閉じる
機械器具
 
【発明の名称】光染毛装置
【出願人】
【識別番号】591200634
【氏名又は名称】内田 光正
【住所又は居所】神奈川県小田原市上曽我173−1
【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
【発明者】
【氏名】内田 光正
【住所又は居所】神奈川県小田原市上曽我173−1
【要約】 (修正有)
【課題】使用者へ負担を強いることなく染毛のムラを抑制する光染毛装置を提供する。
【解決手段】光染毛装置は、光染毛剤を塗布した毛髪に光を照射して染毛を行う装置である。この光染毛装置は、フード1、支持部、発光部材5及び送風口94を備えている。フード1は、使用者の頭部を差し入れる開口部1bと内壁面1aを備える。支持部は、フード1を保持する。発光部材5は、フードの内壁面1aに設置されている。送風口94は、フード1の内壁面1aに設置されている。
【選択図】図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光染毛剤を塗布した毛髪に、光を照射して染毛を行う光染毛装置であって、
使用者の頭部を差し入れる開口部と内壁面を備えるフードと、
前記フードを保持する支持部と、
前記フードの前記内壁面に設置された発光部材と、
前記フードの前記内壁面に設置された送風口と、
を備えること、
を特徴とする光染毛装置。
【請求項2】
前記送風口に通じる経路に風を送る送風機を備えること、
を特徴とする請求項1記載の光染毛装置。
【請求項3】
前記送風口に通じ、送風機が挿し込まれる風の取込口を備えること、
を特徴とする請求項1記載の光染毛装置。
【請求項4】
前記フードの前記内壁面から延出し、延び先端部に前記送風口を有し、伸縮、曲げ又は両方が自在の送風管を備えること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の光染毛装置。
【請求項5】
前記送風管は、蛇腹形状を有すること、
を特徴とする請求項4記載の光染毛装置。
【請求項6】
前記送風管は、前記発光部材の設置領域の最外周又は当該設置領域よりも外側に配されること、
を特徴とする請求項4又は5記載の光染毛装置。
【請求項7】
前記フードの前記内壁面に設置され、前記発光部材の光を拡散させる光拡散反射材を備えること、
を特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の光染毛装置。
【請求項8】
前記フードの頂点又は頂点近傍に貫設される排気口を備えること、
を特徴とする請求項1乃至7の何れかに光染毛装置。
【請求項9】
前記送風機は、風量を時間変化させて風を送出すること、
を特徴とする請求項2記載の光染毛装置。
【請求項10】
前記送風口には、格子状の枠が嵌め込まれていること、
を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の光染毛装置。
【請求項11】
各種形状の前記送風口を有し、着脱自在の複数種類の切替部品を備えること、
を特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の光染毛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光を利用した染毛に用いられる光染毛装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、毛髪を染める方法として、光を用いて染毛する光染毛の技術が開発されている。この光染毛の技術は、光によって反応して発色する特定の物質(例えば銀塩)を含む
光染毛剤を毛髪に塗布し、毛髪に日光や蛍光灯の光を当てることにより、発色させ、染毛するものである(特許文献1参照)。この光染毛技術は、染毛剤を毛髪に塗布してから時間を置いたり、洗い流したりする手間がないため、家庭において手軽に使用し、簡易に染毛することが出来る。
【0003】
しかしながら、日光や蛍光灯の光を浴びる場合、光の強さやどの方向から光が照射するかなどを、光染毛しようとする者がコントロールすることは困難であり、光の照射状態が安定しない。そこで、日光や蛍光灯等の照明の状態にかかわらず、光染毛が可能な光染毛装置を提供する技術として、発光機構を有するブラシ状の光染毛装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
ブラシ状の光染毛装置は、ブラシをあてた箇所の染毛が完了するまで、使用者がブラシを固定したまま保持し続けなければならない。使用者は手がふさがった状態で染毛作業を長時間行うこととなるため、使用者にかかる負担が大きくなり、光染毛の本来の手軽さが損なわれる。そこで、内壁面に発光部材を配置したフードを支持部によって中空に保持する光染毛装置が提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
特許文献3の光染毛装置によれば、使用者が頭部を差し入れたフードは、中空に保持されているため、照射中に使用者が保持する必要がない。これにより、使用者は、特段の操作をせずに光染毛装置を用いることが出来る。したがって、光染毛装置の使用にあたって使用者にかかる負担が少なく、手軽に光染毛を行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2008−69131号公報
【特許文献2】 特開2012−55370号公報
【特許文献3】 特開2017−23302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
頭部の外側の毛髪よりも内側の毛髪には光が当たりにくいので、内側の毛髪は染毛が遅く、外側と内側の毛髪とで染毛のムラが大きいという問題がある。また、毛先よりも根元は光が当たりにくいので、根元は染毛が遅く、毛先と根元とで染毛のムラが大きいという問題がある。
【0008】
特許文献2記載の装置では、染毛の状態を判別し、使用者に報知するようにしており、従来と比べると速やかでムラのない光染毛を実現している。この特許文献2の装置では、使用者が染毛の状態を判断する必要はなくなり、判断ミスによるムラは是正される。
【0009】
しかしながら、特許文献2の装置では、頭部の外側の毛髪と内側の毛髪に均等に光を当てる作業、又は毛先と根元に均等に光を当てる作業は、使用者に任せられており、この特許文献2の装置では、使用者の作業ムラに基づく染毛のムラを是正することはできない。
【0010】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、その目的は、使用者へ負担を強いることなく染毛のムラを抑制する光染毛装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決すべく、本発明の光染毛装置は、光染毛剤を塗布した毛髪に、光を照射して染毛を行う光染毛装置であって、使用者の頭部を差し入れる開口部と内壁面を備えるフードと、前記フードを保持する支持部と、前記フードの前記内壁面に設置された発光
部材と、前記フードの前記内壁面に設置された送風口と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
前記送風口に通じる経路に風を送る送風機を備えるようにしてもよい。
【0013】
前記送風口に通じ、送風機が挿し込まれる風の取込口を備えるようにしてもよい。
【0014】
前記フードの前記内壁面から延出し、延び先端部に前記送風口を有し、伸縮、曲げ又は両方が自在の送風管を備えるようにしてもよい。
【0015】
前記送風管は、蛇腹形状を有するようにしてもよい。
【0016】
前記送風管は、前記発光部材の設置領域の最外周又は当該設置領域よりも外側に配されるようにしてもよい。
【0017】
前記フードの内壁面に設置され、前記発光部材の光を拡散させる光拡散反射材を備えるようにしてもよい。
【0018】
前記フードの頂点又は頂点近傍に貫設される排気口を備えるようにしてもよい。
【0019】
前記送風機は、風量を時間変化させて風を送出するようにしてもよい。
【0020】
前記送風口には、格子状の枠が嵌め込まれているようにしてもよい。
【0021】
各種形状の前記送風口を有し、着脱自在の複数種類の切替部品を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
送風口からの風で髪の毛がなびき、頭部の内側の毛髪及び毛髪の根元側も露出する。そのため、頭部の外側及び内側の毛髪、並びに毛髪の毛先から根元まで十分に光が当たり、ムラなく染毛できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】光染毛装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】フードの斜視図である。
【図3】フードの内側を下方から見た図である。
【図4】光染毛装置のコントローラを示す斜視図である。
【図5】送風機が取り付け可能なフードの斜視図である。
【図6】各種形状の送風口を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、光染毛装置の実施の形態について、図1乃至5を参照して具体的に説明する。
【0025】
(全体構成)
図1に示すように、本実施例の光染毛装置はフード1を備える。フード1は、下方へ向けて拡径する傘形状を有し、下面開口部1bと内壁面1aを有する。下面開口部1bは、成人が余裕をもって頭部を差し入れることが出来る大きさに拡がる。例えば、平均的な成人の頭部の周長よりも、下面開口部1bの周長が約10〜30センチ程度長い。また、フード1は、下面開口部1bから使用者が頭部を差し入れた際に、成人の頭部全体を覆うことが出来る大きさ及び深さを有する。また、フード1は、使用者の頭部と内壁面1aとの各所の距離が大きく変わらないように、下面開口部1bに近づくに連れて径変化が緩やか
になっている。
【0026】
このフード1は、内壁面1aから光染毛のための光が放射されている。使用者は頭部をフード1に差し入れて髪の毛に光を当てる。フード1は、使用者がフード1を保持せずに済むように、光染毛装置が備える支持部2によって中空に保持されている。支持部2は、支柱21、基台22及びアーム23を備える。基台22が床面に設置され、基台22から支柱21が起立して延び、支柱21の先端にアーム23が接続される。アーム23の先端部にフード1が固定されている。
【0027】
この基台22は、床面に載置可能な円柱形状や直方体形状等の任意の形状を有して床面に載置される。支柱21は、長手方向が上下方向となるように基台22の上面に載せ置かれた状態で、溶接等により基台22に連結されている。この支柱21は、下部パイプ21a及び上部パイプ21bの2本のパイプによって構成されており、下部パイプ21aが基台22に連結されている。
【0028】
支柱21において、下部パイプ21aの上端開口部には上部パイプ21bの下端部が挿入されて、下部パイプ21aの上端部に固定された締付ナット3により上部パイプ21bは下部パイプ21aに対して固定される。締付ナット3は、上部パイプ21bと下部パイプ21aの固定具であると同時に、高さ調節機構でもある。高さ調節機構は、高さ方向、すなわち上下方向に支持部2を伸縮可能とする機構である。
【0029】
上部パイプ21bの先端とアーム23は角度調節機構4を介して連結している。角度調節機構4は、フード1の向きを任意の角度に変更可能とする関節部材である。角度調節機構4は、公知の角度調整金具等が採用できる。例えば、角度調節機構4は、上部パイプ21bとアーム23に穿設された貫通孔と、両貫通孔を通る共通のボルトであり、使用者の力で上部パイプ21bとアーム23との成す角度を変更できる程度に締結されている。フード1は、この角度調節機構4から延びたアーム23に対して、当該フード1の周縁部の一点又は頂部で取り付けられ、フード1の下面開口部1bが床面と向かい合うように保持されている。
【0030】
使用者は、自らの頭部が、フード1の内壁面1aに囲まれた空間の中央に位置するように、フード1の高さ及び角度を調節しておく。例えば、使用者が椅子に座った状態で光染毛装置を使用する場合、まず、椅子に座った状態での自らの頭部の高さ位置を確認する。そして、確認した高さ位置に、フード1の高さが合うように、締付ナット3によって支持部2の高さを調節する。また、さらに、使用者は椅子に座った状態で、フード1の下面開口部1bの縁に頭部がぶつからずに差し込むことが出来るように、フード1の角度を動かして調節する。
【0031】
締付ナット3を緩めた際には、上部パイプ21bを上下方向へ移動させることができ、支持部2の高さが調節できる。また、締付ナット3を締めると上部パイプ21bが固定され、支持部2の高さが固定される。これにより、支持部2の上部に保持されているフード1の高さを調整し、固定することが出来る。更にアーム23を把持して角度調整機構4を回転させる。これにより、フード1の下面開口部1bの縁に頭部がぶつからずに差し込むことが出来る。
【0032】
使用者は、予め、光染毛を行うことの出来る公知の光染毛剤を毛髪に塗布する。染毛を行いたい箇所の毛髪に塗布すればよく、毛髪全体でも、根元のみの一部分でもよい。光染毛剤を塗布した後、使用者は、椅子に着座して、高さ及び角度を調整済みのフード1に頭部を差し入れ、光染毛装置のスイッチをオンにする。それにより、光染毛装置の電源が入り、フード1の内壁面1aから光が放射される。そして、毛髪が放射された光を浴びるこ
とで、光染毛が促進される。その結果、時間がたつにつれて徐々に髪の色が変化して染毛される。
【0033】
(フード詳細構成)
図2はフード1の内壁面1aを覗く斜視図であり、図3はフード1を下面開口部1bから見た平面図である。図2及び図3に示すように、フード1の内壁面1aには、複数の発光部材5及び光拡散反射材6が配置されている。発光部材5は、フード1の内壁面1aに備えられ、毛髪に光を照射する照明である。発光部材5は、光染毛を行うことが出来る波長の光を発光する部材からなる。発光部材5としては、例えば、蛍光灯やLED等が挙げられる。光拡散反射材6は、光を拡散反射させるシートであって、例えば、光透過性基材表面に微細な凹凸を施した目隠しシートが採用できる。その他、公知の光拡散シートも採用できる。
【0034】
この発光部材5は、フード1の頂部を中心とする領域に配置されている。発光部材5は、フード1の頂部を中心として円周等配位置に配置され、また複数の同心円上に配置される。光拡散反射材6は、発光部材5が配置された領域の外側から下面開口部1bの縁までの間に拡がり、フード1の頂部を中心とするリング形状を成している。
【0035】
図2及び図3に示すように、フード1には更に送風機8と送風管91が設置されている。送風機8及び送風管91は、使用者が頭部をフード1に差し入れて髪の毛に光を照射している間、髪の毛に風を当てて、髪の毛をなびかせる。送風機8は、フード1の頂部外側に設置されている。この送風機8は、筐体内部に羽根を有し、モータ等で羽根を旋回させることで空気を吸入及び送出する。送風管91の一端部は開口して取込口92になっており、送風機8に取込口92で接続され、送風機8が送出した風を取り込んでいる。
【0036】
送風管91は、送風機8からの風の取込口92から延びて、途中で複数本に分岐し、送風機8からの風を各所に分配する。分岐した送風管91は、フード1の外壁面に沿って方々に散らばって延びる。例えば、送風管91は、4本に分岐し、90度の間隔を空けて下部開口部1bに向けて放射状に延びる。フード1には内外を貫く貫通孔93が、下部開口部1bに未達の位置に形成されている。貫通孔93は外部送風管93と同数形成されている。分岐した送風管91は、対応の貫通孔93に挿入され、フード1の内壁面1aから延びている。
【0037】
貫通孔93は、発光部材5が配置された領域の最外周円、又は発光部材5が配置された領域と光拡散反射材6が拡がる領域との間に形成されている。即ち、送風管91は、発光部材5が配置された領域の最外周円か、又は発光部材5が配置された領域よりも外側から延出している。発光部材5が配置された領域の外周円から送風管91が延出する場合、貫通孔93は円周等配位置で並ぶ発光部材5間に穿設され、送風管91は、円周等配位置で並ぶ発光部材5間に延出する。
【0038】
フード1の内壁面1aから延出した送風管91の延び先端部は開口しており、送風機8からの風を放出する送風口94となっている。この送風管91は、少なくともフード1の内壁面1aから延出した部分が蛇腹管によって形成されている。送風管91の全長が蛇腹管で形成されていてもよい。蛇腹管は、伸縮自在、曲げ自在又はこれらの両方が可能な送風管91の一例である。使用者の力によって伸縮自在、曲げ自在又はこれらの両方が可能であれば、送風管91としては蛇腹管に限らず各種管を用いることができる。
【0039】
そして、このようなフード1は、頂部付近に更に排気口95を備える。排気口95は、フード1の内外を貫く孔であり、フード1内と外気とを連通させる。排気口95を設けることで、送風口94から排気口95へ向けた上昇気流が作られ、髪の毛がなびきやすい。
上昇気流が発生し易いように、排気口95の数及び大きさは設定される。
【0040】
尚、図4に示すように、光染毛装置の本体には、調光器71と送風調節器72を備える。調光器71は、発光部材5を制御する制御回路と操作部とを有する発光コントローラである。送風調節器72は、送風機8を制御する制御回路と操作部とを有する送風コントローラである。
【0041】
この調光器71は、発光部材5を点灯又は消灯させるスイッチ71a、71bと、光強度を調節するスイッチ71cを有する。スイッチ71cによって、発光部材5から照射される光の強度が増し、照射される光量が増加する。また、スイッチ71cによって、発光部材5から照射される光の強度が弱くなり、照射される光量が減少する。
【0042】
送風調節器72は、送風のオンオフを切り替えるスイッチ72aと、温風又は冷風を切り替えるスイッチ72b、72cと、風量を切り替えるスイッチ72d、72eとを有する。送風機8には発熱線により成るヒータが内蔵されていてもよく、スイッチ72b、72cによって、ヒータへの通電又は非通電を切り替える。送風機8は、スイッチ72bによって、ヒータで温められた風を送出し、又はスイッチ72cによって、ヒータがオフとなって温風に対して相対的に冷たい風を送出する。また、スイッチ72dによって、羽根の回転速度が上がって風量が増加する。また、スイッチ72eによって、羽根の回転速度が下がり風量が減少する。
【0043】
このようなフード1において、使用者は、フード1の高さ及び向きの調整の他、送風口94が斜め下方から染毛箇所の髪の毛に向くように、フード1の内壁面1aから延びる各送風管91の長さ及び向きを予め調節する。そして、使用者は、椅子に着座して、フード1の高さ及び角度並びに風向きを調整済みのフード1に頭部を差し入れ、調光器71のスイッチ71aと風量調節器72のスイッチ72aをオンにする。
【0044】
それにより、フード1の内壁面1aから光が放射される。また、送風機8が風を作出し、送風管91が取込口92で送風機8の風を取り込んで、送風口94から風を送出させる。これにより、染毛箇所の髪の毛がなびき、頭部の内側の毛髪も発光部材5からの光を浴び、また髪の毛の根元も発光部材5からの光を浴び、ムラ無く染毛される。送風口94の位置及び向きが調整不足の場合には、使用者はフード1の中に手を差し入れ、蛇腹状の送風管91の長さ、曲げ又は両方を再調節すればよい。
【0045】
ここで、フード1の頂部には、排気口95が形成されている。送風口94から送出された空気は排気口95に向かい易くなり、そのため、フード1内には上昇気流が生じ易くなる。即ち、使用者の頭部の下方から上方へ向けた風が生じ易くなる。従って、使用者の髪の毛は更になびき易くなり、頭部の内側の毛髪も発光部材5からの光をより多く浴び、また髪の毛の根元も発光部材5からの光をより多く浴び、より確実にムラ無く染毛される。
【0046】
尚、フード1の内壁面1aから延びる送風管91は、発光部材5の配置領域の最外周又は外側に位置する。そのため、送風管91の影が使用者の頭部に落ちる虞は低減している。また、送風管91が延出した箇所よりもフード1の外周側に光拡散反射材6が配置されている。万一送風管91の影ができ、その影が使用者の頭部に落ちたとしても、影が落ちた領域に向けて光拡散反射材6が発光部材5の光を乱反射させ、影を打ち消す。
【0047】
(効果)
以上のように、この光染毛装置は、光染毛剤を塗布した毛髪に光を照射して染毛を行う装置であり、使用者の頭部を差し入れる下面開口部1bと内壁面1aを備えるフード1と、フード1を中空に保持する支持部2と、フード2の内壁面1aに設置された発光部材5
と、フード1の内壁面1aに設置された送風口94とを備えるようにした。
【0048】
これにより、フード1に頭部を差し入れている間、送風口94から風が送られて髪の毛をなびかせることができ、頭部の内側の毛髪及び毛髪の根元側が露出する。従って、頭部の外側及び内側の毛髪、並びに毛髪の毛先から根元まで十分に光が当たり、染色不足の箇所をなくし、染毛にムラが生じ難くなる。
【0049】
本実施形態の光染毛装置は、送風口94に通じる経路に風を送る送風機8を備えるようにしたが、これに限らず、使用者が予め所持するドライヤー等の送風機8を光染毛装置に取り付け可能としてもよい。即ち、図5に示すように、光染毛装置は、送風機8を内蔵せず、送風口94に通じる取込口92を備える。取込口92に、使用者が所持する送風機8を差し込んで送風する。
【0050】
光染毛装置に送風機8を取り付けられるようにすることで、フード1を軽量化でき、角度調節機構4の経時劣化等によってフード1が垂れ下がるように調整済み角度から変化することを抑制できる。また、光染毛装置のコストを下げることができる。取込口92の形状と送風機8との形状を併せるアダプタを備えるようにしても良い。
【0051】
送風機8が送出する風量は、一定の必要はなく、うねりを有するように時間変化させてもよく、送風機8は風量オートチェンジャーを備えていても良い。風量にうねりを加えることにより、髪の毛のなびき方にも変化が生じ易く、頭部の外側及び内側の毛髪、並びに毛髪の毛先から根元まで均等に光が当たる。
【0052】
また、この光染毛装置は送風管91を備えるようにした。この送風管91は、フード1の内壁面1aから延出して延び先端部に送風口94を有する。そして、このような送風管91を例えば蛇腹形状等によって伸縮、曲げ又は両方が自在となるようにした。
【0053】
例えば送風口94がフード1の内壁面1aに設けられることによって、送風口94の位置及び向きが固定されたとしても髪の毛をなびかせることはできる。しかし、この送風管91を備えることで、送風口94を染毛箇所に対して自在の距離に配置し、送風口94を染毛箇所に対して自在の向きに配置できる。従って、髪型や毛量や染毛箇所を問わず、髪の毛を自在になびかせることができる。即ち、頭部の外側及び内側の毛髪、並びに毛髪の毛先から根元まで、より確実に十分な光を当てることができ、染色不足の箇所をより確実になくし、染毛にムラがいっそう生じ難くなる。
【0054】
この送風管91の延出長、即ちフード1の内壁面1aを基準とした送風口94までの長さは、送風口94の向き及び位置を自在にできればよく、送風口94を上向きにできる長さであってもよい。但し、送風管91を曲げても使用者の頭部に当たらないように、送風管91の径及び蛇腹の細かさを設定することが好ましい。
【0055】
また送風口94の開口形状は、風を送出できればよく、円形、楕円、矩形、多角形、その他の歪な形状でもよい。送風口94の開口形状や送風管91の内周面に刻設された模様によって風を例えばスクリュー状に旋回送出させてもよい。また、送風口94から風が方々に拡散して髪をなびかせるように、例えば送風口94付近が多数のファイバーで形成される等によって細かく分岐させてもよい。
【0056】
また、図6に示すように、送風管91は、縦格子状(図6の(a)参照)、横格子状(図6の(b)参照)、目の細かい網目状(図6の(c)参照)、目の粗い網目状(図6の(d))、その他各種形状の格子、各種方向に向く格子、又は両方の格子の枠が嵌め込まれた送風口94を有するようにしてもよい。これら格子状の枠が嵌め込まれた送風口94
によっても、送風口94から風が方々に拡散して髪をなびかせることができる。
【0057】
更には、これら各種の送風口94を有する切替部品94aを送風管91の先端に嵌め込んで使用してもよい。各種形状の送風口94を使用することによって、各種角度に髪の毛をなびかせ、同時に送風機8の風量オートチェンジャーを使用して髪の毛をなびかせることができる。
【0058】
これらにより、フード1内でヘアブラシを使わず、ヘアブラシの代わりをさせることができ、内側及び根元を含む髪の毛全体を更に簡単にムラ無く染毛できる。
【0059】
また、本実施例において送風管91はフード1の外側を這わせて配管したが、これに限らない。例えば、フード1の外壁面と内壁面との間に送風管91を通してもよい。フード1の壁内部に外壁面と内壁面とを繋ぐ壁を立て、フード1の外壁面と内壁面とこれらを繋ぐ壁とにより画成される通路を作出し、この通路を送風管91として活用してもよい。
【0060】
フード1の内壁面1aから延出する送風管91は、発光部材5の設置領域の最外周又は当該設置領域よりも外側から延出するようにした。これにより、送風管91の伸縮又は曲げ調整によっても、発光部材5と使用者の頭部との間に、送風管91が介在する状況が生じ難くなる。従って、送風管91の存在による染毛のムラや染毛の遅延を抑制できる。
【0061】
また、フード1の内壁面1aに設置され、発光部材5の光を拡散させる光拡散反射材6を備えるようにした。これにより、光拡散反射材6が光を乱反射させて、頭部に落ちる送風管91の影領域に光を向かわせることができる。従って、万一、送風管91の伸縮又は曲げ調整によって、発光部材5と使用者の頭部との間に、送風管91が介在する状況が生じたとしても、送風管91の存在による染毛のムラや染毛の遅延を抑制できる。
【0062】
更に、フード1の頂点又は頂点近傍に排気口95を備えるようにした。これにより、送風口94からの空気が排気口95に向かう上昇気流が生じやすくなり、使用者の髪の毛をより多くなびかせることができる。従って、頭部の外側及び内側の毛髪、並びに毛髪の毛先から根元まで、更に確実に均等な光が当たり、染毛のムラを更に確実に抑制できる。
【0063】
(他の実施形態)
以上のように本発明の実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0064】
上述の実施形態では、フード1は傘形状としたが、これに限られない。例えば、略円錐台形、略多角錐台形、略半球形、又は使用者の頭部に似た形状でも良い。
【0065】
上述の実施形態では、発光部材5は、内壁全面にフード1の頂部を中心とする同心円状に配置されている構成としたが、これに限られない。例えば、内壁全面を覆う態様、市松模様とする態様、フード1の頂部を中心とするらせん状となる態様、開口部縁に対して平行な横縞模様となる態様、開口部縁に対して垂直に縦縞模様となる態様などでも良い。これらの態様で配置した場合、発光部材5の数を減らしながら、全体に均等に配置することが出来る。
【0066】
上述の実施形態では、支持部2は、支柱21及び支柱21を支持する基台22からなり、支柱21の上部にフード1を保持する構成を説明したが、これに限られない。例えば、支持部2は、天井に取り付けられ、天井から床面に向かって伸びる支柱又はケーブルであ
り、中空にフード1を吊り下げて保持する構成でも良い。
【0067】
送風機8は、マイナスイオンなどを送出することもでき、髪の毛をしっとりうるおいなめらかに乾かすこともでき、髪の毛の痛みを抑制できる。
【符号の説明】
【0068】
1 フード
1a 内壁面
1b 下面開口部
2 支持部
21 支柱
21a 下部パイプ
21b 上部パイプ
22 基台
23 アーム
3 締付ナット
4 角度調節機構
5 発光部材
6 光拡散反射材
71 調光器
72 送風調節器
8 送風機
91 送風管
92 取込口
93 貫通孔
94 送風口
94a 切替部品
95 排気口
試作図1 
試作図2 
メッセージ
説明文 
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
【図4】
図4 
【図5】
図5 
【図6】
図6 
ページtop へ