保持貼り薬1を構成する上部保護部材13は、貼り薬11の表面を被覆することにより、貼り薬11から薬効成分が揮発したり、又は貼り薬11に浮遊微粒子等の不純物が付着すること等を防止する。この様な上部保護部材13は、材質が紙等から成り、例えば略長方形状に形成され、貼り薬11表面の約半分を剥離可能に被覆する。また、下部保護部材14は、上部保護部材13と同様の仕様及び形状から構成される。なお、下部保護部材14は、上部保護部材13が被覆していない貼り薬11表面を剥離可能に被覆する。また、図1(b)に示すように、下部保護部材14の端部14Aは、上部保護部材13の端部13Aを剥離可能に被覆する。同様に、上部保護部材13の端部13A及び下部保護部材14の端部14Bは、形状保持部材12の一部をそれぞれ剥離可能に被覆する。
次に、本実施形態の形状保持貼り薬1の使用について、図2を参照しながら具体的に説明する。なお、図2は形状保持貼り薬1の使用法を示す模式図であり、さらに図2(a)乃至(e)は形状保持貼り薬1を患部30に貼り付ける動作を順に示す模式図である。
形状保持貼り薬1の使用に関し、使用前の状態の形状保持貼り薬1を図2(a)に示す。ここで、上部保護部材13の端部13A又は端部13B等を指先で摘み、貼り薬11から上部保護部材13を剥がすと、図2(b)に示すような状態になる。次に、下部保護部材14の端部14A又は端部14B等を指先で摘み、貼り薬11から下部保護部材14を剥がすと、図2(c)に示すような状態になる。なお、この様な図2(c)に示す状態では、貼り薬11の裏面側に形状保持部材12が装着されているため、貼り薬11の形状は維持される。すなわち、貼り薬11の形状が撓んだり又は歪んでしまうことが無い。次に、図2(d)に示すように、形状保持部材12が貼り薬11に装着された状態で、貼り薬11を例えば筋肉痛が生じている患部30に貼り付ける。
また、形状保持貼り薬1の使用に関し、従来の貼り薬11は、形状保持部材12に相当する構成が無かったことから、貼り薬11の形状が撓んだり又は歪んでしまい、例えば筋肉痛が生じている患部30が手の届き難い背中の場合には、貼り薬11を患部30にしっかりと貼り付けることが困難であった。最後に、図2(e)に示すように、形状保持部材12に設けられた掴み部12A等を指先で摘み、形状保持部材12を貼り薬11から剥がす。したがって、例えば筋肉痛が生じている患部30が手の届き難い背中の場合でも、貼り薬11の形状を撓ませたり又は歪ませること無く、患部30に対して貼り薬11をしっかりと貼り付けることができる。
次に、本実施形態の形状保持貼り薬1を使用している状態について、図3を参照しながら具体的に説明する。なお、図3は形状保持貼り薬1を使用している状態を示す模式図であり、さらに図3(a)は患部30に貼り付けた貼り薬11から形状保持部材12を剥がす前の状態を示す模式図、同様に図3(b)は患部30に貼り付けた貼り薬11から形状保持部材12を剥がした後の状態を示す模式図である。
形状保持貼り薬1は、貼り薬11の裏面側に形状保持部材12を装着した状態で患部30に貼り付けられる。したがって、図3(a)に示すように、例えば筋肉痛が生じている患部30が手の届き難い背中の場合でも、貼り薬11の形状を維持させた状態で確実に貼り付けることができる。その後、図3(b)に示すように、形状保持部材12を貼り薬11から剥がし、貼り薬11の形状が維持された状態で使用することにより、貼り薬11の薬効が患部30に十分に伝わる。
以上、第1の実施形態に係る形状保持貼り薬1によれば、筋肉痛等を生じている患部30が手の届き難い背中でも、貼り薬11の形状を維持させた状態で確実に貼り付けることができる。具体的には、形状保持貼り薬1を構成する形状保持部材12は、貼り薬11裏面の中央部11Aには被覆せず、貼り薬11裏面の外周部11Bのみを剥離可能に被覆している。このため、貼り薬11の柔軟性を損なうことなく、貼り薬11の形状を維持することが可能である。したがって、貼り薬11の形状が維持された状態で使用できるため、患部30に対して貼り薬11の薬効を十分に伝えることができる。
[第2の実施形態]
次に、本実施形態の形状保持貼り薬2の構成について、図4を参照しながら説明する。なお、図4は形状保持貼り薬2を示す構成図であり、さらに図4(a)は裏面側から形状保持貼り薬2を見た構成図、同様に図4(b)は側面側から形状保持貼り薬2を見た構成図、同様に図4(c)は患部30への貼り付け面側から形状保持貼り薬2を見た構成図である。
ここで、第2の実施形態においては、第1の実施形態では設けた形状保持部材12の掴み部12Aに相当する部材を用いないことに特徴を有し、それ以外の形状保持貼り薬2に係る構成は、第1の実施形態で述べた形状保持貼り薬1の構成と同様である。すなわち、形状保持貼り薬2を構成する貼り薬21、形状保持部材22、上部保護部材23、及び下部保護部材24は、形状保持貼り薬1を構成する貼り薬11、形状保持部材12、上部保護部材13、及び下部保護部材14とそれぞれ同様の仕様である。
以上、第2の実施形態に係る形状保持貼り薬2によれば、第1の実施形態に係る形状保持貼り薬1と同様に、筋肉痛等を生じている患部30が手の届き難い背中でも、貼り薬11の形状を維持させた状態で確実に貼り付けることができる。具体的には、形状保持貼り薬2を構成する形状保持部材22は、貼り薬21裏面の中央部21Aには被覆せず、貼り薬21裏面の外周部21Bのみを剥離可能に被覆している。このため、貼り薬21の柔軟性を損なうことなく、貼り薬21の形状を維持することが可能である。したがって、貼り薬11の形状が維持された状態で使用できるため、患部30に対して貼り薬11の薬効を十分に伝えることができる。また、第2の実施形態に係る形状保持貼り薬2によれば、第1の実施形態では設けた形状保持部材12の掴み部12Aに相当する部材を用いないことから、形状保持貼り薬2の製造コストを削減することができる。
[第3の実施形態]
次に、本実施形態の形状保持貼り薬40の構成について、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、図5は円周状に巻いて形成した複数枚の形状保持貼り薬40を示す斜視図である。また、図6は形状保持貼り薬40をホルダ50に収納した状態を示す斜視図である。
ここで、第3の実施形態の形状保持貼り薬40は、第2の実施形態に係る形状保持貼り薬2を円周状又は多面体状に巻いて形成していることに特徴を有し、それ以外の形状保持貼り薬40は係る構成は、第2の実施形態で述べた形状保持貼り薬2の構成と同様である。このため、第3の実施形態においては、第2の実施形態と異なる構成を中心にして具体的に説明する。
形状保持貼り薬40は、図5に示すように、例えば材質が硬質紙材から成り円筒形状部から形成された軸材41に対して、連結された複数枚の形状保持貼り薬2を巻き付けることにより構成されている。ここで、形状保持貼り薬2の貼り薬21の端面には、ミシン目状に切断された切れ目部2Aが設けられ、該切れ目部2Aに沿って、隣接する形状保持貼り薬2を1枚ずつ容易に切断することができる。なお、隣接する形状保持貼り薬2に係る形状保持部材22、上部保護部材23、及び下部保護部材24は、互いに分離した状態で形成されている。また、形状保持貼り薬40は、上述した軸材41に対して、連結された複数枚の形状保持貼り薬1を巻き付けることにより構成しても良い。
この様な形状保持貼り薬40は、図6に示すように、例えばホルダ50に収納して使用することができる。該ホルダ50は、支持台51、切り歯52、付勢蓋53、付勢バネ54から構成される。以下、ホルダ50を構成する各部材について説明する。支持台51は、例えばプラスチックから成り湾曲した板状部から形成され、形状保持貼り薬40を下部から回転可能に支持する。また、切り歯52は、例えばプラスチックから成り先端に複数の凹凸を有する板状部から形成され、形状保持貼り薬2の貼り薬21の端面に形成された切れ目部2Aに圧接させることにより、形状保持貼り薬2を1枚ずつ切断する。なお、切り歯52は、支持台51に接続されている。また、付勢蓋53は、例えばプラスチックから成り湾曲した板状部から形成され、形状保持貼り薬40を上部から回転可能に付勢する。また、付勢バネ54は、付勢蓋53及び支持台51にそれぞれ係合され、支持台51に収納した形状保持貼り薬40を付勢蓋53により付勢させて保持する。
以上、第3の実施形態に係る形状保持貼り薬40によれば、第2の実施形態に係る形状保持貼り薬2と同様に、筋肉痛等を生じている患部30が手の届き難い背中でも、貼り薬11の形状を維持させた状態で確実に貼り付けることができる。さらに、第3の実施形態に係る形状保持貼り薬40によれば、円周状又は多面体状に巻いて形成した形状保持貼り薬40をホルダ50に収納しておき、形状保持貼り薬2の貼り薬21に形成された切れ目部2Aに沿って、隣接する形状保持貼り薬2を1枚ずつ容易に切断することができる。したがって、病院、接骨院、スポーツジム等の大量に貼り薬を使用する施設に対して、形状保持貼り薬40を導入すれば、貼り薬の使用を容易にすることができる。
なお、上述した第1乃至第3の実施形態においては、形状保持貼り薬を、一例として筋肉痛の症状を緩和する貼り薬として説明した。しかし、上述の構成に限定されることはなく、形状保持貼り薬を、例えば体を温めて血行を改善する保温材として構成しても良い。
【符号の説明】
1 形状保持貼り薬
2 形状保持貼り薬
2A 切れ目部
11 貼り薬
11A 中央部
11B 外周部
12 形状保持部材
12A 掴み部
12B 開口部
13 上部保護部材
13A,13B 端部
14 下部保護部材
14A,14B 端部
21 貼り薬
21A 中央部
21B 外周部
22 形状保持部材
22B 開口部
23 上部保護部材
23A,23B 端部
24 下部保護部材
24A,24B 端部
30 患部
40 形状保持貼り薬
41 軸材
50 ホルダ
51 支持台
52 切り歯
53 付勢蓋
54 付勢バネ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
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