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【考案の名称】暖房装置 【実用新案権者】 【識別番号】594174194 【氏名又は名称】有限会社共栄機工 【住所又は居所】青森県青森市金沢三丁目31番9号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100077849 【氏名又は名称】須山 佐一 【考案者】 【氏名】阿部 勝衛 【住所又は居所】青森県青森市金沢三丁目31番9号 有限会社共栄機工内 【氏名】阿部 直樹 【住所又は居所】青森県青森市金沢三丁目31番9号 有限会社共栄機工内 【氏名】金平 勝浩 【住所又は居所】青森県むつ市大字関根字出戸川目318−9 【要約】 【課題】 安価な燃料を使用し、しかも大がかりな工事を必要としないで、廃熱を有効利用できる構造簡単で小型化できる暖房装置を提供すること。 【解決手段】 燃焼室本体上に、可燃ガス導入口を開口させ、この開口を高温蓄熱部材からなる火格子で覆い、その上に、多数の空気導入口を形成した環状の予備燃焼室と、下端が予備燃焼室に開放する筒状の木質固形燃料貯蔵室を配置する。木質固形燃料は、予備燃焼室で燃焼して可燃ガスを発生し、この可燃ガスは燃焼室本体に導かれて燃焼する。燃焼室本体に接続する鉛直の煙道内には熱交換器が内装されて廃熱が回収される。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 上面に可燃ガス導入口を開口させ、側面には焚口とこの焚口から離れた位置に筒状の燃焼ガス排出口を設けた燃焼室本体と、 前記可燃ガス導入口を囲んで前記燃焼室本体上に配設された側面に多数の空気導入口を形成した環状の予備燃焼室と、 前記燃焼室本体の可燃ガス導入口を覆う高温蓄熱部材からなる火格子と、 前記予備燃焼室上に直立配置されたペレット状、塊状又はオガクズ状の木質固形燃料を収容する下端が前記予備燃焼室に開放する筒状の固形燃料貯蔵室と、 前記燃焼室本体の燃焼ガス排出口に接続された煙道と、 を具備したことを特徴とする暖房装置。 【請求項2】 上面に可燃ガス導入口を開口させ、側面には焚口とこの焚口から離れた位置に筒状の燃焼ガス排出口を設けた燃焼室本体と、 前記可燃ガス導入口を囲んで前記燃焼室本体上に配設された側面に多数の空気導入口を形成した環状の予備燃焼室と、 前記燃焼室本体の可燃ガス導入口を覆う高温蓄熱部材からなる火格子と、 前記予備燃焼室上に直立配置されたペレット状、塊状又はオガクズ状の木質固形燃料を収容する下端が前記予備燃焼室に開放する筒状の固形燃料貯蔵室と、 前記燃焼室本体の燃焼ガス排出口に接続された煙道と、 前記煙道内に配置された水を伝熱媒体とする熱交換器と、 を具備したことを特徴とする暖房装置。 【請求項3】 ほぼ平坦に形成された上面に平坦部を残して可燃ガス導入口を開口させ、側面には焚口とこの焚口から離れた位置に筒状の燃焼ガス排出口を設けた燃焼室本体と、 前記可燃ガス導入口を囲んで前記燃焼室本体上に配設された側面に多数の空気導入口を形成した環状の予備燃焼室と、 前記燃焼室本体の可燃ガス導入口を覆う高温蓄熱部材からなる火格子と、 前記予備燃焼室上に直立配置されたペレット状、塊状又はオガクズ状の木質固形燃料を収容する下端が前記予備燃焼室に開放する筒状の固形燃料貯蔵室と、 前記燃焼室本体の燃焼ガス排出口に接続された煙道と、 前記煙道内に配置された水を伝熱媒体とする熱交換器と、 前記熱交換器の導水口に配管を介して接続され前記燃焼室本体上面の平坦部に設置された温水タンクと を具備したことを特徴とする暖房装置。 【請求項4】 高温蓄熱部材が、ロストル又は焼玉からなることを特徴とする請求項1記載の暖房装置。 【請求項5】 前記予備燃焼室と前記固形燃料貯蔵室は、ほぼ同径の円筒からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の暖房装置。 【請求項6】 前記固形燃料貯蔵室は、下端から上端に向けわずかに小径となるテーパーがつけられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の暖房装置。 【請求項7】 予備燃焼室の外周には、予備燃焼室の空気導入口と対応する位置に空気導入口を穿設した環状の空気調節部材が摺動可能に遊嵌されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の暖房装置。 【請求項8】 前記煙道は、燃焼ガス排出口に水平部を嵌合させてL字状に立ち上げられており、前記熱交換器は、前記煙道のL字状の直立部に内装されて二重管式の熱交換器を構成していることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項記載の暖房装置。 【請求項9】 前記温水タンクは、前記燃焼室本体上面の平坦部に設置されていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項記載の暖房装置。 【請求項10】 前記温水タンクの排水口は配管を介して前記熱交換器の給水口に接続され、前記熱交換器の温水排出口は、配管を介してフロアヒーティングの温水給水口と接続され、フロアヒーティングの温水排出口は配管を介して前記貯水タンクと接続されて循環系を構成しており、前記温水タンク内の水は、ポンプにより前記循環系を循環するように構成されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項記載の暖房装置。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、木材などの破砕物をペレット状、塊状又はオガクズ状に形成した木質固形燃料を効率よく燃焼させるともに、廃熱を温水として利用できるようにした簡便な固形燃料を用いた暖房装置に関する。 【背景技術】 石油、石炭等の化石燃料や電力を利用する家庭用の暖房器具は、広く一般に普及しており、特に、寒冷地においては、冬季には不可欠のものとなっている。 しかし、このような暖房器具で、部屋全体、特に床面までも暖かくしようとすると維持費が高くなる上に、床暖房までも可能な暖房器具は初期の設備コストも高くなるために、一般家庭ではなかなか利用できないという問題があった。 また、燃料費の安い薪、紙、可燃ゴミなどの固形燃料を燃焼させてその燃焼排熱ガスを融雪に利用する提案もなされているが(特許文献1参照)、このような燃焼設備は、大がかりな工事が必要で初期の設備コストが高くなる上に、小規模な家庭内の暖房器具としては効率が悪く不向きであるという問題があった。 【特許文献1】 特開平7−279140号公報 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 このように従来の家庭用の暖房装置は、化石燃料や電力を使用するため、光熱費が高くなるという問題があった。 また、床暖房までも可能な暖房器具は、大がかりな工事が必要で初期の設備コストが高くなる上に、家庭内の暖房器具としては不向きであるという問題があった。 本考案は、このような従来の問題を解消すべくなされたもので、安価な燃料を使用し、しかも大がかりな工事を必要としないで、廃熱を有効利用できる構造簡単で小型化できる暖房装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 上記のような問題を解決するために本考案の暖房装置は、上面に可燃ガス導入口を開口させ、側面には焚口とこの焚口から離れた位置に筒状の燃焼ガス排出口を設けた燃焼室本体と、前記燃焼室本体の可燃ガス導入口を覆う高温蓄熱部材からなる火格子と、前記可燃ガス導入口を囲んで前記燃焼室本体上に配設された側面に多数の空気導入口を形成した環状の予備燃焼室と、前記予備燃焼室上に直立配置されたペレット状、塊状又はオガクズ状の木質固形燃料を収容する下端が前記予備燃焼室に開放する筒状の固形燃料貯蔵室と、前記燃焼室本体の燃焼ガス排出口に接続された煙道と、を具備したことを特徴とする。 本考案の暖房装置の他の実施形態では、前記煙道内に水を伝熱媒体とする熱交換器を内装させることができる。 さらに、本考案の暖房装置のさらに他の実施形態は、ほぼ平坦に形成された上面に平坦部を残して可燃ガス導入口を開口させ、側面には焚口とこの焚口から離れた位置に筒状の燃焼ガス排出口を設けた燃焼室本体と、前記燃焼室本体の可燃ガス導入口を覆う高温蓄熱部材からなる火格子と、前記可燃ガス導入口を囲んで前記燃焼室本体上に配設された側面に多数の空気導入口を形成した環状の予備燃焼室と、前記予備燃焼室上に直立配置されたペレット状、塊状又はオガクズ状の木質固形燃料を収容する下端が前記予備燃焼室に開放する筒状の固形燃料貯蔵室と、前記燃焼室本体の燃焼ガス排出口に接続された煙道と、前記煙道内に配置された水を伝熱媒体とする熱交換器と、前記熱交換器の導水口に配管を介して接続され前記燃焼室本体上面の平坦部に設置された温水タンクとを具備したことを特徴とする。 本考案の暖房装置の燃焼室本体は、一般に、上面が平坦なタイプの通常のストーブの形態をなしており、側面(正面)には紙くずのような可燃性のごみや木くずを投入して燃焼させるための焚口が設けられている。この焚口又は焚口の下に設けられる灰出し口には、燃焼室内に十分な空気を供給する空気口を設けることもできる。この焚口から離れた位置、例えば反対側には、筒状の燃焼ガス排出口が突設されている。 本考案に使用される高温蓄熱部材は、燃料が未燃焼のまま燃焼室に落下するのを防ぐ火格子として機能するとともに、燃料の燃焼熱により赤熱状態となって、燃料の安定的な燃焼を推進させる部材であり、例えば可燃ガスの通路や灰を落下させるためのスリットを放射状に形成したロストルや円錐形の焼玉が用いられる。 予備燃焼室と固形燃料貯蔵室は、固形燃料貯蔵室内の燃料が連続的に予備燃焼室に落下して安定な燃焼が持続するように、ほぼ同径の円筒体とすることが望ましい。 特に、固形燃料貯蔵室の内壁面との摩擦によりブリッジを形成しやすいオガクズのような微細な粒状の燃料を用いる場合には、固形燃料貯蔵室の内面を平滑にするとともに、下端から上端にかけてわずかに小径となるテーパー状に形成して燃料が円滑に落下しやすくすることが望ましい。 予備燃焼室は、耐熱性金属板で形成された環状の部材であり、その外周には、予備燃焼室の空気導入口と対応する位置に空気導入口を穿設したわずかに大径の環状の空気調節部材を周方向に回動可能に遊嵌させて、この空気調節部材を回動させることにより、予備燃焼室の空気導入口の開口面積を変化させて燃焼の程度を調節可能とすることが望ましい。 本考案に用いられる煙道は、L字状の水平端が燃焼室本体の燃焼ガス排出口に接続され、鉛直部の下端近傍は水平部より大径とされて、この部分に蛇管式の熱交換器が内装され、いわゆる二重管式の熱交換器を構成している。熱交換器が内装された部分から上の部分は、いわゆる煙突であり、焚口から十分な吸気が行なわれるのに十分な長さとされている。 本考案における温水タンクは、燃焼室本体からの直接の伝熱も利用するように、底面を平坦にして燃焼室本体上の平坦面に設置される。 温水タンクの水は、温水タンクに蛇口をつけて給湯用として用いることもできるが、煙道に内装した吸熱用の熱交換器と、床面に埋設したフロアヒーティング(放熱用の熱交換器)と、温水タンクを配管で連結して温水循環系を構成し、ポンプで温水をこの系内に循環させるように構成することもできる。 【考案の効果】 本考案の暖房装置では、燃料として利用価値の少ない木材などの破砕物をペレット状、塊状に成形した木質固形燃料やオガクズ状の木質固形燃料を用いるので、燃料コストが安価で済み、従来採算が合わないため、放置されてきた森林の間伐も推進され、環境保全にも寄与することができる。また、家庭用のストーブ等で従来煙突から放出されていた廃熱を給湯や床暖房に有効に利用できるので、エネルギー問題の解決にも貢献することができる。 さらにまた、燃料の供給が自重により行なわれるので機構が簡単で、小型化が容易であり、製造価格も安価にすることができる。 【考案を実施するための最良の形態】 以下本考案の実施の形態を、図面を参照して説明する。 なお、各図で対応する部分には同一の符号を付する。 この実施例の暖房装置は、燃焼室本体1と、予備燃焼室2と、固形燃料貯蔵室3と、L字状の煙道4と、煙道4の鉛直部分に内装されて一体的に作り付けられた熱交換器5と、燃焼室本体1上に設置された温水タンク6と、熱交換器5の出口配管から開閉弁を介して接続されたフロアヒーティング用配管7とから主要部分が構成されている。 燃焼室本体1は、耐熱金属板から形成されており、上から見て幅対長さがほぼ1:2の直方体状又は小判型の箱型をなしている。この燃焼室本体1には、紙屑等を投入して燃やすための焚口が設けられ、この焚口には開閉自在の蝶番式の開閉扉8aが設けられている。なお、この開閉扉8aには、開閉扉8aを閉めた状態でもゴミ屑等を投入できるように、ホッパー81とこのホッパー81の開口を覆う開閉自在の蝶番式の開閉扉81aが設けられている。 燃焼室本体1の上面は平坦面とされ、焚口寄りには、円形の可燃ガス導入口9が形成されている。 燃焼室本体1の焚口と反対側の側面上部寄りには、筒状の燃焼ガス排出口10がほぼ水平に突設されている。燃焼室本体1内部の焚口側と燃焼ガス排出口10側には、それぞれ棚部11が設けられ、これらの棚部11に跨って格子状のロストル12が置かれている。 ロストル12の下には、引出し型の灰受け皿13がおかれており、灰が溜まったときは開閉扉8aの下に開口させた灰出し口を塞ぐように配置された灰受け皿13の面板13aに突設された取っ手13bを引いて灰受け皿13を引き出して灰中に溜まった灰を捨てられるようになっている。 なお、燃焼室本体1の下面には、床面と燃焼室本体1との間に十分な間隙を形成するために4本の支持脚14が設けられている。 燃焼室本体1の上面の可燃ガス導入口9の上には、この可燃ガス導入口9を囲んで予備燃焼室2が配設されている。この実施例の予備燃焼室2は、可燃ガス導入口9の縁上に置かれる耐熱性の金属板からなる鍔状部2aと、この鍔状部2a上に一体に溶接固定された多数の空気導入孔hの形成された同質材からなる短管状部2bとから構成されている。 予備燃焼室2の鍔状部2aの中央の可燃ガス導入口9上には、可燃ガス導入口9の外周に溶接された環状の保持部材9aを介して鋳鉄からなる円錐状の焼玉15が載せられている。焼玉15のテーパー面には、可燃ガスを通過させ、かつ燃焼により生じた灰を燃焼室本体1内に落下させるための複数のスリット15aが形成されている。なお、図示を省略したが、鍔状部2a上に灰を堆積させないようにするために鍔状部2aを格子状に形成するようにしてもよい。 さらに、燃焼灰の落下を容易にするため、焼玉15に代えて、図3に示すような放射状の多数のスリット16aを形成した鋳鉄製のロストル16を用いるようにしてもよい。ロストル16は、焼玉15よりも大径とすることができるので、予備燃焼室2の鍔状部2aの幅を狭くすることができ、その分だけ燃焼灰の落下を円滑に行わせることができる。 この実施例では、予備燃焼室2の外周に、予備燃焼室2の空気導入口hと対応する位置に空気導入口Hを穿設し外周に操作つまみ17aを設けた環状の空気調節部材17が回動可能に遊嵌されている。予備燃焼室2内への空気の供給量、すなわち燃焼の具合は、この操作つまみ17aを回動させることにより調節することができる。 予備燃焼室2の上には、円筒状の固形燃料貯蔵室3が直立状態で設置され上部に蓋3aが被せられている。固形燃料貯蔵室3は、予備燃焼室2よりわずかに小径とされ、下端近くに環状の膨大部3bが形成されており、固形燃料貯蔵室3の下端を予備燃焼室2の上部に挿入すると、この膨大部3bが予備燃焼室2の上縁部に係止されて両者が同軸的に一体化する。 燃焼室本体1の筒状の燃焼ガス排出口10には、L字状の煙道4の水平部が接続されている。煙道4の鉛直部の下端近傍は大径とされ、該部には蛇管型の熱交換器5が内装され、入口配管5aと出口配管5bは煙道4外に導出されている。なお、煙道4の上部は延長されて煙突として屋外に導出されている。 燃焼室本体1の平坦な上面には、底部が平坦な円筒状の温水タンク6が直置きされている。温水タンク6には、上部と下部に配管6a、6bが取り付けられ、上部配管6aは開閉弁6v1を介して熱交換器5の出口配管5bへ接続され、下部配管6bは開閉弁6v3を介して熱交換器5の入口配管5aへ接続されている。 また、配管5bから分岐する配管5cは、開閉弁6v2を介してフロアヒーティング7の入口配管に接続され、フロアヒーティング7の出口配管は、温水タンク6の給水管6cに接続されている。符号Pは、フロアヒーティング7の入口配管の部分に介挿された循環用のポンプである。なお、図示は省略したが、温水タンクには、水位が一定レベル以下となったとき自動的に水道水からの水を補給する汎用の水位自動調節装置が設けられている。 このように構成された本考案の暖房装置は、次のように用いられる。 [ストーブ―給湯用としての使用] ストーブと給湯用としてだけ使用する場合には、フロアヒーティング用としての設備は不要であるが、図示の実施例の装置でも開閉弁6v2を閉としておけば、ストーブ―給湯用として用いることができる。 まず、温水タンク6の水量を確認した後、固形燃料貯蔵室3の蓋3aを開けてペレット状、塊状又はオガクズ状の木質固形燃料を口元近くまで入れる。 次に、予備燃焼室2の空気導入口hから点火器のノズルを挿入して木質固形燃料に着火する。 木質固形燃料に着火すると、はじめは予備燃焼室2内でだけ燃焼が行われる。しばらくすると焼玉15が高温になり、より安定した燃焼が行われるようになる。 このようにして予備燃焼室2内での燃焼がある時間行われると焼玉15が赤熱して木質固形燃料が熱分解して可燃ガスが盛んに発生するようになり予備燃焼室2内だけでは可燃ガスが燃焼しきれなくなり、可燃ガスを含む燃焼ガスは燃焼室本体1に吸引されて燃焼室本体1内で燃焼が行われるようになる。燃焼室本体1内での燃焼が盛んに行われるようになると燃焼室本体1や煙道4内も高温になり、煙道の吸引力が強くなり空気の導入が強力に行われて安定した燃焼が継続するようになる。 このとき、予備燃焼室2では、焼玉15の周囲の木質固形燃料が高温の焼玉15と接触して燃焼し、可燃ガスを含む燃焼ガスは、空気導入口H、hから吸い込まれる空気に導かれて燃焼室本体1に入り、燃焼室本体1内で完全燃焼が行われる。 一方、予備燃焼室2内で燃焼した木質固形燃料から生じた灰は、焼玉15のスリット15aから燃焼室本体1の灰受け皿13上に落下し、一緒に落下した燃え残り屑は、灰受皿13上で燃焼する。また、燃焼や灰の落下により焼玉15近傍に生じた空隙部には、木質固形燃料が自重で落下してきて引き続き燃焼が継続されることになる。 この実施例で生じる温水タンクの温水は、従来煙突から逃がしていた廃熱を回収したものであり、清掃用、風呂用、台所用、融雪用等として有効に利用することができる。 ちなみに、次の寸法で製作した本考案の図示の暖房装置の試作モデルは、固形燃料貯蔵室に充填した木質のペレット燃料がなくなるまで、円滑な燃焼状態を持続し、屋内用のストーブとして十分使用可能であることが確認された。 燃焼室本体:700mmx340mmx200mm(高さ) 予備燃焼室:250φx180mm(高さ) 可燃ガス導入口:130mm 焼玉:140φx150mm(高さ) 固形燃料貯蔵室:240φ(上部)〜250φ(下部)x860mm(高さ) [ストーブ−給湯用−床暖房としての使用] 床暖房用にも回収熱を利用する場合には、予め暖房対象となる床下に埋設しておいたフロアヒーティング7用配管を使用する。 木質固形燃料への着火・燃焼は、前述と同じ方法で行うが、温水タンク6の開閉弁6v3を開き、開閉弁6v1を閉じ、開閉弁6v2を開いてフロアヒーティング7の入口配管側に切り替える。 この弁操作の後、ポンプPを駆動させると、温水タンク6の出口配管6bから出た伝熱媒体の水は、入口配管5aから熱交換器5に入り加温された後、出口配管5bから出て開閉弁6v2からフロアヒーティング7に送られて床暖房をし、再び給水管6cを経て温水タンク6に戻ることを繰り返す。 なお、温水タンク6内の水は熱交換器5で加温されるほか、燃焼室本体1から直接温水タンクの底板を介した伝熱によっても加温される。 また、以上の実施例では、熱交換器を備えた暖房装置の例について説明したが、ストーブとしてだけ使用する場合には、はじめから温水タンク、熱交換器、フロアヒーティング等を装備しておく必要はない。これによって、設備コストをさらに安くすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本考案の一実施例の側面図。 【図2】本考案の予備燃焼室の部分を拡大して示す部分断面図。 【図3】本考案の他の実施例に使用する高温蓄熱部材の他の例を示す平面図。 【図4】本考案の一実施例の正面図。 【図5】本考案の一実施例の背面図。 【図6】本考案の一実施例の平面図。 【符号の説明】 1……燃焼室本体 2……予備燃焼室 2a……鍔状部 3……固形燃料貯蔵室 4……L字状の煙道 5……熱交換器 6……温水タンク 7……フロアヒーティング用配管 8a、81a……開閉扉 81……ホッパー 9……可燃ガス導入口 9a……保持部材 10……燃焼ガス排出口 11……棚部 12……ロストル 13……灰受け皿 13a……面板 13b……取っ手 14……支持脚 15……焼玉 15a、16a……スリット 16……ロストル 17……空気調節部材 17a……操作つまみ 6v1、6v2、6v3……開閉弁 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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