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健康・医療
 
【考案の名称】正座椅子
【実用新案権者】
【識別番号】505397106
【氏名又は名称】岡部 靜
【住所又は居所】京都府京都市西京区大原野西境谷町3丁目6−1−404
【代理人】
【識別番号】100167807
【弁理士】
【氏名又は名称】笠松 信夫
【考案者】
【氏名】岡部 靜
【住所又は居所】京都府京都市西京区大原野西境谷町3丁目6−1−404
【要約】
【課題】バランスのとり難い状況が従来に比べて発生し難い正座椅子を提供する。
【解決手段】座部10と、交差脚20と、スライド機構30とを備える。座部10は、使用者が着座する。交差脚20は、スライド機構30を介して座部10に連結される。また、交差脚20は、折り畳み可能に構成され、かつ座部10側端部の開度の変更により座部10の高さを調整可能に構成される。スライド機構30は、交差脚20に対して座部10の位置を同一平面内で移動可能に座部10を保持する。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座する座部と、前記座部に連結された折り畳み可能な交差脚とを備え、前記交差脚の前記座部側端部の開度の変更により座部の高さを調整可能な正座椅子であって、
前記交差脚に対して前記座部の位置を同一平面内で移動可能に保持するスライド機構を備える正座椅子。
【請求項2】
前記交差脚の前記座部側端部の一方の位置が固定されるとともに、前記交差脚の前記座部側端部の他方の位置が変更可能に構成された請求項1記載の正座椅子。
【請求項3】
前記スライド機構が、
前記交差脚側に突出する突出部を備え、前記座部に固定される第1の板状体と、
前記突出部を、前記交差脚の開閉方向に沿って案内する貫通溝を備える第2の板状体と、
前記第1の板状体と前記第2の板状体とを固定する固定具と、
を備える請求項1または請求項2記載の正座椅子。
【請求項4】
前記第2の板状体が、
前記交差脚の前記座部側端部の一方を回動自在に保持する保持部と、
前記交差脚の前記座部側端部の他方を、前記交差脚の前記座部側端部の開度がそれぞれ異なる状態で係止する複数の係止部と、
を備え、
前記交差脚が、前記座部側端部の間隔が拡がる方向の付勢力を発生する付勢部材を備える請求項3記載の正座椅子。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、正座椅子に関し、特に、折り畳み可能な正座椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、和室等での正座時の足のしびれを避けるために正座椅子が使用されている。正座椅子は、正座の際に臀部を載せる座部を備える台状の椅子である。正座時に、正座椅子が臀部を支えることで臀部が足を圧迫すること防止し、足のしびれが発生することを回避している。このような正座椅子では、携帯が容易になるように折り畳み可能に構成されていることが多く、また、座部の高さを調整する機能を有する構成も提案されている(例えば、特許文献1、2等)。
【0003】
例えば、特許文献1は、X状に開閉可能な支持脚体の上部に座部であるベルトを設けた正座椅子を開示している。この正座椅子では、X状の支持脚体の最大開き距離が調整可能となるように構成されており、最大開き距離を調整することで座部の高さを調整できるようになっている。また、特許文献2は、着座用の座板と、座板と対向配置され床面に設置される底板とを備え、座板と底板とがX状に開閉可能な脚部により連結された正座椅子を開示している。この正座椅子では、脚部は、一端が座板の裏面の所定位置に回動可能に固定されており、脚部の他端を座板の裏面に設けられた複数の長穴のいずれかに係止させる。そのため、係止する長穴に応じて座板の高さを変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−199966号公報
【特許文献2】特開2011−031018号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2が開示する構成では、着座する座部と脚との位置関係が固定された状態になっている。したがって、正座の際に使用者が座りやすいと感じる位置に座部を合わせて正座椅子を設置すると、正座椅子の脚の位置は必然的に定まる。このような構成では、正座椅子の配置状態、使用者の体格、使用者の正座姿勢によっては、使用者の重心が正座椅子に対して偏ってしまい、バランスが取り難くなることがある。特に、脚の座部側端部の開度を狭めて座部の高さを高くしている場合は、その傾向が顕著になる。また、特許文献2が開示するような、一端が座板の裏面の所定位置に固定されており、脚部の他端の位置を変更する構成では、高さ調整の過程で、座板に対して脚が偏った状態、すなわち、平面視において、脚の中心(脚と床面との各接地点と等距離にある床面上の位置)と座部の中心とが異なる位置になる状況が必然的に生じてしまう。そのため、座部の高さを高くしている状況下において脚の中心と座部の中心とが異なっていると、よりバランスが取り難くなる可能性がある。
【0006】
本考案は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、バランスのとり難い状況が従来に比べて発生し難い正座椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本考案は以下の技術的手段を採用している。まず、本考案は、使用者が着座する座部と、当該座部に連結された折り畳み可能な交差脚とを備え、交差脚の座部側端部の開度の変更により座部の高さを調整可能な正座椅子を前提としてい
る。そして、本考案に係る正座椅子は、交差脚に対して座部の位置を同一平面内で移動可能に保持するスライド機構を備える。
【0008】
この構成によれば、使用者が座りやすいと感じる位置に座部を合わせて正座椅子を設置した際に正座椅子のバランスが取り難い場合、座部に対して脚の位置を移動させて正座椅子を安定させることができる。
【0009】
上述の正座椅子において、交差脚の座部側端部の一方の位置が固定されるとともに、交差脚の座部側端部の他方の位置が変更可能に構成された構造を採用することができる。また、スライド機構は、第1の板状体、第2の板状体、および固定具により構成することができる。第1の板状体は、座部に固定され、交差脚側に突出する突出部を備える。第2の板状体は、交差脚の開閉方向に沿って突出部を案内する貫通溝を備える。固定具は、第1の板状体と前記第2の板状体とを固定する。この構成において、第2の板状体が、交差脚の座部側端部の一方を回動自在に保持する保持部と、交差脚の座部側端部の他方を、交差脚の座部側端部の開度がそれぞれ異なる状態で係止する複数の係止部を備え、座部側端部の間隔が拡がる方向の付勢力を発生する付勢部材を交差脚が備える構成を採用することができる。
【考案の効果】
【0010】
本考案によれば、バランスのとり難い状況が従来に比べて発生し難い正座椅子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案の一実施形態における正座椅子の一例を示す正面図
【図2】本考案の一実施形態における正座椅子の一例を示す背面図
【図3】本考案の一実施形態における正座椅子の一例を示す側面図
【図4】本考案の一実施形態における正座椅子が備える座部の一例を示す底面図
【図5】本考案の一実施形態における正座椅子が備えるスライド機構の一例を示す分解図
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下、本考案の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。図1は本考案の一実施形態における正座椅子の一例を示す正面図である。図2は本考案の一実施形態における正座椅子の一例を示す背面図である。図3は本考案の一実施形態における正座椅子の一例を示す側面図である。図4は本考案の一実施形態における正座椅子が備える座部の一例を示す底面図である。なお、図4では、説明のため、交差脚20の図示を省略している。
【0013】
図1〜図4に示すように、正座椅子1は、座部10と、交差脚20と、スライド機構30とを備える。
【0014】
座部10は、使用者が着座する座面を構成している。本実施形態では、座部10は、数センチ程度の厚みを有する板状の部材からなり、平面視において長方形の角部を面取りした形状を有する。特に限定されないが、本実施形態では、座部10は、板状の剛性部材11と板状の弾性部材12とを交差脚20側から積層した構造を有する。ここでは、剛性部材11として木材を使用し、弾性部材12として剛性部材11側から順に積層したフエルト及びスポンジを使用している。特に限定されないが、座部10の平面視における長辺の長さは200mm、短辺の長さは160mmであり、木材、フエルト、スポンジの各板状部材の厚さは、それぞれ、6mm、15mm、5mmである。なお、図3に示すように、木材部分の長辺方向の端部には木材部分の厚みが減少する傾斜部が設けられている。
【0015】
交差脚20は、スライド機構30を介して座部10に連結される。特に限定されないが、本実施形態では、図1〜図3に示すように、交差脚20は、略ロ字状の第1の脚部21と、第1の脚部21の内側に配置された六角形状の第2の脚部22を備える。第1の脚部21と第2の脚部22とは、交差部23を介してX字状に交差する状態に配置されている。
【0016】
第1の脚部21は、対向して配置された一対の支柱25a、25bと各支柱25a、25bの両端に架設された連結梁26a、26bとを有し、支柱25a、25b及び連結梁26a、26bとで略ロ字状の形状を構成している。ここでは、支柱25a、25b及び連結梁26a、26bは直径6mm程度の1本の丸パイプを曲げ加工することで連続的に形成されている。なお、座部10と反対側に配置される連結梁26bは、床面に接する接地部として機能する。接地部には、床面の破損防止、滑り止め等の用途で、樹脂製等の被覆部材を設けてもよい。
【0017】
第2の脚部22は、対向して配置された一対の支柱27a、27bと各支柱27a、27bの両端に架設された連結梁28a、28bとを有し、支柱27a、27b及び連結梁28a、28bとで六角形状の形状を構成している。本実施形態では、支柱27a、27bの一方端側の連結梁28aの長さよりも支柱27a、27bの他方端側の連結梁28bの長さが短くなっており、交差部23よりも床面側の位置で支柱27a、27bがそれぞれ対向する支柱27b、27a側に曲げられている。また、連結梁28aの長さは、第1の脚部21の連結梁26a、26bの長さよりも、支柱25a、25bの直径分と所定のマージン分だけ短くなっており、第2の脚部22は第1の脚部21の内側に配置できるようになっている。ここでは、支柱27a、27b及び連結梁28a、28bは直径6mm程度の1本の丸パイプを曲げ加工することで連続的に形成されている。なお、座部10と反対側に配置される連結梁28bは、床面に接する接地部として機能する。接地部には、床面の破損防止、滑り止め等の用途で、樹脂製等の被覆部材を設けてもよい。
【0018】
また、特に限定されないが、第1の脚部21の各支柱25a、25b及び第2の脚部22の各支柱27a、27bの長さ方向の中間部(交差部23)には丸パイプを押圧変形することで形成された平坦部が設けられており、平坦部にそれぞれ貫通孔が設けられている。そして、支柱25aの貫通孔と支柱27aの貫通孔とに挿通する軸29により、支柱25aと支柱27aとが摺動自在に枢着されている。同様に、支柱25bの貫通孔と支柱27bの貫通孔とに挿通する軸29により、支柱25bと支柱27bとが摺動自在に枢着されている。軸29には、ボルト・ナットやリベット等公知の任意の部材を使用することができる。
【0019】
また、本実施形態では、交差脚20は、交差部23に、座部10側端部の間隔が拡がる方向の付勢力を発生する付勢部材24を備える。付勢部材24には、公知の任意の構成を採用することができる。本実施形態では、付勢部材24は両側の交差部23に配置されたねじりばねにより構成されている。すなわち、支柱25a、支柱27a側では、ねじりばねのコイル部が軸29の周囲に配置されるとともに、各アーム部が支柱25aと支柱27aとのそれぞれに連結されている。また、支柱25b、支柱27b側では、ねじりばねのコイル部が軸29の周囲に配置されるとともに、各アーム部が支柱25bと支柱27bとのそれぞれに連結されている。なお、図3では、支柱25a、支柱27aにより隠れている付勢部材24を破線で示している。また、各交差部23の軸29には、支柱25aと支柱27aとの間、及び支柱25bと支柱27bとの間に、適当な厚みを有する平座金(図示せず)がそれぞれ配置されている。
【0020】
本構成によれば、交差脚20は、座部10側端部が固定されていない場合、連結梁26
aと連結梁28b、連結梁26bと連結梁28aとが接触する状態(折り畳み状態)まで、座部10側端部の間隔が拡がることになる。
【0021】
なお、図3に示すように、支柱25a、25b、支柱27a、27bは、正座椅子1が使用状態にあるときに、交差脚20にクッション性を持たせるため、床面に近づくにつれて座部10側にわずかに湾曲させている。
【0022】
また、本実施形態の正座椅子1は、交差脚20の座部10側の一端(ここでは連結梁26a)がスライド機構30を介して座部10に回動可能に固定されるとともに、座部10側の他端(ここでは連結梁28a)がスライド機構30を介して座部10に対して着脱自在になっている。
【0023】
図5は本考案の一実施形態における正座椅子が備えるスライド機構30の一例を示す分解図である。図5に示すように、スライド機構30は、座部10に固定される座部側板状体31(第1の板状体)と、交差脚20の座部10側の一端である連結梁26aと連結される交差脚側板状体32(第2の板状体)とを備える。
【0024】
座部側板状体31は、厚さ1mm程度の長方形状の金属板により構成され、その中央にボルト34が固定されている。なお、図4に示すように、座部側板状体31は長辺が、座部10の短辺に沿う方向に向けて配置され、木ネジや接着剤等により座部10の剛性部材11(ここでは木材)に固定されている。特に限定されないが、座部側板状体31の長辺の長さは130mm、短辺の長さは80mmである。なお、図1、図2、図5に示すように、座部側板状体31の長辺には、交差脚20側に向けて数mm程度の高さで立設する案内壁38が設けられている。当該案内壁38は、交差脚側板状体32の移動方向を案内する機能を有している。
【0025】
交差脚側板状体32は、厚さ1mm程度の長方形状の金属板により構成され、その中央部に長辺方向に沿って貫通溝35が設けられている。貫通溝35は、交差脚側板状体32の短辺方向の中央部に、座部側板状体31のボルト34が挿通可能な幅で、交差脚側板状体32の長辺方向に沿って形成されている。
【0026】
また、交差脚側板状体32の長辺方向の一端には、交差脚20の連結梁26aが回動可能に保持される保持部36が設けられている。特に限定されないが、本実施形態では、交差脚側板状体32の長辺方向の端部を、連結梁26aの外周を囲むように曲げ加工することで保持部36が構成されている。なお、図5では、説明のため、交差脚20の図示を省略している。
【0027】
さらに、交差脚側板状体32の長辺方向の他端と貫通溝35との間の交差脚側板状体32には、長辺方向の異なる位置に複数の係止部37が設けられている。図3、図5に示すように本実施形態では、連結梁28aの外周に嵌合する断面コ字状の係止部37が2つ設けられている。特に限定されないが、係止部37は、例えば、交差脚側板状体32に切れ目を形成して交差脚側板状体32の一部を曲げ加工により折り返すことで構成することができる。この構成では、連結梁28aがそれぞれの係止部37に係止された場合、交差脚20の座部10側端部の開度が異なるため、座部10がその開度に応じた、異なる高さに設定されることになる。なお、上述のように、交差脚20は、付勢部材24により座部10側端部の間隔が拡がる方向に付勢されているため、例えば、連結梁28aがいずれかの係止部37に係止されると、付勢力に抗して連結梁28aを係止部37から離脱しない限り、係止は解消されない。したがって、例えば、正座椅子1を床面から持ち上げて移動させた場合でも、意図せず交差脚20が座部10から離脱して、使用者の手等を挟むような不都合は生じない。
【0028】
なお、図4に示すように、交差脚側板状体32は座部10の短辺に沿う方向に長辺が向けられ、かつ、座部側板状体31のボルト34が貫通溝35に挿通される状態で配置される。そして、図5に示すように、ボルト34に平座金41及びばね座金42が挿通された後、ボルト34に螺合するナット33により締め付けることで交差脚側板状体32は座部側板状体31に固定される。特に限定されないが、交差脚側板状体32の長辺の長さは120mm、短辺の長さは、座部側板状体31の案内壁38間に整合する長さである。また、特に限定されないが、係止部37は、貫通溝35側の係止部37に連結梁28aが係止されたときに床面から座部10の上面までの高さが140mm程度、他方の係止部37に連結梁28aが係止されたときに床面から座部10の上面までの高さが120mm程度となるように設定されている。
【0029】
以上の構成の正座椅子1は、好ましくは、座部10の短辺方向を前後方向とし、連結梁28bが後方側に位置する状態で使用することができる。この方向で使用すると、座部10の左右方向の木材部分に傾斜部が設けられているため、使用の際、使用者が座部10の下方に足を配置するときに、使用者の踵等が角部分に衝突することがない。また、後方側の交差脚20の左右方向の幅が小さくなるように支柱27a、27bが曲げられているため、使用の際、使用者が座部10の下方で足先を交差させるときに、使用者の足の甲等が交差脚20に接触する状態をより発生し難くすることができる。
【0030】
そして、本実施形態の正座椅子1によれば、ナット33を緩めることで交差脚20に対して座部10の位置を交差脚20の開閉方向に沿って移動させることができ、ナット33を締めることで所望の位置に交差脚20を固定することができる。そのため、交差脚20の一端が座部10に固定されており、交差脚20の他端の位置を変更することで座部10の高さを変更する構成に起因して、座部10の高さを調整する過程で座部10に対して交差脚20の位置が偏ってしまう正座椅子1であっても、座部10に対する交差脚20の位置を変更することで、例えば、座部10の重心の直下に交差脚20の中心を配置することができる。また、このような状況に限らず、正座椅子1の配置状態、使用者の体格、使用者の正座姿勢等によって、バランスが取り難い状態が発生した場合でも、座部10に対する交差脚20の位置を適宜調整することでバランスを確保することができる。その結果、座部と交差脚との位置関係が固定された従来構成に比べて、よりバランスを確保できる状態を実現することができる。なお、バランスが確保できる状況下では、正座時の使用者の足先等の配置の好みに応じて、邪魔にならない位置に交差脚20を移動させることも可能である。
【0031】
なお、上述した実施形態は本考案の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本考案の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記実施形態では、交差脚の一端が座部に固定されており、交差脚の他端の位置を変更することで座部の高さを変更する正座椅子において生じる座部に対する交差脚の偏りの解消に好適な、交差脚の開閉方向に沿う移動のみを実現する構成を例示したが、同一平面内の他の方向への移動が可能であってもよい。このような構成は、例えば、座部側板状体31の案内壁38をなくすとともに、交差脚側板状体32の貫通溝35の幅を座部側板状体31のボルト34の直径よりも大きくすることで実現可能である。この場合、ボルト34に螺合されるナット33と交差脚側板状体32との間には、舌つき座金等、座部側板状体31との間で交差脚側板状体32を確実に挟持できる貫通溝35の幅よりも幅広の部材が配置されることは勿論である。
【0032】
また、上記実施形態では、交差脚20が係止部37から離脱することがないように付勢部材24を備える構成としたが、例えば、係止部37を、座部側板状体31の方向に押圧する付勢力を生じる板バネ状に構成し、連結梁28aを挟持して保持可能な構成を採用す
る場合には、付勢部材24を設けない構成を採用してもよい。
【0033】
さらに、以上のような構成は、交差脚の一端が座部に固定されており、交差脚の他端の位置を変更することで座部の高さを変更する正座椅子に限らず、交差脚の座部側端部の開度の変更により座部の高さを調整可能な任意の正座椅子に適用可能である。
【0034】
加えて、座部の構造、交差脚の構造、高さ調整機構の構造及びスライド機構の構造はあくまで例示であり、他の構造を採用することも当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本考案によれば、バランスのとり難い状況が従来に比べて発生し難くすることができ、正座椅子として有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 正座椅子
10 座部
20 交差脚
21 第1の脚部
22 第2の脚部
23 交差部
24 付勢部材
30 スライド機構
31 座部側板状体(第1の板状体)
32 交差脚側板状体(第2の板状体)
33 ナット(固定具)
34 ボルト(突出部)
35 貫通溝
36 保持部
37 係止部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
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