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機械器具
 
【発明の名称】ガス供給装置
【出願人】
【識別番号】519114775
【氏名又は名称】平瀬 剛介
【住所又は居所】大阪府大東市深野北1丁目2番9号
【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
【発明者】
【氏名】平瀬 剛介
【住所又は居所】大阪府大東市深野北1丁目2番9号
【要約】
【課題】容器本体の着脱時に吐出部材への負荷を軽減して、吐出部材の故障のリスクを低減することが可能なガス供給装置を実現する。
【解決手段】酸素を含有するガスを収容する収容室を有する容器本体1と、収容室に収容されたガスの圧力を調整すると共に調整されたガスを吐出する吐出部材2と、吐出部材2とは別体であって、吐出部材2と容器本体1とを接続する接続部材3と、を備え、吐出部材2は、吐出本体部20を備え、接続部材3は、吐出本体部20に接続する接続部30と、接続部30から突出する管状の突出部31と、を備え、突出部31は、接続部30から離間した側の端部である突出先端部314において容器本体1を着脱自在に連結している。
【選択図】図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素を含有するガスを収容する収容室を有する容器本体と、前記収容室に収容された前記ガスの圧力を調整すると共に調整された前記ガスを吐出する吐出部材と、を備えて、使用者に前記ガスを供給するガス供給装置であって、
前記吐出部材とは別体であって、前記吐出部材と前記容器本体とを接続する接続部材を更に備え、
前記吐出部材は、吐出本体部と、前記吐出本体部から突出し、使用者が口にくわえることが可能な給気部と、を備え、
前記接続部材は、前記吐出本体部に接続する接続部と、前記給気部の突出方向とは異なる方向に前記接続部から突出する管状の突出部と、を備え、
前記突出部は、前記接続部から離間した側の端部である突出先端部において前記容器本体を着脱自在に連結し、
前記突出部と前記容器本体とが連結した状態において、前記収容室と前記突出部の内部と前記吐出本体部の内部とが連通する、ガス供給装置。
【請求項2】
前記収容室の内部の圧力を表示する圧力表示部が、前記突出部に設けられている、請求項1に記載のガス供給装置。
【請求項3】
前記収容室の内部に前記ガスを充填するためのガス充填部が、前記突出部に設けられている、請求項1又は2に記載のガス供給装置。
【請求項4】
前記吐出本体部は、前記給気部が突出する部分とは異なる部分に形成された外周面と、前記外周面に開口し、前記吐出本体部の内部と連通する連通口と、を備え、
前記接続部は、前記外周面に沿う形状に形成されると共に当該外周面に密着する密着面を備え、
前記突出部は、前記接続部と接続する端部である突出基端部において前記密着面に開口した基端側開口を備え、
前記接続部と前記吐出本体部とが接続された状態で、前記密着面が前記外周面における前記連通口周りに密着すると共に、前記基端側開口と前記連通口とが連通する、請求項1から3のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記給気部が前記吐出本体部から突出する方向を第1方向とし、前記突出部が前記接続部から突出する方向を第2方向として、
前記第1方向と前記第2方向とが直交しており、
前記第1方向に沿う第1方向視において、前記吐出本体部が円形状の外形を有し、前記突出部が円形状の前記吐出本体部における周方向の一部から突出している、請求項1から4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項6】
前記容器本体を複数備え、
前記突出部が、前記容器本体の数に応じて複数設けられ、
複数の前記突出部それぞれが、前記第1方向視において円形状の前記吐出本体部における前記周方向の異なる部分から、互いに前記第2方向に突出しており、
複数の前記容器本体のそれぞれが、前記第2方向に沿って配置されている、請求項5に記載のガス供給装置。
【請求項7】
前記容器本体と前記接続部材と前記吐出部材とが、互いに組み合わされてガス供給ユニットを構成し、
前記ガス供給ユニットを使用者の腕部に固定するための固定部材を更に備え、
前記第1方向における一方側を第1方向第1側とし、他方側を第1方向第2側として、
前記給気部は、前記吐出部材における前記第1方向第1側の部分から前記第1方向第1側に突出しており、
前記固定部材は、前記吐出部材に対して前記第1方向第2側において当該吐出部材に連結されている、請求項5又は6に記載のガス供給装置。
【請求項8】
前記第1方向における一方側を第1方向第1側とし、他方側を第1方向第2側として、
前記収容室の内部の圧力を表示する圧力表示部が、前記接続部材に設けられ、
前記圧力表示部における表示部分が、前記第1方向第1側を向いている、請求項5から7のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素を含有するガスを使用者に供給するガス供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなガス供給装置の一例が、米国特許出願公開第2013/0333704号明細書(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示されたガス供給装置は、酸素を含有するガス(空気)を収容する収容室を有する容器本体(9)と、収容室に収容されたガスの圧力を調整して当該ガスを吐出する吐出部材(6)と、を備えている。ガス供給装置は、水中などで使用者によって用いられる。そして、吐出部材(6)により吐出されたガスは、使用者に供給され、使用者が呼吸する際の助けとなる。
【0004】
特許文献1に開示されたガス供給装置では、容器本体(9)が、吐出部材(6)の本体部分に対して直接的に連結されている。そして、吐出部材(6)の本体部分に対して容器本体(9)を着脱させることで、空になった容器本体(9)の交換を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 米国特許出願公開第2013/0333704号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、特許文献1に開示されたガス供給装置では、容器本体(9)が吐出部材(6)の本体部分に対して直接連結する構成であるため、容器本体(9)の着脱時に、吐出部材(6)の本体部分に負荷が掛かり易い。この負荷は、容器本体(9)を交換するたびに掛かることになり、交換の頻度が多いと吐出部材(6)の故障の原因となる。特に、吐出部材(6)は構造が複雑で高価になり易いため、吐出部材(6)への負荷はなるべく軽減させることが好ましい。
【0007】
上記実情に鑑み、容器本体の着脱時に吐出部材への負荷を軽減して、吐出部材の故障のリスクを低減することが可能なガス供給装置の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
酸素を含有するガスを収容する収容室を有する容器本体と、前記収容室に収容された前記ガスの圧力を調整すると共に調整された前記ガスを吐出する吐出部材と、を備えて、使用者に前記ガスを供給するガス供給装置であって、
前記吐出部材とは別体であって、前記吐出部材と前記容器本体とを接続する接続部材を更に備え、
前記吐出部材は、吐出本体部と、前記吐出本体部から突出し、使用者が口にくわえることが可能な給気部と、を備え、
前記接続部材は、前記吐出本体部に接続する接続部と、前記給気部の突出方向とは異なる方向に前記接続部から突出する管状の突出部と、を備え、
前記突出部は、前記接続部から離間した側の端部である突出先端部において前記容器本体を着脱自在に連結し、
前記突出部と前記容器本体とが連結した状態において、前記収容室と前記突出部の内部と前記吐出本体部の内部とが連通する。
【0009】
本構成によれば、吐出部材とは別体である接続部材によって、吐出部材と容器本体とを接続している。また、接続部材は、吐出本体部に接続する接続部から突出する突出部を備え、突出部における接続部から離間した側の端部である突出先端部において容器本体を着脱自在に連結している。このような構成により、容器本体を、吐出本体部に対して直接的に接続させることなく、接続部材を介して間接的に接続させることができる。従って、本構成によれば、容器本体の着脱時に生じる負荷を接続部材によって吸収することができ、吐出部材への負荷を軽減することができる。そのため、吐出部材が故障するリスクも低減することができる。
【0010】
ここで、
前記収容室の内部の圧力を表示する圧力表示部が、前記突出部に設けられている、と好適である。
【0011】
本構成によれば、接続部材における突出部を利用して、圧力表示部を配置することができる。従って、例えば圧力表示部を吐出部材に設ける場合に比べて、吐出部材の構造を簡素化することができ、吐出部材が故障するリスクを更に低減することができる。
【0012】
また、
前記収容室の内部に前記ガスを充填するためのガス充填部が、前記突出部に設けられている、と好適である。
【0013】
本構成によれば、収容室の内部におけるガスの容量が少なくなった場合に、新しい容器本体と交換することに代えて、容器本体を接続部材に連結させた状態で収容室にガスを充填することができる。従って、容器本体の着脱の頻度を少なくでき、容器本体の着脱によって生じる負荷が吐出部材に蓄積され難い。また、本構成によれば、接続部材における突出部を利用して、上記のようなガスの充填を行うための充填部を配置することができる。従って、例えばガス充填部を吐出部材に設ける場合に比べて、吐出部材の構造を簡素化することができ、吐出部材が故障するリスクを更に低減することができる。
【0014】
また、
前記吐出本体部は、前記給気部が突出する部分とは異なる部分に形成された外周面と、前記外周面に開口し、前記吐出本体部の内部と連通する連通口と、を備え、
前記接続部は、前記外周面に沿う形状に形成されると共に当該外周面に密着する密着面を備え、
前記突出部は、前記接続部と接続する端部である突出基端部において前記密着面に開口した基端側開口を備え、
前記接続部と前記吐出本体部とが接続された状態で、前記密着面が前記外周面における前記連通口周りに密着すると共に、前記基端側開口と前記連通口とが連通する、と好適である。
【0015】
本構成によれば、接続部材の接続部と吐出部材の吐出本体部とが接続する部分において、ガス漏れを抑制することができる。従って、吐出部材とは別体である接続部材によって吐出部材と容器本体とを間接的に接続する構成であっても、ガス漏れを好適に抑制できる。
【0016】
また、
前記給気部が前記吐出本体部から突出する方向を第1方向とし、前記突出部が前記接続部から突出する方向を第2方向として、
前記第1方向と前記第2方向とが直交しており、
前記第1方向に沿う第1方向視において、前記吐出本体部が円形状の外形を有し、前記突出部が円形状の前記吐出本体部における周方向の一部から突出している、と好適である。
【0017】
本構成によれば、第1方向視において吐出本体部が円形状の外形を有しているため、ガス供給装置を水中で用いる場合に、第1方向に直交する方向に流れる水流を吐出本体部の外形に沿わせて流すことができる。これにより、水の抵抗を軽減することができる。また、本構成によれば、突出部が接続部から突出する方向である第2方向は、第1方向に直交している。そのため、第1方向に直交する第2方向に流れる水流を突出部に沿わせて流すことができる。従って、第2方向に流れる水流により作用する水の抵抗については、更に軽減することが可能となっている。
【0018】
また、
前記容器本体を複数備え、
前記突出部が、前記容器本体の数に応じて複数設けられ、
複数の前記突出部それぞれが、前記第1方向視において円形状の前記吐出本体部における前記周方向の異なる部分から、互いに前記第2方向に突出しており、
複数の前記容器本体のそれぞれが、前記第2方向に沿って配置されている、と好適である。
【0019】
本構成によれば、容器本体を複数備える場合であっても、これらを連結する複数の突出部のそれぞれが、第1方向視において円形状の吐出本体部の周方向の異なる部分に配置されているため、複数の容器本体を効率的に配置することができる。また、複数の突出部のそれぞれは、吐出本体部の周方向の異なる部分に配置されつつも、互いに同じ第2方向に突出しているため、ガス供給装置を水中で用いる場合に、第2方向に流れる水流によって作用する水の抵抗を軽減することができる。従って、複数の容器本体を設けることによる水の抵抗の増大を抑制することが可能となっている。
【0020】
また、
前記容器本体と前記接続部材と前記吐出部材とが、互いに組み合わされてガス供給ユニットを構成し、
前記ガス供給ユニットを使用者の腕部に固定するための固定部材を更に備え、
前記第1方向における一方側を第1方向第1側とし、他方側を第1方向第2側として、
前記給気部は、前記吐出部材における前記第1方向第1側の部分から前記第1方向第1側に突出しており、
前記固定部材は、前記吐出部材に対して前記第1方向第2側において当該吐出部材に連結されている、と好適である。
【0021】
本構成によれば、固定部材によって使用者の腕部にガス供給ユニットを固定することができる。これにより、使用者は、ガスの供給を受けたい場合には、腕部を動かして給気部を口に近づけることにより、当該吐出部材から吐出されるガスの供給を受けることができる。そして、ガスの供給を受けない場合には、ガス供給ユニットが固定されている腕部を含め、両腕を自由に使うことができ、作業性が向上する。また、本構成によれば、固定部材が吐出部材に対して第1方向第2側で連結されているため、ガス供給ユニットが固定部材によって使用者の腕部に固定された状態で、使用者の腕部は吐出部材に対して第1方向第2側に配置されることになる。そして、それとは反対側、すなわち吐出部材における第1方向第1側に給気部が配置されているため、使用者は、ガスの供給を受けたい場合に、給気部を口に近づけるための腕部の動作を行い易くなっている。
【0022】
また、
前記第1方向における一方側を第1方向第1側とし、他方側を第1方向第2側として、
前記収容室の内部の圧力を表示する圧力表示部が、前記接続部材に設けられ、
前記圧力表示部における表示部分が、前記第1方向第1側を向いている、と好適である。
【0023】
本構成によれば、圧力表示部の表示部分が、給気部が吐出本体部から突出する側と同じ第1方向第1側を向いている。そのため、使用者は、給気部からガスの供給を受ける一連の動作において、圧力表示部の表示部分を確認することが容易となる。
【0024】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ガス供給装置の使用例を示す図
【図2】ガス供給装置の斜視図
【図3】ガス供給装置の分解斜視図
【図4】ガス供給装置の平面図
【図5】ガス供給装置の側面図
【図6】ガス供給装置の他の使用例を示す図
【図7】その他の実施形態に係るガス供給装置の使用例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
ガス供給装置100の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。図1に示すように、ガス供給装置100は、酸素を含有するガスを使用者9に供給する装置であり、例えば、潜水用として水中で用いられる。しかし、この他にも、ガス供給装置100は、登山用、防災用、医療用など、様々な用途に用いることが可能である。
【0027】
以下、図2から図5を参照して、ガス供給装置100の構成について説明する。なお、図中において互いに直交するX,Y,Z軸は、ガス供給装置100を構成する複数の要素が組み合わされた状態での各要素間での相対的な方向を示している。ここでは、Z軸に沿う方向を「第1方向Z」とし、X軸に沿う方向を「第2方向X」とし、Y軸に沿う方向を「第3方向Y」とする。第1方向Zと第2方向Xと第3方向Yとは、互いに直交している。以下の説明では、第1方向Zにおける一方側を第1方向第1側Z1とし、他方側を第1方向第2側Z2として、ガス供給装置100の構成について説明する。
【0028】
ガス供給装置100は、酸素を含有するガスを収容する収容室10(図4参照)を有する容器本体1と、収容室10に収容されたガスの圧力を調整すると共に調整されたガスを吐出する吐出部材2と、を備えている。そして、ガス供給装置100は、吐出部材2とは別体であって、吐出部材2と容器本体1とを接続する接続部材3を更に備えている。
【0029】
容器本体1は、円筒状に形成され、その内部に収容室10を有している。容器本体1は、第2方向Xに延在するように配置されている。本実施形態では、ガス供給装置100は、容器本体1を複数備えている。本例では、ガス供給装置100は、2つの容器本体1を備えており、2つの容器本体1のそれぞれは、互いに第2方向Xに延在するように配置されている。また、2つの容器本体1は、第1方向Z及び第2方向Xの双方に直交する第3方向Yに並んで配置されている。
【0030】
収容室10は、酸素を含有するガスを高圧状態で収容する。収容室10に収容されるガスは、酸素を含有するガス、又は酸素ガスそのものであっても良い。本実施形態では、収容室10は、酸素や窒素等を含有する空気を高圧状態で収容する。
【0031】
吐出部材2は、いわゆるレギュレータであり、容器本体1の収容室10に充填されている高圧状態のガス(高圧空気)を、使用者9の潜水深度に合った圧力に減圧して吐出する。吐出部材2は、吐出本体部20と、吐出本体部20から突出し、使用者9が口にくわえることが可能な給気部21と、を備えている。使用者9は、給気部21をくわえた状態でガスの供給を受けることができる。
【0032】
吐出本体部20は、その内部に、高圧状態のガスを減圧する調圧機構(不図示)を備えている。本実施形態では、吐出本体部20は、概ね半球状に形成されており、第1方向Zに沿う第1方向Z視において、円形状の外形を有している。換言すれば、半球状の吐出本体部20が、第1方向Z視において円形状の外形を成すように配置されている。このような構成により、第1方向Zに直交する方向(X,Y平面に沿う方向)に流れる水流を吐出本体部20の外形に沿わせて流すことができ、水の抵抗を軽減することができる。本実施形態では、吐出本体部20は、第1方向Zに直交する平面(X,Y平面)に沿って形成されると共に第1方向第1側Z1を向く平面部201と、平面部201から第1方向第2側Z2に向けて球状に膨出する膨出部202と、を備えている。すなわち本例では、吐出本体部20は、平面部201と膨出部202とによって、全体的に半球状に形成されている。なお、平面部201は、概ね平面状に形成されていれば良く、微小な凹凸を有していても良い。
【0033】
本実施形態では、吐出本体部20は、給気部21が突出する部分とは異なる部分に形成された外周面20Fと、外周面20Fに開口し、吐出本体部20の内部と連通する連通口203(図3参照)と、を備えている。本例では、吐出本体部20における平面部201に、給気部21が設けられている。また、吐出本体部20における膨出部202の外面が、外周面20Fとなっている。外周面20Fは、湾曲状に形成された湾曲面となっている。そして、湾曲状の外周面20Fの一部に、当該外周面20Fに開口する連通口203が設けられている。なお、外周面20Fには、微小な凹凸が形成されていても良い。
【0034】
ここでは、給気部21が吐出本体部20から突出する方向を第1方向Zとしている。本実施形態では、給気部21は、吐出部材2における第1方向第1側Z1の部分から第1方向第1側Z1に突出している。詳細には、給気部21は、吐出本体部20における平面部201に設けられており、平面部201から第1方向第1側Z1に向かって突出するように形成されている。
【0035】
本実施形態では、給気部21は、吐出本体部20から突出する管状の給気路211と、給気路211の先端部で開口する給気口212と、使用者9によって噛み込み挟持される噛み込み部213と、給気口212及び噛み込み部213を覆うと共に使用者9がガスの供給を受ける際に給気口212から吐出されるガスが漏れないように構成されたカバー部214と、を有している。詳細には、カバー部214は、使用者9がガスの供給を受ける際に、当該使用者9の口の周りを覆うように構成されており、ガス供給時のガス漏れを抑制可能となっている。上記の構成により、吐出本体部20の調圧機構で減圧されたガスが、給気路211を通って給気口212から吐出し、使用者9の口内に供給される。また、使用者9は、噛み込み部213を噛み込み挟持することによって、手を使うことなく、顎の力のみで給気部21をくわえた状態を維持することができる。なお、吐出本体部20は、逆止弁を備えた排気路(不図示)を備えており、排気路を介して使用者9の呼気を排出可能であると共に、逆止弁によって吐出本体部20の内部に水が逆流することを抑制可能となっている。
【0036】
接続部材3は、吐出部材2と容器本体1とを接続する部材である。接続部材3は、吐出本体部20に接続する接続部30と、給気部21の突出方向とは異なる方向に接続部30から突出する管状の突出部31と、を備えている。ここでは、突出部31が接続部30から突出する方向を第2方向Xとしている。
【0037】
接続部30は、吐出本体部20に対して第2方向Xから接続するように構成されている。接続部30は、吐出本体部20に接続した状態で、第2方向Xにおける吐出本体部20と突出部31との間に配置される。本実施形態では、接続部30は、吐出本体部20の外周面20Fに沿う形状に形成されると共に当該外周面20Fに密着する密着面30F(図3参照)を備えている。上述のように、本例では、吐出本体部20の外周面20Fは、湾曲状に形成された湾曲面となっている。従って、接続部30の密着面30Fは、吐出本体部20の外周面20Fと同じ方向に湾曲する湾曲状に形成された湾曲面となっている。
【0038】
突出部31は、吐出本体部20から離間した位置において容器本体1を着脱自在に連結する部分である。接続部30と吐出本体部20とが接続した状態で、突出部31は、第1方向Z視において円形状の吐出本体部20における周方向の一部から突出している。
【0039】
上述のように本実施形態では、ガス供給装置100は、複数の容器本体1を備えている。そして、突出部31は、容器本体1の数に応じて複数設けられている。本例では、2つの容器本体1に応じて、2つの突出部31が設けられている。詳細には、単一の接続部30における互いに第3方向Yに離間した位置において、2つの突出部31が突出するように設けられており、2つの突出部31のそれぞれが、独立して容器本体1を連結するように構成されている。
【0040】
本実施形態では、接続部30と吐出本体部20とが接続した状態で、2つの突出部31のそれぞれが、第1方向Z視において円形状の吐出本体部20における周方向の異なる部分から、互いに第2方向Xに突出している。本例では、2つの突出部31のそれぞれは、第1方向Z視において、円形状の吐出本体部20に対して径方向に突出しつつ第2方向Xに向けて曲線状に屈曲する屈曲部312と、屈曲部312に連続して第2方向Xに沿って直線的に延在する直線部313と、を備えている。これにより、2つの突出部31のそれぞれが、吐出本体部20における周方向の異なる部分から突出しつつも互いに第2方向Xに沿って延在する構成が実現されている。そして、2つの突出部31に連結される2つの容器本体1のそれぞれが、第2方向Xに沿って配置されている。このように、突出部31が、曲線状に屈曲する屈曲部312を備えているため、水中において屈曲部312に作用する水の抵抗を軽減できる。また、屈曲部312に連続する直線部313が、第2方向Xに沿って直線的に延在しており、更に、突出部31連結される容器本体1も第2方向Xに沿って配置されているため、第2方向Xに流れる水流によって作用する水の抵抗を効率良く軽減することができる。このような構成から、複数の容器本体1を設けることによる水の抵抗の増大を抑制することが可能となっている。
【0041】
突出部31は、接続部30と接続する端部である突出基端部311において密着面30Fに開口した基端側開口311a(図3参照)を備えている。本例では、2つの突出部31が接続部30に設けられていることから、接続部30の密着面30Fには、2つの基端側開口311aが開口している。
【0042】
突出部31は、接続部30から離間した側の端部である突出先端部314において容器本体1を着脱自在に連結するように構成されている。そして、突出部31は、接続部30から離間した側の端部である突出先端部314において開口する先端側開口314a(図3参照)を備えている。
【0043】
突出部31の基端側では、接続部30と吐出本体部20とが接続された状態で、密着面30Fが吐出本体部20の外周面20Fにおける連通口203周りに密着すると共に、基端側開口311aと連通口203とが連通する。突出部31の先端側では、突出先端部314と容器本体1とが連結した状態において、先端側開口314aと容器本体1の収容室10とが連通する。すなわち、接続部30と吐出本体部20とが接続し、且つ、突出部31と容器本体1とが連結した状態において、収容室10と突出部31の内部と吐出本体部20の内部とが連通する。これにより、収容室10に収容されたガスを、吐出部材2に供給可能となっている。
【0044】
このように、本開示のガス供給装置100によれば、吐出部材2とは別体である接続部材3によって、吐出部材2と容器本体1とを接続している。また、接続部材3は、吐出本体部20に接続する接続部30から突出する突出部31を備え、突出部31における接続部30から離間した側の端部である突出先端部314において容器本体1を着脱自在に連結している。このような構成により、容器本体1を、吐出本体部20に対して直接的に接続させることなく、接続部材3を介して間接的に接続させることができる。従って、容器本体1の着脱時に生じる負荷を接続部材3によって吸収することができ、吐出部材2への負荷を軽減することができる。そのため、高価となり易い吐出部材2が故障するリスクも低減することができる。
【0045】
本実施形態では、ガス供給装置100は、収容室10の内部の圧力を表示する圧力表示部4を備えている。これにより、使用者9は、ガスの残量を確認することができる。上記のように、本実施形態では、突出部31と容器本体1とが連結した状態において、収容室10と突出部31の内部とが連通している。この連通構成を利用して、本例では、収容室10の内部の圧力を表示する圧力表示部4が、突出部31に設けられている。これにより、接続部材3における突出部31を利用して、圧力表示部4を配置することができる。従って、例えば圧力表示部4を吐出部材2に設ける場合に比べて、吐出部材2の構造を簡素化することができ、吐出部材2が故障するリスクを低減することができる。本実施形態では、圧力表示部4における表示部分40が、第1方向第1側Z1を向いている。換言すれば、圧力表示部4の表示部分40は、給気部21が吐出本体部20から突出する側と同じ側を向いている。これにより、使用者9は、給気部21からガスの供給を受ける一連の動作において、圧力表示部4の表示部分40を確認することが容易となっている。なお、圧力表示部4は、圧力変化に応じて揺動する指針を有するアナログ式に構成されていても良いし、ガスの残量を数値や記号などによって示すデジタル式に構成されていても良い。
【0046】
上述のように、収容室10は、酸素や窒素等を含有する空気を高圧状態で収容するように構成されている。そのため、収容室10が空となった場合、或いは、収容室10のガスが少なくなった場合には、圧縮させた空気を収容室10に収容することで、収容室10をガスで満たすことができる。本実施形態では、収容室10の内部にガスを充填するためのガス充填部5が、突出部31に設けられている。これにより、新しい容器本体1と交換することに代えて、容器本体1を接続部材3に連結させた状態で収容室10にガスを充填することができる。従って、容器本体1の着脱の頻度を少なくでき、容器本体1の着脱によって生じる負荷が吐出部材に蓄積され難い。また、本構成によれば、接続部材3における突出部31を利用して、上記のようなガスの充填を行うためのガス充填部5を配置することができる。従って、例えばガス充填部5を吐出部材2に設ける場合に比べて、吐出部材2の構造を簡素化することができ、吐出部材2が故障するリスクを更に低減することができる。本実施形態では、ガス充填部5は、吸気口50(図3参照)と、内部のガスの逆流を防止する弁(不図示)と、吸気口50を塞ぐキャップ51と、を備えている。ガスを充填する場合には、吸気口50からキャップ51を外してガスを充填し、充填が完了すれば、吸気口50をキャップ51で塞ぐようにすると良い。
【0047】
本実施形態では、2つの突出部31のうち一方に圧力表示部4が設けられており、他方にガス充填部5が設けられている。これにより、各機能部を分散して配置することができ、各機能部が一箇所に集中して配置されることを避けることができる。但し、1つの突出部31に圧力表示部4とガス充填部5の双方が設けられていても良い。
【0048】
本実施形態では、容器本体1と接続部材3と吐出部材2とが、互いに組み合わされてガス供給ユニットUを構成している。そして、ガス供給装置100は、ガス供給ユニットUを使用者9の腕部に固定するための固定部材6を更に備えている。これにより、固定部材6によって使用者9の腕部にガス供給ユニットUを固定することができる。そして、使用者9は、ガスの供給を受けたい場合には、腕部を動かして給気部21を口に近づけることにより、当該吐出部材2から吐出されるガスの供給を受けることができる(図1参照)。そして、ガスの供給を受けない場合には、ガス供給ユニットUが固定されている腕部を含め、両腕を自由に使うことができ、作業性が向上する。
【0049】
固定部材6は、使用者9の腕部が挿入される腕部挿入部60と、ガス供給ユニットUに連結される被連結部61と、を備えている。
【0050】
本実施形態では、固定部材6は、吐出部材2に対して第1方向第2側Z2において当該吐出部材2に連結されている。これにより、ガス供給ユニットUが固定部材6によって使用者9の腕部に固定された状態で、使用者9の腕部は吐出部材2に対して第1方向第2側Z2に配置されることになる。そして、それとは反対側、すなわち吐出部材2における第1方向第1側Z1に給気部21が配置されているため、使用者9は、ガスの供給を受けたい場合に、給気部21を口に近づけるための腕部の動作を行い易くなっている。
【0051】
本実施形態では、固定部材6は、可撓性を有する部材により構成されており、本例では、ゴム製のバンド部材により構成されている。当該バンド部材が筒状を成すことで、筒状の腕部挿入部60が形成されている。本例では、筒状の腕部挿入部60の軸心6Axが第2方向Xに沿うように、固定部材6がガス供給ユニットUに対して連結される。これにより、腕部挿入部60に挿入された腕部は、ガス供給ユニットUの容器本体1の延在方向と同じ方向に沿うこととなる。従って、使用者9は、ガス供給ユニットUを腕部に装着した状態での動作を円滑に行い易くなっている。
【0052】
被連結部61は、腕部挿入部60の外周部に設けられている。本実施形態では、吐出部材2は、固定部材6を連結する連結部22を備えている。そして、固定部材6の被連結部61が吐出部材2の連結部22に連結されることにより、固定部材6がガス供給ユニットUに連結される。本実施形態では、連結部22は、被連結部61に形成された連結溝610に嵌合する連結体221を備えている。本例では、被連結部61の連結溝610は、第2方向Xに沿って形成されている。連結体221は、板状に形成されており、連結溝610に対して第2方向Xにスライドして嵌合する。詳細な図示は省略するが、連結体221は、連結溝610に嵌合した状態で、当該嵌合した状態が維持されるロック状態となる。連結部22は、ロック状態を解除するロック解除部を備えていると好適である。これにより、ガス供給ユニットUに対する固定部材6の着脱が容易となる。このロック構造およびロック解除構造としては、公知の構造を採用することができる。
【0053】
このように、ガス供給装置100は、ガス供給ユニットUに連結される固定部材6を備えることで、使用者9の腕部にガス供給ユニットUを装着することが可能となっており、使用者9の動作の自由度を向上されることができる。但し、固定部材6を用いらずに、ガス供給装置100を使用することも可能である。
【0054】
例えば、図6に示すように、吐出部材2を手で把持することにより、ガス供給装置100を使用しても好適である。上述のように、本実施形態では、吐出本体部20が、全体的に半球状に形成されており、第1方向第1側Z1を向く平面部201と、平面部201から第1方向第2側Z2に向けて球状に膨出する膨出部202と、を備えている。図6に示す例では、吐出本体部20における平面部201及び膨出部202が、使用者9が把持するための把持部として機能する。使用者9が平面部201及び膨出部202を把持部として用いる場合には、図6に示すように、吐出本体部20に対して第1方向第2側Z2から手を近づけて、膨出部202を手のひらで覆いつつ、平面部201に指をかける。これにより、吐出本体部20を安定して把持することができる。また、給気部21は、平面部201から第1方向第1側Z1に突出するように設けられているが、平面部201における給気部21周りに指をかけることができ、給気部21が把持の妨げとなることがなく、むしろ吐出本体部20を把持した状態で給気部21を口に近づけ易い構成を実現できている。
【0055】
また、上記とは別に、図7に示すように、容器本体1を把持することにより、ガス供給装置100を使用しても好適である。この場合には、容器本体1が、使用者9が把持するための把持部として機能する。図7に示す例では、容器本体1の外周に、滑り止め部11が形成されている。この滑り止め部11は、使用者9が容器本体1を把持した際の滑り止めの機能を果たす。滑り止め部11は、容器本体1の外周に凹凸形状を設けて構成されても良いし、容器本体1の外周に摩擦係数の高いシート状の部材を装着することにより構成しても良い。例えば、容器本体1の外周に装着されたシリコン製のシート状部材により滑り止め部11が構成されていると良い。
【0056】
〔その他の実施形態〕
次に、ガス供給装置のその他の実施形態について説明する。
【0057】
(1)上記の実施形態では、圧力表示部4が接続部材3における突出部31に設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、圧力表示部4は、例えば、吐出部材2に設けられていても良い。或いは、ガス供給装置100が圧力表示部4自体を備えない構成であっても良い。
【0058】
(2)上記の実施形態では、ガス充填部5が接続部材3における突出部31に設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ガス充填部5は、例えば、容器本体1に設けられていても良い。或いは、ガス供給装置100がガス充填部5自体を備えない構成であっても良い。
【0059】
(3)上記の実施形態では、吐出本体部20が、第1方向Z視において円形状の外形を有し、全体として半球状に形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、吐出本体部20は、例えば、円柱状や多角柱状など、様々な形状であって良い。
【0060】
(4)上記の実施形態では、ガス供給装置100が、2つの容器本体1を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ガス供給装置100は、1つ、又は3つ以上の容器本体1を備えていても良い。
【0061】
(5)上記の実施形態では、複数の容器本体1が、第2方向Xに沿って配置されつつ第3方向Yに沿って並んで配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、複数の容器本体1は任意に配置することができる。その1つとして、例えば、複数の容器本体1は、第2方向Xに沿って配置されつつ第1方向Zに沿って並んで配置されていても良い。
【0062】
(6)上記の実施形態では、ガス供給装置100が、ガス供給ユニットUを使用者9の腕部に固定するための固定部材6を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ガス供給装置100は固定部材6を備えていなくても良い。この場合、ガス供給装置100を、図6や図7に示す使用例に従って用いると好適である。
【0063】
(7)上記の実施形態では、給気部21が、吐出本体部20から第1方向第1側Z1に向かって突出している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、給気部21の突出方向は任意に設定することができる。その1つとして、例えば、給気部21は、吐出本体部20から第3方向Yに沿って突出していても良い。
【0064】
(8)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示に係る技術は、酸素を含有するガスを使用者に供給するためのガス供給装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
100 :ガス供給装置
1 :容器本体
10 :収容室
2 :吐出部材
20 :吐出本体部
20F :外周面
203 :連通口
21 :給気部
3 :接続部材
30 :接続部
30F :密着面
31 :突出部
311 :突出基端部
311a :基端側開口
314 :突出先端部
4 :圧力表示部
40 :表示部分
5 :ガス充填部
6 :固定部材
9 :使用者
U :ガス供給ユニット
Z :第1方向
Z1 :第1方向第1側
Z2 :第1方向第2側
X :第2方向
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6 
【図7】
図7 
ビジネス提案書1 
ビジネス提案書2 
ビジネス提案書3 
試作図面1 
試作図面2 
試作図面3 
試作図面4
試作図面5 
 
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