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機械器具
 
【考案の名称】バイオマスを燃料とする燃焼炉
【実用新案権者】
【識別番号】521442486
【氏名又は名称】高野 將
【住所又は居所】大分県竹田市竹田1814番地
【代理人】
【識別番号】100189865
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 正寛
【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
【考案者】
【氏名】高野 將
【住所又は居所】大分県竹田市竹田1814番地
【要約】 (修正有)
【課題】バイオマスの燃料としての利用を促進するため、小型、軽量、安価なバイオマスを燃料とする燃焼炉を提供する。
【解決手段】バイオマス燃料1を、押し棒7および押し板6で、一次燃焼室入り口10を経由して一次燃焼室8へ手動で押し出すのに際し、燃焼温度をコントロールしながら、複数の燃料塊を順次燃焼炉の奥へ位置をずらしながら、送っていく方式を取る。その際、温度計21および覗き窓22からの情報を基に一次燃焼室8内の燃焼状態を監視し、バイオマスの種類により異なる燃焼条件に合わせて、一度に投入する燃料塊の量、次の燃料塊を投入するまでの時間的間隔、送風機19およびバーナー20の利用の程度によって一次燃焼室8内の燃焼状態を調節することができる。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
投入量調整室(4)、投入予備室(5)、一次燃焼室(8)、灰受け槽(11)、二次燃焼室(12)および熱交換室(14)を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉であって、前記投入量調整室(4)は、投入予備室(5)の直上にあり、上部の投入口開閉扉(2)を開いて外部からの燃料投入が可能であり、下部のスライド式仕切り板(3)を開いて投入された燃料を投入予備室(5)に落下可能であり、前記投入予備室(5)は、連続する一次燃焼室(8)に一次燃焼室入り口(10)を経由して接続され、一次燃焼室(8)と反対側から先端に押し板(6)を有する押し棒(7)で燃料塊を一次燃焼室(8)内に押し出し、前記先端に押し板(6)を有する押し棒(7)は、押し板(6)が一次燃焼室入り口(10)に合致するとき一次燃焼室(8)の内壁と共に断熱能を持った耐熱壁を形成し、投入予備室(5)内の燃料塊を一次燃焼室(8)に押し出す機能、および、その際に既に一次燃焼室(8)内に存在する複数個の燃料塊を順次灰受け槽(11)方向に押し出す機能を有し、前記一次燃焼室(8)は、一次燃焼室入り口(10)から灰受け槽(11)まで平坦な炉床(9)を有し、燃焼を補佐する装置として、オイルバーナー(20)及び送風機(19)が設置され、前記灰受け槽(11)は、一次燃焼室(8)内で十分な時間燃焼した燃焼後の灰が、燃料塊が順次押し出されるのに従い灰受け槽(11)に蓄積し、前記二次燃焼室(12)は、一次燃焼室(8)で未燃焼のガスが誘導され、充填されたダイオキシン等の有害物質を熱分解可能な粘土質系触媒(13)により完全燃焼し、前記熱交換室(14)は、二次燃焼室(12)で発生する高温ガスの廃熱を、給水口(16)から供給される水が通る蛇管(15)で吸収し、蒸気出口(17)から取り出す水蒸気を外部利用する、構成を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉。
【請求項2】
燃焼開始時には、一次燃焼室(8)に押し出した初期の燃料塊をオイルバーナー(20)及び送風機(19)に依って着火し、燃焼継続時には、既に一次燃焼室(8)で燃焼している燃料塊の発生熱に依り、その後に押し出された燃料塊が、乾燥および自然発火し燃焼が継続し、
燃焼終了時には、先端に押し板(6)を有する押し棒(7)で一次燃焼室(8)内の灰を灰受け槽(11)まで押し出すと同時に炉床(9)上が清掃される、構成を有する請求項1に記載されたバイオマスを燃料とする燃焼炉。
【請求項3】
燃焼炉で発生する水蒸気の外部利用が、給湯、暖房、温風、蒸気発電である請求項1または請求項2に記載されたバイオマスを燃料とする燃焼炉。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、特段の動力源を必要としないため郊外や山間部などにも設置可能であり、簡潔な構造を持つため小型化が容易かつ安価な、バイオマスを燃料とする燃焼炉に関する。
また、原材料の種類、乾燥度合い、ペレット化等の処理により各々特性が異なるいずれかのバイオマスを燃料とした場合であっても、それに適応した制御が可能であり、点火時および消火時を除く定常運転時には安定した燃焼状態を維持することができる性能を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉に関する。
さらに、二次燃焼室に充填された粘土質系の触媒によって有害な物質を排出せず、熱交換器で生じる水蒸気を活用し、水蒸気発電等に有効利用することができるバイオマスを燃料とする燃焼炉に関する。
【背景技術】
【0002】
脱炭素社会に向け、化石燃料から木質バイオマスへのエネルギー転換が着目されているが、設備費が高額であるためユーザーの導入意欲が薄く、低価格の装置は、機能が落ちるため、なかなかバイオマスへの切り替えがうまくいっていない状況である。
また、ストーカ(給炭機)のバイオマス投入は、スクリュー式が一般的であるが、電力を必要とするため工場や木材加工所等の敷地内に設置する必要がある。その場合、バイオマスの原材料が得られる山間部等から燃料を輸送する必要があるため、原材料が安価な割には燃料自体のコストが高くなってしまう。
【0003】
また、バイオマスの原材料である木質材料の種類や、その乾燥具合、ペレット化等の処理の有無や、そのペレットサイズなどが異なる場合、その燃料に適した乾燥時間や燃焼温度が異なるが、それらに自動で対応させるには大がかりな制御装置が必要になり、装置の大型化や価格の高騰というデメリットが生じる。
一般の薪ボイラーや木屑炊きボイラーは、扉を開けてバッチ式で投入される方法で安価であるが、含水率の高い燃料を用いる場合、投入直後には燃焼炉内の温度が一時的に下がってしまい、煤煙や大気汚染物質の問題が生じる。
【0004】
従来の燃焼装置においては、含水率の高い木質チップに対し、チップ供給口からスロープを設け、スロープ上に旋回流の燃焼ガスを通過させることで、未燃チップの乾燥を促進させている。また、火格子上を往復運動するプッシャーにより、チップが攪拌されて乾燥を促進している。例えば、特許文献1、非特許文献1参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2015−230160号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】株式会社森林環境リアライズ「木質バイオマスボイラー導入・運用にかかわる実務テキスト」(平成25年3月)
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0007】
本考案は、上記のように従来技術が持つ課題、すなわち装置の小型化や低価格化、設置場所の自由度、燃料の種類により異なる燃焼条件の制御、燃焼温度の定常化と排気の清浄化を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本考案は、バイオマス燃料(1)を、押し棒(プッシャー)(7)および押し板(6)で、一次燃焼室入り口(10)を経由して一次燃焼室(8)へ押し出すに際し、燃焼温度をコントロールしながら、いくつかの燃料塊を順次燃焼炉の奥へ位置をずらしながら、送っていく方式を取る。
すなわち、投入量調整室(4)、投入予備室(5)、一次燃焼室(8)、灰受け槽(11)、二次燃焼室(12)、熱交換室(14)を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉であって、前記投入量調整室(4)は、投入予備室(5)の直上にあり、上部の投入口開閉扉(2)で外部からの燃料投入が可能であり、下部のスライド式仕切り板(3)で投入した燃料を投入予備室(5)に落下可能であり、前記投入予備室(5)は、連続する一次燃焼室(8)に一次燃焼室入り口(10)を経由して接続され、一次燃焼室(8)と反対側から先端に押し板(6)を有する押し棒(7)で燃料塊を一次燃焼室(8)内に押し出し、前記先端に押し板(6)を有する押し棒(7)は、押し板(6)が一次燃焼室入り口(10)に合致する時一次燃焼室(8)の内壁と共に断熱能を持った耐熱壁を形成し、投入
予備室(5)内の燃料塊を一次燃焼室(8)に押し出す機能、その際に既に一次燃焼室(8)内に存在する複数個の燃料塊を順次灰受け槽(11)方向に押し出す機能を有し、前記一次燃焼室(8)は、一次燃焼室入り口(10)から灰受け槽(11)まで平坦な炉床(9)を有し、燃焼を補佐する装置として、オイルバーナー(20)及び送風機(19)が設置され、前記灰受け槽(11)は、一次燃焼室(8)内で十分な時間燃焼した燃焼後の灰が、燃料塊が順次押し出されるのに従い灰受け槽(11)に蓄積し、前記二次燃焼室(12)は、一次燃焼室(8)で未燃焼のガスが誘導され、充填されたダイオキシン等の有害物質を熱分解可能な粘土質系触媒(13)により完全燃焼し、前記熱交換室(14)は、二次燃焼室(12)で発生する高温ガスの廃熱を、給水口(16)から供給される水が通る蛇管(15)で吸収し、蒸気出口(17)から取り出す水蒸気を外部利用する、構成を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉である。
燃料塊を燃焼炉の奥に送り込む際には温度計(21)および覗き窓(22)からの情報を基に一次燃焼室(8)内の燃焼状態を監視し、バイオマスの種類により異なる燃焼条件に合わせて、一度に投入する燃料塊の量、次の燃料塊を投入するまでの時間的間隔、送風機(19)およびオイルバーナー(20)の利用の程度によって一次燃焼室(8)内の燃焼状態を調節することができる。
【0009】
一次燃焼室(8)に押し出された直後のバイオマス燃料(1)の燃料塊は、先だって一次燃焼室(8)内に投入され燃焼中の燃料塊の燃焼熱によって含有する水分の蒸発が始まり、やがて十分に乾燥する。これから先は後から押し出された後の燃料塊によって順々に奥に押し込まれ、最後は灰受け槽(11)まで移動する。この間、それぞれの燃料塊は一次燃焼室(8)内の滞在時間に応じて以下の通り燃焼状態が遷移する。
乾燥された燃料塊は徐々に熱分解し可燃性ガス(一酸化炭素、メタン、エタン、水素等)を発生し、やがて引火して燃焼が始まる。さらに、奥に押し込まれた燃料塊は、ガス状の揮発成分(炭化水素類等)の発生がピークになり、やがて熱分解ガスの生成が終息する。さらなる加熱によりタールが発生し、ガス化する。灰受け槽(11)近くまで押し込まれた燃料塊はこの時点で炭が形成され、燃焼による熱エネルギーが最大になる。最後に燃料塊は灰化し灰受け槽に溜められる。
【考案の効果】
【0010】
この考案に係るバイオマスを燃料とする燃焼炉よれば、バイオマスの原材料の種類や処理にかかわらず、安定な燃焼状態を維持することができ、燃焼炉自体も軽量、安価、小型化が実現され、山間部の伐採地近辺などにも設置可能なバイオマスを燃料とする燃焼炉を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この考案の一実施例に係るバイオマスを燃料とする燃焼炉を俯瞰して示す斜視図である。
【図2】この考案の一実施例に係るバイオマスを燃料とする燃焼炉において、バイオマス燃料が温度によっていくつかの段階に分かれて燃焼して行くのを補佐するため、バイオマス燃料を押し棒で所定の位置に移動させるシステムの俯瞰図である。
【図3】一実施例に係るバイオマスを燃料とする燃焼炉に係る一次燃焼室(8)で未燃焼の炭化水素類等を、充填された粘土質系の触媒(13)で熱分解し完全燃焼させる二次燃焼室(12)の透視図である。
【図4】一実施例に係るバイオマスを燃料とする燃焼炉における二次燃焼室(12)からの高温の廃熱を活用して、蛇管(15)を設置した、熱交換室(14)に給水口(16)から水を供給し、発生する水蒸気を蒸気出口(17)から取り出し、給湯・暖房・温風・蒸気発電等に利用する熱交換室(14)の透視図である。
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下、本考案を実施するに当たって好ましい態様を具体的に記載するが、本考案の範囲はこれらにより限定されるものではない。
【0013】
図1〜図4に示すように、一実施例に係るバイオマスを燃料とする燃焼炉は、投入量調整室(4)、投入予備室(5)、一次燃焼室(8)、灰受け槽(11)、二次燃焼室(12)、熱交換室(14)を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉である。前記投入量調整室(4)は、投入予備室(5)の直上に配置されている。調整室(4)は上部の投入口開閉扉(2)を開いて外部からの燃料投入が可能である。また、下部のスライド式仕切り板(3)で投入された燃料を投入予備室(5)に落下可能としてある。前記投入予備室(5)は、これに連続(連通)する一次燃焼室(8)に形成された矩形の一次燃焼室入り口(10)およびこれから所定長さにわたり延長された路床(9)を経由して接続されている。また、この路床(9)上では、投入予備室(5)から投入されたバイオマスの燃料の燃料塊が、先端に矩形板材である押し板(6)を固定した押し棒(7)で一次燃焼室(8)内に押し出しされるよう構成されている。なお、ここではバイオマスの燃料としては例えば乾燥した竹片、木片などが好適とされている。
前記先端に押し板(6)を有する所定長さの押し棒(7)は、押し板(6)が一次燃焼室入り口(10)に合致・閉塞するとき、一次燃焼室(8)の内壁と共に断熱能を持った耐熱壁を形成する。すなわち、押し板(6)は耐熱材で構成されている。
よって、押し棒(7)は、投入予備室(5)内の一定量の燃料塊を一次燃焼室(8)に向かって押し出す機能およびその際に既に一次燃焼室(8)内に存在する複数個の燃料塊を順次灰受け槽(11)方向に押し出す機能を有している。
なお、この一次燃焼室(8)は、投入予備室(5)の床面と同じ高さ位置にてその出口から一次燃焼室入り口(10)を経て灰受け槽(11)まで平坦な炉床(9)を有している。
一次燃焼室(8)にて燃焼を補佐する装置として、オイルバーナー(20)及び送風機(19)が設置されている。もちろんバーナーとしてはこの他ガスバーナーなども適用できる。
前記灰受け槽(11)は、一次燃焼室(8)内で十分な時間燃焼した燃焼後の灰が、燃料塊が順次押し出されるのにしたがい灰受け槽(11)に蓄積するよう路床(9)より一段低い底面を有している。
前記二次燃焼室(12)は、一次燃焼室(8)で未燃焼のガスが誘導され、充填されたダイオキシン等の有害物質を熱分解可能な粘土質系触媒(13)により完全燃焼する。
前記熱交換室(14)は、二次燃焼室(12)で発生する高温ガスの廃熱を、給水口(16)から供給される水が通る蛇管(15)で吸収し、蒸気出口(17)から取り出す水蒸気を外部利用する。外部利用とは、室内暖房への利用の他、例えば上記発電などへの利用も考えられる。
【0014】
投入量調整室(4)では、調節されて一度に投入されるバイオマス燃料が、上部の投入口開閉扉(2)を明けて投入され、下部のスライド式仕切り板(3)を開いて、この投入された燃料を投入予備室(5)に落下させる。この際、投入口開閉扉(2)とスライド式仕切り板(3)のいずれかは閉まっているため、一次燃焼室(8)内の燃焼熱が外気に直接接触することは防がれる。この際先端に押し板(6)を有する押し棒(7)は最も後退させておくため、投入した燃料塊は押し板(6)の前に落下する。
【0015】
先端に押し板(6)を有する押し棒(7)は、投入予備室(5)に落下した燃料塊を、一次燃焼室入り口(10)を経由して一次燃焼室(8)に押し出す機能を有し、燃料塊の移動中以外は押し板(6)を一次燃焼室入り口(10)に合致させ、一次燃焼室(8)の内壁と共に断熱能を持った耐熱壁を形成する。
なお、先端に押し板(6)を有する押し棒(7)の駆動は人力で行うため、外部エネルギーを必要とせず、燃焼炉の小型化、軽量化、低価格化が実現される。
【0016】
一次燃焼室(8)に押し出された燃料塊は、次の燃料塊の押し出しによって少し奥に移動する。これを繰り返すことによって、燃料塊は徐々に一次燃焼室入り口(10)側から平坦な炉床(9)上を灰受け槽(11)まで移動する。移動により滞留する位置は、すなわち一次燃焼室(8)への押し出し後の経過時間と捉えることができる。
【0017】
以下、一次燃焼室入り口(10)からの投入から灰受け槽(11)までに燃料塊がたどる状態を時間軸に沿って説明する。
図2に示すように、バイオマス燃料の燃焼は、燃焼炉に移動直後から、すぐさま空気中の酸素と結合して反応するのではなく、温度によっていくつかの段階を経て燃焼が進行する。
バイオマス燃料の一次燃焼室(8)内に投入直後の燃料塊は、一次燃焼室(8)内の燃焼熱によって加熱され、100℃に達するまでには水分が蒸発し乾燥する(第一次ステップ)。
続いて、第二次ステップでは、200〜300℃で熱分解し、可燃性ガス(一酸化炭素、メタン、エタン、水素等)を発生し、やがて引火して燃焼が始まる。
さらに、第三次ステップにおいては、400℃でガス状の揮発成分(炭化水素類等)の発生がピークになり、やがて熱分解ガスの生成が終息する。さらなる加熱により450℃でタールが発生し、ガス化する。
その後、第四次ステップにて、灰受け槽(11)近くまで押し込まれた燃料塊は、この時点で炭が形成され、燃焼による熱エネルギーが最大になる。
最後に燃料塊は灰化し灰受け槽(11)に溜められる。
【0018】
一次燃焼室(8)内の燃焼状態の調節をするためには、温度計(21)および覗き窓(22)からの情報を基に一次燃焼室(8)内の燃焼状態を監視し、バイオマスの種類により異なる燃焼条件に合わせて、一度に投入する燃料塊の量、次の燃料塊を投入するまでの時間的間隔、送風機(19)およびオイルバーナー(20)の利用の程度によって一次燃焼室(8)内の燃焼状態を調節することができる。
【0019】
このようにして調整された一次燃焼室(8)の内部は、常に各段階の燃料塊が同量存在し、順次燃焼と共に灰受け槽(11)に溜まる灰となっていく。すなわち一次燃焼室(8)の内部はほぼ一定の燃焼状態を保つことができる。さらに全ての燃料塊は平坦な炉床(9)上を並んで移動するため互いに相手の燃料塊の燃焼を阻害することがないため、従来のボイラーで生じる、新しい燃料を投入した時に一時的に炉内の温度が低下することもない。
【0020】
二次燃焼室(12)は、一次燃焼室(8)で未燃焼のガスが誘導され、充填された粘土質系触媒(13)により完全燃焼し、燃焼温度は800℃以上の高温に達するため、可燃性ガスはほとんど存在せず、ダイオキシン等の有害物質も除去される。
【0021】
熱交換室(14)は、二次燃焼室(12)で発生する高温ガスの廃熱を、給水口(16)から供給される水が通る蛇管(15)で吸収し、蒸気出口(17)から取り出す水蒸気を外部利用する。
なお、通常最も利用価値の高い熱利用媒体は水(水蒸気)であるが、他にも油等の熱媒体を加熱することや、空気を含む気体を加熱することにも利用可能である。
【0022】
また、この実施例に係る燃焼炉では、燃焼開始時には、一次燃焼室(8)に押し出した初期の燃料塊をオイルバーナー(20)及び送風機(19)に依って着火し、燃焼継続時には、既に一次燃焼室(8)で燃焼している燃料塊の発生熱に依り、その後に押し出された燃料塊が、乾燥および自然発火し燃焼が継続する。燃焼終了時には、先端に押し板(6
)を有する押し棒(7)で一次燃焼室(8)内の灰を灰受け槽(11)まで押し出すと同時に、炉床(9)上が清掃される構成を有するバイオマスを燃料とする燃焼炉である。
【0023】
本燃焼炉の点火時には、入れ始めた燃料塊が着火するまでは、オイルバーナー(20)及び送風機(19)に依って着火し、一次燃焼室(8)内が必要な温度で安定するまではオイルバーナー(20)を使用する。安定した後はバーナーはOFFとする。
【0024】
本燃焼炉の連続燃焼時には、一次燃焼室(8)内にある燃焼中の燃料塊の熱量により、一次燃焼室(8)内の温度が一定に保たれ、オイルバーナー(20)を用いずとも燃焼が継続する。もちろん送風機(19)は必要に応じて使用する。なおオイルバーナー(20)の使用を妨げるものではない。
本燃焼炉の設備のうちオイルバーナー(20)及び送風機(19)が外部エネルギーを用いるが、必要とする電力はさほど大きくないため、バッテリー等での供給で十分可能である。必要であれば後段の熱交換器からのエネルギーを利用した発電を行い、バッテリーに供給することによって、間接的に燃焼炉の発生エネルギーを内部利用することもできる。なお、家庭用または業務用の電灯線の使用を妨げるものではない。
【0025】
本燃焼炉の終了時には、燃料塊の供給を停止することにより、その時点で一次燃焼室(8)内に存在する燃料塊の燃焼終了を以て一次燃焼室(8)内の温度が低下してくる。十分に温度が低下してから、先端に押し板(6)を有する押し棒(7)で一次燃焼室(8)内の全ての灰を灰受け槽(11)まで押し出すことにより、平坦面である炉床(9)上が清掃される。
【0026】
この実施例に係る燃焼炉にあっては、燃焼炉で発生する水蒸気の外部利用が、給湯、暖房、温風およびまたは蒸気発電であるバイオマスを燃料とする燃焼炉である。
【0027】
熱交換室(14)で加熱される媒体として最も汎用で、加熱された媒体そのものを利用するのは水(水蒸気)または空気であり、通常の給湯、暖房、温風等の供給が出来ることは言うまでもない。
一方加熱された水蒸気を利用するものとしては蒸気機関があり、水蒸気による発電や、モーターに代わる動力源として利用することもできる。
他にも油等の熱媒体などを加熱することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
中山間地域での森林伐採後の林地残材や放置竹林の伐採後の廃竹をバイオマス燃料として活用し、熱電供給装置として地域で活用することで、脱炭素社会に向けた地球温暖化防止の一員として貢献できる。牡蠣筏の使用済み竹材の処理装置としても活用できる。
【符号の説明】
【0029】
1 バイオマス燃料、
2 投入口開閉扉、
3 スライド式仕切り板、
4 投入量調整室、
5 投入予備室、
6 押し板、
7 押し棒、
8 一次燃焼室、
9 炉床、
10 一次燃焼室入り口、
11 灰受け槽、
12 二次燃焼室、
13 粘土質系触媒、
14 熱交換室、
15 蛇管、
16 給水口、
17 蒸気出口、
18 煙突、
19 送風機、
20 オイルバーナー、
21 温度計、
22 覗き窓。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
メッセージ

日本の将来のエネルギーについて、議論は多くありますが、まだ決め手はない様です。
一つの方向性として、国土の70%を占める、持続可能な森林エネルギーに着眼することも重要です。
この発明の装置を、まずは中山間地域に据え、現在のガソリンスタンドに替る、地産地消型のエネルギーステーションに作り替えることも出来ます。
燃料は、山林に廃棄されている林地残材等を、チップ化して使います。
装置はシンプルな構造と小型化により、イニシアルコスト及びランニングコストを、抑えた設計にしました。
また、運転中の温度制御を行って、クリンカやダイオキシンの発生を極力抑えることが出来ます。
燃焼は、温度と酸素により、水分蒸発・乾燥・熱分解・ガス化・燃焼・炭化・灰化のように、段階的に進む原理を本装置に取り入れました。
すなわち、燃料は炉内を押し棒(プッシャー)で押され、温度によって状態を変えながら移動し、効率よく燃焼します。
燃焼の排熱を熱交換して、高温の水蒸気を発生させ、給湯などに熱利用します。
また蒸気タービンを備えて、蒸気発電も可能です。
このように熱利用と蒸気発電によって、熱電併給装置として、エネルギー効率70%以上の高効率で、資源を有効活用します。
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