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健康・医療
 
【考案の名称】応急しみ取りパッド
【実用新案権者】
【識別番号】505184436
【氏名又は名称】尾立 豊隆
【住所又は居所】兵庫県尼崎市杭瀬南新町4−1−25−401
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100069578
【氏名又は名称】藤川 忠司
【考案者】
【氏名】尾立 豊隆
【住所又は居所】兵庫県尼崎市杭瀬南新町4−1−25−401
【要約】
【課題】
衣服等にしみ成分が付着した際に、応急措置として付着したしみ成分を速やかに除去でき、使い勝手がよく、コンパクトで携行容易な応急しみ取りパッドを提供する。
【解決手段】
基材シート1の片面上に、しみ取り液2を封入して押圧によって破裂し得るカプセル3と、カプセル3を包む液吸収材4とが配置し、配置部分の外側が周辺で基材シート1に貼着する多孔状カバー5で覆われている。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの片面上に、しみ取り液を封入して押圧によって破裂し得る液封入体と、この液封入体を包む液吸収材とが配置すると共に、これら液封入体及び液吸収材の配置部分を覆う多孔状カバーが周辺で基材シートに貼着されてなる応急しみ取りパッド。
【請求項2】
前記液封入体がしみ取り液を封入したカプセルからなる請求項1記載の応急しみ取りパッド。
【請求項3】
前記液封入体が、基材シートとその片面上に貼着した凹凸状フィルムとの間に構成される小室からなり、該小室内にしみ取り液が封入されてなる請求項1記載の応急しみ取りパッド。
【請求項4】
前記液吸収材が布又は綿からなる請求項1〜3のいずれかに記載の応急しみ取りパッド。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、衣服等にしみができたとき、付着したしみ成分を応急的に溶解・吸着させて除去するのに用いる応急しみ取りパッドに関する。
【背景技術】
例えば、ホテルでの会食や、レストラン、飲食店、訪問先等での飲食の際、衣服にソースや醤油の如き調味液、油、汁、飲物等が付着し、しみになって折角の装いを台無しにすることが往々にしてある。しかるに、しみ成分の付着に対する従来の応急的な措置では、手拭き、ティッシュペーパー、ハンカチ、タオル等を水に濡らして付着部分を拭うのが普通であるが、その操作で却って汚れを拡げてしまったり、汚れを目立たせる結果になることも多い。
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上述の事情に鑑みて、衣服等にしみ成分が付着した際に、応急措置として付着したしみ成分を速やかに除去できる上、使い勝手がよく、しかもコンパクトで携行容易な応急しみ取りパッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の請求項1に係る応急しみ取りパッドは、図面の参照符号を付して示せば、基材シート1の片面上に、しみ取り液2を封入して押圧によって破裂し得る液封入体(カプセル3,小室7)と、この液封入体を包む液吸収材
と共に、これら液封入体及び液吸収材4の配置部分を覆う多孔状カバー5が周辺で基材シート1に貼着されてなるものとしている。
請求項2の考案は、上記請求項1の応急しみ取りパッドにおいて、液封入体がしみ取り液2を封入したカプセル3からなる構成としている。
請求項3の考案は、上記請求項1の応急しみ取りパッドにおいて、前記液封入体が、基材シート1とその片面上に貼着した凹凸状フィルム6との間に構成される小室7からなり、該小室内7にしみ取り液2が封入されてなる構成としている。
請求項4の考案は、上記請求項1〜3のいずれかの応急しみ取りパッドにおいて、液吸収材4が布又は綿からなる構成としている。
【考案の効果】
請求項1の考案に係る応急しみ取りパッドによれば、使用時に液封入体を押圧して破裂させることにより、該液封入体から放出されたしみ取り液が液吸収材に浸潤し、その外側の多孔状カバーを通して外部へ滲出可能となる。従って、上記液封入体を破裂させた状態で、衣服等のしみ成分の付着部分に該多孔状カバーの部分を当てがって擦るようにすれば、滲出したしみ取り液にしみ成分が溶解されると共に、このしみ成分を溶解したしみ取り液が液吸収材に吸着され、もって衣服からしみ成分が効率よく除去され、しみの生成が防止される。また、この応急しみ取りパッドは、コンパクトにまとまって形態容易である上、使用時に液封入体を押圧して破裂させるだけでよく、その際にしみ取り液が飛び散ったり滴り落ちたりすることもなく、指による摘み加減でしみ取り液の外部へ滲出度合や吸収度合を調整できるから、非常に使い勝手がよい。
請求項2の考案によれば、上記応急しみ取りパッドの液封入体がしみ取り液を封入したカプセルからなるため、その量産が容易であると共に、しみ取りパッドの製作において基材シート上へ配置し易く、それだけ製作コストを低減できるという利点がある。
請求項3の考案によれば、上記応急しみ取りパッドの液封入体が基材シートとその片面上に貼着した凹凸状フィルムとの間に構成される小室からなるため、該液封入体の形成が容易であり、それだけ製作コストを低減できるという利点がある。
請求項4の考案によれば、上記応急しみ取りパッドの液吸収材が布又は綿からなるため、使用時の液封入体の破裂によって放出されるしみ取り液を確実に含浸できると共に、摘み加減によるしみ取り液の滲出と吸収の調整が容易で、しみ取りの操作性がより向上する。
【考案を実施するための最良の形態】
以下に、本考案に係る応急しみ取りパッドの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1及び図2は第一実施形態の応急しみ取りパッドP1、図3は第二実施形態の応急しみ取りパッドP2、図4及び図5は応急しみ取りパッドの使用状態、図6は第三実施形態の応急しみ取りパッドP3、図4及び図5は応急しみ取りパッドの保護形態、をそれぞれ示す。
第一実施形態の応急しみ取りパッドP1は、図1及び図2で示すように、軟質合成樹脂からなる可撓性の基材シート1の片面上の中央に、液封入体としてのしみ取り液2を封入したカプセル3と、このカプセル3を外側から包む液吸収材4とが配置し、更にこれらカプセル3及び液吸収材4をの配置部分を覆う多孔状カバー5が周辺で基材シートに貼着されてなる。
一方、第二実施形態の応急しみ取りパッドP2は、図3で示すように、基材シート1の片面に凹凸状フィルム6が貼着され、この凹凸状フィルム6の凸部と基材シート1との間に形成される小室7にしみ取り液2が封入されて液封入体を構成し、その外側に第一実施形態の応急しみ取りパッドP1と同様の液吸収材4と多孔状カバー5が設けてある。
第一実施形態の応急しみ取りパッドP1におけるカプセル3は、押圧によって容易に破裂し得る強度の高分子材料からなり、例えばカプセル入り飲み薬やカプセル入り液状栄養剤等のカプセル材料と同様のものを使用できる。また、第二実施形態の応急しみ取りパッドP2における小室7も、やはり押圧によってフィルム6が容易に破裂する強度のものとなっている。
これら応急しみ取りパッドP1,P2では、例えば図4において応急しみ取りパッドP1で代表して示すように、(A)のように上から指で押圧したり、爪楊枝や箸等で突いたり、あるいは(B)のように折り曲げて両側から指で挟みつけることにより、カプセル3(小室7)が破裂し、これによって放出されたしみ取り液2が液吸収材4に浸潤する。そして、該液吸収材4に加える圧力によって浸潤したしみ取り液2を多孔状カバー5を通して外部へ滲出させ、また該圧力を緩めることによって滲出したしみ取り液2を液吸収材4に再吸収させることができる。
従って、例えば図5に示すように、衣服W等にしみ成分Sが付着した際、カプセル3や小室7を破裂させた上で、多孔状カバー5が外側になる形でU字状に折り曲げ、人差指F2を内側にして親指F1と中指F3とで両側がら挟むようにして摘み、先端の多孔状カバー5の部分をしみ成分Sの付着部分に押し当てたり、とんとんと突き当てることにより、滲出したしみ取り液2にしみ成分Sを溶解させ、このしみ成分を溶解したしみ取り液を液吸収材4に吸着させ、もって衣服W等からしみ成分を効率よく除去し、しみの生成を防ぐことができる。
また、上記のしみ取り操作においては、しみ取りパッドP1,P2の摘み度合、つまり液吸収材4に加える圧力の程度により、しみ取り液2の滲出量を容易に増減できるから、該滲出量を付着したしみ成分Sの多少に応じて調整することができ、非常に使い勝手がよく、汚れを拡げてしまうような懸念がなく、逆に拭き取り不足になることもない。
これらしみ取りパッドP1,P2のカプセル3や小室7に封入されるしみ取り液2としては、しみ成分を溶解させ易い液剤であればよく、例えば水、低級アルコール、揮発性有機溶剤等が挙げられるが、これらに界面活性剤を含有させたものでもよい。また、しみ取りパッドP1,P2として、各々しみ取り液2が油性のものと水性のものとを用意し、しみ成分が親油性か親水性かによって使い分けるようにしたり、更にしみ成分の種類に対応した複数種のしみ取り液2を用いたものを1セットにすることも可能である。
液吸収材4としては、しみ取り液2をよく吸収できるものであれば特に制約はなく、ガーゼのような布を重ねたもの、脱脂綿の如き綿、不織布、合成樹脂スポンジ等を使用できるが、しみ取り液の吸収性と含浸保持性の面より布及び綿が好適である。
多孔状カバー5としては、合成樹脂製や繊維製のネットも使用可能であるが、合成樹脂フィルムに孔加工を施したものが基材シート1に対して簡単に融着できて且つ材料的に安価であることから特に好適である。
本考案に係る応急しみ取りパッドは、上記第一及び第二実施形態として例示した以外の種々の態様が可能である。例えば、上記第一及び第二実施形態のしみ取りパッドP1,P2では液封入体であるカプセル3や小室7を一つにしているが、例えば図6で示すしみ取りパッドP3のように複数の液封入体(カプセル3,小室7)を備えるものとしてもよい。また、基材シート1及び多孔状カバー5の外形と大きさ、カプセル3や小室7の如き液封入体の外形と大きさ、液吸収材4の厚さ等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
更に、このような応急しみ取りパッドにおいては、様々な包装形態を採用できるが、未使用状態で多孔状カバー5から内側へ水分や汚れ等が侵入するのを防止するために、図7の仮想線で示すように、多孔状カバー5の部分を覆う粘着性保護シート8を貼着し、しみ取りパッドPの使用に際して該保護シート8を一端側の非粘着部8aから剥がすようにしてもよい。また、図8に示すように、しみ取りパッドPの全体を紙製の袋9に収容し、使用に際して一端側の開き口9aより当該袋9を解離破断する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第一実施形態の応急しみ取りパッドの平面図である。
【図2】同応急しみ取りパッドの縦断正面図である。
【図3】本考案に係る第二実施形態の応急しみ取りパッドの縦断正面図である。
【図4】本考案に係る応急しみ取りパッドにおける液封入体の破裂操作を示し、(A)は上からの押圧又は突きによる破裂操作を示す概略縦断正面図、(B)は折り曲げによる破裂操作を示す概略縦断正面図である。
【図5】本考案の応急しみ取りパッドによるしみ取り操作を示す斜視図である。
【図6】本考案に係る第三実施形態の応急しみ取りパッドの概略平面図である。
【図7】本考案の応急しみ取りパッドの保護形態を示す概略縦断正面図である。
【図8】同応急しみ取りパッドの包装形態を示す概略縦断正面図である。
【符号の説明】
P,P1〜P3 応急しみ取りパッド
1 基材シート
2 しみ取り液
3 カプセル(液封入体)
4 液吸収材
5 多孔状カバー
6 凹凸フィルム
7 小室(液封入体)
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
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