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健康・医療
 
【考案の名称】呼気浄化器
【実用新案権者】
【識別番号】520258460
【氏名又は名称】香川 繁徳
【住所又は居所】東京都清瀬市中里6-95 9-303
【代理人】
【識別番号】100195028
【弁理士】
【氏名又は名称】高久 由紀子
【考案者】
【氏名】香川 繁徳
【住所又は居所】東京都清瀬市中里6-95 9-303
【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構成で、呼気を浄化してから外部に放出する安価で製作が容易な呼気浄化器を提供する。
【解決手段】呼気浄化器10は、ボトル本体12と、その内部に収容される消毒剤と、ボトル本体12の内側に設けられた内部スポンジ体22及び消毒剤吸収体30と、ボトル本体12の筒口の内側に設けられた上部スポンジ体と、上部スポンジ体から上端が突出するように配置され、多数の空気穴54を有するセンターストロー50と、その中空部に収納可能であって、呼気90をセンターストロー50の下端と空気穴54からボトル本体12内に送り込む呼気導入ストロー60と、筒口に着脱可能なキャップ70を備える。消毒剤を吸収した内部スポンジ体22及び消毒液吸収体30に接触した呼気90は消毒され、消毒済みの呼気92が、上部スポンジ体の微細孔から外部に排出される。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口した筒口を有するボトル本体と、
該ボトル本体の内部に収容される消毒剤と、
前記ボトル本体の内側の底部に設けられており、前記消毒剤を吸収する多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に貫通孔を有する第1の消毒剤吸収体と、
前記ボトル本体の内面に沿って、前記第1の消毒剤吸収体よりも上方に設けられており、前記消毒剤を吸収する第2の消毒剤吸収体と、
前記ボトルの筒口の内側に設けられており、多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔と同一径の貫通孔を有する上部スポンジ体と、
該上部スポンジ体の貫通孔から、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔に達し、かつ、前記上部スポンジ体から上方に突出するように配置され、中空であって、周囲に多数の空気穴を有するセンターストローと、
該センターストローの中空部に収納可能であって、呼気を前記センターストローの空気穴を介して前記ボトル本体内に送り込む呼気導入ストローと、
前記ボトル本体の筒口に着脱可能に取り付けられ、かつ、取り外さずに開閉可能な蓋部を有するキャップ、
を備えたことを特徴とする呼気浄化器。
【請求項2】
前記第2の消毒剤吸収体が、
前記ボトル本体の内面に沿って広がる可撓性の芯材と、
該芯材を包み、前記消毒剤を吸収する布地と、
からなることを特徴とする請求項1記載の呼気浄化器。
【請求項3】
前記センターストローは、前記ボトル本体に装着したときに、該ボトル本体の筒口より下側の位置に、前記多数の空気穴を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の呼気浄化器。
【請求項4】
前記呼気導入ストローは、使用者が口に含む側の端部寄りに、折り曲げ可能なジャバラ部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の呼気浄化器。
【請求項5】
前記消毒剤が、うがい薬であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の呼気浄化器。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、吐く息(呼気)を消毒するための呼気浄化器に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に持ち出して使用できる携帯用空気浄化装置として、例えば、下記特許文献1に記載の技術がある。当該特許文献1によれば、本体内部にイオン発生素子を備え、正イオンと負イオンを空気中に放出し、空気中に浮遊する細菌を除去することが開示されている。そして、この携帯型空気浄化装置を、例えば、マスク型に加工することにより、本体を顔に装着して、マスクとして使用することが開示されている。
【0003】
また、本願出願人による下記特許文献2に記載の呼気浄化器もある。当該特許文献2には、上方が開口した筒口を有するボトル本体と、該ボトル本体の内部に収容される消毒剤と、前記ボトル本体の内面に沿って設けられており、前記消毒剤を吸収する消毒剤吸収体と、前記筒口の内側に設けられており、消毒前後の呼気が通過する中空の複数のチューブからなる呼気整流体と、該呼気整流体のいずれかのチューブを貫通し、呼気を前記ボトル
本体に送り込む呼気導入チューブと、該呼気導入チューブが貫通するとともに、前記ボトル本体の筒口を塞ぐ微細孔を有するスポンジ体と、を備えることを特徴とする呼気浄化器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2003−343887号公報
【特許文献2】 特許第6765565号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
人間の呼吸を通して吸入される空気中には、ウィルス、カビ菌のアレルゲン物質に代表される多くの細菌や微生物が存在している。このような汚れた空気を吸い込むと、例えば、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの種々の病気を誘発する。上述した特許文献1に記載の技術は、マスク型に加工して装着することにより、吸入する空気を殺菌して、細菌が原因の感染症や病気を予防し、吐き出した息に含まれる臭い成分を分解、除去することが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、携帯型とはいえ、電池やバッテリーが必要となり、簡単な構成で安価に製作することができない。
【0006】
また、前記特許文献2の呼気浄化器は、簡単な構成で安価に製作することはできるが、製品の組み立ての際に接着剤を使用する必要があるなど、製作の容易さの面で課題がある。
【0007】
本考案は、以上のような点に着目したもので、簡単な構成で、呼気を浄化(殺菌、滅菌、除菌等)してから外部に放出することができる安価で製作が容易な呼気浄化器を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本考案の呼気浄化器は、上方が開口した筒口を有するボトル本体と、該ボトル本体の内部に収容される消毒剤と、前記ボトル本体の内側の底部に設けられており、前記消毒剤を吸収する多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に貫通孔を有する第1の消毒剤吸収体と、前記ボトル本体の内面に沿って、前記第1の消毒剤吸収体よりも上方に設けられており、前記消毒剤を吸収する第2の消毒剤吸収体と、前記ボトルの筒口の内側に設けられており、多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔と同一径の貫通孔を有する上部スポンジ体と、該上部スポンジ体の貫通孔から、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔に達し、かつ、前記上部スポンジ体から上方に突出するように配置され、中空であって、周囲に多数の空気穴を有するセンターストローと、該センターストローの中空部に収納可能であって、呼気を前記センターストローの空気穴を介して前記ボトル本体内に送り込む呼気導入ストローと、前記ボトル本体の筒口に着脱可能に取り付けられ、かつ、取り外さずに開閉可能な蓋部を有するキャップ、を備えることを特徴とする。
【0009】
主要な形態の一つは、前記第2の消毒剤吸収体が、前記ボトル本体の内面に沿って広がる可撓性の芯材と、該芯材を包み、前記消毒剤を吸収する布地と、からなることを特徴とする。
【0010】
他の形態の一つは、前記センターストローは、前記ボトル本体に装着したときに、該ボトル本体の筒口より下側の位置に、前記多数の空気穴を有することを特徴とする。
【0011】
更に他の形態の一つは、前記呼気導入ストローは、使用者が口に含む側の端部寄りに、
折り曲げ可能なジャバラ部を有することを特徴とする。
【0012】
更に他の形態の一つは、前記消毒剤が、うがい薬であることを特徴とする。本考案の前記及び他の目的、特徴、利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【考案の効果】
【0013】
本考案の呼気浄化器によれば、上方が開口した筒口を有するボトル本体と、該ボトル本体の内部に収容される消毒剤と、前記ボトル本体の内側の底部に設けられており、前記消毒剤を吸収する多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に貫通孔を有する第1の消毒剤吸収体と、前記ボトル本体の内面に沿って、前記第1の消毒剤吸収体よりも上方に設けられており、前記消毒剤を吸収する第2の消毒剤吸収体と、前記ボトルの筒口の内側に設けられており、多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔と同一径の貫通孔を有する上部スポンジ体と、該上部スポンジ体の貫通孔から、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔に達し、かつ、前記上部スポンジ体から上方に突出するように配置され、中空であって、周囲に多数の空気穴を有するセンターストローと、該センターストローの中空部に収納可能であって、呼気を前記センターストローの空気穴を介して前記ボトル本体内に送り込む呼気導入ストローと、前記ボトル本体の筒口に着脱可能に取り付けられ、かつ、取り外さずに開閉可能な蓋部を有するキャップ、を備えることとした。
【0014】
この構成により、簡単な構成で、呼気を浄化してから外部に放出する安価で製作も容易な呼気浄化器を提供することができ、保菌者又はその可能性がある者が使用することで、周囲の人々が感染するのを防止することができる。また、消毒剤として、うがい薬を使用することにより、消毒効果があり、吹き戻しのうがい薬による口内の消毒も可能となる。また、消毒剤を吸い上げてうがい薬として使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案の呼気浄化器の一実施形態の使用状態を示す外観斜視図である。
【図2】前記実施形態の呼気浄化器の構成部材を取り外して示す外観斜視図である。
【図3】前記実施形態の呼気浄化器を構成する構成部材の一例を示す図であり、(A)はボトル本体、(B)は内部スポンジ体、(C)は消毒剤吸収体、(D)は上部スポンジ体を示す図である。
【図4】前記実施形態の呼気浄化器を構成する構成部材の一例を示す図であり、(A)はセンタストロー、(B)は呼気導入ストロー、(C)は消毒剤、(D)はキャップを示す図である。
【図5】前記実施形態の呼気浄化器の使用手順の一例を示す図である。
【考案を実施するための形態】
【0016】
本考案の呼気浄化器は、上方が開口した筒口を有するボトル本体と、該ボトル本体の内部に収容される消毒剤と、前記ボトル本体の内側の底部に設けられており、前記消毒剤を吸収する多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に貫通孔を有する第1の消毒剤吸収体と、前記ボトル本体の内面に沿って、前記第1の消毒剤吸収体よりも上方に設けられており、前記消毒剤を吸収する第2の消毒剤吸収体と、前記ボトルの筒口の内側に設けられており、多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔と同一径の貫通孔を有する上部スポンジ体と、該上部スポンジ体の貫通孔から、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔に達し、かつ、前記上部スポンジ体から上方に突出するように配置され、中空であって、周囲に多数の空気穴を有するセンターストローと、該センターストローの中空部に収納可能であって、呼気を前記センターストローの空気穴を介して前記ボトル本体内に送り込む呼気導入ストローと、前記ボトル本体の筒口に着脱可能に取り付けられ、かつ、取り外さずに開閉可能な蓋部を有するキャップ、を備える。
【0017】
この構成により、呼気導入ストローによってボトル本体に導入された呼気が、当該ボトル本体の内部に設けられた第1の消毒剤吸収体及び第2の消毒剤吸収体に広い面積で接触することで浄化(殺菌、滅菌、除菌等)され、浄化済みの呼気が、上部スポンジ体を介して外部に放出される。このため、安価かつ簡単な構成で、製作も容易であり、呼気を浄化してから外部に放出することができ、保菌者又はその可能性がある者が使用することで、周囲の人々が感染するのを防止することができる。また、消毒剤として、うがい薬を使用することにより、消毒効果があり、吹き戻しのうがい薬による口内の消毒も可能となる。また、消毒剤を吸い上げてうがい薬として使用してもよい。
【0018】
以下、本考案を実施するための最良の形態を、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。図1は、本考案の呼気浄化器の一実施形態の使用状態を示す外観斜視図である。図2は、前記呼気浄化器の構成部材を取り外して示す外観斜視図、図3及び図4は、前記呼気浄化器を構成する構成部材の一例を示す図である。図5は、前記呼気浄化器の使用手順の一例を示す図である。
【0019】
図1〜図5に示すように、本実施形態の呼気浄化器10は、ボトル本体12と、内部スポンジ体22(第1の消毒剤吸収体)と、消毒剤吸収体30(第2の消毒剤吸収体)と、上部スポンジ体40と、センターストロー50と、呼気導入ストロー60と、消毒剤66と、キャップ70により構成されている。
【0020】
ボトル本体12は、図3(A)に示すように、略円筒状の筒部14と、底面16と、上端が開口した筒口20と、前記筒部14から前記筒口20に向けて径が小さくなる傾斜部18を有する。前記筒口20の外周には、キャップ70を着脱可能に取り付けるためのネジ部が形成されている。このようなボトル本体12は、例えば、使用済みの飲料のペットボトルを使用することができる。ボトル本体12の容量は、例えば、持ち運びの観点から、350ml〜500ml程度のものが好ましい。
【0021】
ボトル本体12は、着色や模様が施されていてもよいが、内部に入れる消毒剤66の量が確認できるように、透明性のあるものが好ましい。また、消毒剤66は、呼気90を消毒(殺菌、滅菌、除菌等の処理を含む)できるものであれば、公知の各種の液体の消毒剤が利用可能であるが、本実施例では、うがい薬を消毒剤66として利用する。
【0022】
ボトル本体12の筒部14の内側の底部には、多孔質で消毒剤66を吸収可能な弾性を有する内部スポンジ22体(第1の消毒剤吸収体)が設けられている。該内部スポンジ体22は、図3(B)に示すように、直方体状であって、例えば、長さL1が5cm、幅W1が5cm、高さH1が3cmに設定されている。内部スポンジ体22の中央には、後述するセンターストロー50の下端を差し込むための貫通孔24が設けられている。該貫通孔24の径は、使用するセンターストロー50の太さに応じて適宜変更してよい。
【0023】
前記内部スポンジ体22は、小さく押しつぶして、ボトル本体12の内部に挿入した後に、多数の微細孔が空気を吸うことで、ボトル本体12の底面16を覆うように広がる。そして、前記内部スポンジ体22が消毒剤66を吸収することにより、消毒剤66を含んだ内部スポンジ体22が、ボトル本体12の筒部14の内面の底面側のほぼ全体を覆うようになる。
【0024】
次に、消毒剤吸収体30は、図3(C)に示すように、ボトル本体12の内面に沿って前記内部スポンジ体22の上方に配置されており、消毒剤66を吸収するものである。図示の例では、消毒剤吸収体30は、ボトル本体12の内面に沿って広がる可撓性の芯材32を、消毒剤66を吸収する布地34で包み、縫製によって閉じたものである。前記芯材32は、例えば、幅W2が11cm、高さH2が3cmに設定されている。
【0025】
前記芯材32は、例えば、可撓性を有するプラスチックシートが利用され、細く丸めてボトル本体12の内部に挿入した後に、内面に沿って広がるようになっている。そして、前記芯材32を包む布地34が消毒剤66を吸収することにより、消毒剤66を含んだ消毒剤吸収体30が、ボトル本体12の筒部14の側面内側をほぼ覆うようになる。
【0026】
次に、上部スポンジ体40は、前記ボトル本体12の筒口20の内側に設けられており(図2参照)、多孔質で弾性を有し、図3(D)に示すように、前記内部スポンジ体22の貫通孔24と略同一径の貫通孔42を中央に有する。前記上部スポンジ体40は、例えば、幅W3が3cm、長さL3が3cm、高さH3が3cmに設定されている。このような上部スポンジ体24は、小さく圧縮して、前記筒口20に嵌めると、微細孔が空気を含んで膨張し、その反発力によって筒口20の内側に保持される。このように、上部スポンジ体40によってボトル本体12の筒口20(センターストロー挿入部分除く)を塞ぐようにすると、消毒剤66の飛沫が筒口20から出るのを防ぐことがっできる。なお、上部スポンジ体40によって筒口20を塞いでも、当該上部スポンジ体40の微細孔を介して、消毒済みの呼気92が通過可能であるため、消毒済みの呼気92の排出路として機能する。
【0027】
次に、センターストロー50は、図4(A)に示すように、中空であって、下端50A側に多数の空気穴54を有する。前記センターストロー50は、前記上部スポンジ体40の貫通孔42から、前記内部スポンジ体22の貫通孔24に達し、かつ、前記上部スポンジ体40から上方に突出するように配置される。センターストロー50は、例えば、上端50Aから下端50Bまでの全体の長さH4が11.5cmであり、上端50A側の前記空気穴54が形成されていない部分の長さH5が3cmに設定されている。
【0028】
次に、呼気導入ストロー60は、図4(B)に示すように、上端60Aから下端60Bまで全体が中空部62となっており、前記上端60A側には、ストローを曲げたり、長さを伸縮するためのジャバラ部64が設けられている。このような呼気導入ストロー60は、前記センターストロー50の中空部52より径が小さく、全体が、前記センターストロー50の中空部52に収納可能となっており、使用するときに、センターストロー50から引き出して、上端60A側を口に含む。
【0029】
本実施形態では、前記呼気導入ストロー60とセンターストロー50が呼気90の導入路であり、上部スポンジ体40が、消毒後の呼気92の排出路として機能する。前記センタストロー50から上端60A側が引き出された呼気導入ストロー60に呼気90を送ると、当該呼気導入ストロー60からセンターストロー50に呼気90が送られ、前記センターストロー50の空気穴54と下端50Bから、ボトル本体12の内部全体へ呼気90が送られ、消毒剤66を吸収した内部スポンジ体22及び側面の消毒剤吸収体30へ呼気90が接触し、消毒される。消毒済みの呼気92は、上部スポンジ体40の微細孔を通じて外部へ排出される。
【0030】
本実施例では、消毒剤66(図4(C))は、例えば、うがい薬が使用される。うがい薬を使用することにより、消毒効果があり、吹き戻しのうがい薬が口内を消毒する。また、消毒剤66を吸い上げて、うがい薬として使用することも可能である。なお、消毒剤66は、例えば、センターストロー50から流し込むことで追加が可能である。
【0031】
次に、前記キャップ70は、前記ボトル本体12の筒口20に着脱可能に取り付けられるものであり、取り外さずに開閉可能な蓋部を有する。具体的には、図4(D)に示すように、フランジ部72の下側に、前記ボトル本体12の筒口20に着脱可能に取り付けるための略円筒状の取り付け部74を有し、該取り付け部74の内周面には、前記筒口20の
外周面に形成されたネジ部と螺合するネジ部が設けられている。
【0032】
また、前記フランジ部72の上側には、円筒状の筒部76が設けられている。該筒部76の中空部77を介して、前記内部スポンジ体22の貫通孔24及び上部スポンジ体40の貫通孔42に支持されたセンターストロー50の中空部52に収納された呼気導入ストロー60が引き出される。
【0033】
更に、前記フランジ部72には、爪78とヒンジ部80が設けられており、ヒンジ部80には、前記中空部77の上端を覆う蓋82が取り付けられている。前記爪78を押すことで、蓋82のロックが解除され、ヒンジ部80によって蓋82を開くことができる。なお、このようなロック機構は一例であり、同様の効果を奏する範囲内で、公知の各種のロック機構を利用してよい。
【0034】
次に、本実施形態の呼気浄化器10の製作手順の一例を説明する。なお、あらかじめ、消毒剤吸収体30は製作しておくものとする。まず、内部スポンジ体22を圧縮して、ボトル本体12の筒口20から内部に挿入する。挿入された内部スポンジ22体は、微細孔が空気を含んで膨らみ、元の形状に戻って、ボトル本体12の底面側を覆う。
【0035】
次に、消毒剤吸収体30を丸めてボトル本体12の筒口20から内部に挿入する。挿入された消毒剤吸収体30は、可撓性の芯材32によって、ボトル本体12の筒部14の内面に沿うように広がる。
【0036】
そして、筒口20から消毒剤66を、ボトル本体12の内部に注ぐ。消毒剤66は、例えば、筒部14の高さの1/4〜1/2程度の高さまで注ぐ。すると、内部スポンジ体22が消毒剤66を吸収するとともに、消毒剤吸収体30の布地34が消毒剤66を吸収して吸い上げ、ボトル本体12の筒部14の内面のほぼ全面に消毒剤66が広がる。
【0037】
次に、上部スポンジ体40を圧縮して、図2に示すように、ボトル本体12の筒口20の内側に取り付ける。圧縮されていた上部スポンジ体40は、筒口20の内側に配置してから圧縮している手を放すと微細孔が空気を吸って元の形状に戻ろうとし、筒口20の内側に対して反発力が生じるため、接着剤等を使わずに、反発力だけで筒口20の内側に取り付けることができる。
【0038】
次に、センターストロー50を、前記上部スポンジ体40の貫通孔42を貫通し、下端50Bが内部スポンジ22体の貫通孔24に収まるようにセンターストロー50を差し込む。なお、前記上部スポンジ体40をセンターストロー50に取り付けておいてから、上部スポンジ体40を圧縮して筒口20に取り付けるようにしてもよい。
【0039】
そして、前記センターストロー50の中空部52に、前記呼気導入ストロー60を収納し、最後に、キャップ70をボトル本体12の筒口20に取り付けて、使用しないときには、内部の消毒剤66がこぼれないように蓋82を閉じる。
【0040】
次に、図5を参照して、本実施形態の使用手順の一例を説明する。上述した手順によって組み立てられた呼気浄化器10(図5(A)参照)のキャップ70の爪78を押すと、蓋82のロックが解除され、蓋82を開けることができる。蓋82を開けた状態を上方から見た状態が、図5(B)に示されている。そして、図5(B)に示す状態から、センターストロー50の中空部52に収納された呼気導入ストロー60を、図5(C)に示すように引き出す。使用者100は、引き出した呼気導入ストロー60の上端60Aを口に含み、呼気90を送り込むと、センターストロー50の下端50Bと、多数の空気穴54からボトル本体12の内部に呼気90が送り込まれる。そして、ボトル本体12の底部に設けられた内
部スポンジ体22と、ボトル本体12の筒部14の側面に広がるように設けられた消毒剤吸収体30に呼気90が当たって消毒され、消毒済みの呼気92が、上部スポンジ体40の微細孔を介して外部に排出される。
【0041】
このような呼気浄化器10は、使用しないときには、呼気導入ストロー60をセンターストロー50の中空部52に収納し、筒口20をキャップ70の蓋82で塞ぐことにより、内部の消毒剤66をこぼさずに携帯することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、上方が開口した筒口20を有するボトル本体12と、該ボトル本体12の内部に収容される消毒剤66と、前記ボトル本体12の内側の底部に設けられており、前記消毒剤66を吸収する多孔質で弾性を有し、中央に貫通孔24を有する内部スポンジ22体(第1の消毒剤吸収体)と、前記ボトル本体12の内面に沿って、前記内部スポンジ体22よりも上方に設けられており、前記消毒剤66を吸収する消毒剤吸収体30(第2の消毒液吸収体)と、前記ボトル本体12の筒口20の内側に設けられており、多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に、前記内部スポンジ体22の貫通孔24と同一径の貫通孔42を有する上部スポンジ体40と、該上部スポンジ体40の貫通孔42から、前記内部スポンジ体22の貫通孔24に達し、かつ、前記上部スポンジ体40から上方に突出するように配置され、中空であって、周囲に多数の空気穴54を有するセンターストロー50と、該センターストロー50の中空部52に収納可能であって、呼気を前記センターストロー50の下端50B及び空気穴54を介して前記ボトル本体12内に送り込む呼気導入ストロー60と、前記ボトル本体12の筒口22に着脱可能に取り付けられ、かつ、取り外さずに開閉可能な蓋部を有するキャップ70を備える構成とした。
【0043】
この構成により、呼気導入ストロー及びセンターストローによってボトル本体に導入された呼気が、当該ボトル本体の内面に沿って設けられた消毒剤吸収体に広い面積で接触することで浄化(殺菌、滅菌、除菌等)され、浄化済みの呼気が、上部スポンジ体を介して外部に放出される。このため、安価でかつ簡単な構成で、製作が容易な呼気浄化器10を提供することができ、保菌者又はその可能性がある者が使用することで、周囲の人々が感染するのを防止することができる。
【0044】
また、呼気浄化器10を構成する各部材は、接着剤等を用いずに組立可能なため、組立が容易であるとともに、接着剤が溶けることによる不都合が生じることがない。更に、消毒剤66として、うがい薬を使用することにより、消毒効果があり、吹き戻しのうがい薬による口内の消毒も可能となる。また、消毒剤66を吸い上げてうがい薬として使用してもよい。なお、消毒剤66の追加も可能である。
【0045】
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施形態で示したボトル本体12の形状や容量は一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜変更してよい。
(2)前記実施形態では、第2の消毒液吸収体として、1つの消毒液吸収体30を用いることとしたが、これも一例であり、必要に応じて、2つ以上の消毒液吸収体30を用いてもよい。
(3)前記実施形態で示したキャップ70の構成も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更してよい。
(4)本考案の呼気浄化器は、例えば、映画館、競技場、家庭内など、人が集まる場所で使用することにより、保菌者又はその可能性がある者から、周囲の人々への感染を防止することができる。また、新型コロナウイルスのみではなく、インフルエンザなどの感染拡大防止にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本考案によれば、上方が開口した筒口を有するボトル本体と、該ボトル本体の内部に収容される消毒剤と、前記ボトル本体の内側の底部に設けられており、前記消毒剤を吸収する多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に貫通孔を有する第1の消毒剤吸収体と、前記ボトル本体の内面に沿って、前記第1の消毒剤吸収体よりも上方に設けられており、前記消毒剤を吸収する第2の消毒剤吸収体と、前記ボトルの筒口の内側に設けられており、多孔質で弾性を有するスポンジからなり、中央に、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔と同一径の貫通孔を有する上部スポンジ体と、該上部スポンジ体の貫通孔から、前記第1の消毒剤吸収体の貫通孔に達し、かつ、前記上部スポンジ体から上方に突出するように配置され、中空であって、周囲に多数の空気穴を有するセンターストローと、該センターストローの中空部に収納可能であって、呼気を前記センターストローの空気穴を介して前記ボトル本体内に送り込む呼気導入ストローと、前記ボトル本体の筒口に着脱可能に取り付けられ、かつ、取り外さずに開閉可能な蓋部を有するキャップ、を備えることとした。
【0047】
この構成により、呼気導入ストロー及びセンターストローによってボトル本体に導入された呼気が、当該ボトル本体の内面に沿って設けられた消毒剤吸収体に広い面積で接触することで浄化(殺菌、滅菌、除菌等)され、浄化済みの呼気が、上部スポンジ体を介して外部に放出される。このため、安価でかつ簡単な構成で、製作が容易であり、呼気を浄化してから外部に放出することができ、保菌者又はその可能性がある者が使用することで、感染症の予防をすることができるため、呼気浄化器の用途に適用できる。特に、密閉された空間に複数人が集まる場合に好適である。
【符号の説明】
【0048】
10:呼気浄化器
12:ボトル本体
14:筒部
16:底部
18:傾斜部
20:筒口
20A:上端部
22:内部スポンジ体(第1の消毒剤吸収体)
24:貫通孔
30:消毒剤吸収体(第2の消毒剤吸収体)
32:芯材
34:布地
40:上部スポンジ体
42:貫通孔
50:センターストロー
50A:上端
50B:下端
52:中空部
54:空気穴
60:呼気導入ストロー
60A:上端
60B:下端
62:中空部
64:ジャバラ部
66:消毒剤
70:キャップ
72:フランジ部
74:取り付け部
76:筒部
77:中空部
78:爪
80:ヒンジ部
82:蓋部
90:呼気
92:消毒済みの呼気
100:使用者
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
発明者からのメッセージ
説明文
 
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