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【発明の名称】ラベル情報表示システム 【特許権者】 【識別番号】519264298 【氏名又は名称】瀧澤 江利子 【住所又は居所】栃木県宇都宮市平松本町1123-4 【代理人】 【識別番号】100160657 【弁理士】 【氏名又は名称】上吉原 宏 【発明者】 【氏名】瀧澤 江利子 【住所又は居所】栃木県宇都宮市平松本町1123-4 【参考文献】 【文献】 特開2018−085034(JP,A) 【文献】 米国特許出願公開第2002/0101667(US,A1) 【文献】 特開2018−097603(JP,A) 【文献】 特開2014−206811(JP,A) 【文献】 特開2016−206969(JP,A) 【文献】 特開2018−067307(JP,A) 【文献】 特開2017−102595(JP,A) 【文献】 特開2016−119052(JP,A) 【調査した分野】(Int.Cl.,DB名) H04N 1/393 H04N 5/222−5/257 H04N 7/18 G09G 5/00−5/36 【要約】 【課題】 本発明は、スーパーや百貨店、或いはドラッグストアの店舗において、惣菜や弁当、或いは薬品といった内容物の表示に着目する際、購入者の見え易いように拡大して表示してくれる表示システムの提供を課題とするものである。 【解決手段】 本発明は、貼付されたラベル又は印字情報に基づいた画像を表示するシステムであって、基台部と、表示部と、撮影部と、から構成され、前記基台部には、前記商品を載置又は保持するための保持部を有し、前記撮影部にはカメラが搭載され、前記基台部は前記カメラの撮影領域の範囲内となるように配置され、前記カメラからの撮影情報に基づく画像を前記表示部へ表示させる構成手段を採用した。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 商品(S)に貼付されたラベル(10)又は印字情報(20)を見やすくするためのシステムであって、 基台部(40)と、 表示部(50)と、 撮影部(60)と、 から構成され、 前記基台部(40)には、前記商品(S)を載置又は保持するための保持部(41)を有し、 前記撮影部(60)にはカメラ(61)が搭載され、 前記基台部(40)は前記カメラ(61)の撮影領域(62)の範囲内となるように配置され、 前記撮影部(60)又は前記カメラ(61)が、前記基台部(40)に対する位置を移動可能にする配置位置変更機構(65)を備え、 前記撮影部(60)又は前記カメラ(61)に画像認識機能(64)を備え、 前記保持部(41)は前記基台部(40)から水平方向に突き出す載置面を有する台座状、又は中心近傍が開口する腕状に形成されるとともに、前記保持部(41)は透明素材で構成され、 前記撮影領域(62)内に載置した前記商品(S)の前記ラベル(10)又は印字情報( 20)が表されている撮影情報(63)から表示領域(70)を認識し、該表示領域(70)を前記表示部(50)へ拡大表示させるとともに、前記表示領域(70)を画像処理することによって、テキスト変換しアレルゲン表示に係る項目をハイライト表示させることを特徴とするラベル情報表示システム(1)。 【請求項2】 商品(S)に貼付されたラベル(10)又は印字情報(20)を見やすくするためのシステムであって、 基台部(40)と、 表示部(50)と、 撮影部(60)と、 から構成され、 前記基台部(40)には、前記商品(S)を載置又は保持するための保持部(41)を有し、 前記撮影部(60)にはカメラ(61)が搭載され、 前記基台部(40)は前記カメラ(61)の撮影領域(62)の範囲内となるように配置され、 前記カメラ(61)は複数設けられ、 前記撮影部(60)又は前記カメラ(61)に画像認識機能(64)を備え、 前記保持部(41)は前記基台部(40)から水平方向に突き出す載置面を有する台座状、又は中心近傍が開口する腕状に形成されるとともに、前記保持部(41)は透明素材で構成され、 前記撮影領域(62)内に載置した前記商品(S)の前記ラベル(10)又は印字情報(20)が表されている撮影情報(63)から表示領域(70)を認識し、該表示領域(70)を前記表示部(50)へ拡大表示させるとともに、前記表示領域(70)内を画像処理することによって、テキスト変換しアレルゲン表示に係る項目をハイライト表示させることを特徴とするラベル情報表示システム(1)。 【請求項3】 前記撮影部(60)又は前記カメラ(61)に画像認識機能(64)を備え、 前記撮影領域(62)内に載置された物品に表示されたコード(71)を撮影情報(63)から認識し、該コード(71)から得られるコード情報(72)を前記表示部(50)へ表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラベル情報表示システム(1)。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、ラベル情報表示システムに関し、詳しくは、商品に表示された情報を見易くするシステム技術に関するものである。 【背景技術】 【0002】 食品や薬を購入する際に、どんな添加物や成分が含まれているかは気になるところであり、一般の購入者はその商品に貼付されているラベルや表記に着目するものである。平成25年に制定された食品表示法により、食品を扱うスーパー等では、食品の原産地表示等並びに、惣菜等の加工食品では栄養成分や添加物などの表示が明確に義務付けられると共に、係る食品表示法の制定に伴い、以前の、特定加工食品(表記に特定原材料を含まないが、一般的にアレルゲンを含むことが予測できると考えられてきた食品)及びその拡大表記が廃止され、より広範囲の原材料についての表示等が義務付けられることとなった。また、消費者向けに販売される弁当や惣菜については、9項目を表示する必要があり、アレルゲン等、一定の要件に該当する場合には表示しなければならない8項目も追加されている。 【0003】 係る義務化に伴い、特に食物アレルギーを持つ子どもの親等にとっては、アレルギー反応を引き起こす原因を回避できるため、係る表記は重要であり、購入に際しては細心の注意を払うことができる。 但し、弁当や惣菜では、容器包装の見やすい箇所に表示する旨規定されているものの、容器を包装紙で外装する場合には、外装紙に必要な表示をするか又は容器の表示が外装紙を透かして読めるようにするか、外装紙で隠れないようにすればよく、表示に用いる文字及び枠の色は、背景の色と対照的な色とするとともに、表示に用いる文字は、日本工業規格Z8305(1962)に規定する8ポイントの活字以上の大きさの文字を使用しなければならないが、表示可能面積がおおむね150平方センチ以下のものは、5.5ポイントの活字以上の大きさの文字にすることができることとなっている。 【0004】 このため、情報量としては十分といえる表示になったものの、文字が小さく、視力の低い方やお年寄り等には見え難い表示となっている。また、惣菜等では、中身が見えなくならないように、包装容器に底面にラベル貼付されていることが多く、持ち上げて下からのぞき込んだりしなければならない。特に、買い物中の人にとっては片手に荷物を持ったり、子供の手を引いたりしていることが多く、片手での商品の取り扱いには神経を使うこととなる。 【0005】 薬の表示も同様であり、同じ頭痛薬でも鎮痛成分が相違すれば体質的に合わない方もおり、また、薬の飲み合わせなど、外箱等に記載された表示には注意を注ぐこととなる。係る表記についても「使用する者が読みやすく、理解しやすいような用語による正確な記載をすること」、「明瞭に邦文で記載すること」という規定からも、表示を見やすくする配慮が求められている。即ち、医薬品等においてもそこに表示されている内容については明確に把握したいものである。このような状況を鑑みると、簡単な操作で手軽に利用でき、且つ簡易な機構で大きなコストもかからずに、食品や医薬品に表されている情報を見易く拡大表示してくれるシステムが望まれていると考えられる。 【0006】 そこで、従来より、種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「情報読み取り装置、及び区分システム」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。 具体的には、「読み取り率を向上させることができる情報読取装置、区分システム、及び情報読取方法を提供すること」を課題とし、解決手段を「第1撮影部は、対象物をラインセンサによって撮影した第1の撮影画像を出力する。第2撮影部は、前記対象物をエリアセンサによって撮影した第2の撮影画像を出力する。認識部は、前記第1の撮影画像に基づいて前記対象物に対応付けられた第1の表記の前記表示情報を認識不能な場合に、前記対象物に対応付けられた第2の表記の前記表示情報を認識する。」というものである。 しかしながら、特許文献1に記載の技術は、係る技術は、搬送駆動部によって、搬送される商品に対応付けられた表示情報を認識する大掛かりな装置であって、スーパー等の店舗内において利用者が容易に操作できるものではなく、簡易な構造によってコストを抑えるという本発明の課題を解決するに至っていない。 【0007】 また、発明の名称を「表示処理装置及びプログラム」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。 具体的には、「転写媒体上の画像を読み取った読み取り画像を表示する際に、読み取り画像を適正に表示することを可能とする。」ことを課題とし、解決手段を「画像処理装置は、転写媒体上の画像を画像読取部で読み取った読み取り画像を取得し、前記読み取り画像の表示を可能にする制御部を有し、前記制御部は、前記読み取り画像の表示に際し、前記画像読取部における読み取り特性情報に基づいて、前記読み取り画像を補正し、補正した読み取り画像の表示を可能にする」とするものである。 しかしながら、特許文献2に記載の技術は、複合コピー機等の印刷物をプレビュー画面で表示するものを対象としており、商品に貼付されたラベル等から係る表示を読み取るも のではなく、特許文献1と同様、コンパクトでコストを抑えるという本発明の課題を解決するに至っていない。 【0008】 また、発明の名称を「コード情報表示装置、コード情報表示プログラム」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。 具体的には、「コード情報を端末装置の画面に表示する設定をすることを効果的にユーザに促すこと。」を課題とし、解決手段を「コード情報表示装置が、処方せんの画像データを受信する通信部122と、所定の情報をコード化したコード情報が処方せんに含まれていない場合に、画像データを表示し、コード情報が処方せんに含まれており、かつ、コード情報を表示する設定がなされている場合に、コード情報を画像データと並べて表示し、コード情報が処方せんに含まれており、かつ、コード情報を表示しない設定がなされている場合に、コード情報を表示する設定への変更を促す情報を画像データと並べて表示するように表示部123を制御する表示制御部125と、を備える。」というものである。 しかしながら、特許文献3に記載の技術は、処方箋にコード情報が含まれていない場合に、画像データを表示し、所定の条件の下ではコード情報を画像データと並べて表示する制御部を有する表示装置であって、一般の需要者が、利用する簡易な装置ではない点で本発明の課題を解決するに至っていない。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0009】 【特許文献1】 特開2017−200696号 【特許文献2】 特開2018−207456号 【特許文献3】 特開2019−20757号 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 本発明は、スーパーや百貨店、或いはドラッグストアの店舗において、惣菜や弁当、或いは薬品といった内容物の表示に着目する商品を購入する際、購入者に見え易いように拡大して表示してくれる表示システムの提供を課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明は、貼付されたラベル又は印字情報を見やすくするためのシステムであって、基台部と、表示部と、撮影部と、から構成され、前記基台部には、前記商品を載置又は保持するための保持部を有し、前記撮影部にはカメラが搭載され、前記基台部は前記カメラの撮影領域の範囲内となるように配置され、前記カメラからの撮影情報に基づく画像を前記表示部に表示させる構成を採用する。 【0012】 また、本発明は、前記撮影部又は前記カメラが、前記基台部に対する位置を移動可能にする配置位置変更機構を備える構成を採用することもできる。 【0013】 また、本発明は、前記カメラを複数設ける構成を採用することもできる。 【0014】 また、本発明は、前記撮影部又は前記カメラに画像認識機能を備え、前記撮影領域内に載置した物品から前記ラベル又は印字情報が記載されている撮影情報から表示領域を認識し、該表示領域を前記表示部へ表示させる構成を採用することもできる。 【0015】 また、本発明は、前記撮影部又は前記カメラに画像認識機能を備え、前記撮影領域内に載置された物品に表示されたコードを撮影情報から認識し、該コード情報を前記表示部へ表示させる構成を採用することもできる。 【発明の効果】 【0016】 本発明に係るラベル情報表示システムによれば、弁当や惣菜若しくは医薬品等に表示された情報を見易い大きさに拡大できるため、視力の弱い方やお年寄りなどにも当該情報を認識し易くできるという優れた効果を発揮する。 【0017】 また、本発明に係るラベル情報表示システムにおいて、配置位置変更機構を備えるか撮影用のカメラを複数備える構成を採用した場合には、多方向から表示情報を捉えることが可能となるという優れた効果を発揮する。 【0018】 また、本発明に係るラベル情報表示システムにおいて、画像認識機能を備えた構成を採用した場合には、撮影領域内に載置した物品の表示領域を認識し、該表示領域部分の画像を前記表示部へ表示させることが可能になるという優れた効果を発揮するものである。 【0019】 また、本発明に係るラベル情報表示システムにおいて、画像認識機能を備えた前記撮影領域内に載置された物品に表示されたコードを認識し、該コード情報を前記表示部へ表示させることが可能になるという優れた効果を発揮するものである。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】本発明に係る珈琲ラベル情報表示システムの基本構成を説明する基本構成説明図である。 【図2】本発明に係るラベル情報表示システムにおける配置位置変更機構を説明する実施例説明図である。 【図3】本発明に係るラベル情報表示システムにおいて撮影用のカメラを複数備える構成を採用した場合のカメラ配置構成例説明図である。 【図4】本発明に係るラベル情報表示システムの画像認識機能を説明する説明図である。 【発明を実施するための形態】 【0021】 本発明に係るラベル情報表示システム1は、商品を簡単に保持して所望する表示部分を見易く表示できる構成を採用したことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。 【0022】 図1は、本発明に係るラベル情報表示システムの基本構成を説明する基本構成説明図であり、図1(a)は、基台部40に設けられる撮影部60のカメラ61が一台のみで構成される最もシンプルな実施例を示し、図1(b)は、基台部40に配置され、商品Sを保持するための保持部41に開口部を設けて、形状や大きさが異なっても対応しやすい構成を示している。 【0023】 ラベル10は、商品Sや商品Sの外箱等の包装に貼付され、食品等であれば食品表示法の定めるところであり、必要事項が記載されたシール等によって構成される表示物である。例えば、加工食品であると「名称」、「保存の方法」、「消費期限又は賞味期限」、「原材料名」、「添加物」、「原料原産地名」、「内容量又は固形量及び内容総量」、「栄養成分の量及び熱量」、「食品関連事業者の氏名又は名称及び住所」、「製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称」等を表示することが食品表示法により義務付けられている。 【0024】 印字情報20は、上記ラベル10の情報と同様であるが、商品の外箱や。商品自体に直接印字されたものの場合には、該当項目が印字された部分となる。 【0025】 画像30は、貼付されたラベル10、又は印字情報20に基づいて表示部50に表示さ れる画像である。具体的には、撮影領域62の範囲以内に撮影された画像や、該撮影領域62内に載置した物品から前記ラベル10又は印字情報20が記載されている部分を画像認識機能64により、特定して得られた表示領域70の画像である。 【0026】 基台部40は、商品等を載置、把持、挟持等により保持するための基台となる部分である。基台部40には商品等を保持するための保持部41を備え、係る保持部41は、例えば、図1(a)に示すような平板な保持部とし、その上に載置するものや、図1(b)のように板状の部材の間に空間を設けて配置される構成や、図2(a)に示すような、左右に摺動する保持部41による挟持や、図2(b)に示すような台座部42等に商品の段差部を係止させる構成などである。 【0027】 保持部41は、基台部40に設けられ、商品等に貼付されたラベル10や、印字情報20が撮影領域62の範囲内になるように配置された状態を維持するための保持部材である。形状については、図1(a)に示すような、突き出し板を設けたものや、図1(b)に示すような腕部を有することとし、係る腕部には図2に示すような段差部を有することにより、大きさの異なるタッパー容器などに合わせて保持できるようにすることも望ましい。また、保持部41は、開閉方向に摺動することによって、間口の大きさを調整できるようにすることも有効である。係る構成を採用すれば広範囲に大きさの異なる商品に対応することが可能となる。 【0028】 また、保持部41を台座状に形成する場合には、基台部40から水平方向に突き出す載置面を有する形状とし、素材については透明なもので構成し、商品等に貼付されたラベル10や、印字情報20が撮影領域62の範囲内になるように載置するための載置部となる。また、形状については図1(a)に示すように、平板な板状部材や、図1(b)に示すように、中心近傍に開口部を有することにより、縦型の瓶や縦型の外箱に記載されているラベル10や印字情報20を撮影情報63として認識しやすくすることも有効である。また、ラベル10、又は印字情報20等が、商品の底部に表されている場合には下側に配置したカメラ61で撮影可能となるように、透明な素材で構成することが好適である。 【0029】 また、保持部41を、図1(b)、図2(a)、図2(b)に示すように、中心近傍が開口した腕状に形成する場合には、牛乳パックやワインのボトルなどの側面に貼付されたラベル10や、印字情報20を表示情報63として捉えることができる。なお、左右に分配される腕状の部材を常に中心側へ向かおうとする力を有する構成にすることも有効であり、更に、図1(b)、図2(a)、図2(b)に示すように腕状に段差を設けて、大きさの異なるタッパー容器に合わせて挟持できるようにすることも有効である。 【0030】 表示部50は、液晶や有機ELといった所謂ディスプレイやモニターであって、画像30又は、コード情報72に基づく画像30を表示する装置である。なお、タッチパネルにより、表示位置の変更や拡大縮小などが可能なものを選択することが望ましく、また、撮影情報63から表示領域70が認識できない場合には、表示部50のタッチパネル機能により、表示領域を示す指令を指先で与えることによって、認識させることを可能とすることが望ましい。 【0031】 撮影部60は、ラベル10や、印字情報20を前記基台部40に載置された商品等から撮影領域62の範囲内を撮影するためにカメラを備える部材であり、カメラ61が複数ある場合にはこれに対応して撮影部60の配置が定まることとなる。 【0032】 カメラ61は、ラベル10印字情報20が表示された部分との距離が数センチから20センチ程度と近いため、近接撮影可能な単焦点レンズ等を備えたデジタルカメラ等を用いる。但し、単焦点レンズであるとズームが使えないため、撮影部に画像処理する機能を設 けてデジタルズームを可能とすることも有効である。係る構成を採用することにより、より鮮明な近接撮影が可能となるとともに、コスト的にも抑えることが可能となる。但し、これらの構成に限定されるものではなく、ズームレンズでも広角寄りで近接撮影が可能なものであればよい。 【0033】 撮影領域62は、カメラ61の撮影できる範囲であって、通常の食品や薬品等の有する大きさとして考えられる領域である。具体的には、縦・横・高さがそれぞれ30センチ程度で検討する。 【0034】 撮影情報63は、撮影領域62内の範囲でカメラ61によって撮影された情報の元になる。係る撮影情報63は、所望する表示部分以外を含んでいることが多いため、画像認識機能63を備えていない構成では撮影された画像30として表示部50に表示されることとなる。他方、画像認識機能64を設けた構成では画像処理され、表示領域70が切り取られて拡大表示されることとなる。なお、係る表示部50により拡大や表示位置の変更は、表示部50のスクロール機能と拡大縮小機能により、表示領域70を特定してもよい。 【0035】 画像認識機能64は、撮影領域62の範囲として撮影された撮影情報63から特定の場所を識別して切り取り、又は拡大する表示領域70を認識する機能であり、撮影情報63に含まれる一つ以上のオブジェクトを抽出し、該オブジェクトに対応する領域を設定し、撮影情報63から表示領域70を切り取る機能である。具体的には、例えば、ラベル10を認識させる場合であれば、読み取った画像をラインごとに黒から白に変化する色彩の変化に基づいた画素数を検知して、これをラインごとに読み取り、最終ラインと判断されるまで繰り返して表示領域70を特定するなどである。 【0036】 図2は、本発明に係るラベル情報表示システムにおける配置位置変更機構65を説明する実施例説明図であり、図2(a)は、配置位置変更機構65が、設けられている構成を示し、図2(b)は、複数の撮影部60又は、カメラ61を所定の箇所に設置することによって、各カメラ61を切り替えて、配置されるカメラ61を選択的に利用する構成の実施例を示している。 【0037】 配置位置変更機構65は、回動する支持体66にカメラ61を備え、該カメラ61が底部に位置した場合には上向きとなり、基台部に載置された商品等の底部に貼付されたラベル10等を撮影可能とし、カメラ61が側部に位置した場合には横向きとなり、基台部に載置された商品等の側部に貼付されたラベル10等を撮影可能とし、カメラ61が上部に位置した場合には下向きとなり、基台部に載置された商品等の上部に貼付されたラベル10等を撮影可能とする機構である。 【0038】 支持体66は、配置位置変更機構65において、撮影部となるカメラ61の配置位置を変更するための取り付け基台であり、基台部40に配置される商品S等を上下、又は左右に、干渉しないよう回動の軸心から、オフセットされた位置にカメラ61を配置する。 【0039】 図3は、本発明に係るラベル情報表示システムにおいて撮影用のカメラを複数備える構成を採用した場合のカメラ配置構成例説明図であり、図3(a)は、商品Sの上面にラベルが貼付され、印字情報が表示されている状態を例示したものであり、図3(b)は、配置される複数のカメラ61におけるそれぞれの撮影領域を示している。 【0040】 図4は、本発明に係るラベル情報表示システムの画像認識機能を説明する説明図であり、図4(a)は、撮影領域62の領域内に保持部41によって挟持された商品Sの全体を捉えている状態を示し、図4(b)は、その商品Sに表示された表示内容の中からラベル10部分の表示領域70を特定して表示部50へ画像30を表示している状態を示してい る。 【0041】 表示領域70は、拡大表示を所望する部分の範囲であり、例えば加工食品である場合には9項目の表示が義務付けられており、更に一定の要件に該当する場合にはアレルゲン等のその他の8項目の表示なども含まれることとなる。なお、図4(b)では、9項目すべてを記載できなかったため、6項目を選択して表したものであり、一定の要件に該当する項目については、アレルゲン表示に係る1項目のみを表したものである。なお、画像処理やOCR機能によるテキスト変換から、「蕎麦」、「ソバ」、「卵」、「たまご」、「タマゴ」等を認識して、係る部分はハイライト表示させるとより好適である。 【0042】 コード71は、文書情報の中でも文字を中心とした情報、或いは画像情報を検索するための牽引となる目的で入力されている情報で、バーコード等の一次元コードや、QRコード(登録商標)等の二次元コードを含み、データベースなどにアクセスすることでより詳細な商品情報を入手することが可能となる。 【0043】 コード情報72は、各商品に義務付けられ、又は励行される表示等を情報としてストックされた商品名、原産地、成分、或いは分量等を商品ごとにまとめられた情報であり、コード71が画像処理によって、データベース等から抽出される商品Sの詳細情報のことである。 【0044】 通信システム80は、基台部40や撮影部60から画像信号を表示部50へ送信するための無線、又は有線による通信手段であり、図2(b)に示すように表示部50が独立して離れた位置に配置される場合、例えば、通信システム80にブルートゥース(登録商標)や、Wi−Fi(登録商標)の近距離通信システムを利用することも有効である。 【産業上の利用可能性】 【0045】 本発明に係るラベル情報表示システムによれば、スーパーや百貨店、或いはドラッグストアといった、商品の内容に注意を払う店舗等において、購入者の利便性を図ることができる上で、産業上利用可能性は高いと思料されるものである。 【符号の説明】 【0046】 1 ラベル情報表示システム 10 ラベル 20 印字情報 30 画像 40 基台部 41 保持部 50 表示部 60 撮影部 61 カメラ 62 撮影領域 63 撮影情報 64 画像認識機能 65 配置位置変更機構 66 支持体 70 表示領域 71 コード 72コード情報 80 通信システム |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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