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機械器具
 
【発明の名称】緩み止めねじ
【出願人】
【識別番号】522440441
【氏名又は名称】小川 聰司
【住所又は居所】埼玉県八潮市緑町2丁目25-34 コーポタカハシ202
【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
【発明者】
【氏名】小川 聰司
【住所又は居所】埼玉県八潮市緑町2丁目25-34 コーポタカハシ202
【要約】
【課題】優れた緩み止め効果を発揮するねじを提供すること。
【解決手段】前記課題を解決する緩み止めねじ1は、被締結部材8に設けられた雌ねじ12に螺合される雄ねじである緩み止めねじ1であって、2以上のねじ部品3を、前記ねじ部品3の軸心が一致するように連結して、前記緩み止めねじ1を形成させることができ、前記ねじ部品3同士は、前記ねじ部品3の外径よりも小径の連結ねじ4によって連結することが可能であり、前記ねじ部品3の軸心と前記連結ねじ4の軸心は一致しており、前記連結ねじ4のピッチPC4は前記ねじ部品3のピッチPC3よりも大きくなっており、前記連結ねじ4の螺旋方向と、前記ねじ部品3の螺旋方向は同方向であり、前記緩み止めねじ1を前記被締結部材8の雌ねじ12に螺合した状態で、前記緩み止めねじ1の軸方向における前記ねじ部品3同士の境目9が、前記被締結部材8の雌ねじ12内に位置する構成を備えている。
【選択図】図3
選択図
メッセージ

一度締めたら緩まないネジ」の構造発案で特許申請しました。
 特殊工具にて緩めなければ、構造的に絶対に緩みません。特殊な物を作り出す必要は無く、既存のネジの組み合わせで緩まないネジを作り出す事が出来る為、量産も可能と思われます。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被締結部材に設けられた雌ねじに螺合される雄ねじである緩み止めねじであって、
2以上のねじ部品を、前記ねじ部品の軸心が一致するように連結して、前記緩み止めねじを形成させることができ、
前記ねじ部品同士は、前記ねじ部品の外径よりも小径の連結ねじによって連結することが可能であり、
前記ねじ部品の軸心と前記連結ねじの軸心は一致しており、
前記連結ねじのピッチは前記ねじ部品のピッチよりも大きくなっており、
前記連結ねじの螺旋方向と、前記ねじ部品の螺旋方向は同方向であり、
前記緩み止めねじを前記被締結部材の雌ねじに螺合した状態で、前記緩み止めねじの軸方向における前記ねじ部品同士の境目が、前記被締結部材の雌ねじ内に位置する、
ことを特徴とする緩み止めねじ。
【請求項2】
前記連結ねじによって連結される前記ねじ部品同士のうち、一方の前記ねじ部品の軸方向一端側から前記連結ねじが軸方向外側へ延出しており、
他方の前記ねじ部品の軸方向他端部が、前記連結ねじと螺合するねじ部品雌ねじを有しており、
前記連結ねじが前記ねじ部品雌ねじに螺合されることで、前記ねじ部品同士が前記連結ねじを介して結合されて、緩み止めねじが形成される、
請求項1に記載の緩み止めねじ。
【請求項3】
前記ねじ部品は、前記連結ねじが螺合されるねじ部品雌ねじを有し、
前記連結ねじが前記ねじ部品雌ねじに螺合した状態で、
螺合した前記連結ねじの先端と、前記ねじ部品雌ねじの底との間に空隙を有する、
請求項1〜2に記載の緩み止めねじ。
【請求項4】
前記緩み止めねじは、3以上の前記ねじ部品を有し、
前記ねじ部品は前記連結ねじで連結されており、
前記緩み止めねじの軸方向における、全ての前記ねじ部品同士の境目が、前記被締結部材の雌ねじ内に位置する、
請求項1〜2に記載の緩み止めねじ。
【請求項5】
前記連結ねじの外周面、前記連結ねじの軸方向端面、および前記ねじ部品の前記連結ねじ側の軸方向端面の少なくともいずれか1つに、錆止め加工が施されている、
請求項1または2に記載の緩み止めねじ。
【請求項6】
前記連結ねじの軸方向端部には、前記緩み止めねじを取り外すための細長状の取り外し部材を固定する固定溝が設けられており、
前記ねじ部品雌ねじを備えた前記ねじ部品には、前記取り外し部材を挿通する挿通孔が、当該ねじ部品の軸方向に沿って設けられており、
前記挿通孔は、前記ねじ部品雌ねじを備えたねじ部品のうちの、連結ねじと反対側の軸方向端部から、少なくとも、ねじ部品同士を連結させた状態で前記連結ねじの前記固定溝が位置する箇所まで、延出しており、
前記挿通孔の横断面における短手方向の長さが、前記取り外し部材の横断面における長手方向の長さよりも短い構成とされ、
前記取り外し部材を前記挿通孔に挿通して前記取り外し部材の先端部を前記連結ねじの固定溝に固定した状態で、前記取り外し部材を回転させることにより、前記挿通孔を備えたねじ部品と前記連結ねじを備えたねじ部品とを同時に回転させて前記緩み止めねじを取り外すことが可能である、
請求項2に記載の緩み止めねじ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩み止め機能を備えたねじに関する。
【背景技術】
【0002】
物と物とを締結するために使われるねじは、使い続けていると、締結した部分が緩むことがある。緩んだままさらに使い続けると、ねじが外れてしまうなどの危険があり、安全性に問題が生じる。そのため、従来から、ねじの様々な緩み止め方法が提案されている。
【0003】
そのうちの1つは、緩みが生じないように、締結した部分を接着剤で固定してしまう方法である。接着剤をねじ山に塗ってからねじを締めることで、締結した部分を固定する。接着剤は熱に弱いため、締結した部分を加熱することでねじを取り外すことができる。
【0004】
この方法は、一旦締結したら頻繁に取り外す必要がない場合や、一度も取り外す必要がない場合に用いられる。例えば、組み立て後に一度も分解する予定がなく、使用が終わるとそのまま廃棄される、販促用ディスプレイなどに使用される。
【0005】
また、古くから、ねじの構造自体に工夫を凝らした緩み止め方法も多数提案されている。例えば、下記特許文献1、2には、1本のボルトを上下で2つに分断し、ボルトの頭を有する第一ボルトと、ボルトの先端を有する第二ボルトとを偏心して嵌め合わせることにより緩みを防止するボルトが開示されている。偏心前のボルトを、あたかも1本のボルトのようにボルト穴に嵌め込んだ後、第二ボルトのみ偏心させることで、径方向のずれによるロック作用により緩みが防止される。
【0006】
また、偏心以外を利用した緩み止め方法も開示されている。図15に示すように、下記特許文献3には、バネ座金18と、締結される部材(被締め付け部材19)の雌ねじ部20に上下2段に螺合される、第一ボルト21と第二ボルト22を有した緩み止めボルト17が開示されている。雌ねじ部20は右ねじである。第一ボルト21は、雌ねじ部20よりも小径でピッチが小さく、左ねじの小径雄ねじ部23を有している。第二ボルト22はその小径雄ねじ部23が螺入する小径雌ねじ部24を有している。この小径雄ねじ部23が小径雌ねじ部24に螺入された状態のボルトが、被締め付け部材19の雌ねじ部20に螺合される。
【0007】
第一ボルト21を右に回していくと、第一ボルト21は矢印Cの方向に力を受ける。第一ボルト21を右に回す力は、小径雄ねじ部23を介して第二ボルト21にも伝わる。小径雄ねじ部23は左ねじのため、第一ボルト21を右に回すと、第二ボルト22に対し相対的に矢印Cの方向に移動することによって、第一ボルト21と第二ボルト22との間に隙間25が生じる。このとき、第二ボルト22は、第一ボルト20とは反対に、被締め付け部材19の雌ねじ部20を矢印Dの方向に押しつける。よって、雌ねじ部20は、第一ボルト21から矢印Cの方向に押圧力を受け、第二ボルト21から矢印Dの方向に押圧力を受けるので、引張方向の力が作用することになる。こうして、緩み止めボルト17と被締め付け部材19の雌ねじ部20の間にロッキング力が作用し、優れた緩み止め効果を得ることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開2020−091019号
【特許文献2】 特開2020−183772号
【特許文献3】 特開2010−043678号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ねじの緩み止め方法として、ねじの締結部分を接着剤で固定してしまう方法があるが、この方法では、ねじを締める前にねじ山に接着剤を塗る必要があるため、手間が掛かるうえ、接着剤の費用が追加で必要になるという欠点がある。また、接着材は、ねじの表面と反応することで固定されるためねじの表面が接着材と反応できる材質でなければならず、使用できる材質が限られてしまうという問題もある。例えば、接着剤は特定の金属イオンに反応して接着するものが多いためねじの表面がステンレスやアルミ、メッキなどで処理されていると、接着剤が反応できず、接着強度が弱くなってしまう。
【0010】
また、特許文献1、2のような緩み止め構造では、ボルトを締結する際に、まず第一ボルトを締め、次に第二ボルトを偏心させる作業が必要となる。このような2段階の手順を踏まなければならないため、作業性が悪いという問題がある。
【0011】
さらに、図15に示す特許文献3のボルトにおいては、緩み止めボルト17の緩みが大きいと、緩み止め効果を発揮できないという問題がある。緩み止めボルト17が緩み止め効果を発揮するのは、雌ねじ部20に螺合された後、第一ボルト21と第二ボルト22の間に隙間25が生じているときだけだからである。第一ボルト21が左に回って緩んでいくと、隙間25は徐々にせばまり、組み立て時と同じくゼロになる。その結果、緩み止めボルト17と雌ねじ部20の間にロッキング力がなくなる。第一ボルト21がさらに左に回って緩んでいくと、左巻きである第二ボルト22もスムーズに追随して回り、緩み止めボルト17が被締め付け部材19から外れてしまう。つまり、緩み止めボルト17が緩み止め効果を発揮するのは、雌ねじ部20に螺合された後、第一ボルト21と第二ボルト22の間に隙間25が生じてロッキング力がはたらいているときだけであり、それ以上の大きさの緩みは防止できないという問題がある。
【0012】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、優れた緩み止め効果を発揮するねじを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決した本発明の代表的態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
被締結部材に設けられた雌ねじに螺合される雄ねじである緩み止めねじであって、
2以上のねじ部品を、前記ねじ部品の軸心が一致するように連結して、前記緩み止めねじを形成させることができ、
前記ねじ部品同士は、前記ねじ部品の外径よりも小径の連結ねじによって連結することが可能であり、
前記ねじ部品の軸心と前記連結ねじの軸心は一致しており、
前記連結ねじのピッチは前記ねじ部品のピッチよりも大きくなっており、
前記連結ねじの螺旋方向と、前記ねじ部品の螺旋方向は同方向であり、
前記緩み止めねじを前記被締結部材の雌ねじに螺合した状態で、前記緩み止めねじの軸方向における前記ねじ部品同士の境目が、前記被締結部材の雌ねじ内に位置する、
ことを特徴とする緩み止めねじ。
【0014】
(作用効果)
本態様では、連結ねじによって連結された2以上のねじ部品が1つの緩み止めねじを形成する。この緩み止めねじは、締結される部材(以下の説明において「被締結部材」という。被締結部材としては板を例示できる。)に設けられた雌ねじに螺合される。以下、この雌ねじを「被締結部材雌ねじ」という。また、緩み止めねじを被締結部材に締結する際は、ナット等の補助部品を用いることもある。緩み止めねじが締結される部材という意味合いからすると、このようなナット等の補助部品も被締結部材の一種であり、ナット等の補助部品に設けられた雌ねじも被締結部材雌ねじという。なお、緩み止めねじを締結する際に前記補助部品を用いる場合、板などのメインとなる被締結部材を主被締結部材といい、補助部品となる被締結部材のことを従被締結部材という。また主被締結部材に設けられた雌ねじを主被締結部材雌ねじといい、従被締結部材に設けられた雌ねじを従被締結部材雌ねじという。
【0015】
次に本発明の緩み止め効果について説明する。なお、以下の説明においては、緩み止めねじのねじ頭部を有するねじ部品を頭部ねじ部品といい、緩み止めねじのねじ先端部を有するねじ部品を先端部ねじ部品という。また、緩み止めねじの軸方向において、ねじ頭部のある側を頭部側といい、ねじ先端部のある側を先端部側という。
【0016】
本態様の緩み止めねじを使い続けて、頭部ねじ部品が緩んで回転を始めると、その回転力は、軸心が一致するように連結された連結ねじに伝わる。連結ねじと頭部ねじ部品の螺旋方向は一致しているため、連結ねじは、頭部ねじ部品と同じ方向(頭部側)に移動しようとする。しかし、連結ねじのピッチは、頭部ねじ部品のピッチよりも大きいため、緩み止めねじが1回転したときの軸方向の移動距離は、頭部ねじ部品に比べて連結ねじの方が大きくなる。つまり、頭部側に大きく移動しようとする連結ねじに対して、頭部ねじ部品は小さくしか移動できない。よって、連結ねじは頭部側への力を発生させるものの、頭部ねじ部品がストッパーの役割を果たすため、連結ねじの頭部側への移動が抑制される。
【0017】
そうすると、頭部側に移動できない連結ねじは、頭部側とは反対方向へ、すなわち先端部側へ移動しようとする。しかし、同じく、先端部ねじ部品のピッチよりも、連結ねじのピッチが大きいため、連結ねじは先端部側への力を発生させるものの、先端部ねじ部品が連結ねじに対してストッパーの役割を果たし、連結ねじの先端部側への移動も抑制される。
【0018】
頭部ねじ部品および先端部ねじ部品は、被締結部材雌ねじと螺合しているため、連結ねじが発生させた頭部側および先端部側への力により、頭部ねじ部品および先端部ねじ部品は、被締結部材雌ねじに対して、それぞれ頭部側および先端部側に押し付けられる。これらの押付力により、頭部ねじ部品および先端部ねじ部品と、被締結部材雌ねじの間の摩擦力が増大して、緩み止めねじの回転が防止され、緩み止め効果が発揮される。
【0019】
また、ねじ部品が被締結部材雌ねじに対して押付力を発生させ、緩み止め効果を発揮するためには、緩み止めねじの軸方向におけるねじ部品同士の境目が、被締結部材雌ねじ内に位置する必要がある。ねじ部品同士の境目が、被締結部材雌ねじ内に位置しない時には、頭部側および先端部側への双方向の押付力が得られないため、緩み止め効果を発揮することが困難である。
【0020】
<第2の態様>
前記連結ねじによって連結される前記ねじ部品同士のうち、一方の前記ねじ部品の軸方向一端側から前記連結ねじが軸方向外側へ延出しており、
他方の前記ねじ部品の軸方向他端部が、前記連結ねじと螺合するねじ部品雌ねじを有しており、
前記連結ねじが前記ねじ部品雌ねじに螺合されることで、前記ねじ部品同士が前記連結ねじを介して結合されて、緩み止めねじが形成される、
前記第1の態様に記載の緩み止めねじ。
【0021】
(作用効果)
連結ねじによって連結されるねじ部品同士のうち、一方のねじ部品の軸方向一端側から連結ねじが軸方向外側へ延出しており、他方のねじ部品の軸方向他端部が、連結ねじと螺合するねじ部品雌ねじを有している。そして、連結ねじがねじ部品雌ねじに螺合されることで、1本の緩み止めねじを形成する。
【0022】
この態様では、連結ねじはねじ部品の軸方向一端側に形成されているため、連結ねじがねじ部品雌ねじに螺合されると、1本の緩み止めねじが形成される。緩み止めねじの使用者は、連結ねじをねじ部品雌ねじに螺合させるだけで緩み止めねじを形成させることができるため、繋ぎ合わせるパーツが少なく、作業性が良いという利点がある。
【0023】
<第3の態様>
前記ねじ部品は、前記連結ねじが螺合されるねじ部品雌ねじを有し、
前記連結ねじが前記ねじ部品雌ねじに螺合した状態で、
螺合した前記連結ねじの先端と、前記ねじ部品雌ねじの底との間に空隙を有する、
前記第1〜2の態様に記載の緩み止めねじ。
【0024】
(作用効果)
本態様では、連結ねじがねじ部品雌ねじに螺合した状態で、螺合した連結ねじの先端と、ねじ部品雌ねじの底との間に空隙を生じる。なお、以下の説明において、螺合した連結ねじの先端を連結ねじ先端といい、ねじ部品雌ねじの底をねじ部品雌ねじ底という。
【0025】
つまり本態様では、連結ねじがねじ部品雌ねじに螺合された状態でも、ねじ部品雌ねじ底は連結ねじ先端に接触せず、離れている。その離れた空間があることによって、製造時に許容される誤差が大きくなるという利点がある。つまり、ねじ部品雌ねじ底が連結ねじ先端に密着している場合は、連結ねじの軸方向の長さがねじ部品雌ねじの軸方向の長さと完全に一致している必要がある。他方、本態様のように、ねじ部品雌ねじ底が連結ねじ先端に接触せずに離れている構成とした場合、ねじ部品雌ねじに挿入される連結ねじの軸方向の長さが、ねじ部品雌ねじの軸方向の長さよりも短くなってさえいればよく、それらの長さが完全に一致している必要がなくなるため、製造時に許容されるそれらの長さの誤差が大きくなる。
【0026】
<第4の態様>
前記緩み止めねじは、3以上の前記ねじ部品を有し、
前記ねじ部品は前記連結ねじで連結されており、
前記緩み止めねじの軸方向における、全ての前記ねじ部品同士の境目が、前記被締結部材の雌ねじ内に位置する、
前記第1〜2の態様に記載の緩み止めねじ。
【0027】
(作用効果)
本態様の緩み止めねじは、連結ねじで連結される3以上のねじ部品を有している。そのためねじ部品が緩んだ際に、被締結部材の雌ねじに対して押付力が働く箇所が増え、発生する摩擦力が強くなる。よって、2つのねじ部品からなる緩み止めねじに比べ、強い緩み止め効果が発揮できる。
【0028】
<第5の態様>
前記連結ねじの外周面、前記連結ねじの軸方向端面、および前記ねじ部品の前記連結ねじ側の軸方向端面の少なくともいずれか1つに、錆止め加工が施されている、
前記第1〜2の態様に記載の緩み止めねじ。
【0029】
(作用効果)
本発明の緩み止め効果が発揮されるためには、前述のように、まず頭部ねじ部品だけが、緩んで回転を始める必要がある。隣接するねじ部品同士の境目や隣接するねじ部品と連結ねじの境目が錆びつき、隣接するねじ部品同士が一体化してしまうと、頭部ねじ部品が緩み始めたときに、一緒になって先端部ねじ部品も緩んでしまうので、前述のような緩み止め効果が働かない。
【0030】
そこで、錆びつく可能性のある材料でつくられたねじの場合には、ねじ部品と連結ねじとの接地面である、連結ねじの外周面と、連結ねじの軸方向端面と、ねじ部品の連結ねじ側の軸方向端面と、のうち少なくともいずれか1つに、錆止め加工を施しておくことが好ましい。この錆止め加工により、ねじを締結してから時間が経過しても錆びつきを防止することができるため、緩み止め効果を発揮し続けることができる。緩み止め効果を発揮させ続けるためには、連結ねじの外周面と、連結ねじの軸方向端面と、ねじ部品の連結ねじ側の軸方向端面のすべてに錆止め加工を施すことが好ましい。また、錆止め加工を施す面積はできる限り広い方が好ましい。
【0031】
<第6の態様>
前記連結ねじの軸方向端部には、前記緩み止めねじを取り外すための細長状の取り外し部材を固定する固定溝が設けられており、
前記ねじ部品雌ねじを備えた前記ねじ部品には、前記取り外し部材を挿通する挿通孔が、当該ねじ部品の軸方向に沿って設けられており、
前記挿通孔は、前記ねじ部品雌ねじを備えたねじ部品のうちの、連結ねじと反対側の軸方向端部から、少なくとも、ねじ部品同士を連結させた状態で前記連結ねじの前記固定溝が位置する箇所まで、延出しており、
前記挿通孔の横断面における短手方向の長さが、前記取り外し部材の横断面における長手方向の長さよりも短い構成とされ、
前記取り外し部材を前記挿通孔に挿通して前記取り外し部材の先端部を前記連結ねじの固定溝に固定した状態で、前記取り外し部材を回転させることにより、前記挿通孔を備えたねじ部品と前記連結ねじを備えたねじ部品とを同時に回転させて前記緩み止めねじを取り外すことが可能である、
前記第2の態様の緩み止めねじ。
【0032】
(作用効果)
本態様によれば、取り外し部材(取り外しに用いる工具のことをいう。以下同じ)を回転させて緩み止めねじを緩ませる際、前記ねじ部品雌ねじを備えたねじ部品(挿通孔を備えたねじ部品と同じ。以下同じ)と、連結ねじを備えたねじ部品とが一体となって、あたかも一本の通常のねじのような状態になるため、緩み止めねじを取り外しやすい。
【0033】
なお、取り外し部材によって連結ねじだけを回転させて緩み止めねじを取り外す場合、連結ねじを備えたねじ部品が回転しながら頭部側へ移動する過程で、連結ねじを備えたねじ部品がねじ部品雌ねじを備えたねじ部品を頭部側へ押しながら回転移動する。その結果、連結ねじを備えたねじ部品とねじ部品雌ねじを備えたねじ部品の両者が頭部側へ移動することになり、緩み止めねじが取り外される。
【0034】
しかし、このような場合、連結ねじを備えたねじ部品がねじ部品雌ねじを備えたねじ部品を頭部側へ押しながら回転移動するためねじ部品雌ねじを備えたねじ部品が頭部側に移動しにくい。また、取り外し部材によって連結ねじを備えたねじ部品だけを回転させる形態の場合、必然的に小さな取り外し部材を用いることになる。小さな取り外し部材は回転力を伝えにくいため、連結ねじを備えたねじ部品を回転させるために作業者が大きな力をかけなければならならず、緩み止めねじの取り外しにかかる労力が大きい。
【0035】
そこで、本態様では、取り外し部材によって連結ねじを備えたねじ部品を回転させるとともに、その取り外し部材によってねじ部品雌ねじを備えたねじ部品も直接回転させることにより、ねじ部品雌ねじを備えたねじ部品を頭部側へ移動させやすくした。また、本態様によれば、取り外し部材によって連結ねじを備えたねじ部品のみを回転させるという制約がないためねじ部品に設ける挿通孔を大きくすることができる。その結果、大きな取り外し部材を用いることができるようになるため、連結ねじを備えたねじ部品を回転させるために作業者が大きな力を用いなくても良くなる。
【発明の効果】
【0036】
以上のとおり、本発明によれば、優れた緩み止め機能を発揮する緩み止めねじを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第一実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、2つのねじ部品を連結ねじで連結する前の状態を示した側面断面図である。
【図2】図1の緩み止めねじの側面図である。
【図3】図1の緩み止めねじが部材を締結した後の状態を示した側面断面図である。
【図4】本発明の第二実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、先端部ねじ部品の頭部側から延出した連結ねじを、頭部ねじ部品雌ねじに螺合させる前の側面図である。
【図5】図4の状態から、連結ねじを介してねじ部品同士を締結した後の側面断面図である。
【図6】本発明の第三実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、頭部ねじ部品の先端部側から延出した連結ねじを、先端部ねじ部品雌ねじに螺合させる前の側面図である。
【図7】図6の状態から、連結ねじを介してねじ部品同士を締結した後の側面断面図である。
【図8】本発明の第四実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、頭部ネジ部品に挿通孔を有する緩み止めねじの側面図である。
【図9】本発明の第四実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、先端部ネジ部品に挿通孔を有する緩み止めねじの側面図である。
【図10】図8の緩み止めねじの頭部側を示す平面図である。
【図11】緩み止めねじの頭部側を示す平面図であり、図10とは異なる形態を示したものである。(11−1)は挿通孔に取り外し部材を挿入した状態を示したものであり、(11−2)は取り外し部材を回転させた状態を示したものである。
【図12】本発明の第五実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、締結状態において、ねじ部品同士の端面が接触しない態様の緩み止めねじの側面断面図である。
【図13】本発明の第六実施例にかかる緩み止めねじを示したものであり、3つのねじ部品を有する緩み止めねじが、連結ねじで連結される前の状態を示した側面図である。
【図14】図13の3つのねじ部品を有する緩み止めねじが、連結ねじで連結された後の状態を示した側面断面図である。
【図15】従来の緩み止めボルトを示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、緩み止めねじの実施例について、添付図面を参照しながら説明する。以下の説明および図面は、あくまでも本発明の実施形態の一例を示したものであり、本発明の内容はこの実施形態に限定されるものではない。
【0039】
(第一実施例)
本発明に係る緩み止めねじ1の第一実施例の一例を図1〜3に示す。緩み止めねじ1は、2以上のねじ部品3(頭部ねじ部品3A、先端部ねじ部品3B)と、前記ねじ部品3を連結する連結ねじ4と、連結ねじ4が螺合されるねじ部品雌ねじ5と、緩み止めねじ1のねじ頭部6と、ねじ先端部7などを含む。図1は、ねじ部品3が連結ねじ4で連結される前の緩み止めねじ1の側面断面図である。図2は、図1の側面図である。
【0040】
図3は、図1の緩み止めねじ1が被締結部材を締結した後の側面断面図である。図1の状態から、内ねじである連結ねじ4がねじ部品雌ねじ5に螺合してねじ部品3同士が連結され、ねじ部品3の端部同士が合わさることによって、1本の緩み止めねじ1が形成される。そして、形成された1本の緩み止めねじ1が、被締結部材8に設けられた被締結部材雌ねじ12に螺合する。被締結部材雌ねじ12の径およびピッチと、緩み止めねじ1の径およびピッチは一致している。
【0041】
緩み止めねじ1は、被締結部材雌ねじ12に螺合するだけでなく、さらに座金やナット等の追加の部品(補助部品)を用いて、被締結部材8を締結することもある。緩み止めねじ1は、図中では平行ねじであるが、テーパーねじなどであってもよく、形状は限定されない。
【0042】
以下に、各部の詳細について説明する。
【0043】
(緩み止めねじ1)
緩み止めねじ1は雄ねじであり、被締結部材雌ねじ12に螺合するように、外周面に溝が設けられている。この緩み止めねじ1の螺旋方向は、右巻きであっても左巻きであってもよいが、図に示した緩み止めねじ1は右巻きである。ただし、ねじ部品3の螺旋方向と、連結ねじ4の螺旋方向は同一にする必要がある。緩み止めねじ1は、前記溝が緩み止めねじ1の全長に渡って設けられた全ねじでも、部分的に設けられた半ねじでもよい。
【0044】
また、図3に示すように、連結ねじによって連結された2以上のねじ部品3は、1本の緩み止めねじ1となって被締結部材雌ねじ12に螺合する。そのため、2以上のねじ部品3は、連結ねじ4によって連結されたときに、締結部材雌ねじ12に螺合できる1本の緩み止めねじ1となるような溝を有している必要がある。つまり、ねじ部品3同士の境目で螺旋がつながるような溝を有している必要がある。
【0045】
そのような溝の整合は、製造方法の工夫によって行うことができる。例えば、緩み止めねじ1の溝を切削する前のねじ部品3同士を、先に連結ねじ4で連結した後で、溝を切削する。そうすることにより、2以上のねじ部品3の外周面に螺旋が繋がった溝を切削することができる。また、他の製造方法としては、ねじ頭部6とねじ先端部7を有する一本のねじに溝を切削した後で、そのねじを切断して2以上のねじ部品3とするようにしてもよい。
【0046】
(ねじ部品3)
ねじ部品3は外周面に溝を有している。2以上のねじ部品3が連結ねじ4によって連結され、ねじ部品3、3同士の端部が互いに接地することで、緩み止めねじ1が形成される。また、ねじ部品3はその軸方向AD一端側にねじ部品雌ねじ5を有し、このねじ部品雌ねじ5に連結ねじ4が螺合される。ねじ部品3と連結ねじ4の軸心は一致するようになっている。
【0047】
図1〜3は第一実施例にかかる緩み止めねじ1を示したものであり、この緩み止めねじ1は2つのねじ部品3A、3Bを有している。頭部ねじ部品3Aはねじ頭部6を備えたねじ部品3であり、先端部ねじ部品3Bはねじ先端部7を備えたねじ部品3である。ねじ部品3は、頭部ねじ部品3Aや先端部ねじ部品3Bを含む、ねじ部品3の総称である。頭部ねじ部品3Aと先端部ねじ部品3Bの径と、溝の螺旋方向は一致している。連結ねじ4は頭部ねじ部品3Aと先端部ねじ部品3Bの内部に位置する内ねじである。
【0048】
第一実施例のように、頭部ねじ部品3A、先端部ねじ部品3Bおよび連結ねじ4が、それぞれ別々の部品である場合、連結ねじ3の軸方向ADの長さが、頭部ねじ部品3Aの頭部ねじ部品雌ねじ5Aの軸方向ADの長さよりも長い方が好ましい。そうすることで、頭部ねじ部品3Aと連結ねじ4を連結したとき、連結ねじ4が、頭部ねじ部品3Aの頭部ねじ部品雌ねじ5Aの内部に埋めこまれてしまい、頭部ねじ部品3Aの軸方向AD端部から連結ねじ4が突出しなくなるという不都合が発生しなくなる。同様に、連結ねじ3の軸方向ADの長さも、先端部ねじ部品3Bの先端部ねじ部品雌ねじ5Bの軸方向ADの長さよりも長い方が好ましい。そうすることで、先端部ねじ部品3Bと連結ねじ4を連結したとき、連結ねじ4が、先端部ねじ部品3Bの先端部ねじ部品雌ねじ5Bの内部に埋めこまれてしまい、先端部ねじ部品3Bの軸方向AD端部から連結ねじ4が突出しなくなるという不都合が発生しなくなる。すなわち、連結ねじ4の軸方向AD両端部がそれぞれ別々のねじ部品雌ねじ5A、5Bに螺合してはじめてねじ部品3A、3B同士が連結される。
【0049】
(連結ねじ4)
連結ねじ4は、緩み止めねじ1を形成するために、2以上のねじ部品3同士を連結するものである。連結ねじ4の直径DM4はねじ部品雌ねじ5の直径DM5と一致している。また、連結ねじ4の溝のピッチPC4は頭部ねじ部品雌ねじ5Aの溝のピッチPC5Aと一致している。同様に、連結ねじ4の溝のピッチPC4は先端部ねじ部品雌ねじ5Bの溝のピッチPC5Bとも一致している。連結ねじ4は、ねじ部品3よりも小径であるが、連結ねじ4が細すぎるとねじ強度が落ちて折れやすくなってしまう。また、連結ねじ4の径は、大きければ大きいほどねじ強度は増加する。そのため、連結ねじ4の直径DM4は、頭部ねじ部品3Aの直径DM3A(または先端部ねじ部品3Bの直径DM3B)の40%〜60%であることが望ましい。
【0050】
また、連結ねじ4の溝のピッチPC4は、頭部ねじ部品3Aの溝のピッチPC3Aや、先端部ねじ部品3Bの溝のピッチPC3Bよりも大きく設定されている。連結ねじ4の溝のピッチPC4は、大きければ大きいほど緩み止め効果が増加する。しかし、当該ピッチPC4を大きくすると連結ねじ4の軸方向ADの長さが長くなってしまうため、当該ピッチPC4を長くするには限度がある。また、頭部ねじ部品3Aの溝のピッチPC3Aと連結ねじ4の溝のピッチPC4の差が大きいほど、緩み止め効果は増加し、逆に前記ピッチPC3A、PC4の差が小さすぎると、十分な緩み止め効果が得られない。先端部ねじ部品3Bの溝のピッチPC3Bと連結ねじ4の溝のピッチPC4の差についても、同様のことがいえる。そのため、連結ねじ4のピッチPC4は、頭部ねじ部品3Aの溝のピッチPC3A(または先端部ねじ部品3Bの溝のピッチPC3B)の2倍〜5倍であることが望ましい。
【0051】
頭部ねじ部品3A、先端部ねじ部品3B、連結ねじ4のねじ山について、断面の形状や傾斜角度は、特に限定されない。例えば、メートルねじ・ユニファイねじ・管用ねじなどの三角ねじや、台形ねじ、角ねじなどが例示できる。
【0052】
連結ねじ4やねじ部品3の材質や表面処理方法は、特に限定されるものではない。ねじの材質には、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、合成樹脂、木材などが挙げられるが、錆びつきにくいものが望ましい。表面処理方法としては、例えば、電気メッキ、無電解メッキ、塗装などが挙げられる。連結ねじ4の材質や表面処理方法は、ねじ部品3の材質や表面処理方法と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0053】
(ねじ頭部6とねじ先端部7)
緩み止めねじ1におけるねじ頭部6の形状は特に限定されず、例えば、六角、四角、トラス、バインド、皿、丸皿、なべ、低頭、などが挙げられる。
【0054】
また、ねじ頭部6のくぼみ形状も限定されず、例えば、十字穴、すりわり、六角、などが挙げられる。
【0055】
ねじ先端部7の形状は特に限定されず、丸先、平先、棒先、半棒先、棒先、全とがり先、とがり先、くぼみ先、などが例示できる。
【0056】
(緩み止め効果)
本発明の緩み止め効果について説明する。なお、緩み止めねじ1の軸方向ADにおけるねじ頭部6のある方向を頭部側HS、ねじ先端部7のある方向を先端部側ESという。図3に示す緩み止めねじ1を使い続けると、ねじ頭部6を有する頭部ねじ部品3Aが緩んで回転を始める。するとその回転力は、軸心が一致するように連結された連結ねじ4に伝わる。連結ねじ4の溝と頭部ねじ部品3Aの溝の螺旋方向は一致しているため、連結ねじ4は、頭部ねじ部品3Aが回転した時の軸方向ADの移動方向と同じく頭部側HSに移動しようとする。
【0057】
しかし、連結ねじ4のピッチPC4は、頭部ねじ部品3AのピッチPC3Aよりも大きく設定されているので、緩み止めねじ1が1回転したときの軸方向ADの移動距離は、頭部ねじ部品3Aに比べて連結ねじ4の方が大きくなる。つまり、頭部側HSに大きく移動しようとする連結ねじ4に対して、頭部ねじ部品3Aは小さくしか移動できない。よって、連結ねじ4には頭部側HSへ移動しようとするものの、頭部ねじ部品3Aがストッパーの役割を果たし、連結ねじ4の頭部側HSへの移動が抑制される。
【0058】
すると、頭部側HSに移動できない連結ねじ4は、頭部側HSとは反対方向に、すなわち先端部側ESへ移動しようとする。しかし、連結ねじ4のピッチPC4は、頭部ねじ部品3Aと同様に、先端部ねじ部品3BのピッチPC3Bよりも大きく設定されているので、連結ねじ4が先端部側ESへ移動しようとするものの、先端部ねじ部品3Bが連結ねじ4に対してストッパーの役割を果たし、先端部側ESへの移動も抑制される。
【0059】
頭部ねじ部品3Aおよび先端部ねじ部品3Bは、被締結部材雌ねじ12と螺合しているため、連結ねじ4が生じさせた頭部側HSおよび先端部側ESへの移動力により、頭部ねじ部品3Aおよび先端部ねじ部品3Bは、被締結部材雌ねじ12に対し、それぞれ頭部側HSおよび先端部側ESに押し付けられる。これらの押付力により、頭部ねじ部品3Aおよび先端部ねじ部品3Bと、被締結部材雌ねじ12との間で摩擦力が増大し、緩み止めねじ1の回転が防止され、緩み止め効果が発揮される。図3では、頭部側HSへ移動する力を矢印A、先端部側ESへ移動する力を矢印Bで示している。
【0060】
この緩み止め効果は、連結ねじ4のピッチPC4が頭部ねじ部品3AのピッチPC3Aや先端部ねじ部品3BのピッチPC3Bよりもわずかでも大きければ、ピッチの比率とは関係なく発揮される。例えば、頭部ねじ部品3AのピッチPC3A:連結ねじ4のピッチPC4:先端部ねじ部品3BのピッチPC3Bの比率が1:2:1であるとき、一見すると、連結ねじ4が発生させる矢印A方向および矢印B方向への押圧力と、頭部ねじ部品3Aおよび先端部ねじ部品3Bの移動力が相殺され、緩み止め効果を発揮しないようにみえる。しかし、実際には、連結ねじ4が1回転したときに、頭部ねじ部品3Aには矢印A方向に2回転分の力がかかるため、力は相殺されず、緩み止め効果が発揮される。
【0061】
ねじ部品3が被締結部材雌ねじ12に対して押付力を発生させ、緩み止め効果を発揮するためには、緩み止めねじ1の軸方向ADにおけるねじ部品同士の境目9が、被締結部材雌ねじ12の孔内に位置する必要がある。ねじ部品同士の境目9が、被締結部材雌ねじ12の孔内に位置せず、頭部ねじ部品3Aと先端部ねじ部品3Bのどちらかしか被締結部材雌ねじ12の孔内にない場合には、矢印A、B双方向の押付力が得られないため、緩み止め効果を発揮できない。
【0062】
(先行技術文献との比較)
図15には、前述のように、特許文献3の緩み止めボルト17が示されている。特許文献3の緩み止めボルト17と本願発明の緩み止めねじ1は、緩み止め効果が働く際の力の方向は同じであるが、それぞれを構成するねじの溝の螺旋方向とネジの溝のピッチが異なり、緩み止め効果が発揮されるまでの過程が異なっている。
【0063】
特許文献3では、緩み止めボルト17の第一ボルト21、第二ボルト22は右ねじであるのに対し、小径雄ねじ部23は左ねじである。また、小径雄ねじ部23のピッチは雌ねじ部20のピッチよりも小さい。そのため、特許文献3の緩み止めボルト17は、前述のようにばね座金を用いて、締結時に第一ボルト21と第二ボルト22との間に隙間25を生じさせることで、矢印C、D方向に押付力を生じさせる。
【0064】
一方、本願発明では、2以上のネジ部品3の溝と連結ねじ4の溝の螺旋方向は同方向であり、2以上のネジ部品3の溝のピッチPC3よりも連結ねじ4の溝のピッチPC4の方が大きい。そのため、図3に示すように、緩み止めねじ1を被締結部材雌ねじ12に締結した状態で、2以上のねじ部品3同士は一体化しており、連結されたねじ部品3同士の間に隙間を生じることはない。そして締結後に緩み止めねじ1を使い続けて、頭部ねじ部品3Aが緩み始めると、初めて矢印A方向およびB方向に押付力を発生する。これは、締結した時点で矢印C、D方向に押付力が発生している特許文献3とは大きく異なる点である。そのため、特許文献3の緩み止めボルト17は隙間25をなくしてしまうほど大きな緩みには対応できないという課題があるが、本願発明はこの課題を解消することができる。本願発明は特許文献3とは反対に、頭部ネジ部品3の緩みが大きければ大きいほど、矢印A、B方向への押付力が大きくなるという効果がある。
【0065】
(第二実施例)
図4および図5は、本発明に係る緩み止めねじ1の第二実施例を示したものである。第二実施例は、先端部ねじ部品3Bの軸方向AD頭部側HSから頭部側HSへ向かって連結ねじ4が延出しているという点のみが、第一実施例と異なり、それ以外については第一実施例と同様である。
【0066】
なお、頭部ねじ部品3Aの軸方向AD先端側ESには、前記連結ねじ4が螺合されるねじ部品雌ねじ5(頭部ねじ部品雌ねじ5A)が設けられている。
【0067】
図4の状態から、連結ねじ4を頭部ねじ部品雌ねじ5Aに螺合させると、1本の緩み止めねじ1が形成される。このようにして形成された緩み止めねじ1は、その後、図5のように被締結部材雌ねじ12に螺合される。
【0068】
(第三実施例)
図6および図7は、本発明に係る緩み止めねじ1の第三実施例を示したものである。第三実施例は、連結ねじ4によって連結されるねじ部品3同士のうち、頭部ねじ部品3Aの軸方向AD先端側ESから先端側ESへ向かって連結ねじ4が延出している。また、先端部ねじ部品3Bの軸方向AD頭部側HSには、この連結ねじ4が螺合される先端部ねじ部品雌ねじ5Bが設けられている。
【0069】
図4や図5と同様に、図6の状態から、連結ねじ4を先端部ねじ部品雌ねじ5Bに螺合させると、1本の緩み止めねじ1が形成される。このようにして形成された緩み止めねじ1は、図7のように被締結部材雌ねじ12に螺合される。
【0070】
第二実施例や第三実施例では、連結ねじ4をねじ部品雌ねじ5に螺合させるだけで緩み止めねじ1を形成させることができる。そのため、繋ぎ合わせるパーツが少なく、第一実施例と比較して締結時の作業性が優れるという利点がある。
【0071】
第一実施例〜第三実施例において、連結ねじ4の軸方向ADの長さが短すぎると、螺合部分が短くなり、ねじ強度が弱くなってしまう。そのため、連結ねじは2山以上のねじ山を有していることが望ましく、連結ねじ4の軸方向ADの長さは、緩み止めねじ1の軸方向ADの長さの3分の1以上であることが望ましい。
【0072】
(第四実施例)
本発明の緩み止めねじ1は、緩み止め機能を有するため、緩み止めねじ1のねじ頭部6をそのまま回転させても取り外すことができない。これは前述のように、頭部ねじ部品3Aが緩んで回転すると、その回転力が連結ねじ4に伝わり、連結ねじ4の溝と頭部ねじ部品3A(および先端部ねじ部品3B)の溝のピッチの違いによって、被締結部材雌ねじ12に対する押付力が発生するからである。
【0073】
しかし、第四実施例のように、緩み止めねじ1に挿通孔14を設け、ねじ部品3と連結ねじ4を同時に回転させるようにすると、後述のように緩み止めねじ1を容易に取り外すことができる。
【0074】
挿通孔14はねじ部品雌ねじ5を備えたねじ部品3に設けられる。例えば、図8に示すように頭部ねじ部品3Aにねじ部品雌ねじ5が設けられている場合は、その頭部ねじ部品3Aに挿通孔14が設けられる。図9に示すように先端部ねじ部品3Bにねじ部品雌ねじ5が設けられている場合は、その先端部ねじ部品3Bに挿通孔14が設けられる。
【0075】
挿通孔14は、ねじ部品雌ねじ5を備えたねじ部品3の軸方向ADに沿って、そのねじ部品雌ねじ5を備えたねじ部品3を挿通して設けられている。
【0076】
図10に示す例のように、横断面において、挿通孔14の形状および大きさは、取り外し部材15とほぼ同じにすることができる。すなわち、図10では、挿通孔14と取り外し部材15の横断面の形状をともに長方形とし、挿通孔14の大きさを取り外し部材15とほぼ同じにしている。なお、取り外し部材15が挿通孔14の内部に挿入できるようにするため、挿通孔14の大きさを取り外し部材15よりも若干大きくする必要がある。
【0077】
また、図11に示す例のように、横断面において、挿通孔14の大きさを取り外し部材15の大きさよりも大きくしてもよい。ただし、挿通孔14の横断面における短手方向の長さ14Sを、取り外し部材15の横断面における長手方向の長さ15Lよりも短くすることが望ましい。挿通孔14の短手方向の長さ14Sを取り外し部材15の長手方向の長さ15Lよりも短くすることで、取り外し部材15を回転させたときに、取り外し部材15の側面の一部分(または全部)が挿通孔14の一部分(または全部)に引っ掛かるからである。
【0078】
例えば、図11に示す例において、挿通孔14に取り外し部材15を挿入した(11−1)の状態から、この取り外し部材15を反時計回りに回転させると、(11−2)の状態となる。この(11−2)の状態では、取り外し部材15の角部分(図11の左下角部と右上角部)が挿通孔14の内面(図11の挿通孔14の上下の長辺)に当接しており、この当接部分を介して取り外し部材15の回転力が頭部ネジ部品3Aに伝達される。その結果、取り外し部材15によって、頭部ねじ部品3Aを回転させることができるのである。
【0079】
なお、図10に示す例においては、取り外し部材15の全ての外面が、挿通孔14の全ての内面に当接しているため、図11に示した例よりも、頭部ねじ部品3Aを回転させやすいという利点がある。
【0080】
また、連結ねじ4の軸方向端部には取り外し部材15を固定する固定溝26が設けられている。図8に示す例では、連結ねじ4の軸方向AD頭部側HS端部に固定溝26が設けられ、図9に示す例では、連結ねじ4の軸方向AD先端部側ES端部に固定溝26が設けられている。この固定溝26の深さは特に限定されないが、例えば1〜5mm程度にすることができる。また、平面視における固定溝26を設ける位置も特に限定されないが、連結ねじ4を回転させやすくする観点から、連結ねじ4の軸心を通るように設けることが好ましい。例えば、図8や図9に示した例では、平面視における形状が円形の連結ねじ4に対して、連結ねじ4の軸心を通る直線状の固定溝26が、円形の連結ねじ4を横切るように設けられている。
【0081】
緩み止めねじ1を取り外す際は、取り外し部材15を挿通孔14に挿通し、挿通した取り外し部材15の先端部を連結ねじ4の固定溝26の内部に固定する。その状態で、取り外し部材15を回転させると、取り外し部材15が挿通孔14を備えたねじ部品3と連結ねじ4を同時に回転させる。その結果、連結ねじ4を備えたねじ部品3と、ねじ部品雌ねじ5を備えたねじ部品3が一体となって、まるで1本の通常のねじのようになり、緩み止めねじ1を被締結部材雌ねじ12から容易に取り外すことができる。
【0082】
なお、緩み止めねじ1を取り外す際、図8と図9では取り外し部材15の挿通方向が異なるが、図8と図9の両形態とも、取り外し部材15によって緩み止めねじ1が頭部側HSへ移動する。
【0083】
また、平面視における挿通孔14の形状は特に限定されず、例えば、十字孔(プラス)、すりわり(マイナス)などを例示することができる。前述の挿通孔14の形状は、挿通孔14の軸方向ADのすべての箇所において同じにすることができる。例えば、挿通孔14を設けたねじ部品3の頭部側HSの形状がすりわりであれば、先端側ESの形状もすりわりにすることができる。
【0084】
また、挿通孔14および取り外し部材15の形状を市販のドライバーとは異なるものにすれば、専用工具を使用しない限り緩み止めねじ1を取り外せないようになるため、優れた防犯効果を得ることができる。
【0085】
緩み止めねじ1を取り外すためには、連結ねじ4を回転させる必要があるため、挿通孔14は、連結ねじ4を介してネジ部品3、3同士を完全に連結させた状態で、少なくとも連結ねじ4の固定溝26がある位置まで(正確には固定溝26の内部まで)達していなければならない。
【0086】
例えば、図8に示す例では、頭部ねじ部品3Aの頭部側HS端縁(ねじ頭部6の頭部側HS端縁)を起点として、ねじ部品雌ねじ5Aの頭部側HS端縁を越えてさらに先端部側ESへ、挿通孔14を形成している。詳しくは、図8に示す例では、連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4と、ねじ部品雌ねじ5Aの軸方向ADの長さAD5Aが同じであるため、挿通孔14の先端部ES側端縁の位置は、ねじ部品雌ねじ5Aの頭部側HS端縁よりも固定溝26の深さの分だけ、先端部側ESに寄った箇所となっている。
【0087】
同様に、例えば、図9に示す例では、先端部ねじ部品3Bの先端部側ES端縁を起点として、ねじ部品雌ねじ5Aの先端部側ES端縁を越えてさらに頭部側HSへ、挿通孔14を形成している。詳しくは、図9に示す例では、連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4と、ねじ部品雌ねじ5Bの軸方向ADの長さAD5Bが同じであるため、挿通孔14の頭部HS側端縁の位置は、ねじ部品雌ねじ5Bの先端部側ES端縁よりも固定溝26の深さの分だけ、頭部側HSに寄った箇所となっている。
【0088】
以上のように、連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4と、ねじ部品雌ねじ5の軸方向ADの長さAD5が同じ場合は、ねじ部品雌ねじ5の軸方向ADの長さAD5から固定溝26の軸方向ADの長さAD26を差し引いた位置まで挿通孔14を設ける必要がある。
【0089】
他方、図4〜図7に示すように、ねじ部品3に設けたねじ部品雌ねじ5の内部に所定の空隙16が生じるようにする形態もある。この場合、ねじ部品雌ねじ5の軸方向ADの長さAD5が連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4よりも長くなっている。このような場合は、少なくとも、ねじ部品雌ねじ5の軸方向ADの長さAD5から前記空隙16の軸方向ADの長さAD16と固定溝26の軸方向ADの長さAD26を差し引いた位置まで挿通孔14を設ける必要がある。
【0090】
例えば、図4や図5に示す実施例に対して挿通孔14を設ける場合は、頭部ねじ部品3Aの頭部側HS端縁(ねじ頭部6の頭部側HS端縁)を起点として、ねじ部品雌ねじ5Aの頭部側HS端縁を越えてさらに先端部側ESへ、挿通孔14を形成する必要がある。詳しくは、挿通孔14の先端部ES側端縁の位置は、ねじ部品雌ねじ5Aの頭部側HS端縁よりも、間隙16の軸方向ADの長さAD16と固定溝26の軸方向ADの長さAD26の分だけ、先端部側ESに寄った箇所にする必要がある。図6や図7に示す実施例に対して挿通孔14を設ける場合も、図4や図5と同様の考え方と採ることができる。
【0091】
以上の説明では、挿通孔14の端縁を固定溝26の深さの位置まで設ける形態を例示したが、このような形態に限られるものではない。例えば、図8に示す例において、挿通孔14の軸方向AD先端部側ESの端縁の位置を、図8よりもさらに先端部側ESの位置にしてもよい。同様に、図9に示す例において、挿通孔14の軸方向AD頭部側HSの端縁の位置を、図9よりもさらに頭部側HSの位置にしてもよい。
【0092】
(第五実施例)
図12は第五実施例を示したものであり、頭部ねじ部品3Aのねじ部品雌ねじ5Aの軸方向ADの長さAD5Aと、先端部ねじ部品3Bのねじ部品雌ねじ5Bの軸方向ADの長さAD5Bの合計が、連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4よりも短く、頭部ねじ部品3Aの端面3Tと先端部ねじ部品3Bの端面3Tが接触しない態様を示している。
【0093】
頭部ねじ部品3Aの端面3Tと先端部ねじ部品3Bの端面3Tが接触しないため、頭部ねじ部品3Aと先端部ねじ部品3Bの境目9の錆びつきを防止することができる。緩み止めねじ1の緩み止め効果が発揮されるためには、前述のように、まず頭部ねじ部品3Aだけが、緩んで回転を始める必要があるが、ねじ部品3、3同士の端面3T、3Tが錆びつくと、ねじ部品3、3同士が一体化してしまい、緩み止め効果が発揮されない。そこで、この第五実施例のように、緩み止め効果を長期間持続させるために、ねじ部品3、3同士の端面3T、3Tを接触しないようにして、前記端面3T、3Tの錆びつきにより、ねじ部品3、3同士が一体化することを防ぐようにすることが有効である。
【0094】
なお、錆びつきによるねじ部品3、3同士の一体化を防止するために、第五実施例のような形態を採るのではなく、錆止め加工を施しても良い。具体的には、(1)連結ねじ4の外周面4S、(2)連結ねじ4の軸方向AD端面4T、(3)ねじ部品雌ねじ5の内周面5S、(4)ねじ部品雌ねじ5の軸方向AD端面5T)、(5)ねじ品3の端面3T、のうちの少なくともいずれか1つに、錆止め加工を施しておくと、ねじを締結してから時間が経過しても錆びつきを防止し、緩み止め効果を発揮し続けることができる。前記(1)〜(5)の箇所のうち、錆止め加工を施す箇所が増えるほど、錆びつきを防止する効果が高くなる。錆止め加工は特に限定されないが、例えばグリース等を塗るなどの方法を採ることができる。
【0095】
(第六実施例)
図13、図14は、緩み止めねじ1が3つのねじ部品3を有する第六実施例を示している。この第六実施例は、ねじ部品3の個数以外は第一実施例と同様の特徴を有する。
【0096】
この第六実施例の態様は、第一実施例のような2つのねじ部品3を有する態様に比べて、強い緩み止め効果を発揮する。これは、ねじ部品3が緩んだ際に、被締結部材雌ねじ12に対して押付力が働く箇所が増え、発生する摩擦力が強くなるからである。
【0097】
ねじ部品3の個数が3つに増えると、ねじ部品同士の境目9の数が2箇所になるが、緩み止め効果を発揮するためには、この2箇所の境目9、9が両方とも、被締結部材雌ねじ12の孔内にある必要がある。なお、ねじ部品3の個数を4個以上に増やしてもよい。緩み止めねじ1が有するねじ部品3の個数が増えるほど、ねじ強度は低下するが、緩み止め効果を増大させることができる。
【0098】
(その他)
緩み止めねじ1は、連結ねじ4がねじ部品雌ねじ5に螺合した際に、連結ねじの端部10とねじ部品雌ねじ端部11との間に空隙16を生じることが望ましい。図3、図5、図7では、連結ねじ端部10とねじ部品雌ねじ端部11との間に生じた空隙16を格子で示している。
【0099】
連結ねじ4がねじ部品雌ねじ5に完全に螺合された状態(ねじ部品3、3同士の間に隙間がない状態)で、ねじ部品雌ねじ端部11が連結ねじ端部10に接触せず、離れていることにより、製造時に許容される誤差が大きくなる。つまり、ねじ部品雌ねじ端部11が連結ねじ端部10に接している場合、連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4がねじ部品雌ねじ5の軸方向ADの長さAD5と完全に一致している必要があるが、連結ねじ4がねじ部品雌ねじ5に完全に螺合された状態で、ねじ部品雌ねじ端部11が連結ねじ端部10に接触せず、離れている場合は、連結ねじ4の軸方向ADの長さAD4がねじ部品雌ねじ5の軸方向ADの長さAD5よりも短ければよく、完全に長さが一致している必要がないので、製造時に許容される長さの誤差が大きくなる。
【0100】
また、ねじ部品雌ねじ端部11が連結ねじ端部10に接触しないためねじ部品雌ねじ5の軸方向AD端面5Tと、連結ねじ4の軸方向AD端面4Tの間の錆びつきを防止することができるという利点もある。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、各種の被締結部材に螺合するねじに適用可能であり、優れた緩み止め効果を発揮することができるものである。
【符号の説明】
【0102】
1…緩み止めねじ、3…ねじ部品、3A…頭部ねじ部品、3B…先端部ねじ部品、3C…中間部ねじ部品、4…連結ねじ、5…ねじ部品雌ねじ、5A…頭部ねじ部品雌ねじ、5B…先端部ねじ部品雌ねじ、5C…中間部ねじ部品雌ねじ、6…ねじ頭部、7…ねじ先端部、8…被締結部材、9…ねじ部品同士の境目、10…連結ねじ端部、11…ねじ部品雌ねじ端部、12…被締結部材雌ねじ、14…挿通孔、15…取り外し部材、16…空隙、17…緩み止めボルト、18…バネ座金、19…被締め付け部材、20…雌ねじ部、21…第一ボルト、22…第二ボルト、23…小径雄ねじ部、24…小径雌ねじ部、25…隙間、26…固定溝、AD…軸方向、WD…径方向、HS…頭部側、ES…先端部側
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【図2】
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【図15】
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