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| 【発明の名称】腋臭防止剤 【出願人】 【識別番号】524191435 【氏名又は名称】酒井 信三 【住所又は居所】岐阜県岐阜市日野東2-2-5 【発明者】 【氏名】酒井 信三 【住所又は居所】岐阜県岐阜市日野東2-2-5 【要約】 【課題】腋臭防止効果が高く、かつ皮膚かぶれが起こることがないような安全性の問題のない腋臭防止剤を提供する。 【解決手段】ラクテートをエタノール水溶液に含有させることを特徴とする腋臭防止剤。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ラクテートをエタノール水溶液に含有させることを特徴とした腋臭防止剤。 【請求項2】 ラクテートを0.1質量パーセント乃至30質量パーセントで含有させることを特徴とした請求項1記載の腋臭防止剤。 【請求項3】 ラクテートを0.5質量パーセント乃至1.5質量パーセントで含有させることを特徴とした請求項1記載の腋臭防止剤。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、腋臭防止剤に関する。 【背景技術】 【0002】 腋臭発生の原因は、腋窩部のアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚上に分泌されると皮脂腺から分泌された脂分やエクリン汗腺から分泌された汗と混ざり合い、それが皮膚常在菌により分解され、腋臭症を発する物質が生成されることが知られている。 【0003】 汗の大部分は、水で99%以上といわれており、それ以外の成分として、塩化ナトリウムが約0.65%を占め、その他には、尿素、乳酸および極微量のカリウム、アンモニア、カルシウム、マグネシウム、重炭素イオンなどの電解質が含まれているといわれている。 【0004】 ところで、これまでの腋臭を防止する方法として、アポクリン汗腺に着目し、腋部のアポクリン汗腺を除去する手術療法などが用いられている。また、保存療法として、アポクリン汗腺の活性を阻害する作用を有する腋臭防止剤などを腋部に塗布する方法も用いられている。 【0005】 他方、皮膚常在菌に着目して、エタノール水溶液やイソプロパノール水溶液を腋部に塗布して、皮膚常在菌を殺菌する方法も用いられている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】 特開2001−288063号公報 【特許文献2】 特開2002−284658号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 アポクリン汗腺を除去する手術療法は、精神的な抵抗があるだけでなく、入院や通院が必要になるので、日常生活の自由な活動が著しく制約される。また、除去痕が残り、さらに、アポクリン汗腺が皮膚の中にあるため、除去残しもあるうえ、アポクリン汗腺の再生さえもあるため、完全に取り除くことは困難である。 【0008】 また、保存療法の1つであるアポクリン汗腺活性阻害による腋臭防止剤を用いても、十分な効果が発揮されていないのが実情であった。 さらに、皮膚常在菌殺菌による腋臭防止剤では、皮膚常在菌のうち、善玉菌には一定の効果が認められる一方で、腋臭のメカニズムにおいて、特に大きな役割を果たす悪玉菌には効果が発揮されていないのが実情であった。 【0009】 そこで、本発明は、皮膚常在菌のうち、特に、悪玉菌を殺菌する腋臭防止剤を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記課題を解決するために本発明は、 (1)ラクテートをエタノール水溶液に含有させることを特徴とした腋臭防止剤 また、 (2)ラクテートを0.1質量パーセント乃至30質量パーセントで含有させることを特徴とした(1)の腋臭防止剤 さらに、 (3)ラクテートを0.5質量パーセント乃至1.5質量パーセントで含有させることを特徴とした(1)の腋臭防止剤 である。 【発明の効果】 【0011】 本発明によって、腋臭を効果的に防止し、安全に使用することができる。 【発明を実施するための形態】 【0012】 以下、本発明の効果について試験例を挙げて説明する。 【0013】 [試験1](皮膚常在菌悪玉菌殺菌試験) (1)腋臭防止剤に用いた製品 1ラクテート 乳酸および乳酸重縮合物の混合物で、乳酸(C3H6O3)90%を含有(「食品添加物乳酸」50ml 健栄製薬株式会社) 2エタノール 15℃でエタノール(C2H6O:46.07)76.9〜81.4体積%を含む(「消毒用エタノール『メタル』500ml 中北製薬株式会社) 【0014】 (2)腋臭防止剤(基剤)の調製 5.0mlシリンダーを用いて計量した1ラクテートを3.5ml取り、500mlシリンダーを用いて計量した2エタノールを496.5ml取り、両者を撹拌して混合させ、0.70質量%腋臭防止剤(基剤)を調整した。 試験1で用いた腋臭防止剤のそれぞれの濃度溶液は、そのままの0.70質量%腋臭防止剤(基材)もしくは適切な量の1ラクテートもしくは2エタノールを加えることで調整した。 【0015】 (3)寒天培地の作製 粉寒天4g、片栗粉2g、水400mlを混合して、加熱した。全て溶けて無色透明になった後、サンプル容器(直径7〜8cm)に1〜2cmの厚さになるように注ぎ、常温で放置して固まったものを寒天培地とした。 【0016】 (4)試験方法 先ず、腋臭のある被験者の腋から、接触面積を広くするため人差指、中指、薬指の3本の指に巻き付けた食品用ラップフィルムで、2〜3秒かけて、無色である皮膚常在菌をこそげ取った。 次に、当該ラップフィルムに、予め準備していた、10ccスプレー付容器に入れたそれぞれの濃度溶液の腋臭防止剤を2回噴射(約0.2cc/2回噴射)させた後(もしくは、そのままの状態で)、(3)で作製した寒天培地の中央に擦り付けた。 常温で、それぞれの日数置いた(培養させた)後、無色である皮膚常在菌の有無を、市販のうがい液(ヨウ素含有)の10倍希釈液を用いて、呈色を調べた。 【0017】 デンプンにヨウ素液を加えると、青色や赤色に呈色する化学反応をヨウ素デンプン反応と呼ばれている。 デンプンとは植物が光合成により体内に貯蔵した炭水化物のことであるが、カタクリから取れるデンプンがすなわち片栗粉である。 本試験において、市販うがい液10倍希釈液を用いて青紫色に呈色したら、ヨウ素デンプン反応が起こったため、寒天培地の中央に擦り付けた皮膚常在菌が腋臭防止剤により死滅したと判断した。反対に、青紫色に呈色せず無色透明のままであれば、ヨウ素デンプン反応が起こらなかったため、当該皮膚常在菌が培養されたと判断した。 【0018】 (5)試験条件 (ア)サンプル種類・・・No1(ラクテート0.50%溶液)、No2(ラクテート0.70%溶液)、No3(ラクテート1.00%溶液)、No4(ラクテート1.50%溶液)、No5(比較例1(エタノール100%溶液))、No6(比較例2(そのまま))の6種類 (イ)培養日数・・・3日、5日、10日の3条件 【0019】 (6)試験結果 それぞれの培養日数後のそれぞれのサンプル種類について、観察した結果を「○」(白色部分がない(すなわち皮膚常在菌死滅))「△」(白色部分の有無の判別が困難)「×」(白色部分がある(すなわち皮膚常在菌培養))の3段階に分けて評価した(実施しなかった組合せもある)。 以下の表1に、観察結果と写真を示す。 【表1】 ![]() 【0020】 [試験2](腋臭防止試験A) (1)試験方法 腋臭のある被験者1名に対して、左腋に、10ccスプレー付容器に入れた[試験1](1)1ラクテート(原液)を2回噴射し、右腋はそのままの状態で、1日後に、それぞれの腋臭を評価した。 評価方法は、右腋の臭いと比較して、左腋の臭いに「効果あり」、「効果なし」のいずれかで行った。 【0021】 (2)試験結果 被験者1名は、当該ラクテート(原液)を塗布した左腋は、そのままの状態の右腋と比較して、「効果あり」とし、腋臭を防止したと回答した。 しかしながら、左腋の皮膚がポロポロ剥け、痒みが残るという、いわゆる皮膚かぶれが起こったと回答した。 【0022】 [試験3](腋臭防止試験B) (1)試験方法 [試験2]と同じ被験者1名に対して、今度は、反対に、右腋に、10ccスプレー付容器に入れた[試験1](2)で調製したラクテート0.70%溶液を2回噴射し、左腋はそのままの状態で、1日後に、それぞれの腋臭を評価した。 評価方法は、左腋の臭いと比較して、右腋の臭いに「効果あり」、「効果なし」のいずれかで行った。 【0023】 (2)試験結果 被験者1名は、当該ラクテート0.70%溶液を塗布した右腋は、そのままの状態の左腋と比較して、「効果あり」とし、腋臭を防止したと回答した。 また、右腋の皮膚がポロポロ剥けることも、痒みもなかったと回答した。 【0024】 [試験4](腋臭防止試験C) (1)試験方法 [試験2]の被験者1名とは別の腋臭のある被験者2名に対して、10ccスプレー付容器に入れた[試験1](2)で調製したラクテート0.70%溶液を渡し、左右の腋に2回ずつ噴射するよう伝えた。 【0025】 (2)試験結果 被験者2名は、いずれも、試験前日までと異なり、腋臭がなくなったと回答した。また、皮膚かぶれが起こるような腋の変化はなかったと回答した。 【0026】 以上のことから、本発明であるラクテートをエタノール水溶液に含有させたものは、腋臭を防止する効果が認められた。 |
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