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繊維・紙
 
【考案の名称】折畳み式抱っこ紐
【実用新案権者】
【識別番号】506364536
【氏名又は名称】上田 三奈
【住所又は居所】大阪府吹田市江坂町3丁目64−7−103
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100094190
【氏名又は名称】小島 清路
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100117134
【氏名又は名称】萩野 義昇
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100111752
【氏名又は名称】谷口 直也
【考案者】
【氏名】上田 三奈
【住所又は居所】大阪府吹田市江坂町3丁目64−7−103
【要約】
【課題】
軽量であり、装脱着が容易であるとともに装着者への負担が少なく且つ折畳んで持ち運ぶことができる乳幼児用の折畳み式抱っこ紐を提供する。
【解決手段】
本考案の抱っこ紐1は、(A)装着者の腹側及び背中側に交差部が形成されるように、腹側交差部Aのみが縫製により固定された2本の幅50〜250mmの環状帯体21、22と、(B)腹側交差部Aの上方において環状帯体21、22に縫製により固定された、乳幼児の背中を支える背当て部3と、(C)ストッパ部41と一端が輪状のゴム紐42とからなり、背当て部3の上縁31の長さを調整することができる折畳み形態保持用紐体4と、を備えており、抱っこ紐1を折畳んだ際、折畳まれた抱っこ紐1を紐体4の輪状部分に挿通することで、折畳まれた状態がゴム紐42の張力により保持される。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児用の折畳み式抱っこ紐であって、
(A)装着者の腹側及び背中側に交差部が形成されるように、該腹側の交差部のみが縫製により固定された2本の環状帯体と、
(B)前記腹側の交差部の上方において前記環状帯体に縫製により固定された、乳幼児の背中を支える背当て部と、
(C)前記環状帯体又は前記背当て部に形成された折畳み形態保持用紐体と、を備えており、
前記各環状帯体はそれぞれ一本の帯体がねじれた状態で環状となっており、且つ本折畳み式抱っこ紐を折畳んだ際に、折畳まれた状態が前記折畳み形態保持用紐体により保持されることを特徴とする折畳み式抱っこ紐。
【請求項2】
前記環状帯体の幅が、50〜250mmである請求項1に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項3】
前記背当て部の上縁の長さが調節可能となっている請求項2に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項4】
前記折畳み形態保持用紐体が前記背当て部に形成されており、該折畳み形態保持用紐体により該背当て部の上縁の長さを調節できる請求項2に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項5】
前記折畳み形態保持用紐体が前記背当て部の上縁に形成された長尺状の紐通し穴に挿通されている請求項4に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項6】
前記折畳み形態保持用紐体は、ストッパ部と該ストッパ部に一端が輪状となるように挿通されたゴム紐とからなり、該ゴム紐の他端は前記背当て部の上縁の紐通し穴に挿通され縫製により固定されており、該ストッパ部を移動させることにより前記背当て部の上縁の長さを調整することができ、且つ本折畳み式抱っこ紐を折畳んだ際に、折畳まれた本抱っこ紐を前記ゴム紐の輪状部分に挿通し、該輪状部分の張力により折畳まれた状態が保持される請求項5に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項7】
前記環状帯体の幅が、70〜200mmである請求項6に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項8】
前記環状帯体の幅が、80〜150mmである請求項6に記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項9】
前記環状帯体及び背当て部が、共にキルティング加工された布地からなる請求項6乃至8のいずれかに記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項10】
前記環状帯体及び前記背当て部の少なくとも一部に、ポケットが形成されている請求項6乃至9のいずれかに記載の折畳み式抱っこ紐。
【請求項11】
前記環状帯体及び前記背当て部の少なくとも一部に、輪状の引掛け部が形成されている請求項6乃至10のいずれかに記載の折畳み式抱っこ紐。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、折畳み式抱っこ紐に関する。更に詳しくは、本考案は、軽量であり、装脱着が容易であるとともに装着者への負担が少なく且つ折畳んで持ち運ぶことができる乳幼児用の折畳み式抱っこ紐に関する。
【背景技術】
従来より、多種多様のデザインや素材の抱っこ紐が製造され、実用に供せられている(例えば、特許文献1及び2等参照。)。
しかしながら、従来の抱っこ紐には、バックル等の留具による固定箇所が多数存在し、装脱着する方法が複雑なものが多く、装脱着の際に手間がかかったり、その際の音や振動で乳幼児が寝ているのを起こしてしまったり、乳幼児の皮膚や衣服がその留具に挟まれたりすることがあった。そのため、装脱着がより容易であり、留具の少ないものが求められている。また、抱っこ紐を長時間装着する際には、本体の重量が重いほど装着者の肩等への負担が大きく、より軽量なものが求められている。更には、本体の形状が固定されているものが多く、装着していない場合の持ち運びに不便であり、折畳み式のものを求める声もある。
【特許文献1】
特開2001−327369号公報
【特許文献2】
特開2005−120552号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、前記実情に鑑みてなされたものであって、軽量であり、装脱着が容易であるとともに装着者への負担が少なく且つ折畳んで持ち運ぶことができる乳幼児用の折畳み式抱っこ紐を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
本考案は、以下のとおりである。
[1]乳幼児用の折畳み式抱っこ紐であって、
(A)装着者の腹側及び背中側に交差部が形成されるように、該腹側の交差部のみが縫製により固定された2本の環状帯体と、
(B)前記腹側の交差部の上方において前記環状帯体に縫製により固定された、乳幼児の背中を支える背当て部と、
(C)前記環状帯体又は前記背当て部に形成された折畳み形態保持用紐体と、を備えており、
前記各環状帯体はそれぞれ一本の帯体がねじれた状態で環状となっており、且つ本折畳み式抱っこ紐を折畳んだ際に、折畳まれた状態が前記折畳み形態保持用紐体により保持されることを特徴とする折畳み式抱っこ紐。
[2]前記環状帯体の幅が、50〜250mmである上記[1]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[3]前記背当て部の上縁の長さが調節可能となっている上記[2]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[4]前記折畳み形態保持用紐体が前記背当て部に形成されており、該折畳み形態保持用紐体により該背当て部の上縁の長さを調節できる上記[2]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[5]前記折畳み形態保持用紐体が前記背当て部の上縁に形成された長尺状の紐通し穴に挿通されている上記[4]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[6]前記折畳み形態保持用紐体は、ストッパ部と該ストッパ部に一端が輪状となるように挿通されたゴム紐とからなり、該ゴム紐の他端は前記背当て部の上縁の紐通し穴に挿通され縫製により固定されており、該ストッパ部を移動させることにより前記背当て部の上縁の長さを調整することができ、且つ本折畳み式抱っこ紐を折畳んだ際に、折畳まれた本抱っこ紐を前記ゴム紐の輪状部分に挿通し、該輪状部分の張力により折畳まれた状態が保持される上記[5]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[7]前記環状帯体の幅が、70〜200mmである上記[6]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[8]前記環状帯体の幅が、80〜150mmである上記[6]に記載の折畳み式抱っこ紐。
[9]前記環状帯体及び背当て部が、共にキルティング加工された布地からなる上記[6]乃至[8]のいずれかに記載の折畳み式抱っこ紐。
[10]前記環状帯体及び前記背当て部の少なくとも一部に、ポケットが形成されている上記[6]乃至[9]のいずれかに記載の折畳み式抱っこ紐。
[11]前記環状帯体及び前記背当て部の少なくとも一部に、輪状の引掛け部が形成されている上記[6]乃至[10]のいずれかに記載の折畳み式抱っこ紐。
【考案の効果】
本考案の折畳み式抱っこ紐は、軽量であり且つねじれた状態で環状となっている環状帯体から形成されているため、帯体の幅広な面のみが装着者の身体に接し、帯体が肌に食い込んだりせず負担が少ない。また、装脱着が容易であるうえ、軽量であり且つ折畳み式であるため持ち運びにも便利である。
また、環状帯体の幅が50〜250mmである場合には、帯体が肌に食い込んだりせず、装着者の肩等への負担をより少なくすることができる。
更に、背当て部に形成された折畳み形態保持用紐体等により、上縁の長さが調節可能となっている場合には、抱っこする乳幼児の体長に合わせて、乳幼児の首もとの開口具合を容易に調整することができる。
また、折畳み形態保持用紐体がストッパ部を備え且つ一端が輪状のゴム紐からなる場合、その輪状部分に折畳まれた抱っこ紐を挿通し、その輪状部分の張力によって、折畳まれた状態を容易に保持することができ、持ち運びにも便利である。
更に、環状帯体の幅が70〜200mm(特に、80〜150mm)である場合には、帯体が肌に食い込んだりせず、装着者の肩等への負担をより少なくすることができる。
また、環状帯体及び背当て部が、キルティング加工された布地からなる場合には、強度に優れ且つより軽量な折畳み式抱っこ紐とすることができる。
更に、環状帯体及び背当て部の少なくとも一部に、ポケットが形成されている場合には、ガーゼ、ティッシュ等を収納でき便利である。
また、環状帯体及び背当て部の少なくとも一部に、輪状の引掛け部が形成されている場合には、乳幼児用のおしゃぶりや玩具をぶら下げることができる。
【考案を実施するための最良の形態】
以下、本考案を、更に詳しく説明する。
本考案の折畳み式抱っこ紐(以下、単に「抱っこ紐」ともいう。)は、2本の環状帯体と、背当て部と、折畳み形態保持用紐体と、を備えている。
前記「2本の環状帯体」は、本抱っこ紐を装着した際に、装着者の腹側及び背中側に交差部(図1における「腹側交差部A」及び図2における「背中側交差部B」参照)が形成されるように配置され、且つ腹側の交差部のみで縫製により固定されている。尚、この腹側交差部において、乳幼児の臀部が支えられる(図10参照)。
また、前記環状帯体は、それぞれ一本の帯体がねじれた状態で環状となっており、このねじれた部分(以下、「ねじれ部」ともいう。)は、装着者の横腹に沿うように形成されており、装着者の横腹から乳幼児の股部付近にかけて配置されるように装着される(図1、図2、図10及び図11における「ねじれ部2A、2B」参照)。本考案の抱っこ紐においては、装着者の肩、背中及び横腹に対して環状帯体が幅広な部分のみで接することになり、環状帯体が肌に食い込んだりせず、装着者への負担が少ない。また、このねじれ部の存在により、抱っこされる乳幼児の太腿や股部に対しても環状帯体の幅広な部分が接することになるため、乳幼児への負担も少ない。
前記環状帯体の幅は特に限定されず、装着者の体型に合わせて適宜調整することができる。具体的には、この幅は、例えば、50〜250mm、特に70〜200mm、更には80〜150mmとすることができる。この幅が、50〜250mmである場合には、帯体が肌に食い込んだりせず、装着者の肩等への負担をより少なくすることができる。尚、帯体の幅は、全て同じ長さであってもよいし、部分的に異なっていてもよい。
前記「背当て部」は、乳幼児の背中、更には首や頭を支える部分であり、本抱っこ紐における腹側の交差部の上方において、具体的には、本抱っこ紐を装着した際に2本の環状帯体とその交差部(腹側)とにより形成されるV字ゾーンにおいて、環状帯体に縫製により固定されている(図1における「背当て部3」を参照)。
前記背当て部の形状は特に限定されず、乳幼児の背中付近を支えることが可能であればよい。また、この背当て部においては、上縁の長さが調節可能となっていることが好ましい。この場合、乳幼児の体長に合わせて、乳幼児の首もとの開口具合を容易に調整することができる。
また、この上縁の長さを調節可能とする構成は特に限定されず、例えば、紐体やゴム紐等を用いた構成とすることができる。具体的には、上縁に形成された長尺状の紐通し穴にゴム紐を挿通し、ゴム紐の両端を縫製により固定して、その張力により開口具合を調整する構成等とすることができる。更には、後述の折畳み形態保持用紐体を用いた構成とすることができる。
また、前記背当て部は、(i)2本の環状帯体の両方に縫製により固定されていてもよいし、(ii)一方の環状帯体に縫製により固定されており、他方の環状帯体にファスナ等により取り外し可能に形成されていてもよい。一端側が取り外し可能となっている場合には、乳幼児を抱っこ紐に収納したり、抱っこ紐から外したりするのが容易となる。
前記環状帯体及び背当て部の材質は特に限定されないが、例えば、木綿、ナイロン、ポリエステル及びシルク等の布地、更にはそれらの布地にキルティング加工を施した布地等を挙げることができる。これらのなかでも、キルティング加工された布地が強度に優れ且つ軽量であるという観点から好ましい。尚、前記環状帯体及び背当て部の材質は同一であってもよいし、異なっていてもよいが、共にキルティング加工された布地からなることが好ましい。
前記「折畳み形態保持用紐体」は、環状帯体又は背当て部に形成され、本抱っこ紐を折畳んだ際に、折畳まれた状態がこの折畳み形態保持用紐体により保持される。
折畳み形態保持用紐体の構成は、抱っこ紐を折畳んだ状態を保持できるものであれば、特に限定されない。例えば、(i)ゴム紐等の紐体の一端が輪状の弾性体により形成されており、その輪状部分の張力により折畳み形態を保持できるものや、(ii)前記紐体の一端にボタン、バックル及び面ファスナ等の留具が形成されたものを用いて、予め所定の位置に形成されたそれらの留具に対応する留具により折畳み形態を保持できるもの等が挙げられる。
具体的な折畳み形態保持用紐体としては、例えば、ストッパ部とこのストッパ部に一端が輪状となるように挿通されたゴム紐とからなり、折畳まれた抱っこ紐をゴム紐の輪状部分に挿通し、輪状部分の張力により折畳まれた状態を保持できるもの(図1における「折畳み形態保持用紐体4」参照)が挙げられる。尚、この場合、ゴム紐の他端は前記背当て部の上縁に形成された紐通し穴に縫製により固定され、且つこのストッパ部を移動させることにより前記背当て部の上縁の長さを調整することができる。
また、本抱っこ紐においては、前記環状帯体及び背当て部の少なくとも一部にポケットを形成することができる。
前記「ポケット」の形状は特に限定されず、ボタン、面ファスナ、ファスナ等により開閉可能に形成されていてもよい。このポケットの配設位置は特に限定されないが、装着者の腹側(前方側)に形成されることが好ましい。また、形成されるポケットの数は特に限定されず、1つのみであってもよいし、2つ以上形成されていてもよい。このようなポケットが形成されている場合には、ガーゼ、ティッシュ等を収納でき便利である。
また、本抱っこ紐においては、前記環状帯体及び背当て部の少なくとも一部に輪状の引掛け部を形成することができる。
前記「引掛け部」の構成は特に限定されず、例えば、樹脂や金属製のリングを縫いつけたものであってもよいし、布や紐等の繊維によりループを形成したものであってもよい。この引掛け部の配設位置は特に限定されないが、装着者の腹側(前方側)に形成されることが好ましい。また、形成される引掛け部の数は特に限定されず、1つのみであってもよいし、2つ以上形成されていてもよい。このような引掛け部が形成されている場合には、乳幼児用のおしゃぶりや玩具をぶら下げることができる。
また、本抱っこ紐においては、抱っこ紐の隙間からの乳幼児の落下を防止するための補助帯が環状帯体に形成されていてもよい。この補助帯の形成位置は特に限定されないが、例えば、乳幼児の右腕と右足の間、及び左腕と左足の間の隙間をなくすように、装着者の左右の横腹付近において、前後の環状帯体を橋架けするように形成されることが好ましい。また、補助帯の構成は特に限定されないが、腹側及び背中側の環状帯体を橋架けでき、面ファスナやボタン等により接続固定可能なものが好ましい。
以下、図面を参照して、本考案について更に詳細に説明する。
<第1実施形態>
[1]折畳み式抱っこ紐の構成
以下、本考案の実施形態について図1及び図2を参照しつつ具体的に説明する。ここで、図1及び図2は本考案の抱っこ紐の構成を説明する模式図を示している。
図1及び図2に示すように、抱っこ紐1は、(A)環状帯体21、22と、(B)背当て部3と、(C)折畳み形態保持用紐体4とを備えている。
環状帯体21、22は、それぞれ、一本の帯体〔キルティング加工された木綿製の布地(幅;120〜130mm)〕がねじれた状態で環状となっており、装着者の腹側及び背中側に交差部A、Bが形成されるように配置され、腹側交差部Aのみで縫製により固定されている。尚、環状帯体21におけるねじれ部2A、及び環状帯体22におけるねじれ部2Bは、図10及び図11に示すように、抱っこ紐を装着した際、装着者の横腹から乳幼児の股部付近にかけて幅広な面が配置されるように装着される。
背当て部3は、乳幼児の背中、更には首や頭を支える部分であり、キルティング加工された木綿製の布地からなり、抱っこ紐1を装着した際に2本の環状帯体21、22とその腹側交差部Aとにより形成されるV字ゾーンにおいて、各環状帯体21、22に縫製により固定されている。
また、背当て部3の上縁31には、折畳み形態保持用紐体4を挿通させるための長尺状の紐通し穴(図示せず)が形成されている。
折畳み形態保持用紐体4は、ストッパ部41と、このストッパ部41に一端が輪状となるように挿通されたゴム紐42とからなり、ゴム紐42の他端は前記背当て部3の上縁31に形成された紐通し穴の奥で縫製により固定されている。そして、抱っこ紐1においては、このストッパ部41を移動させることにより、背当て部3の上縁31の長さを調整することができる。また、折畳み式抱っこ紐1を折畳んだ際に、折畳まれた抱っこ紐1を紐体4の輪状部分に挿通し、その輪状部分の張力により折畳まれた状態を保持することができる。
第1実施形態によれば、図10及び図11に示すように、抱っこ紐を装着した際、ねじれ部2Aを有する環状帯体21、及びねじれ部2Bを有する環状帯体22の幅広な面のみが装着者の身体に接し、これらの帯体21、22が肌に食い込んだりせず、装着者の肩等への負担が少ない。
また、背当て部3の上縁31の紐通し穴に挿通された折畳み形態保持用紐体4のストッパ部41により、上縁31の長さが調節可能となっており、乳幼児の体長に合わせて、乳幼児の首もとの開口具合を容易に調整することができる。
更に、抱っこ紐1を折畳んだ際、折畳み形態保持用紐体4の輪状部分に、折畳まれた抱っこ紐1を挿通し、その輪状部分の張力によって、折畳まれた状態を容易に保持することができるので、持ち運びにも便利である。
[2]折畳み式抱っこ紐の折畳み方法
前記第1実施形態の抱っこ紐は、下記(1)〜(7)のようにして折畳むことができる。尚、この折畳み方法については、図2及び図4〜図9を参照しつつ説明する。
(1)図2に示すように、背中側交差部Bが上面となるように抱っこ紐を配置する。
(2)各環状帯体21、22の背中側交差部B付近をつまみあげ、図2に示す矢印方向へ倒し、図4に示す形態とする。
(3)各環状帯体21、22の端部を、図4に示す矢印方向へ倒し、図5に示す形態とする。
(4)環状帯体22側を、図5に示す矢印方向へ倒し、図6に示す形態とする。
(5)環状帯体21側を、図6に示す矢印方向へ倒し、図7に示す形態とする。
(6)図7における抱っこ紐の左側端部から右側へ丸めて、図8に示す形態とする。
(7)ストッパ部41をスライドさせ、ゴム紐42における輪状部分の輪の大きさを調整し、図9に示すように折畳まれた抱っこ紐を輪状部分に挿通し、この輪状部分の張力により折畳まれた抱っこ紐を固定する。
<第2実施形態>
本考案の第2実施形態について図3を参照しつつ説明する。尚、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、構造及びその作用効果等の説明を省略する。
この第2実施形態の抱っこ紐10においては、背当て部3にポケット5が形成されている点、及び、環状帯体21、22に、それぞれ、引掛け部6A、6Bが形成されている点において、第1実施形態と異なっている。
ここで、図3は、正面側から見た際の折畳み式抱っこ紐を説明する模式図を示す。
前記ポケット5は、V字形状であり、上方部が開口しており、環状帯体21、22及び背当て部3と同様にキルティング加工された木綿製の布地により形成されている。
前記引掛け部6A、6Bは、木綿製の布地によりループを形成したものである。
第2実施形態によれば、図3に示すように、背当て部3にポケット5を備えており、ガーゼやティッシュ等を収納しておくことができる。また、胸部(環状帯体21、22)に2つの引掛け部6A、6Bを備えており、乳幼児用のおしゃぶりやお気に入りの玩具をぶら下げることができる。
尚、本考案においては、図面によって説明した前記実施形態に限定されるものではなく、目的、用途に基づいて本考案の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。
例えば、前記第1及び第2実施形態(図1〜3参照)において、背当て部3の側部は、環状帯体21及び環状帯体22に縫製により固定されているが、どちらか一方の側部がファスナ等により接続固定されており、開閉可能に形成されていてもよい。この場合、乳幼児を抱っこ紐に収納したり、抱っこ紐から外したりするのが容易となる。また、前記第1及び第2実施形態において、抱っこ紐の隙間からの乳幼児の万が一の落下を防止するために補助帯が形成されていてもよい。具体的には、図12に示すように、装着者の左右の横腹付近において前後の環状帯体21、22を橋架けするように、ボタンにより係止可能な補助帯7A、7B(ボタンは図示せず)等が形成された抱っこ紐100であってもよい。この場合、乳幼児の万が一の落下も防止することができ、安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一例の抱っこ紐の構成(正面側)を説明する模式図である。
【図2】本考案の一例の抱っこ紐の構成(背面側)を説明する模式図である。
【図3】本考案の他例の抱っこ紐の構成(正面側)を説明する模式図である。
【図4】本考案の抱っこ紐の折畳み方法を説明する模式図である。
【図5】本考案の抱っこ紐の折畳み方法を説明する模式図である。
【図6】本考案の抱っこ紐の折畳み方法を説明する模式図である。
【図7】本考案の抱っこ紐の折畳み方法を説明する模式図である。
【図8】本考案の抱っこ紐の折畳み方法を説明する模式図である。
【図9】本考案の抱っこ紐の折畳み方法を説明する模式図である。
【図10】本考案の抱っこ紐の使用形態(正面側)を説明する模式図である。
【図11】本考案の抱っこ紐の使用形態(背面側)を説明する模式図である。
【図12】本考案の他例の抱っこ紐の構成(正面側)を説明する模式図である。
【符号の説明】
1、10、100;折畳み式抱っこ紐、21、22;環状帯体、2A、2B;ねじれ部、3;背当て部、31;上縁、4;折畳み形態保持用紐体、41;ストッパ部、42;ゴム紐、5;ポケット、6A、6B;引掛け部、7A、7B;補助帯、A;腹側交差部、B;背中側交差部。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
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