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農水産
 
【考案の名称】作物運搬用コンテナにおける作物収納用補助具
【実用新案権者】
【識別番号】522396126
【氏名又は名称】沢田 和利
【住所又は居所】北海道網走郡津別町活汲439-2
【代理人】
【識別番号】100106954
【弁理士】
【氏名又は名称】岩城 全紀
【考案者】
【氏名】沢田 和利
【住所又は居所】北海道網走郡津別町活汲439-2
【要約】 (修正有)
【課題】作物運搬用コンテナに収納する農作物の収納率を向上するための、作物収納用補助具を提供する。
【解決手段】作物収納用補助具1は、鉄コンテナ(作物運搬用コンテナ)40の上枠41aの上面に着脱可能に取り付けるものであって、前記鉄コンテナ40の上面開口43を形成する上枠41aの上面に沿って延伸する補助枠体20と、この補助枠体20の下面の複数個所で鉄コンテナ40の上枠41aに着脱可能に形成した装着部30と、で構成する。
【選択図】図5
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
作物運搬用コンテナの上枠の上面に着脱可能に取り付ける作物収納用補助具であって、
前記コンテナの上面開口を形成する上枠の上面に沿って延伸する補助枠体と、
前記補助枠体の下面の複数個所でコンテナの上枠に着脱可能に形成した装着部と、
で構成することを特徴とする作物運搬用コンテナにおける作物収納用補助具。
【請求項2】
前記装着部は、コンテナの上枠に嵌合する断面コ字状の取付け具と、この取付け具の下面に形成した、前記コンテナの上枠に吸着可能な磁石と、で構成することを特徴とする請求項1に記載の作物運搬用コンテナにおける作物収納用補助具。
【請求項3】
前記補助枠体は、全周を緩衝材で被覆していることを特徴とする請求項1に記載の作物運搬用コンテナにおける作物収納用補助具。
【請求項4】
前記装着部は、コンテナの上枠に嵌合する断面コ字状の取付け具と、この取付け具の下面に形成した前記コンテナの上枠に吸着可能な磁石とで構成されているとともに、
前記装着部の取付け具における該コンテナの上枠の外側に位置する外側片には、把持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の作物運搬用コンテナにおける作物収納用補助具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、作物運搬用コンテナに収納する野菜などの農作物の収納率を向上するための作物収納用補助具を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
野菜などの農作物は作物運搬用コンテナに収納し、この作物運搬用コンテナをトラックや貨物列車などで産地から全国の都市部へ搬送している。野菜としてはじゃが芋、長芋、さつま芋などの芋類、キャベツ、南瓜、人参、ゴボウ、玉葱などがある。
作物運搬用コンテナとしては、前述の野菜を大量に運送するために強度を必要とするので、例えば農業用の鉄コンテナが用いられている。鉄コンテナは、例えば鋼板型材で格子状に形成した枠体で、上面開口の箱型形状に形成している。各枠体の内面は、野菜が傷つかない樹脂製のネットや、通気性のある金網や丸鋼メッシュなどの網状体を取付けている。
【0003】
農作物を鉄コンテナに収納するには種々の方法がある。例えば芋や玉葱などの農作物は収穫機械に鉄コンテナを積載し、農作物を収穫機械で一度に大量に収穫しながら直接鉄コンテナへ投入する。あるいは、手作業で農作物を鉄コンテナに投入する。
さらに別の方法としては、農作物を集積場などに集めておく。この集積場には複数の鉄コンテナがレール上で農作物収納エリアへ移動可能に配置されている。一方、集積場の農作物はコンベアにて前述の農作物収納エリアの鉄コンテナの上方位置へ搬送される。農作物はコンベアの先端から下方に配置した鉄コンテナへ落下して投入される。農作物を収納完了した鉄コンテナは次工程へ移動される。同時に、次の鉄コンテナが農作物収納エリアへ移動され、前述と同様に連続して農作物の収納作業が行われる。
【0004】
農作物をコンテナ内に収納する充填装置としては、特許文献1に示すように、農作物を所定方向に搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの送出側端部の下方に前記所定方向と交差すべく配置されるとともに、正逆回動によって農作物を両送出側端部の各々から送出可能な送出コンベヤと、該送出コンベヤの両送出側端部の各々の下方に配置されるコンテナ載置部とを具備する農作物用搬送収納装置がある。
【0005】
前記送出コンベヤには、この送出コンベヤをその送出方向にスライドさせることで、コンテナ内への農作物の送出位置を可変させて、コンテナ内に蓄積される農作物の上面を平坦状にするスライド機構が備えられる。また、コンテナ載置部の各々には、コンテナ内に蓄積される農作物の量が増加するにしたがって、このコンテナ載置部を下降可能な昇降機構が備えられる。さらに、送出コンベヤの送出側端部には、その下方のコンテナ内の農作物までの距離を検出する農作物検出部が設けられる。昇降機構は、農作物までの距離が設定値以内になると、コンテナ載置部を下降させるように制御されている。
【0006】
この農作業搬送収納装置では、送出コンベヤのスライド機構とコンテナの昇降機構により農作物の落下高さを農作物の蓄積状態に応じて低くすることができる。しかも、送出コンベヤのスライド機構で水平方向の送出位置を可変して、コンテナ内に蓄積された農作物の上面を略平坦状にすることができる。したがって、コンテナ内で農作物が山状に積上げられ、それが崩れて農作物を傷めるということがない上、コンテナの内容量を有効に利用することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】 特許第3408497号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0008】
農作物をコンベアにより搬送して鉄コンテナに収納する一般的な方法においては、芋や玉葱などの農作物を鉄コンテナの開口付近まで投入していくと、山形状に積み上げられていき、鉄コンテナの上縁から外側へこぼれ落ちることになる。このような事態をなくすために、農作物が鉄コンテナからこぼれ落ちる前に農作物の投入をストップする必要があった。その結果、鉄コンテナに投入された農作物は、平らにすると、例えば鉄コンテナの収納容積の80〜90%程度になる。収納容積のほぼ100%まで収納するには手作業にて農作物を補充することになるので、人件費のアップと作業効率の低下並びに出荷時間の遅れとなる。
【0009】
一方、農作物を補充せずに鉄コンテナの容積の80〜90%程度で出荷すると、例えば鉄コンテナをレンタルしている場合、レンタル料の10〜20%程度が無駄になる。例えば鉄コンテナの容積の90%で出荷すると、10回の運搬で鉄コンテナ1台分のレンタル料が無駄になる。実際、出荷時に使用する鉄コンテナは100台単位であり、200台、あるいはそれ以上の台数を使用するので、前述の様々な理由から改善する必要があった。
【0010】
特許文献1においては、農作物を傷つけることなくコンテナ容積に対する農作物の収納率を向上できるが、収納装置の構造上、高価な設備が必要となってくる。また、収納装置の構造上、コンテナの大きさや形状はほぼ一定になるので、コンテナの大きさや形状の種類の変化に対して柔軟に対応することはできない。
【0011】
本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであって、作物運搬用コンテナに収納する農作物の収納率を向上するための作物収納用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の考案は、作物運搬用コンテナの上枠の上面に着脱可能に取り付ける作物収納用補助具である。前記コンテナの上面開口を形成する上枠の上面に沿って延伸する補助枠体と、前記補助枠体の下面の複数個所でコンテナの上枠に着脱可能に形成した装着部と、で構成することを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の考案は、上記1項において、前記装着部は、コンテナの上枠に嵌合する断面コ字状の取付け具と、この取付け具の下面に形成した、前記コンテナの上枠に吸着可能な磁石と、で構成することを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の考案は、上記1項において、前記補助枠体は、全周を緩衝材で被覆していることを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の考案は、上記1項において、前記装着部は、コンテナの上枠に嵌合する断面コ字状の取付け具と、この取付け具の下面に形成した前記コンテナの上枠に吸着可能な磁石とで構成されているとともに、前記装着部の取付け具における該コンテナの上枠の外側に位置する外側片には、把持部が形成されていることを特徴としている。
【考案の効果】
【0016】
本考案の請求項1によれば、作物をコンテナに収納する前に、作物収納用補助具の各装着部をコンテナの上枠に取り付けると、補助枠体がコンテナの上枠の上面の全周に簡単に固定される。この状態で、作物が補助枠体から外へこぼれ落ちない程度に作物をコンテナに投入する。次いで、コンテナに投入された作物を平らにすると、作物はコンテナの収納容積のほぼ100%まで収納される。この後、作物収納用補助具をコンテナから簡単に取り外すことができるので、手作業の手間がかかることなく、作物をコンテナに満杯になるまで投入することができる。この結果、コンテナの収納容積を無駄なく使用できるので、例えばコンテナのレンタル料や運搬費などの経費を削減できる。
さらに、作物収納用補助具は、簡単な構造であるので安価であり、コンテナの大きさや形状の種類に柔軟に対応することができる。
【0017】
本考案の請求項2によれば、作物収納用補助具は、断面コ字状の取付け具によってコンテナの上枠に安定した状態で嵌合し、磁石の吸着力によってコンテナの上枠の上面に簡単に着脱可能となる。
【0018】
本考案の請求項3によれば、補助枠体の全周を緩衝材で被覆することで、作物への衝撃をやわらげるので作物の損傷を軽減できる。
【0019】
本考案の請求項4によれば、作物収納用補助具は、把持部をつかんでコンテナの上枠の上面から簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本考案に係る作物収納用補助具の斜視図である。
【図2】図1の矢視II−II線の断面図である。
【図3】図2の矢視III−IIIの断面図である。
【図4】取付け具における断面コ字状の外側片に形成した把持部の一例を示す斜視図である。
【図5】本考案に係る作物収納用補助具を鉄コンテナに装着する前の状態を示す斜視図である。
【図6】本考案に係る作物収納用補助具を鉄コンテナに装着した状態を示す斜視図である。
【考案を実施するための形態】
【0021】
以下、本考案の実施形態に係る作物収納用補助具について図面を参照して説明する。
作物収納用補助具1は、例えば収穫したじゃが芋や玉葱などの農作物を作物運搬用コンテナ40に投入する前に、作物運搬用コンテナ40の上枠に取り付けるものである。
作物運搬用コンテナ40は、農作物を大量に運送するために強度を必要とするので、例えば農業用の鉄コンテナ40が用いられている。本実施形態では鉄コンテナ40を例にとって説明する。
【0022】
鉄コンテナ40は、図5に示すように、例えば鋼板型材で格子状に形成した4つの側面枠体41,・・・,41と底面枠体42で、上面開口43の箱型形状に形成している。鉄コンテナ40は、底面枠体42の下にフォークリフトの爪部を差し込むためのフォークポケット44が形成されている。4つの各側面枠体41は、上枠41aと下枠41bと両側の側枠41c,41dとで四角形状を形成し、この側面枠体41の内部は例えば鋼板型材などの格子41eで格子状に形成している。
底面枠体42は4つの底枠42a,・・・,42aで四角形状を形成し、基本的に前記の側面枠体41と同様に鋼板型材などの格子42bで格子状に形成している。また、各枠体41,・・・,41,42の内面は、野菜が傷つかない樹脂製のネットや、通気性のある金網や丸鋼メッシュなどの網状体45を取付けている。
【0023】
作物収納用補助具1は、図5および図6に示すように、鉄コンテナ40の上面開口43を形成する4つの各上枠41a,・・・,41aの上面に着脱可能に取り付ける4つの分割作物収納用補助具10,・・・,10で構成している。各分割作物収納用補助具10,・・・,10は同様の構成であるので、一つの分割作物収納用補助具10について詳しく説明する。
【0024】
分割作物収納用補助具10は、図1に示すように、鉄コンテナ40の上枠41aの上面に沿って延伸する補助枠体20と、この補助枠体20の下面の複数個所で鉄コンテナ40の上枠41aに着脱可能に形成した装着部30と、で構成している。本実施形態では2か所の装着部30,30を形成しているが、上枠41aの長さに応じて適宜間隔で3か所以上の装着部30,・・・,30を形成してもよい。
【0025】
補助枠体20は、本実施形態では塩化ビニルなどの樹脂製の断面円形のパイプ21と、このパイプ21の全周を被覆する緩衝材22と、で構成されている。
補助枠体20は、基本的には強度を確保できれば軽量であることが望ましいが、断面形状が中空あるいは中実であっても、円形や四角形や多角形であっても、どのような形状であってもよい。さらに、材質は樹脂ではなく、アルミニウムなどの金属製であってもよい。
【0026】
また、緩衝材22は無くても補助枠体20の機能を有するが、緩衝材22は作物への衝撃をやわらげるので作物の損傷を軽減できる点で、設けることが望ましい。緩衝材22としては、発砲スチロールやウレタンフォームなどの樹脂製があるが、その他の材質であってもよい。
【0027】
装着部30は、図1ないしは図3に示すように、鉄コンテナ40の上枠41aに嵌合する断面コ字状の取付け具31と、この取付け具31の下面に形成した鉄コンテナ40の上枠41aに吸着可能な磁石32と、で構成することができる。
【0028】
取付け具31は、図3に示すように、本実施形態では断面コ字状の中央片31aが補助枠体20の下面に複数のねじ33によってパイプ21に固定されている。また、前述の断面コ字状のうち、鉄コンテナ40の外側に嵌合される外側片31bが、鉄コンテナ40の内側に嵌合される内側片31cより長く形成している。外側片31bが長いことで、分割作物収納用補助具10を上枠41aから取り外す際に手で把持して取り外し易くなる。この理由で、取付け具31は、図4に示すように、例えば外側片31bの下端側を外側に折り曲げるなどして把持部31dを形成することで、よりいっそう手で把持しやすくなり、取り外し易くなる。
なお、取付け具31は、断面コ字状の外側片31bが内側片31cと同じ長さであっても、断面L字形状であっても、他の形状であってもよく、特に限定されない。
【0029】
磁石32は、図1ないしは図3に示すように、取付け具31における断面コ字状の中央片31aの下面に固定されている。磁石32は、本実施形態では円柱形ネオジム磁石を使用しているが、磁石の種類や形状や大きさは特に限定されない。磁石32は形状や大きさによって吸着力が種々異なるので、分割作物収納用補助具10が実際に作物から受ける力や分割作物収納用補助具10の着脱し易さなどを考慮して磁石32を選定することが望ましい。
【0030】
以上のように、分割作物収納用補助具10は、断面コ字状の取付け具31によって鉄コンテナ40の上枠41aに安定した状態で嵌合し、磁石32の吸着力によって鉄コンテナ40の上枠41aの上面に簡単に着脱可能となる。
【0031】
次に、本実施形態の作物運搬用コンテナ40における作物収納用補助具1の作用について、特に図1の分割作物収納用補助具10を例にとって図面を参照して説明する。
分割作物収納用補助具10は、2つの各装着部30の断面コ字状の取付け具31を鉄コンテナ40の上枠41aの上面から嵌合させると、磁石32の吸着力で鉄コンテナ40の上枠41aの上面に簡単に吸着され、図6に示すように固定される。他の分割作物収納用補助具10も同様にして鉄コンテナ40の上枠41aの上面に取り付けられる。
【0032】
したがって、作物を鉄コンテナ40に収納する前に、作物収納用補助具1の各分割作物収納用補助具10,・・・,10を前述のように鉄コンテナ40の上枠41a,・・・,41aに取り付けると、各補助枠体20,・・・,20が鉄コンテナ40の上面開口43を形成する上枠41a,・・・,41aの上面の全周に簡単に固定される。
【0033】
この状態で、作物が補助枠体20から外へこぼれ落ちない程度に作物を鉄コンテナ40に投入する。次いで、鉄コンテナ40に投入された作物を平らにすると、作物はコンテナ40の収納容積のほぼ100%まで収納される。この後、作物収納用補助具1をコンテナ40から簡単に取り外すことができるので、手作業の手間がかかることなく、作物を鉄コンテナ40に満杯になるまで投入することができる。
この結果、鉄コンテナ40の収納容積を無駄なく使用できるので、例えば鉄コンテナ40のレンタル料や運搬費などの経費を削減できる。
【0034】
さらに、作物収納用補助具1は、簡単な構造であるので安価であり、鉄コンテナ40の大きさや形状の種類に柔軟に対応することができる。例えば、分割作物収納用補助具10は、鉄コンテナ40の上枠41aの長さに合わせて簡単に製作できる。あるいは複数の分割作物収納用補助具10,・・・,10を継ぎ合わせて鉄コンテナ40の各上枠41a,・・・,41aの長さに対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本考案は、農業用コンテナを製造する農業用コンテナ製造および販売業、農業などの広範囲の分野において、利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0036】
1 作物収納用補助具
10 分割作物収納用補助具
20 補助枠体 21 パイプ
22 緩衝材
30 装着部 31 取付け具
31a 中央片 31b 外側片
31c 内側片 31d 把持部
32 磁石 33 ねじ
40 鉄コンテナ(作物運搬用コンテナ)
41 側面枠体 41a 上枠
41b 下枠 41c,41d 側枠
41e 格子
42 底面枠体 42a 底枠
42b 格子 43 上面開口
44 フォークポケット 45 網状体
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6 
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